しげるんるんウェブログ-上三毛郡上毛町を歩く- -2ページ目

オタカラは足元に繁っていた。-こうげのオタカラ(転載)-

「野草は上毛町の新しい顔となるのか。」-取り組み状況-

 

足元の宝再発見研究会

 

人の営みと伝統文化が息づくこの里山を歩いてみると、足元には実に多彩な野草が息づいていることに気づかされます。

ユキノシタ、イノコヅチ、ハコベ、オオバコ、ノビル、ヨモギ、ドクダミ、イタドリ、スベリヒユ等々。

上毛町の里山は野草の宝庫であり、古くから四季折々の野草が食として、あるいは、薬として用いられ、多様な生態系を育んできました。

近年、野草はその薬効に対する様々な活用法が期待されています。

特に、特産品の開発や体験型観光の素材として、様々な角度からその可能性が追及されています。

平成25年度から、野草をテーマに、上毛町らしい生業づくりに向けた研修会が始まりました。

 

 

「中途半端な町 こうげ」-当初問題点-

これまで「特徴がない」「中途半端な町」だと、どこかネガティブな意識が根付いていた上毛町。
ずっと、新たなブランドの可能性を探していました。
熱意あふれる人材に恵まれ、人が元気に活き活き輝く町。
みなさんの誇りを可視化するシンボリックなものがあれば、町全体でつながり、さらなる浮揚につながるのではないかと考えてきました。
そこで注目したのが、様々な可能性を秘めた美しい里山と、その生態系です。

 

「野草からシゴトが芽生える。」-解決への道のりと今後-

野草の研究会は、まず観光分野の研修としてスタート。

足元の宝再発見研究会と称し、平成26年2月までに4回の研修会を開催。

講師には、野草の権威として知られる村上光太郎先生(崇城大学薬学部教授)をお迎えし、フィールドワークや料理体験を行いました。

まずは、皆さんが野草に触れ自らその魅力を知り、その素晴らしさを知らせていくことから始まります。

また、里山の野草は新しい農作物としての可能性も秘めています。

農地に植えることで耕作放棄や遊休農地の解消にもなるのではないでしょうか。

野草を摘む人、栽培する人、加工する人、包装する人、販売する人。

それぞれが役割分担し上毛町全体で魅力的な商品を生み出し、流通させていく。

また、観光客の受入が始まります。この野草からはじまるつながりで、シゴトが生まれていくことを期待します。

(平成26年度の野草研修計画)

■野草商品づくり(欲しがっている人がいることを知り、売り出してみる)

■野草体験ガイド育成(興味を持つ人がいることを知り、案内できるようになる)

 

 

こうげのシゴトofficial websiteより

田舎の繁盛を支える。-こうげのオタカラ(転載)-

こうげのシゴトは、上毛町らしい生業を考え、地域に雇用をつくるプロジェクト。

雇用をつくるということは、地域産業の担い手をつくることに通じています。

事業者も個人も、自らが誇れる商品を持ち、未来のファン(消費者)となる人々に届けていくことができれば、その価値が対価を生み、生業となります。

情報を伝達するためのデザインの基礎や、ビジネスの基本を学ぶ連続講座の他、まちの地域資源をテーマと設定し、研究会という位置付けで、商品開発のプロセスなどを具体的に学ぶことができる研修を実施しています。

「こうげのオタカラ」では、その取り組みと研究成果を紹介していきます。

 

 

こうげのシゴトofficial websiteより

あれから。-住みたい上毛町推進プロジェクト-

手が付かなくなって、存在すら忘れていた自身のブログ。今、7年ぶりにログインしている。

「住みたい上毛町推進プロジェクト(2012-)」と銘打ちスタートした事業は、こうげらしい生業とブランドをつくる「こうげのシゴト」と、外部から地域づくりに能動的な「ヘンタイ」と呼ばれる人材を呼び込み、ローカルにおいて持続可能な賑わいづくりを研究する「みらいのシカケ」の2本柱。これらの有機的な連携により、こうげに町内外の人材による好循環を生み出すことを最大の使命と考えていた。

 

思えば、常に暗中模索の手探り状態であったが、一歩一歩、前に進むことだけに一意専心動き続けた。この間、多種多様な人材に出会い、助けられ、第一段階の到達点まで関わっていただくことができたが、振り返ると、厚かましい依頼ばかり繰り返してきた過去に自嘲しながら激しく恐縮している。

共に歩んでくださったみなさんの存在があり、今がある。特に、その道程には、実に様々なドラマがあったが、単純化して紹介できるものではない。渦中のど真ん中に巻き込まれたメンバーには、計り知れないほどの負担と苦悩があったはず。

結果、このプロジェクトは、日本デザイン振興会のグッドデザイン賞2014を受賞する運びとなったのだが、ここまで辿り着くことができた成果と功労者は、関わったくれたみなさんである。感謝しかない。

 

補足的に追記するが、「こうげのシゴト」は、国の財源を活用(2012−2014)」し、地域内発型の雇用創出のために、地域ブランドを開発することが任務であった。この目標となるブランド化については、こうげの足元に転がる「里山の野草」をブランド開発の牽引役「シンボル」として位置付けることで、活路を見出した。国から与えられた数値目標「アウトカム」も無事クリアした。

また、自ら掲げた「田舎暮らし研究村構想」には、「みらいのシカケ」という愛称も生まれ、古民家を再生した「研究サロン」を拠点に、専用サイトも構築。計画どおり、研究サロンに影響力を持った研究員を配置したことから、全国各地から多様なクリエイターや起業家が集まる場所となっていった。そして、上毛町を訪れる「ヘンタイ」と呼ばれる彼らの様々な活動を通じて、メディアで紹介される機会が増えていった。

僕は行政の担当者として、その途中経過を全国町村会の情報誌で紹介したり、地方創生ブームに乗っかり、報道番組の取材が入ったり少しずつ手応えを実感できるようになっていた。

 

最後に総括。田舎の魅力は、地域が持っているそれぞれの個性である。自らの足元にある魅力を再認識できれば、「らしさ」の価値をみんなで共有することが可能となり、広く伝えていくことできる。上毛らしさを発掘し、みんなで未来への種を蒔いていく。「住みたい上毛町推進プロジェクト」は、そのきっかけとなる「シカケ」を提案し続けることにより、持続可能な地域づくりを具現化するプロジェクトであった。

地域を誇りに思う人が活き活きしている町は、輝いている。プロジェクトが目指したのは、埋もれている魅力を発掘し共有することで、地域の誇りと自信を持ち続けること。このことは、どんな施策においても、原点であると思う。

 

行政担当としての自身の任務は2017年3月もって満了している。2020年5月現在、今は、地域コミュニティを醸成するシンボリックな体育館をつくることに奔走する日々を送っている。

 

 

 

 

行政的思考、機会は誰にでも。

行政である僕は、新たに何らかの物事を始めようとするとき、あるいは、何かが始まりそうなとき、ある思考回路にスイッチが入るらしい。ということに、最近気付かされた。


まず、重要なファクターとして、関連する幾つかのヒトやモノなどが、我が妄想に登場してくる。これらをどう位置付け、どのようにカタチにし、どこに着地させていくか。そんなことを考え始めるのである。無論、何が正しいとか、何をすべきかなど、誰にも分かる筈も無いので、ぼんやりと。できたら良いなという感じで。


なぜ考えるのかというと、行政だからというのもあるかもしれないが、純粋に楽しいからじゃないかと思っている。例えば「思い」を持った地域の方それぞれの「やりたい事」がカタチになり始めたとき、きっとそこには真摯な眼差しと生き生きした笑顔がある。そう思うからこそ、うまくサポートとしたいと思うし、発展の絵を妄想するのだ。ぼんやりの浅慮に過ぎないのだが。


常套の手法に「モデルづくり」がある。地域内で新しいことを仕掛けようとすれば、事業趣旨をイメージしてもらうためにも、まずは先行事例をつくるほうが得策だ。キーマンやエリア等を絞り込み、互いに協力体制を構築、サポートを集中する。スポットライトを当て、メディア等の露出も戦略的に行い、身近な成功体験として他のエリアにも波及させる。


ただし、留意したいのは、「正しい情報」をしっかりと伝えていくこと。一部で盛り上がる「他人事」ではなく、誰でもやる気さえあれば「自分にもできる」ということを、情報としてしっかり伝えていく事が大切だと考えている。モデルづくりは、決して門戸を閉ざすものではない。機会は広く誰にでもあるのだ。私淑する江副直樹さんの言葉を借りれば、次に波及させるための「健全なる依怙贔屓」なのである。「次はあなたの番なのです」ということを、同時に伝えていきたい。


以前の記事にも書いたように、僕ら行政は「きっかけをつくる」ことしかできない。それは、地域の「動機付け」ということでもある。動機付けのためには、分かりやすい情報の伝達、全体を俯瞰する意識と行動が不可欠だと思う。そこで僕らが起こした行動には、間違ったこともあるかもしれない。できれば、最終的な判断基準を「地域にどれだけ笑顔が生まれたか」に委ねたい。そして、その笑顔を、次の谷へと連鎖させていきたいだけなのだ。


僕らは行政にしかできないことを、もっと貪欲に楽しみたいと思っている。




しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

暮らし方や働き方の新しい拠点、また、シンボルとして、リノベによる「研究サロン」の設置を企てている。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

雁股庵の開庵記念交流会。有田GTの活動から波及した優良事例といえるだろう。関係皆様に深謝。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

「茶の湯」を身近なものとして体験できる貴重な空間。体験のモデルとして誇らしく思う。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

「上毛の食卓もくもく」山下さんたちのお陰で食事会も大好評。誕生日を迎えられた方へのサプライズも。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

東上一区自治会のカジカガエル保護活動も、自然環境あるいは地域コミュニティを考えるモデルである。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

山下正吉代表が、NHKのインタビューにこたえる。放送は7月18日18:20~19:00の間で、5分程度。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

人気のまち歩き。この日はブラバン演奏後にホタル観賞へ。酒屋のおばちゃんが中心人物だ。誇らしい。





地域振興というものを考える。

地域振興とは何か。地域振興は、どうなったときに達成したと言えるのか。それは、雲を掴むような話で、永遠に答えは出ないし、答えなどある筈もないのだと考えられている。単に経済活動が盛んであるとか、企業が立地したとか、人口が増えたということで片付けられるテーマではないのである。


そもそも「都会」と「地方」は構造が全くの別物であり、地方が目指すべきことは都会のそれではない。また、地方には地方の向かうべき道が必ずあり、地域活性に統一フォーマットがあったり、プロトタイプを量産するものでもない。一概に語れないのである。それは江副直樹師匠がいつも仰っていること。


福岡県庁のとき以来、彼此5年以上「地域振興」というセクションにかかわっている。広域振興の際は12市町村にも及んだが、現在は「上毛町」を基軸とした策を練ることが専らの仕事。

昨年は「こうげのシゴト」により、横溢する地域の「やる気」をお手伝いするための体制を整えるとともに、「お試し居住プロジェクト」により、上毛町で「暮らし働くことの新しい価値観」を見出す実証実験に着手した。


この一年で、上毛町は様々な御縁を戴き、それが布石となり、水面は確実に動き始めている。これはやがて大きな渦となり、その揺るぎないベクトルは自然と町全体を巻き込みながら、ひとつの良質な循環を生んでくれる筈だ。
そのためには、いくつかのモデルとなる先行事例(これは多くなくていい)と、その他ポテンシャルを秘めた人材や資源を有機的に関連づけ、面的に捉えるとともに的確に伝えていくことが重要となる。


難しい話ではない。それぞれの「誇り」を持った地域の方々に、少し自信を持って戴くことができれば幸いなのである。そこを「後押し」できるかどうかだけなのだ。本来、誇りをお持ちの方々は、決まって笑顔が素適だと思う。上毛町にはそういった無くしたくない笑顔がたくさんある。


当面、上毛町の地域振興は、この「笑顔の連鎖」と、サポート体制の「好循環」を作り出すことだと考えている。


ただし、自分だけ"正論"は押しつけでしかなく、間違った"正論"は我が儘でしかない。また、誰かのせい、何かのせいにして地域振興はあり得ないこと、これらは特に注意が必要だ。田舎であればあるほどに、人情の機微にふれてこそ、うまい循環が起き始める。


今がそのときだ。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

上毛町ブランド創造協議会のH25総会。事業の理解は確実に深まっている。ここから「誇り」をカタチに。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

辛辣なアドバイスもまた好機となりうる。活かせるかどうかがカギを握る。地域の笑顔とともに。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~ 交流会のクロストーク。お試し居住「ワーキングステイ」は、期待をはるかに上回る成果と御縁を戴いた。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

雁股庵は、オーナーの生家であり無くしたくない大切なもの。このたび農家民宿許可を取得、ファンの期待に応えようとしてくれている。消防署の担当係長が、オーナーのお子さんと同窓生であることが判明。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

上毛町東上有田地区の「有田山荘」も、オーナーの誇り。町の事業のため、快く提供くださった。感謝。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~
神楽は大切な地域の伝統文化。このときの笑顔は格別なのだ。大人もみな童心に返る。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~

まち歩きイベントは、地域の誇りを見つめなおす大切な機会。良い循環が生まれている。



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~ 今年度は、上毛町のシンボリックなエリアに、田舎暮らし研究村構想の「研究サロン」を設置する予定。ここから誇りと笑顔の連鎖と様々な好循環を起こしていきたい。


しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~ 昨年のワーキングステイ参加の東京ナイロンガールズのみなさんの作品。ありがたや。

http://keichiku.info/kd/detail.php?id=4432 (京築まるごとナビ経由でご覧ください)



しげるんるんウェブログ~上三毛を歩く~ ワーキングステイ参加者が中心となって制作した短編小説「こうげ帖」は、全国マチオモイ帖に出展。素敵すぎるhttp://pitonink.com/kouge-cho/index.html