一応、「精神医療を考える」シリーズ
の最終回となります。
(もちろん、今後も材料があれば、
記していきたいと思います。
※「精神医療を考える」シリーズ一覧
https://ameblo.jp/shimpo-shiho/theme-10112062998.html
これまで、精神医療の様々な側面に
大きな問題があることを
取り上げて参りました。
しかし、それだけでは救いがないので、
一応の最終回である今回は、
「いい精神科医」の選び方の
についての記事を取り上げました。
精神科医が考える
「いい精神科医」の選び方
2020/03/12宮岡 等
(北里大学医学部
精神科学主任教授)
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/miyaoka/202003/564671.html
例によって、一部引用とコメント等。
(ぜひ、リンク先から全文をお読み下さい)
ただ、読んでみると、どうも決め手は
ないようだし、この要件を全部満たせば
よい医者とも限らないようなんです。
セカンドオピニオン外来を実施してきた。
その中でこの処方は不適切である
という治療にも多く出合ったし、
不適切とは言えないがもう少し違う
方法があると考えたこともある。
⇒「多く出合った」というのがもう怖いです。
精神科クリニックについては
さらに気がかりな点がある。
近年、大学医学部との関係が薄い
クリニックが増えた。また、
クリニックが所属する団体である
精神科診療所協会への所属率は
現状で50%にも達しておらず、
医師会に所属する精神科クリニック
の医師も極めて少ない。
⇒横のつながりとか、情報交換が
なされていないということですね。
だから重篤な問題が起こっても、
それを教訓にできない……。
ちなみに、司法書士会や、
弁護士会と違って、医師会は、
強制加入団体ではないのです。
(もっとも、強制加入団体も、
色々問題があったりして……)
良くも悪くも精神科クリニックは
独立性が強く、どの程度の知識と
臨床能力を有しているのかを
客観的に把握する術がない。
⇒あっさり言われちゃってますが、
本当に恐ろしい話です。
やぶ医者が生き延びるのも容易ですね。
精神科医内の自浄機能が働いていない
という点で申し訳ないことではあるが、
患者さん側に選ぶ視点を持って
いただかざるを得ないと考える。
⇒これも恐ろしい話です。
第5回(虐待)の記事でも、
「自浄作用」がない、と申して
しまったのですが、期せずして、
医師自身からもこの言葉が
聞かれるとは……。
強制的に入院させられて、そこで、
故意的な加害治療をやる医師が担当では、
患者側は選ぶことができません。
受診前に何を参考にして精神科医を選ぶか
(1)ホームページやマスメディアの記事
→いいことしか書かれていない
→記載された医師の経歴が分からない
(2)マスメディア出演歴
→特に勧める根拠にはならない
(3)他の医療機関ではできない
特定の治療を行っている
→良い治療ならすぐに広まるはず。
その医療機関でしか行っていない
理由があると思われる
(4)かかりつけ医、産業医、友人からの情報
→尋ねる価値はある
⇒う~ん、決定打がありません!
かろうじて(4)だけとは……。
初診の内容から「よい精神科医」では
ないかもしれないと考えるポイント
(1)最初から同系統の薬剤が
2剤以上処方されたとき
⇒多剤服用の問題ですね。
(2)自記式アンケートの結果だけで
診断しているかのようなとき
⇒テキトー診察の問題ですか…
(3)うつ病症状(興味の喪失など)だけ
問診した後、「抗うつ薬を飲んで
休養を取れば治る」と説明されたとき
⇒後で説明があります。
(次の項目の(2))
(4)薬剤の副作用について説明がない
/副作用はないと説明されたとき
大きな問題となりました。
(5)夜間や休日は一切対応できない
と言われたとき
⇒副作用対応、常用依存症、オーバードーズ
についての認識や対応する気があるかどうか、
でしょうか?
最近特に「よい精神科医」では
ないかもしれないと気になること
(1)生活状況(昼寝など)、
嗜好品(コーヒー、お茶など)の頻度を
確認せず、睡眠薬を処方する精神科医
⇒テキトー診察の典型?!
(2)過去の躁状態の有無を確認せず、
うつ病と診断し、抗うつ薬を
開始する精神科医
⇒これも同様ですね(前の項目の(3))。
(3)現在の症状ばかり尋ねて、
生活歴や長期経過を確認しない精神科医
(4)身体疾患治療薬を含めて、
現在処方されている薬剤を確認しない精神科医
⇒この辺もテキトー診察の問題ですね。
治療を続けているときに「よい精神科医」
ではないかもしれないと考えるポイント
(1)悪くなったと言うと薬がどんどん増える
→精神疾患の症状増悪?
薬の副作用? 退薬症状?
→薬物相互作用の影響
(他の薬剤の中止、新たな薬剤開始)?
⇒多剤処方問題ですね。
(2)同系統の薬剤が3種類以上
処方されているとき
⇒これも多剤処方問題ですね。
(3)長期間の精神療法や
カウンセリングでも改善しないとき
→診断は正しいか?
精神科医の診察は不可欠
→精神療法やカウンセリングの副作用?
⇒最初の診察・診断や、それによる
治療方法が、本当に適切だったのか?
調剤薬局については、かかりつけ薬局を
持ってほしいと思う。筆者の経験から見ると、
いわゆる門前薬局は、その処方に
問題があっても、処方医に気を遣ってか、
処方に関する率直な印象を患者に
話さない傾向があるので避けた方がよい。
⇒処方に問題があっても知らんぷり
というのも、本当はとんでもない話です。
セカンドオピニオンは積極的に
求めてほしい。費用や紹介状の必要性で
難しい点があろうが、今後活発に
していかねばならないと考える。
⇒ダメな医者ほど嫌うんですよね。
故意的な加害治療をやる医師だと、
絶対に認めないのではないか?
そんな気がします。
結局、(一応の)最終回でも、
あまり救いのある話ができませんでした。
それだけ根が深い問題が、
精神医療には横たわっている、
ということだと思います。
※ なお、このところ、1日2回の更新を
しておりましたが、そろそろネタ切れと
なってきたので、このシリーズの終了と
いうこともあり、また1日1回程度の更新に
戻したいと思います。