1004: ファンタム式パナ改マイク第2号 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

※ないものねだりこそ開発の原点だ※ 
※すべてのマイクロホンは発展途上の音響デバイスだ※
※百の議論より一つの事実※







© 2009-2024 Shin's PA workshop. All rights reserved.

この記事は2010年のものです。公開から13年以上経過している点にご留意ください。

2024年1月追記

 

ファンタム式パナ改マイクはこれ以降大きくバージョンアップされています

最新情報をこちらから入手してください

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10712274133.html

 

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━


 

業務用コンデンサ(系)マイクはファンタム動作が大前提です、続いて「電池内臓式」であり、近くに電池箱を置くスタイルは仕込み、取り回しの点でできる限り避けたいところです。

 

昨年11月にプロトタイプ(継ぎはぎの「ナンジャこりゃマイク」)を見ていただきましたが、その後の検証でも決して悪くありません。 http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10382343115.html

 

卓に接続して普通に動作するパナ改というのは、私が第1号か・・・と思いましたが、ちゃんと外国の先輩がやっておられました。

最近こちらを見つけました http://www.directap.com/Microphones.htm  大変失礼いたしました。

 

しかし小型化の為徹底的に切り詰めていくと結局、当然ですが回路までほとんど同じになっています。

私のは切り詰めすぎたようですが、とにかく市販のXLRシェル(2個)にマウントする関係上、使用部品もあれで精一杯でした。

 

今回の第2号は第1号をたたき台にし、さらに小型化してXLR(ノイトリック3Pオス)コネクタ1個の中に回路を仕込み、冒頭で申し上げたファンタム給電式の超小型パナ改マイクを仕上げました。

 

約30dBのゲインがあり、照明の入ったSCRノイズの環境でS/Nの優れた収音を可能にしました。

 

☆舞台用には黒色仕様が求められますが、マイクハウジングの黒色化は今後の課題です。


ShinさんのいたずらPA工作室 マイク本体のサイズは27mm(スプリング部除く)×8φです

 

ファンタム式パナ改マイク第2号外観です 

けっこうサマになっていると思います、結局自作マイクは収納ハウジング選びが決め手なんですよね。

 

このハウジングは部分的にShinさんオリジナルの半自作市販品はありませんので申し訳ありません。

(販売を目的にした方によるデザインの窃用を防止するため、この写真のみにさせていただきます 管理人Shin)

 

 

(ファンタム式パナ改用マイクカプセルの改造方法)


ShinさんのいたずらPA工作室      ShinさんのいたずらPA工作室

 

3端子を個別に引き出します、これによってマイナス接地が可能となりました。

(緑・黄・赤のリード線は単に写真にしたときキレイだからです、何色を使おうと自由です)


 

WM-61Bが簡単に手に入ればこんな事しなくていいんですけどね、1,000個単位で値段を問い合わせろ・・ではちょっと。

 

 

 

大きな問題はコネクタ内に収納する超小型インラインAMPです(下の写真)

使用したコネクタはノイトリックの旧型です。(まだ手に入りますが、次モデル「第3号」の時は新型コネクタを使いたいと思います)
ShinさんのいたずらPA工作室
これは前回の25mm×10mmから5mm短くしましたが、たった5mmの短縮もけっこう挑戦モノなんです。

しかしTRもケミコンもバカデカく見えます、気のせいでしょうか・・・・・・

 


ShinさんのいたずらPA工作室

シェルに収納して見るとまだ基板が長い・・・・・

 


ShinさんのいたずらPA工作室
ブッシングキャップの中にこんなモノが入っていた(左の輪っか)、これを掻き出して捨てた。


 

◎それでもう一度収納したら今度はばっちりでした。

 

 

 

【全回路図】


ShinさんのいたずらPA工作室

ファンタム式パナ改第1号とほぼ変わらない回路ですが、WM-61Aソースフォロワの素晴らしい音が、卓で普通に扱える「ファンタム式パナ改マイク第2号」となりました。


 

ベリのECM-8000を使ったワンポイント録音が流行していますが、入手して比較した結果、このパナ改の音はそれの2段階くらい高品位となります。

 

 

≪調光(SCR)ノイズイミュニテイの比較≫

舞台用としての重要課題に照明(調光)・・・SCRノイズに対しての耐力、というファクターがあります。

小型の調光装置と同一電源から卓の電源をとり、さらに調光装置の負荷側の配線にマイクロホンケーブル(アンバラ側)を1m沿わせる方法で6種類のマイクでその影響を比較してみました。


 

・SM-58とC-451はアンバラ部がない為バランスラインで代替

・50%調光時

・卓 :サウンドクラフトMFX-12/2

・使用ケーブル : カナレ L-4E6S  3m


ShinさんのいたずらPA工作室

 

【製作考察】

・なにしろ部品の大きい事、大きいこと・・・・・(基板は20mm×10mmですが)

金属皮膜抵抗使用以外何の音質的考慮もしていませんがこんな小さいモノではメーカー品でも殆どやりません。

 

・このインラインAMP、結構いけます。Gainは30dB程度ありますから舞台環境などでは圧倒的に電気ノイズに強い。


 

・あとでわかったのですが、これに使った2SC-1345というTRは製造中止、高音質かつ流通在庫もない為プレミアムがついているらしいです。

すでに入手不可能となってしまいましたので、第3号機は超小型基板にチップ部品化して、音質の優れた代替TRの評価も含め、またご報告します。


 

ハウジングの剛性・制振構造と併せ、独特のフローティング構造により、この種の超小型マイクにありがちな「タッチノイズ」を限りなくゼロに近づけました。

(ヘッドホンモニタしながら指でつまんだとき「おやっ」と思うほどタッチノイズが静かで感動します)

このことは仕込み対象物とのアイソレーションの良さを意味し、より自由なマウントに柔軟に対応出来ます。


 

・舞台用の仕込みマイクとしてはまだクリヤーしなければならない問題がたくさんあります、これはまだ前回からの通過点にすぎません、さらに改良を加えて高品質仕込みマイクとして仕上げてまいります。

 

チップ部品化してもう少し気の利いた回路にできるはずです。

音質的対策も、チップ抵抗はKOAの金属皮膜のがある、チップコンデンサもパナソニックのメタライズド(MF)コンを見つけたので第3号はどうなることか、期待を上回るヤツにしないとつまらないので、とりあえず1.25mmピッチの基板を用意した、「これは!!」・・・・半田ゴテも今のじゃ全くダメだ。


 

・前回JTSのインラインAMPをさんざん触りまくったので超小型部品には目が慣れた、勢いのついたところでやってしまわないと、チップ部品って「今あったのに」どこかにすっ飛んでなくなってるんです。

米粒より小さいあいつはピンセットが一瞬動いただけでも「ピンッ」とどこかへすっ飛ぶし・・・頑張ってやってみますね。


 

ミニXLRのシェルには?・・・・・入るわけないか・・・・

 

 

 

このパナ改マイクにご興味があり、試用希望される音響家・舞台音響関係者にはお貸し出来ますので詳細はメールにてご連絡ください。

 

2月20日「ファンタム式パナ改マイク第2号」は終了し、改良版、fetⅡ」の貸し出しに切り替えさせていただきました (Shin)

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などはアマチュアの方、音響業界の方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
 

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

 

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。
 

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。

                             管理人(Shin)

皆様からのご質問やご意見などには出来る限りお答えいたします。

メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp