自分の声でマイクロホンやシステム全体を「オーバービュー」する方法にPAではワンツー・チェックがあります。
それなら「マイボイス・リアルタイムモニター」はそれとどう違うのか。
マイボイス・リアルタイムモニターはヘッドホンを用いて自分の声の返り音を見ます。
これは想像以上に微細な部分まで見えますのでマイクロホン評価の決定的ツールにしています。
なぜそんなことができるのでしょうか。
「マイクの特性は物理的評価では絶対に判断できない」
計測器による測定結果に重点を置いておられる方には申し訳ありませんが私の経験からこのように言い切れます。
なぜなら、それは諸元・スペックの一部、単なるデータに過ぎないからです。
だから活きた特性がリアルタイムで判断できる「マイボイス・リアルタイムモニター」を用いるのです。
4月の記事「1809 :Shin提唱、マイク評価法の決定版「マイボイス・リアルタイムモニター」とは」で紹介していますので併せてご参考ください。
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12368523863.html
この前回記事でも軽く触れているようにその高い弁別能力の秘密はヘッドホンモニターだけでなく、実は発声法にあります。
決して普通にしゃべりしません、それでは何の意味もありません。
[RCA-77DXを使用した音声波形] 指向性(U)
(説明の為「物理的な」音声波形を使っています)
「ワンツウ」は使わず「It's Fain today Test」を用います。
発声は男声、腹式呼吸、決して喉先・声帯から出さない。
(声楽のベルカント発声とはやや異なります)
胸振音を使い、音程を意識的に下げた発声で40~50HZ付近の表情まで観察できます。
人によってさらに低域まで観察できますが、女声では100〜200HZが限界となります。
上図の「It's Fain today Test」の赤線部分が胸振音です、ご覧の通りこの部分にエネルギーが集中しているのがわかります。
それは日本語の「母音」と妙に符合しています。
母音言語である日本語では、古くから「母音には言霊(ことだま)が宿る」といわれるようにマイクロホンのこの部分の表現力は決定的と言えます。
①の部分ではマイクを接続しヘッドホンで瞬間に感ずる「アレ」です。これだけでそのマイクの大方の性能が判断できる、暗騒音はそれほどに雄弁です。
②~⑧で構成されています。③⑥⑦では超低域成分が聴こえます、それはエンベロープからも監視できます。
②、⑧では可聴域、高域端のこのマイク独特の表情が見え、特に⑧では歯擦音の自然性を見ます。
以上から結果的にマイクロホンにとって最も重要な部分を受け持つもう一つの評価法としてこの官能評価法の信頼性の高さを信じております。
以上
(お知らせ)
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