前回、前々回と、仏教と瞑想の歴史についてざっくりとお話してきました。

 

瞑想を初めてみようかな? という人向けに仏教と瞑想の全体像を説明するよ!

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ビパッサナー? サマタ? 禅? 仏教瞑想の全体像を説明するよ!

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仏教はインドから始まり、

 

東南アジア(テーラワーダ仏教)

 

中国、朝鮮、ベトナム、日本(大乗仏教)

 

チベット、モンゴル(チベット仏教)

 

の3つの流れで世界に広まっていきました。

 

 

今日は、その次の新しい流れ、アメリカ仏教についてお話しします。


 

 

アメリカは皆さんご存知の通り、基本的にキリスト教の国です。

 

ですが実は仏教も結構広まっていて、仏教瞑想も盛んに行われています。

 

瞑想に関しては、仏教国のはずの日本より全然盛んで、アメリカの方が本場といえるほどです。

なぜそうなっているのでしょうか?



第二次世界大戦後、アメリカは共産主義のソ連と対立していました。

 

いわゆる冷戦というやつですね。

 

1960年代、ベトナムが共産主義化し、ソ連側の陣営にまわる動きがありました。

 

アメリカはそれを阻止しようと、ベトナムに軍隊を送り込みました。

 

アジアの小国であるベトナムと、世界最強のアメリカが戦争を始めたのです。

 

あっという間にベトナムは降伏すると思いきや、予想に反してベトナムは非常に強く、ゲリラ戦等でアメリカを苦しめました。

 

ベトナム戦争が長引くにつれ、アメリカ国内では反戦運動が盛んになりました。

 

それと同じ流れで、西欧文明至上主義への反発が広がっていき、東洋の伝統への関心が高まっていきました。

 

その流れで、日本からは禅の僧侶が、チベットからチベット仏教僧が、東南アジアからテーラワーダの僧達がアメリカに渡り、あちこちに仏教と瞑想を教えるセンターができ、人気となりました。

 

また、インドからはヨガの行者がアメリカに多数渡り、ヨガも広まっていきました。

 

長い歴史の中で分裂し、各地域で別々に発展していった仏教が、長い年月を経て、アメリカで一堂に会したのです。

 

仏教が特に盛んだったカリフォルニア州やマサチューセッツ州などでは、禅をやりながらテーラワーダの瞑想をやったり、チベット仏教をやりながら禅をやったり、という人も普通に出てきました。

 

各宗派の指導者達の交流も盛んに行われました。

 

著名な仏教指導者達による英語の仏教書もたくさん書かれ、当時の知識人達は好んで仏教書を読み、瞑想をしました。

 

そうやって仏教はアメリカで広まっていきました。

 

その頃からマインドフルネスという言葉が使われるようになりました。

 

マインドフルネスというと、つい最近できたビジネスマン向けの軽~い瞑想を指す言葉、というイメージがありますが、実は結構昔からある言葉なんです。

 

マインドフルネスは特定の瞑想法を指しているのではなく、アメリカにおける仏教瞑想の総称的な意味で使われています。

 

アメリカに禅を広めた功労者といわれる、鈴木俊隆老師の当時の著作でも、既にマインドフルネスという言葉が使われています。

 

さらに、マインドフルネスの歴史にとって重要なプログラムが、1970年代に始まりました。

 

マサチューセッツ大学医学部教授のジョン・カバット・ジンが、禅やヴィパッサナー瞑想を元にした医療用のマインドフルネスプログラムを開発し、患者たちに受講させ、高い効果をあげたのです。

 

そして、東洋の神秘だった瞑想が、正式な医療用プログラムへ応用され、科学者達がその効果を科学的に検証するようになりました。

 

医学者や心理学者、脳科学者などがマインドフルネスの研究を行い、科学的にその効果が示されていきました。

 

そして、シリコンバレーのIT企業が研修でマインドフルネスを採用するなど、さらにブームは広がり、その流れで日本にも2010年ごろからマインドフルネスが逆輸入されるようになりました。

 

こうして、日本にもマインドフルネスが広まりだしたのです。

 

日本は仏教国といっても、ほとんどの人はお葬式ぐらいしか接点がない、よくわからないモノでしかないと思います。

 

アメリカから入ってきたマインドフルネスによって、逆に日本で仏教が見直されるようになるのかもしれません。

 

 

 

そういえば、アメリカ人のマインドフルネスの先生がいうには、マインドフルネスの才能は、アメリカ人より日本人の方があるらしいですよ!

 

文化的に無意識に染み付いているものがあるから? らしいですね(笑)

 

 

 

 

 

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