子宮頸がんワクチン副反応問題とドクターハラスメント
子宮頸がんワクチン副反応問題とドクターハラスメント
ドクターハラスメントとは、医師による患者へのいやがらせのことを揶揄する造語とある。2006年当時、日本医師会はドクターハラスメントに本腰をいれ、コマーシャルを作り全国放送していたという。
http://www.okinawa.med.or.jp/old201402/activities/kaiho/kaiho_data/2007/200710/023.html
以前、がん対策基本法施行以後、国が行政組織で行う必要のないと示唆されている前立腺がん検診(PSA検診)を、未だに横浜市で行われていることに疑問を持ち、横浜市健康福祉局保険事業課の行政医師とやり取りしたことがある。
その直後にYokohama Medicalというアドレスから、私自身が「横浜市の開業医」と名乗る匿名の方から、脅迫メールを受け取った。もちろん、この問題は議会でも”人権問題”として言及させて頂き、このブログでも紹介したことがある。
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11987438849.html
一方、医師による誹謗中傷は、2000年代より激しくなったと言われている。
2008年に起こった横浜市立大学医学部の学位審査謝礼不正問題では、いわゆる2チャンネルで、内部告発者と思われる方への誹謗中傷の書き込みが行われていた。まさに匿名によるネットでのいじめである。ネットでのいじめは、子どもを自殺にまで追い込める威力がある。
2013年、横浜市議会は「いじめ問題対策連絡協議会等条例」を制定したわけだが、横浜市に関係する大人が、大人のネットやTwitterによるいじめなどをやめさせる仕組みを作る姿勢を示さなければならない。子どもは大人の真似をするからだ。
2010年3月、読売新聞で報道された”ネットでの医師たちの暴走”に対する日本医学会長である高久史麿医師の言及は注目すべきものであった。
2010年2月、日本医師会の生命倫理懇談会で高久史麿日本医学会会長が、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」とし、「高度情報化社会における生命倫理」の報告書をまとめた。
さらに、”ネット上での医師らの中傷について、医師の社会的信頼を損なう”とし、強く戒める構えを見せた。
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11579148760.html
さて、子宮頸がんワクチン副反応問題が噴出してからの3年。医師によるネットでの中傷は戒められるどころか常態化しているように思える。
例えば、神奈川県予防接種研究会の委員である久住英二医師による”醜悪”というツイッターによる書き込み。
http://43418.seesaa.net/article/419783225.html
特定非営利法人医療ガバナンス研究所の上昌広医師によるワクチン被害者である高校生へのツイッターでの攻撃。
http://ameblo.jp/3fujiko/entry-12115161915.html
村中璃子医師による、ワクチン被害者の母親達に対してモンスターマザーと称されたことなどなど。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6587
”ネット上での医師らの中傷は医師の社会的信頼を損なう”と言及した日本医学会長だが、ご自身は子宮頸がんワクチンに関して積極的に打つべしというスタンスを発信。
昨今、常態化している上記のようなネットでの医師のハラスメントに関しての言及はない。また、2006年から開催されている現場からの医療改革推進協議会全10回のうち、高久史麿日本医学会会長は9回も出席しており、開会あるいは閉会の辞を述べている。
そして、その協議会の中心となっているのが高校生をツイッターで攻撃したとされる上昌広医師である。この協議会は政治的な要素が強く、地元神奈川県の医療体制に大きく関わっていることも忘れてはならない問題である。
そして、接種率は激減したまま。
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/276837/
高度情報化社会における生命倫理を掲げた日本医師会が報告書をまとめてからの6年の間、一体、どうしてしまったのだろうか?
世界医師会はソーシャルメデイアに関する声明を出しているようだが・・・。
https://www.med.or.jp/jma/jma_infoactivity/jma_activity/2011wma/2011_02j.pdf
子宮頸がんワクチン副反応問題後に、このインターネット上で起きている現象は、医師という職業に対する社会的な印象を変えたと感じる人は少なくないように思える。