1908 :棒状コンデンサマイク、ココで高音質化 AMAZON NEEWER 140の例 | ShinさんのPA工作室

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未完成な棒状マイクの高音質化チューニングは「コの字」部分を攻めろ!

 

安価棒状コンデンサマイクはB社や成田系、中華系メーカーの十八番だがAKGやATまで参入して百花繚乱の感、あるときはサイドアドレス型大口径マイクのオマケだったりする。

今回のいけにえはAMAZONで有名な「NEEWER」のNW-410という激安ペアセット。

交換カプセル(単一、無指向、スーパー単一ECM)のセット、アルミトランク付で7,499円というものです。

NEEWER 140(AMAZONで¥7,499)

 

「NEEWER=ニーワー?」、なんて読むのか調べたところ「ニューワー」とのこと、ビデオ機材や写真撮影周辺機器が本業のようだ。

どうせ「シャー」ノイズの大きい高域のしゃくれ上がった安物だろう、と思いながら「ポチ」った。

翌日届いたものは良くも悪くも「おおむね予想通りの音」であった。

 

しかし分解調査してみると詰めの足りない未完成(作りっぱなし)商品ながら、かなり正直なマジメ設計であることが見えてきた。

そしてこの単一指向性の16mmカプセルはなんと3年前ブレークさせたあの「激安中華マイク」とまったく同一であることも判明した。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12123022225.html

 

3年前の、この2,300円の激安マイクはわずかな改造をするとAKG C-414XLSとの比較でも専門筋で予想外の評価、そして人知れず業務現場で使用されるなど異例の実績を持つのが特徴、あなどれない。

あのサイドアドレス型ではどうしても低域不足であったが「棒状」マイクならば構造上なんとかなるかもしれない、「イケる!」と踏んだ。

 

海外ブランドのこちらも同一激安品と見た https://www.amazon.com/gp/product/B012OHZJ8O/

 

 

 

双葉 回路を見ていきましょう

(現物から回路図を起こしました、細部相違など気づかれましたらどうぞご指摘ください)

ポイントは押さえられているが妙なこだわりもあるシンプルな回路が浮かび上がってきました。

 

 

双葉  3年前の「激安中華マイク」の反省か次の点に変化がみられます。

①まず外観、素材はきちんと真鍮、焼き付け塗装もしっかりしている。

②交換カプセルのつくりも案外まともです。

③基板のグレードが高い(安物基板ではないという意味)

④使用部品のグレードが高い(音響用パーツと交換しても差がない)

⑤ツェナーダイオードの使い方を慎重に改善させている。

⑥完全バランス型にこだわった回路となっているがこれは・・・

⑦中華製にはめずらしく、2番HOTである(あたりまえだが)

⑧ドレイン側の5.1kを短絡させれば初段(ECM 出力)ソースフォロワにもなる。

 

上記の通りかなり練られている、しかし「NEEWER」の金文字ロゴは個人的には見たくない。

 

なお⑥のECMインピーダンス変換部にゲインを持たせる方式の「完全バランス?」は理屈上正しいと思われるかも知れませんが優れた方式とは言えません、妙なこだわりとトータルのゲイン稼ぎでしょう。

今回、この部分はとりあえずこのままにしておきましたが本来やはりソースフォロワでしょう。

下記にて各メーカーの「電子バランス=ショップスバランス」コンデンサマイク」の比較を参照ください、この手の電子バランスは自殺行為となりますので皆無なのがわかります。

参考記事:  https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12349932357.html

 

 

16φの例のカプセルなら本来かなりハイグレードなマイクが出来上がるはずであるが改造前の個体は「激安残念マイク」そのものである。

 

 

双葉 問題点

1.なによりも真っ先に感ずる安物感を演じているのがこれだ。

ボディをゴソゴソしただけで妙な共振音が付いて回る。

そしてボディをたたくと「ポン、ポン」と・・・キミは音叉なのか?

 

2.カプセル(単一、無指向、スーパー単一)ともに「カプセル背面鳴き」がみられる。

 

 

 

双葉 筐体・基板の制振

(マイクボディを指でたたいてみた)

 

なんだこりゃ、共振音は440HZジャスト、波形もきれいな正弦波、やっぱり音叉だなこれは。

これじゃどんな収音にも背後霊みたいについて回る、退治しよう。

 

対策後は音叉のような共振ノイズは消え「トッ、トッ、」という音程を持たない叩き音になった。

(右上写真)

 

双葉 ケース鳴き対策(440HZ消し)

キルト芯による基板とポディ両方の「制振」、ビフォアー・アフター。

 

 

ダンピング材はいろいろと。

基板の制振には右上の「キルト芯」を使って基板を包んだ。

 

 

双葉 コの字部分の制振

(ファット感を求めて)

手芸用わた(化学わた)を用いて「コの字」部の制振をおこなう。

ここではAKG C-480B(CK-61)をリファレンスにしてチューニングをおこなった。

 

わたの量はまったく微妙なサジ加減となる、多くてもダメ、少なくてもダメ、そういう世界だ。

ポリ袋からピンセットで引っ張り出したままの繊維同士がぎっしりしていない「パラパラ・フワフワ」状態で使う必要がある、手で触ってダンゴのようになったものは廃棄。

 

純コットンの「脱脂綿」を使ってみたところ感度が落ちる。(今日は雨天)

原因はここのインピーダンスは1GΩ以上、わたに含んだ湿気(空気中の水分)で起こす絶縁不足による現象と推測、したがって必ず「化学綿」の必要がある。

 

「コの字」部吸音材料は過敏なため音響的に厳選、テストしています。代替品の使用はその時点でそこから先はご自分で終点までたどりつけることが前提となりましょう、不可能とは言いませんが前例に習うべきです。

                サゲサゲ↓

棒状単一指向性マイクのこの部分はマイクロホン設計者にとって「コの字部」と恐れられる鬼門。

棒状マイクロホン設計の最大難所といわれ、ここを制するのは完成度を決める腕の見せ所だと元設計者は話してくれました。

 

その結果、音はかなり変わり、「ファット感」がC-480に似てきた。ここまでくると目立つのはボイスの子音強調でもなく、歯擦音でもない五十音で言うならば「イ (i)」や「エ(e)」に現れやすい付帯音、これが安物感に通じている。

これを退治することにした。かといってハイエンドの落ちた音にはしたくない。

 

対策回路図

 

WIMA MKS-2の追加によるチューニング。

基板を「キルト芯」で包み、マイクケース筒と基板を同時に防振した。

 

 

 

双葉 このようにして最適化したこの激安コンデンサマイクのビフォアー・アフターは的確に雲泥の変貌を果たした。

 それは本来あるべきことを原理原則にもとづいて実施したにすぎない。

 

上側はNEEWER(ニューワー)NW-140、下側はAKG C-480B (CK-61コンビ)

 

価格差は税込価格 2本で7,499円、(1本約3,500円?)

それに対し1本9~10万円以上と2~30倍の開き、1本10万を「メチャ高い」とみるだろうか、むしろその価格がこの世界では普通なのです。

 

そして結果はそのAKG C-480と入れ替えてもわずかに低域が弱いもののまず判別の難しいレベルまでとなった、

判別できたとしても、マイク現物を見ない限り誰も「激安マイク」の音だとは思わないでしょう。

 

信じるも信じないもあなた次第・・・・・

 

 

 

双葉 そして こんなことを試みた。

カップリングコンを定番の「WIMA」MKS-2 に、そしてケミコンの交換を試みた。

 

それが見事に「なんにも変わらない」。

良い意味で期待を裏切ってくれた、このままでよさそうなので元に戻した。

 

 

 

落第ダメマイクのチューニングはツボさえ押さえればこのように面白いわけです。

「信頼おける製品を買ったほうが良い」という意見はやはり正しいです。

そういう方には絶対に向かないテーブルマジックです。

 

自分も公式の場ではC-480をきちんと使い、お座敷芸としては「改造マイクです」と前置きして披露します。

この改造で手の混んだニセモノを作るつもりはまったくありませんので。

 

また「3,500円」のマイクが決して10万円の高級機に化けるわけではありません、そこが「改造マイク」のおちいりやすい危険なポイントですので、節度と仁義を以て楽しむ事こそが本筋だと思います。

 

 

   以上

 

 

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fetⅡ、fetⅡi、fet3、
fetⅡ‐bright など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作) 

 

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