1126 :北東北音響技術カンファレンスに参加してきました | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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2024年1月追記

 

震災を乗り越えた東北地方の音響家たちによる「北東北音響技術カンファレンス」が開催され主催者のご好意により参加・出展させていただく機会を頂きました。

(於:秋田県は田沢湖の畔にある仙北市民会館 2011.6,22~23)


ShinさんのPA工作室  

 

今回のテーマ「ネットワーク」、プロ音響はアナログからデジタルに信号もネットワークも変わった、しかし何よりも大切なのは「人と人のネットワーク」であろうという主催者の言葉の重みを実感した2日間でした。
 

各面々口々に、」ホールの倒壊は免れたが天井が落ちた・壁のヒビだけで済んだ、柱が全部曲がった、「補強工事」と云ったって・・・いつだれがどうやって・・・」客席まで水に浸かり「使用禁止」となった職場も・・・

「直す」と云ったってこのダメージは大きすぎる。

「どうすればいいんだオレたち」と、それ以上詳しく聞くことをためらう惨状の数々。


 

宿泊ホテルは1フロア貸切、酒盛り部屋を追い出されてさっきまで廊下で車座になっていた翌早朝、ケイタイのけたたましい「緊急地震速報」で飛び起きた。宮城・岩手と軒並み「4」、やはり心配になるのは家族のこと・・・・

 

「いまここは0.11マイクロシーベルトだ」と放射線計を肌身離さず、現在進行形の恐怖と闘いながら頑張っておられる福島県の音響家の姿の凄さと楽天性を少し分けてもらった。  
 

ShinさんのPA工作室

緊張感と充実感、最高のやりがいがここにある。


ShinさんのPA工作室

避難所の皆様招待のライブも

 

 

ShinさんのPA工作室

バラシ・撤収 この充実感のために俺たちは仕事をするんだ(ステキな笑顔がすべてを語っている、これこそが明日へのエネルギーの源だ)

(仮想反射板用のマイクfet-uⅡ 撤収中の様子

 


 

【Shinさんのブース】
他の居並ぶ音響メーカーと同じ場所にブースを構えるよりいっそホール内に開いた方がいい・・・と机をお借りした。

机の前には、前日に印刷したプレゼンシートをパネルに貼ったささやかなコーナー。

ShinさんのPA工作室

【客席 下手側出入り口近くに設けたShinさんブース】  

製作・紹介物の中で人気度の高いものだけを新幹線で運んできた。

 

(話題①) ところが・・・である。

同席した音響家たちダントツの興味は左側に展示した「LANケーブルで作った4chマルチケーブル」これを現場で使うことを事を想像されてか、一目惚れ度が良くわかる。

 

「半信半疑」なのか、みんな「誘導ノイズ」「クロストーク」など測定データまで興味深々と。

 

Shinが「UTPのカテゴリ5eでも(シールドなし)でも、ほらこんな具合ですよ」とデータを説明。

 

「いくらですか?」という方までおられてビックリした・・・


ShinさんのPA工作室
 

これは一昨年発表した「0907: LANケーブルをマルチケーブルにしちゃえ 

≪製作レシピと実用検証≫」http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10297857139.html  

の記事で製作したものだ(コネクタBOX込み15mケーブル付きでたったの 950g まるでアナログアンプとデジタルアンプの重量差ほどだ。

ちょっと使いたいとき8chはかさばるし重い、おまけに直出しのキャノンがブラブラしているのも怖い。

 

こちらの方は立ち上げケーブルが必要になるがむしろその方が取り扱いはラクだろう。

これなら使いやすさが目に見える、早い機会に30m以上の使用実績を得るつもりで引き続き開発を進めます。

 

 

(話題②)CM-5を改造して定番マイクの音に

次は980円のマイクCM-5の改造だが、クラシックプロのこのマイクを知らない技術者もいる。「どういう人が使うのか?」と質問がきた。

「まあアマチュアバンドのPAやMC用、一部カラオケ愛好家、練習スタジオや一部のライブハウスなどでは定番の激安マイクです、と説明。カタチがカタチなので関心しきり・・・(「ヨーロッパの新しいメーカーです」といっておけば良かったのかな)

 

「酔っ払いの宴会用、雨天の野外用かな」と、まーおっしゃる通りだがもっと普通に使えるんですけどネ。

 

(話題③)
ShinさんのPA工作室


今回現場に到着してみるとすでにこのように仕込んでくれてあった。

空気中を伝わった音ではなく絃と響板から生み出されるピアノ本来の音はこうして取り込むべきだ、とこの フリーバウンダリーXYステレオマイク 製作依頼者からレクチャーを受けた、ネズミ捕りのようなマイクだが異様さはない。

ストレートにピアノ・フォルテの豊かな音がこうして収音された。

 

(話題④)

この会場には「反射板」がない、クラシック系の演奏会ではいつも困るというホール管理者、そのみずから考案の「仮想反射板」が設置されていた。

面をイメージした複数の点はそれを結びあった「面」に等価だとするこの理論、すごい割り切りだがものは試し、舞台に立つときちんと反射板空間と思われる音響空間に立っているのが判る。いささかの違和感も不自然な響きもなく反射板の設置空間と変わらない。

 

この「仮想反射板システム」には「面を仮想構成」する4個のSPと奥側のバトンにはfet-uⅡ を2個、手前のバトンにはfet-uⅠ を2個(プロセニアムSP同一高)

ハウリングマージンも大きいためか素晴らしい結果を得ている。


 

【Shinさんの講演】 ^^;

急なご指名で壇上レクチャーすることに、「マイク作り」は好きだが「マイクの前でしゃべる」のは大の苦手分野。

演壇に小型卓を用意され興味深々のLANケーブルマルチの実演である。

BOXをセットし、LANケーブルを引く、15m上手側でマイクを接続して話を続ける・・・なにも起こらない、それでいいのだ。

 

CM-5の改造・・・まるで手品師の様に壇上で改造し、改造前品とAB比較、これは圧倒的な違いを見せ、インナースポンジの選択誤りはここまで音を変えることを実演した。

正面からの「音圧」成分と背面からの「速度成分」は逆相でなければならないが、スポンジひとつで同相となっているCM-5、激安にはちゃんと理由がある。

 

最後に・・・

ピアノに仕込んだXYフリーバウンダリーマイク で手塚氏の演奏が会場にリアルに響き渡りこのスタイルの未来を覗かせた。

 

予定の15分をやや超過し、慣れないレクチャーに穴があったら入りたい気分。

 

ひょうたんから駒LAN-マルチケーブル改良版を企画しています、キモは「小さく軽く、かさばらず」ですね、「エッ!これがマルチ?」っていうやつですね。

ハイハイわかってます、でも買うほど部品代かかっちゃダメでしょ・・・

 


 

貴重な機会をくださった主催者そしてスタッフの皆様ありがとうございます。


 

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【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
 

 

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

 

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