日本小児科学会と子宮頸がんワクチン
日本小児科学会と子宮頸がんワクチン
第119回 子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)関するシンポジウムから
2013年6月、厚生労働省が子宮頸がんワクチンの積極的勧奨中止を出したのち、2015年10月2日付の公明新聞では、副反応に対するスタンスを発信している。
救済・生活支援の強化。究明へ研究さらに必要。 勧奨差し控えは継続。
https://www.komei.or.jp/news/detail/20151002_18164
実際、子宮頸がんワクチンによる副反応を訴える方々から相談を受けるのは、我々のような地元の地方議員である。
2013年6月以降、子宮頸がんワクチンを推進する医師らの発信には注目してきたものの、その利益相反の背景および記事の内容を確認し、慎重に判断するようにしている。
2013年6月以降、推進派である自治医科大学付属さいたま医療センター産婦人科教授の今野良氏、横浜市立大学宮城悦子氏の講演に参加し、質問を直接したり、あるいは、その内容を記録し、このブログでも発信してきた。
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11970258551.html
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11973236474.html
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11976087596.html
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11692719171.html
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11699990812.html
また、昨今、推進派医師らによる被害者団体や被害者に対する対応に疑問を抱いたので、実例を挙げ、このブログで発信した。
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12158411406.html
彼らがどのような推進の仕方をしているか、あるいは政治的背景を含め、注視することは、判断する上でとても重要である。
さて、5月17日、”子宮頸がんワクチン論争、はっきり示された専門家の総意小児科学会が投じた決着の一石” なる記事がWEGDE infinityに掲載された。
ワクチン接種再開に対して「指示する」の方に、無数の手が挙がったという表現が使われ、小児科医たちの総意と表現している。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6807
ところで、日本小児科学会の会員数は2013年5月、20846名で専門医が15377人いると記されている。
http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/senmon_kaigi131102_ida.pdf
小児科医たちの総意と表現するなら、少なくとも、小児科学会の会員のほとんどがワクチンを指示しているという証拠がなければ、何の説得力もない。そのような証拠があって、初めて”無数の手”という表現が適切になる。
実際、5月14日の小児科学会のプログラムを検索してみた。記事の対象となっているシンポジウムは、”日本におけるヒトパピローマウイルスワクチンの現状と課題” と推察できた。
http://www2.convention.co.jp/119jps/program/
しかし、同日の同時間帯には、ポスター会場を含め、他11会場で発表が行われていることがわかった。
http://www2.convention.co.jp/119jps/program/second.pdf
このシンポジウムが開催されたのは、第7会場。ロイトン札幌で会場の広さを確認してみると、中宴会場(ハイネスホール)であり、301平方メートル。
最大収容人数がシアターで300名。立ち見席がでたとしても、400名は超えないであろう。2300席あるニトリ文化ホールの第1会場と比較すれば、とても小さい。
http://www.daiwaresort.jp/royton/convention/western_style_medium/
http://www.sapporo-geibun.jp/hall.html
参加者は約6000名と記載されているから、単純計算すると、多く見積もっても、賛成で挙手した人は、6.7%となる。さらに、学会員数総数で割ると、1.9%である。
http://www2.convention.co.jp/119jps/kaisai/
また、子宮頸がんワクチン関連記事のシリーズを担当している村中璃子氏の取材方法は、常に念頭においておかなければならない。
http://ameblo.jp/3fujiko/entry-12146291915.html
今後、WEGDE infinityから発信される子宮頸がんワクチン関連のセンセーショナルな見出しには、振り回されない方が賢明であろうと思うが。