温良恭倹譲~金山しげきのブログ

温良恭倹譲~金山しげきのブログ

生まれ育った町・奈良県桜井市で政治家になった「金山しげき」のブログです。

東京・赤坂のクリエイティブ・ディレクター兼マネージャーから、なぜか奈良県の国会議員秘書に転身し、桜井市議会議員にならせていただいた、金山しげきのつれづれ日記です。
「地域再興こそ、最高にやりがいのあるクリエイティブである」と考えたから、生まれ故郷の桜井へ帰ってきました。地元を賑わいのある、誇れるまちにしたい。地域の魅力を発信することで、住まう人々も地域の魅力を再発見するはず。
 具体的なプランは「5つの提案」で示させていただきました。アタマの中にある「仮説」を「実証」するため、靴をすり減らし、汗を大量に流しながら、ぼちぼち頑張っています。
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 〇金山 安全協会や地域住民を巻き込んで、ぜひ協働しながら、そうした登下校の通学路の安全の向上に努めていただければと思います。

 私の母校でもある桜井中学校は荒れていると近年、保護者の方が心配する声をよく聞いております。その理由の1つに、私は、そもそもあの桜井中学校の立地があるのではないかと思っております。先ほど申し上げましたように、先日、桜井中学校へ視察に行きました。朝の7時半に坂の下で待っていると、多くの中学生が自転車や徒歩で登校してきました。徒歩の子どもたちは、みんなタオルを持っていて、特に女子生徒たちは長距離を歩いたり、自転車で来たり、本当に大変だなと思いました。中には、忍阪方面から坂を超えて歩いてくる女子生徒も見かけたり、本当に通学が大変だなと改めて思いました。

1990年、私が中学2年生の終わりに、桜井中学校は浅古へ移転したように記憶しています。今では考えにくいですが、当時、私たち中学生は、男子生徒は机を、女子生徒は椅子を2回ずつ新校舎へ運んだものでした。疲れ切って、最後の無限坂が非常に大変だったことを今でも覚えています。が、今ではいい思い出です。なお、昭和50年、51年生まれの私たちが、新しい桜井中学校の卒業第1号でした。当時から、なぜわざわざ山を造成してまで通いにくいところへ移転するのかなと思っていましたが、今となっても、その合理的理由が私には分かりません。建てる前から十分に、そのマイナス面は予見できたことだと思うからです。そして「通いにくい」とか「車を置くところが少ない」とか「子どもが心配」とか、立地面において、保護者からの評判も決してよくはないと聞いております。学校はそもそも、いろんな人の目に触れる立地が望ましいと私は考えております。それは、地域の人に見守られることによって、見られることによって、そうした見られる感が、見られている感が人を育てると私は思うからです。

 また、今の図書館のところにあった桜井南小学校ですが、市長、ひょっとしたら卒業生かもしれませんが、木造で本当に美しい校舎であったと私は聞いております。それがなくなったことを残念がる声も、今でも市民の方からお聞きします。木材の町なのであれば、桜井南小学校を残す選択肢もひょっとしたらあったのではないかと私は思いますし、また、30年ほど前のことですが、桜井中学校、桜井南小学校移転の経緯、その理由などをご存じでしたら、お答えいただければと思います。

 

○副市長  昭和60年ごろだと思いますけれども、戦後間もなく、昭和27年に建てられました桜井中学校は木造で、老朽化が進んでおりまして、改築に緊急を要する状態でございました。そのような状況の中、各方面からの意見や要望、将来の都市計画等のことから、桜井中学校を現在の浅古地内に移転改築することを決定したというふうに聞いております。それと同時に、その跡地を利用いたしまして、小学校の用地として利用することを含め検討する中で、旧小学校も老朽化が、南小学校ですね、これも老朽化が進みまして、現在の福祉総合センターにありました多武峰小学校を含めて、吸収統合するという計画も一方であったわけでございます。その中で、多武峰地区からは、現在の小学校の場所より近くにしてほしいという要望もありまして、旧桜井中学校跡地に多武峰小学校を吸収するという形ではなくて、旧南小学校を統合して、新生の、新しく校舎をつくって、多武峰地区の方々の心情も含みながら、現在の新しい桜井南小学校を建築することとなったというふうに聞いております。また、当時、その財源捻出の手段といたしまして、旧桜井中学校の西側の土地を利用いたしまして、これを売却いたしまして、校舎建築の費用に充てたとも聞いております。こういった形で校舎を移転していった場合、桜井中学校、それから桜井南小学校ともに仮校舎を建てる必要もないわけでございますので、財政的な利点も大きかったなと、そのようにも考えております。これが、私が認識しております桜井中学校、また桜井南小学校の移転の経緯だというふうに考えておりますので、よろしくご理解いただきたいと思います。

 

○金山  ご答弁ありがとうございます。しかしながら、それでも合理的理由がわからないな、というのが正直なところでございます。多武峰小学校に近いといっても、そんなに遠くないし、どうなのかなと思いながら聞いておりましたが、はるか昔のことなので、逆に(副市長に詳しく聞くのも)申しわけないなとも思うんですけれども。当時は、バブルの絶頂期でございまして「新しいものはいいことだ」という風潮も、一部あったのかなとも思いますが、過去の桜井市議会の議事録を拝見させていただきましたが、議会で語られていることだけから読み取るに「その場での改築」という選択肢もあったようにも思いますので、むしろそっちのほうがよかったんじゃないかなと私は思うんですけれども、過去のことを余りあれこれ言っても仕方ないんですけれども、そんなふうにも感じます。

 やっぱり、行政というものは、以前の一般質問でも申し上げたかもしれませんが「失敗できない性質の仕事」だと私は思っております。一つひとつの政策の実現には本当に時間がかかりますし、決断も民間に比べて、やはり時間がかかりますし、手続も大変です。日々職員の皆さんも慎重に慎重を重ねて、ミスのないように業務に励んでおられるのだろうと思います。失敗できないからこそ、特に子どもたちの未来にかかわることには慎重かつ丁寧な決断が求められると私は考えます。私には1990年の桜井中学校の移転に、今の説明を受けても合理的理由を見つけることはできません。子どもたちが必死に桜井中学校に通う姿を見ても、そう思ってしまいます。そして、それがもし過去の行政の判断ミスであったならば、ミスというとちょっと重いかもしれませんが、もしそうだとしたら、早目に挽回せねばならないと私は思います。

 現在、学校規模適正化委員会の会議が教育長のもとで立ち上がり、議論が始まっています。これは、昨年3月にまとめられた桜井市小・中学校の適正規模及び適正配置に関する基本方針に沿って議論を深めていくもので、文教厚生委員長として私も加わらせていただいております。松井市長は、最近よく10年後、20年後の桜井市を見据えてと言ってくださんていますが、本当に10年後、20年後を見据えるのであれば、そうした議論をするのであれば、この桜井中学校の場所に関しても、適正配置に関しても、今のうちから議論すべきだと私は考えますが、松井市長のお考えをお聞かせください。

 

○市長 桜井中学校は、平成2年4月に現在の浅古に移転いたしました。現在で築29年となり、校舎の構造はRC造、鉄筋コンクリートであります。平成12年度以前に建設したRC造の学校施設の法定耐用年数は60年となっています。この数年は、減価償却のための年数であり、物理的な耐用年数はこれよりも長く、そして、さらなる長寿命化も可能となっています。文部科学省からの手引では、改築より低コストで廃棄物や二酸化炭素の排出量が少ない学校施設の長寿命化改修を図ることが必要とされています。

 平成30年2月に策定されました桜井市小・中学校の適正規模及び適正配置に関する基本方針では、学校の適正な配置の考え方として、中学校区の枠組みを堅持しながら、各小中学校において適正化を進める。また、建てかえや長寿命化の時期を適正化検討の最優先順位の目安とするとしております。議員お述べのとおり、今後この基本方針に基づいて、桜井市内小中学校の適正化を進めていくこととなり、桜井中学校に関しましても、建てかえや長寿命化の時期までに適正な規模及び配置を検討することとなりますが、今おっしゃったようなことも踏まえながら、今話をしていると大分と先の話かもわかりませんが、検討も加えてまいりたいと、そのように考えているところであります。ちなみに私は旧の桜井中学校、南小学校の卒業生です。うちの息子と娘が新しい桜井中学校、そして南小学校を卒業いたしております。

 

○金山 今後、桜井市の小中学校の適正化の配置もこれから議論されていくと思うんですけれども、そういう小中一貫校とか、そうしたものも出てくるかもしれませんし、また、市内の3高校も今後どうなるかわかりませんので、そういった全体的な、広い視野で、ぜひ検討いただけたらありがたいなと思います。

 次の質問に移ります。学校給食について、お聞きしたいと思います。少し話は変わりますが、私は、平成28年第4回定例会において学校給食についてお聞きしました。私は、そのときの教育長の答弁をもとに、給食センターが新しくなって自分自身も食べに行ったことも踏まえて、「給食おいしくなるよ」と、子どもたちに伝えてきました。ところが、最近、子どもたちから「給食、最初はおいしかったけど、最近はおいしくない」と。「金山しげき、話が違うやんか」と、怒られております。おいしい、おいしくないは、個人の感覚の部分も大きいとは思いますが、児童・生徒、保護者からそのような声は出ていないか、届いていないか、教育長にお聞きします。

 

○教育長 給食の味つけ等につきましては、各学校の給食主任の先生、栄養教諭、それから調理委託会社の社員とで毎月、給食主任会を開催して、児童生徒の日々の給食の感想等を受けて、改善点等を話し合いを行っております。また、献立は、成長する子どもたちの健康のために、塩分や栄養素のバランスを考え、化学調味料などはできるだけ少なく使用するというようなことなど、工夫して調理を行っております。新しい学校給食センターでは、それこそ新しい調理機器の導入によりまして、今までできなかった焼き物、蒸し物、揚げ物などの調理ができるようになり、献立の種類も随分、増えました。各小中学校の家庭教育学級等々をはじめ、各種団体の給食センターの見学、試食会に来られた際には、給食内容のアンケート等を実施させていただいておりますが、おいしいというご意見を数多くいただいております。今のところ、おいしくないという意見は私どもには届いておりません。ただ、今後も児童生徒、そして保護者の意見を参考にしながら、充実したよりおいしい給食の提供に努めてまいりたいというふうに考えています。

 

○金山 私は、子どもたちの生の声を届けさせていただきました。私が、子どもたちに怒られないように、(おいしい給食に工夫してくださるよう)よろしくお願いしたいと思います。また私自身、後日、給食センターに伺って再度試食したいと思います。

 平成30年度転入・転出者数によると、桜井市への転入は1,579人、転出が1,774人です。過去5年ぐらいの転入・転出者を見ても、毎年約2,000人前後の人が転出されるわけです。その多くは、進学や就職・転勤・結婚などが多いのだろうと推測します。であるならば、義務教育である小・中学校のうちに郷土愛を育むような教育をしていただけないかと私は思っております。当然ながら桜井市の歴史や風土、主要産業などについては学校でも教えてくださっているのでしょうが、歴史などに興味を持ってくれるのはもう少し大きくなってからだと私は思います。それよりも、桜井市で住むということはどういうことか、桜井市で生まれ、育ち、桜井市で生きることの、ちょっと生々しいかもしれませんが、コストメリットというか、生きる良さというか、そういうところをしっかりと伝えていただくことで「桜井市に住み続けたい」「通勤できる範囲で仕事を見つけて桜井市に住もう」と思ってくれる子どもたちも、出てくるのではないかと思うからです。私の同級生でも、結構そのまま桜井市に住んでくれている人も多いです。その理由は、単純に桜井市のことが、桜井市の風土が、桜井市の人たちが気にいっていて、愛着があるからだと私は思います。そういう愛着をもっと持ってもらうためにも、総合的な学習の時間などで、社会人経験のある講師などを招いて、そうした具体的な未来をイメージできるような授業があってもいいと私は考えますが、教育長、いかがでしょうか。

 

○教育長 私たちの郷土桜井市は、議員お述べのとおり、豊かな自然、文化、歴史遺産に囲まれ、我が町に愛着を持つ人が大変多いというふうに感じております。教育委員会としても郷土に対する理解と愛着を深め、豊かな社会を創造する人材の育成に努めていきたいというふうに考えております。現在、学校では、総合的な学習の時間や社会科の時間、生活科の時間などを活用いたしまして、それぞれの校区の自然や文化、歴史遺産の学習に加えて、地域で住み、地域で仕事をされている方をゲストティーチャーとしてお招きして学習に参加していただくというような取り組みを、小学校において数多く進めております。また、中学校におきましては、このゲストティーチャーから仕事の内容や仕事に込める思いなども聞かせていただくという取り組み、そして、職場体験学習で、地域の事業所に生徒が出向いて、そして実際に仕事をさせていただきながら、仕事がどのようなものか学ばせていただき、小学校からは一回り成長して、今度は自分が仕事を行うということをイメージした、実際に将来を見据えたキャリア教育につながるものを行っておるということでございます。

 今後においても社会人経験のある講師の方などを積極的に招き入れまして、郷土に対する理解と愛着を深め、桜井が好き、桜井に住みたい、住み続けたいというような思い、そして、豊かな社会を創造する人才の育成に努めてまいりたいというふうに考えます。

 

○金山 ぜひ、そういう取り組みを続けていただきたいと思います。核家族が増えていますので、そうした世代間交流は大切です。年配の方や社会人の方は、そうした知恵や経験を豊富にお持ちですし、素晴らしい方が桜井市にはいっぱいいらっしゃいます。そうした方々の知恵・経験を、若いうちから学ぶのは非常に大切だと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 先ほど松井市長からも教育に対してご答弁いただきましたが、私は、教育こそが「日本一住みたくなるまち」桜井の1丁目1番地だと思っております。教育の評判の高いところは、やはり若い世代が集い、住んでくれると思います。また外国では、教育の質の高いところは地価も上がるということも多いと聞いております。何よりも、教育が移住・定住対策にもなると私は思いますので、ぜひ引き続き教育に力を入れていただきたいと思いますし、また、平成27年からは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律ができて、教育に対して首長の権限も少し強まっております。ですので、そういう総合教育会議でも、ぜひそういったハード面・ソフト面の課題に対して積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、また、心から、子どもたちの可能性を信じて、心から期待して、松井市長自身も、心から子どもたちを支援していただきたいと私は思います。

 また、昨日、松井市長は3期目の挑戦について言及されました。といいましても、まだまだ任期は数カ月残っております。残りの任期、ぜひ火の玉になって、精力的に取り組んでいただきたいし、また、秋以降の議場でも松井市長と桜井市の課題について有意義な、前向きな議論ができることを楽しみにして、質問を終えたいと思います。

 


 

 ○金山 金山成樹でございます。議長のお許しをいただきましたので、今回は2点質問させていただきます。

1点目、桜井市における人権の取り組みについてお聞きします。1994年、本市では、桜井市人権擁護に関する条例を制定し、市民の人権擁護、人権の確立と市民参加による差別のない明るいまちづくりの実現を目指し、長年取り組んでこられたと聞き及びます。私自身も幼いころから、学校教育で人権の勉強もしてきましたし、小学校5年生のときには人権作文を全校生徒の前で読ませてもいただきました。しかしながら、先輩議員たちもこの議場でたびたび人権をテーマに一般質問されているとおり、本市は、まだまだ理想には遠い状況にあるのかなと私は認識しております。2016年には人権三法、つまり「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」が国において制定されました。刑事罰のない理念法ではありますが、制定当初はマスコミでも多少は話題になり、この議場でも関連する一般質問もありましたが、今では三法とも埋もれてしまっている感があるように私は思います。本市においては、市長を筆頭に、熱意を持って差別のないまちづくりに取り組んでくださっていると聞き及びますが、具体的にはどのように桜井市は取り組んでおられるのかを市長にお聞きします。また、併せて、私は今回、人権三法の中でもヘイトスピーチ解消法についてお聞きしたいと思います。ヘイトスピーチと一言で言っても見解が分かれるところでございますが、簡単に言えば、「特定の民俗や人種を侮辱したり、地域から追い出そうとしたりすること」と言えます。法務局のホームページによれば「ヘイトスピーチとは、特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、合理的な理由なく、一律に排除・排斥することをあおり立てるものや、特定の民俗や国籍に属する人々に対して危害を加えるとするもの、特定の国や地域の出身である人を著しく見下すような内容のものなどは、それを見聞きした方々に悲しみや恐怖、絶望などを抱かせるものであり、決してあってはならないものです」とあります。昨日の朝日新聞の一面の記事で、神奈川県川崎市でヘイトスピーチを規制するために違反者への刑事罰を盛り込んだ条例の素案を市議会に提出したとありました。違反を3回重ねた場合、50万円以下の罰金とするもので、ヘイトスピーチに刑事罰を科した全国初の取り組みのようです。川崎市はヘイトデモが数多く起こってきた地域であり、その対応に努力を重ねてこられた自治体の1つです。川崎市の先進的な取り組みによって、ヘイトスピーチ解消法はもちろん、人権三法、そして差別のないまちづくりが再び注目されることを期待したいと思います。さて、平成29年度末のデータによると、桜井市内の在留外国人の累計は582名で、県内12市の中で6番目の多さになります。桜井市においてはヘイトスピーチに当たるデモなどの大きな事案はないと思いますが、差別的な言動や落書きなど在日外国人への差別意識は、桜井市にもまだ一部残っているようにも思います。ヘイトスピーチ解消法の第4条から第7条には、地方自治体としての努力義務も明記されています。ヘイトスピーチ解消法成立からちょうど3年、桜井市としてどのように取り組んでこられたのか、市長にお聞きします。

 2点目、桜井市における学校教育の課題についてについてお聞きします。松井市長就任後、8年目を迎えています。この8年間、市長の提唱しておられる「陽だまり」政策において、教育はどう位置づけられ、桜井市の教育全体がどう変わったのか、市長にまずお聞きしたいと思います。また、桜井市の教育、特に中学校教育の現状について、教育長にお聞きします。

 以上、大きく2つのテーマについてご質問させていただきました。簡潔明瞭なご答弁、よろしくお願いいたします。これで壇上での質問を終わらせていただきます。

 

 

市長 金山議員の1点目の質問にお答えいたします。2016(平成28)年に差別のない共生社会を目指し、お述べいただきました「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」の人権三法や、今年3月に奈良県部落差別解消推進条例が制定され、人権確立に向け大きな足がかりとなる法律ができ、差別解消への法的な方向性を明確にしたことは言うまでもありません。 桜井市におきましても、お述べいただきました1974年(昭和49年)に基本的人権の尊重と平和で明るい社会の実現を誓い、県内初となる人権擁護都市宣言を行い、1994年(平成6年)に多くの市民の願いを受けて、桜井市人権擁護に関する条例を制定し、人権尊重社会の実現に向けた人権教育と人権啓発活動を積極的に推進してまいりました。そして、人権草の根運動として、各校区、各地区で開催する人権教育推進協議会の研修会を家庭、学校、地域、職場などで展開してまいりました。その後、2016年(平成28年)には人権三法が制定されたことで、さらに差別をなくす力として人権尊重のまちづくりに向かい、人権施策をしっかりと進めていく必要があると考えています。そのため、7月の差別をなくす強調月間中には、私が本部長を務める桜井市人権政策推進本部の課長以上の職員及び44団体が加盟する桜井市人権教育推進協議会の方々とともに、駅前での街頭啓発を行っています。また、行う予定をしております。強調月間中には、差別をなくす市民集会、10月の世界人権週間には、人権文化を育てる市民の集いを開催し、研修しております。本年も開催する予定をいたしております。人権三法は、今年でそれぞれ3年目を迎えます。今後もこれまで以上に人権尊重のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。次に、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、いわゆるヘイトスピーチ解消法につきましては、明確な定義はありません。しかし、金山議員お述べのとおり、デモやインターネット上で特定の国の出身者であることのみを理由に一方的に我が国の社会から追い出そうとしたり、危害を加えようとしたりする言動のことと私も認識をいたしております。我が国におけるヘイトスピーチ問題への理解は、一定の成果はあるものの、いまだ国民全体に理解が広まったとは言えないと思っております。そのことから、本市では、「ヘイトスピーチ、許さない」のポスターを市内の公益施設に掲示し、各校区人権教育推進協議会の総会時においても部落差別解消法、障害者差別法とともに啓発を行っているところであります。職員の研修につきましても、内部で行う研修や外部でのシンポジウムに参加し、人権意識の向上に努めております。市民の皆様にもヘイトスピーチ解消に向けた取り組みを初め、全ての人権問題に対して人権教育・人権啓発を進めてまいりたいと考えております。ご理解よろしくお願いいたします。

私が提唱する「陽だまり」政策は、子どもから高齢者、障がいを持っている方々全ての皆さんへの安心・安全のまちづくりであります。特に、県の総合庁舎跡地を活用した医療・福祉の拠点を整備することや、妊娠、出産、育児まで切れ目のない子育ての育児強化に取り組んでいくこと、地域包括ケアシステムを構築し、市民の皆さんが安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいくことなど、快適で住みよい桜井市を実現することであります。 次に、2点目の市長就任後、「陽だまり」政策において、教育はどう位置づけられ、桜井市の教育全体がどう変わったかのご質問にお答えをいたします。全国的に少子高齢化が進展する中、地域のコミュニティ活性化を図り、医療・福祉の体制を確立してまいりました。また、医療・福祉の充実だけでなく、「陽だまり」政策における桜井市の教育については、子育ての支援、教育活動への支援を考えております。学校での教育活動は、学校の先生方が中心となっているところでありますが、私は、子どもたちに相手の立場に立って考える人になってほしい、また、挨拶がしっかりできる人になってほしいなど、社会が明るくなるような人に育つことが教育の原点であると思っております。教育現場では、さまざまな背景や要因から、それぞれの学校に教育課題があると聞いていますが、子どもから高齢者、障がいを持っている方々全ての皆さんが住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくりにするため、子どもたちが充実した学校生活を送れるようになることが大切だと考えております。午前中の質問にもございました。そのために、小中学校のパソコン教室に児童生徒用のノートパソコンを設置し、それらを利用して、新しい学習指導要領が示すプログラム学習など、情報化社会に対応できるよう整備をしてきたところであります。また、新しい学校給食センターを建設して、学校給食を充実させました。さらに、今年度、学校施設にエアコンを設置することで、快適な環境で学習できるよう、環境整備をしているところであります。私が市長に就任したときに生まれた子どもたちが、今、小学校2年生になっています。幼児が小学生となり、中学生へと成長していきます。教育全体がどう変わっていくかというと、一朝一夕に見てとれるものではなく、まだまだ道半ばということになるかもしれませんが、現在、子どもから高齢者、そして障がいを持つ全ての方に安心・安全のまちづくりである「陽だまり」政策として取り組んでいくことが、今後、学校現場や教育としてどう進展していくかについては、教育委員会と連携しながら、必要な施策を検討し、これからの様子も見ていく中で、見えてくることもあるかと思っております。今後も教育現場の意見も聞きながら、子どもたちのために、必要な施策に取り組んでまいりたいと考えております。ご理解よろしくお願いを申し上げます。

 

○教育長 金山議員の2点目の2項目め、桜井市の教育、特に中学校教育の現状についてお答えをいたします。市内には4つの中学校があり、「笑顔かがやく子ども、心きらめく教職員」という教育スローガンのもと、確かな学力の育成、豊かな人間性の育成、たくましい心身の育成と、この3点を指導の重点として、日々の教育活動に取り組んでおるところでございます。また、日常の教育活動が子どもたちの将来に向けて社会とのつながりを有していることを認識し、指導の狙いをより明確にしたり、家庭や地域との連携、協働をより深めたりするために、組織的、計画的な取り組みを進めております。しかしながら、この10年間で市内中学校に通う生徒は、約300名減少しております。また、少子高齢化、高度な情報化、家庭のありようの変化などから、生徒たちの人間関係も複雑化しており、さまざまな要因や背景から、それぞれの学校でそれぞれの教育課題が存在をしております。特に学力の向上、規範意識の醸成、体力の向上は、共通する教育課題として挙げられます。各学校では、これらの課題を克服するために工夫した、さまざまな取り組みを進めております。学力の面では、各校で研究授業を実施し教員の資質向上を図るとともに、生徒たちが意欲的に学習できる要因・要素について研修を重ね、生徒の実態に合った学習スタイルや新しい学習指導要領が示す主体的・対話的で深い学び、いわゆるアクティブラーニングに対応できるよう取り組んでおるところでございます。規範意識の醸成におきましては、教科化がされました道徳の授業や、日常の出来事についての話し合い活動などから、多くの生徒たちがいじめや差別を許さない心を持ち、挨拶することや人に優しくすること、人に親切にすること、こういうことの大切さについて学んでおります。中学校は、思春期の多感な世代でございます。人と違うことを好んだり、反抗的な態度をするなど、集団生活から逸脱するような行動をとる生徒も少数でありますが、いるのが現状でございます。また、体力の向上については、中学校では体力の二極化が進み、運動をする生徒はするが、しない生徒は全くしないという現状がございます。特に女生徒に顕著でございます。体育の授業や保健学習等を通して、また、部活動に参加することなど、将来のために自分自身の健康管理は大切であるという学習をしております。教職員は、学校長のリーダーシップのもと、これらの教育課題克服に向けて、保護者のさまざまな願いを受けとめ、集団に対して、また個々に対して、教育実践を重ねておるところでございます。中学校生活は3年間、中学卒業後の進路を保障し、10年先、20年先にさまざまな分野で社会人として活躍するためにも、教育に課せられた課題は大変大きいというふうに感じております。ご理解をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

 

○金山 1点目の質問に移ります。1点目、人権に対する桜井市の基本的な考え方と対応に関しては、おおむね理解いたしました。やはり、地道な啓発活動というか、そういうのが一番大事なんだろうなと、お話を聞いて実感させていただきました。

  差別のない明るいまちづくりの実現においては、まず行政が率先して人権に取り組んで、そして私たち一人ひとりが啓発し合い、真摯に向き合うことが大切かなと思いますので、ぜひ引き続き高い意識と公平性を旨に、積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 また、市長にお尋ねいたします。市長は、先ほどもおっしゃっておりましたが、桜井市の人権政策推進本部の本部長にもなると聞いております。仮に、市長が所属する組織や会合などで、人権を損なうような言動、今回取り上げたヘイトスピーチとまではいかなくても、在留外国人に対する不当な差別発言や、また部落差別、障がい者差別などの発言がその場であった場合、また、後日それを耳にした場合、市長はどのように対応されるか、お聞かせください。

 

○市長 金山議員の再度の質問にお答えをいたします。まずは、人権三法などの法律や条例の制定につきましては、人権確立に向け大きな足がかりとなる法律で、差別解消への法的な方向性を明確にしたことは言うまでもありません。しかし、今年の3月に発表された県内の差別事象は、部落差別が21件、障がい者差別28件、外国人差別5件の報告があり、憤りや悔しさも感じているところであります。

 私が差別事象の現場にいた場合、まずは、その場に発言への差別性を指摘して、問題の本質をともに考えていただく働きかけをしたいなというふうに思っております。まず、なぜそのような発言をするのか、相手の話をじっくり聞き、相手に差別は社会悪だと理解してもらうよう、話をしていきたいと思っております。話ができるそのときこそ、相手への啓発や意識変革への機会であり、相手に人権尊重のまちづくりの協力者になってもらうことを目指していきたい、そのように思っています。

 また、起こってしまった事象については、担当部署である人権施策課において調査を集約して、関係機関へ報告いたしたい、そのように思っています。

 事案を共有し、あらゆる形態の差別をなくしていくために、全力で取り組んでまいりたいと思っております。桜井市の人権のまちづくりは、私が先頭に立ってより一層推進してまいりたい、そのように考えております。

 

○金山 公の場でも私の場でも、ほったらかしにはしないと松井市長はおっしゃっておられると思いますので、安心いたしました。

 水は高いところから低いところに流れるのが自然の摂理です。やはり、松井市長も公人でありますので、市長みずからが今おっしゃいましたように率先垂範で行動されることで、市民一人ひとりにまでその意識が行き届くと思いますので、ぜひ引き続きよろしくお願いしたいと思います。また、我々議員一人ひとりも公人ですし、また、公務員の皆さんも公人でございますので、我々一人ひとりが人権に対する意識をしっかりと持って(常日頃)行動しなければいけないなというふうに私自身も考えておりますので、(皆さんも)引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 2点目に移ります。松井市長の就任後に限って申し上げますと、平成24年に市内中学校において、いじめの案件がございました。また、最近でも中学校内で暴力事件やボヤなどもあったところでございますが、そうした事件がふえたせいか、ちょうど私の世代の子どもたちが中学校へ進学するタイミングのせいかわかりませんが、市内中学校に進学する保護者から相談をお受けすることも増えました。中には、市内中学校が嫌だから私立に進学する子や、残念ながら桜井市から家族ごと引っ越すご家庭もありました。これは、松井市長の掲げておられる「日本一住みたいまち」とは逆行している現象であると、残念ながら、私は思います。

 私は、2015年出馬当時から掲げてきた「5つの提案」の中で「桜井市を文教都市にする」という目標を掲げてきました。それは、稲田塾・市田塾という関西でも有名な塾が生まれた桜井市には、教育に対して大きなポテンシャルがあると感じるからです。しかしながら、この現状を見ると、私の目指す文教都市には、まだまだ道のりが遠いなと感じざるをえません。教育とは、一人ひとりの個性に沿って、家庭と学校と地域が連携して行っていくものであろうと私は思います。そして、その教育環境を整えていくのは行政の責任であろうと思います。そういう意味において、昨年、国にも働きかけた上で松井市長が全小中学校の教室にクーラー設置を決断されたことは英断であったと私は評価したいと思います。さて、市内の一部中学校においては、近年いろいろ問題があったように聞いておりますが、教育委員会としての見解と、その対応について、教育長にお聞きしたいと思います。

 

○教育長 議員ご指摘の学校における生徒指導上の課題は今に限らず、どこの学校でも大なり小なり存在し、その対応はさまざまで、各学校では事象により警察や児童相談所等との連携を含め、生徒の健全育成に向けて懸命に取り組んでいるところでございます。社会で許されない行為は、学校でも許されません。学校は、問題行動には毅然とした態度で接し、保護者を含めて関係機関とも連携を密にして、生徒の健全育成を願い、指導を継続しております。しかし、生徒の個性、生活背景、取り巻く環境、保護者の考え方等々、さまざまな要因があり、苦慮していることも事実でございます。いつの時代も勉学に励み、学校生活を楽しみ、有意義なものにしたいという考えの生徒が多い中で、自分の都合を優先させ、他人の迷惑を考えずに反抗したりする一部の生徒の行動が授業の規律を乱したり、けんかなどの暴力行為につながる場合もございます。どんな場合にも、教職員は決してあきらめず、常に生徒たちに寄り添い、粘り強く取り組んでいます。また、保護者に対して、連携と協力を願っているところでございます。市内中学校では、過去にいじめ問題があり、毎学期、アンケートを実施して、実態を把握して、いじめを許さない取り組みも継続をして取り組んでおるところです。生徒指導上の課題は、どの学校にもあり、いつ、どんな状況で事象が発生するか予測はつきにくいものです。教育委員会は学校の取り組みを支援し、学校の相談をともに考え、生徒のために問題解決を図ってまいります。今後も学校との連携を密にしながら、状況の把握に努め、ともに取り組んでまいります。ご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

○金山 反抗や規律を重んじないそういう行動をされる子どもも多分いると思いますが、当然ながら法律に即してだめなものは許せないとは思います。が、(子どもたちに対して)期待すること・信じることを忘れずに、(教職員の方は子どもたちに)当たっていただけたらありがたいなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。また、授業についていけない子や、どうしても教室に入れない子、そして、そういう子どもたちに将来をあきらめさせないためにも、先ほど教育長がおっしゃっておられた10年後、20年後の自分自身の可能性を広げるためにも、スクールカウンセラーや学校支援アドバイザーなどの支援も必要だと私は考えます。桜井市にはどれぐらい配置されているのか、また、地域と学校との関わりはそれぞれどうか、お聞きしたいと思います。まだまだ幼い子どもたちが一時の判断ミスで、将来の希望や夢をあきらめずに済むように、教育としてもできることは手を尽くすべきだと私は考えております。先ほども思春期で、と教育長はおっしゃっておりましたが、(中学校の時期は)心も体も不安定な時期に当たると思います。授業についていけない子に関しては、学習ボランティアやNPOによる支援も他市では行っているところもあると聞きますが、桜井市の現状はどうか。

 

○教育長 現在、桜井市には、奈良県教育委員会から派遣をされました4名のスクールカウンセラーが市内4つの中学校区に配置されております。また、市単費のスクールカウンセラーも4中学校区に配置をし、子どもたちの抱える悩みの軽減、解消に向けて取り組みを進めております。学習支援につきましては、各小学校、中学校ともに奈良県教育委員会が行っております学校地域パートナーシップ事業というのがございますが、これに沿った取り組みを進めております。学習ボランティアですが、授業中の子どもを支援するというタイプと、それから放課後の学習支援を行うタイプと2通りあろうかと思います。現在、4つの小学校で授業中に子どもの学習支援を行うボランティアの協力を得ております。また、全ての学校では、放課後の学習支援を行っております。しかしながら、地域の学習ボランティアがなかなか見つからず、教員のみが放課後の学習を行っているという場合もあり、各学校ともにボランティア募集に苦心しているという現状でございます。桜井市教育委員会では、今後も子どもたちが安心して学習に取り組めるように、人材活用を含めた学習環境の整備ということに力を入れていきたい。そして、桜井市の子どもたちの悩みの軽減、解消、そして学習意欲の向上、これに努めてまいりたいというふうに考えております。

 

○金山 学習ボランティアの人材に関しては、他市でも行っておられると思いますが、そういう高校生とか大学生とか、そうした年齢の近い層の発掘もぜひ検討いただけたらいいのかなと思います。また大学生・高校生時代に、(中学生や小学生の)学習ボランティアをすることで、その方たち自身の未来も開いていく可能性もありますので、ぜひそうしたことも頭に入れて取り組んでいただけたらありがたいなと思います。そうした様々な問題や課題がある中、私も先日、(母校でもある)桜井中学校のほうに視察に行かせていただきました。本当に先ほど教育長おっしゃったように、先生方一人ひとりが生徒に寄り添ってというか、真摯に対応していただいていることも多いのかなと感じました。しかしながら、中学校の教員数が充足していないようにも聞いております。その現状と原因、そして今後の対応についてお聞きしたいと思います。

 

○教育長近年、教職員の長時間労働、働き方改革が叫ばれる中、中学校教員は日常の授業だけではなくて、それに必要な教材研究、生徒指導上の取り組み、保護者からの相談、部活動指導等々、忙しくしているのが現状でございます。  ただいまのご質問にお答えをいたします。県費の教職員の定数でございますが、これは、国の基準に基づいて奈良県教育委員会から教職員が配置をされております。桜井市においては、配置基準以外に、中学校には市費の講師を任用して、子どもたちの教育に取り組んでおるという現状でございます。各学校では、生徒の健康管理の面からも、日常の部活動の時間制限とか活動をしない日の設定、また、休業日の活動制限などを行っております。また、保護者に教職員の日常の勤務時間、これをお知らせさせていただいて、電話連絡や学校への来校について協力を願っているという現状がございます。教職員定数については、国の基準により県教育委員会が定める基準によって行われるものであるために、桜井市だけではなくて、県内どの地域でも教職員には多忙感があり、どこの学校でも教職員数が充足していないと感じているような現状があるというふうに思います。長時間労働の解消、働き方改革を進めるためにも、組織的に取り組むこと、行事を精選すること、しかしながら、生徒たちに寄り添うことを大切にして、授業の質を落とさない取り組みを続けていきたいというふうに考えております。

 

○金山 教育長のご答弁になるほどな、と思うところもありますが、昔に比べて事務量もかなりふえていると思いますし、(業務も)本当に複雑化していると思います。もし充足しないのであれば、そのための努力はすべきだと思いますし、また、市単費になるのかわかりませんが、ぜひその努力は継続してお願いしたいなと思います。やはり、1人足らないと大変だと思いますので。

 次の論点に移りますが、「陽だまり」政策は非常によく練られた政策だと思いますが、10代から20代の住民への対応が抜け落ちているように私は感じます。子育て支援や福祉・医療の充実、設備投資だけでは、10代、20代の市民への目配りは少し足らないのかなと私自身は感じております。その一例として、小学生までは通学路を見守ってくださるガードボランティアの皆さんがいらっしゃって、多くの住民に見守られて育ちますが、中学生になった途端、パタッっと地域との繋がりがなくなってしまうように私は思います。先ほどもありましたが、中学生という時期は思春期で、体も心も不安定な時期であると思います。お手元の資料をご覧いただければと思います。一番上の段に交通事故発生件数とございます。小学生に比べて中学生の件数が、平成5年以降、ふえているなと感じます。全体では、10件前後であると思いますが、しかしながら、中学生の交通事故のほうがやはり多いなという印象です。これは逆に言えば、小学生はそれほど見守り活動、ガードボランティアが地域で熱心にされている証拠かもしれません。が、中学生ともなれば、どうしても自転車通学が4校のうち3校とふえますし、移動範囲も広くなってきます。新聞報道されたものだけを一部取り上げると、平成25年4月26日には、安倍木材団地で小学4年生の男児が車にはねられ、足を骨折する重傷を負ったことがあります。また、平成26年1月10日には、下の市道で中学1年生の少年が自転車で転倒し、脾臓破裂や肋骨骨折などの重傷を負ったこともありました。そのほかにも、市内では過去に何件も小学生や中学生の痛ましい事故がありましたし、そして、登下校中以外の事故も含めれば、相当数に上ると思います。今月も図書館前で自転車の転倒事故があったと耳にしていますし、近年では全国的に通学途中の学生の事故や事件もふえてきています。桜井市は歴史のある町であるからゆえに、昔からの道をそのまま国道や県道に使っているケースも多く、歩道が狭く、通学路に適さない道も少なくありません。小学校単位では、毎年のように通学路点検を行っておられますが、中学校の通学路についてはどうか。また、そのような状況の中、登下校する小学生・中学生に対して、どのような対策を講じておられるのか、お聞きしたいと思います。

 

○教育長 ただいまのご質問にお答えをいたします。登下校時における交通事故は、市内小・中学生ともに、議員お配りの資料のとおり、発生しております。その多くは歩行中または自転車の走行中の車両等との接触の事故でございます。学校では、交通ルールを守り、一旦停止をするなど、自分自身の身を守ること、安全を確認するよう、機会があるごとに指導をしておるところでございます。中学校の通学路点検に関しましては、毎年年度初めに各学校の職員が通学路の点検を実施して、5月末日までに教育委員会のほうに危険箇所の報告をしているところでございます。また、この通学路点検につきましては、いつも自分が通ってくる道を生徒自身が確認して、申告するという形もとっております。報告をされました箇所については、教育委員会事務局が確認の上、各関係機関等に連絡をして、対策を依頼しているという形になります。毎年夏に実施しております通学路の合同点検は、対策費用が小学校の通学路のみに限定をされているということですので、中学校では実際には行っておりません。しかし、中学校の代表者が校区内の小学校の学校安全会議のほうに全て出席をさせていただいて、通学路合同点検の結果を共有しているというところでございます。安全対策につきましては、道路整備などのハード面の改善としましては、グリーンベルトの設置、また交差点のカラー舗装、ラバーポールの設置など、平成24~30年までの間で245カ所の対応を実施していただきました。各小・中学校では、それぞれの地域の実態に応じて、定期的な保護者による立哨、また教職員による安全パトロール、地域の各種団体や桜井警察署などによる見守り活動などを行っております。小学校では「通学路安全マップ」というものを作成している学校もございます。今後とも学校は家庭、地域、また各関係機関と連携・協力をさせていただいて、子どもたちの登下校の安全体制の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。

 

皆さん、こんばんは!金山です。

 

昨年、私は合計2回、インターン生を受け入れさせていただきました。

大学生を指導する中で、私自身も学びがありました。

 

いろんな課題を与え、桜井市のことを知っていただけるように尽力し、

どうすれば桜井市が良くなるのかを一緒に考える良い機会でした。

 

その中の課題の一環で、今まで私は計7回の一般質問・代表質問を行ってきましたが、

大学生の視点で「これはいいな」と感じた部分をピックアップしてもらいました。

(私が議会三役の「議会監査委員」である2018年5月~2019年3月は、議会の慣例により質問を控えています)

 

お時間のある時に、ぜひご覧いただければ、うれしいです。↓


◇◇◇

 

金山 2月22日に奈良県議会で行われた観光振興対策特別委員会において、外国人観光客が奈良観光で困ることのベストスリーとして、Wi-Fiスポットの不足、言葉が通じない、表示(サイン)の部分ということが挙げられた。3月7日に、JR西日本は、約100億円をかけて桜井-和歌山線に新型車両を56両、順次導入すると発表した。2020年春には、ICOCAが利用できることになり、日英2カ国対応の自動案内放送、英語での情報表示など、車両の機能が充実することで、外国人観光客にも乗り降りしやすくなっている。また、JR西日本の大阪支社長から、沿線は歴史、文化、伝統が物すごくある地域で、新車両の導入をきっかけに地域と連携して、まちづくりや観光振興にも取り組み、奈良を盛り上げたいという言葉もあった。私たち桜井市民は、列車というと近鉄を思い浮かべるが、外国人観光客にとって、列車といえばJRがまず頭に浮かぶと思う。となれば、JR桜井線の車両の充実に伴って、外国人観光客が桜井市にもふえる可能性があるだろう。そこで、先に挙げたWi-Fiの整備や案内板の多言語化など、外国人観光客の誘客についてのお考えを担当部長にお聞きしたい。

まちづくり部長 議員お述べのとおり、JR桜井線に新型車両が導入され、また、自動案内放送や英語での案内表示などが導入されることにより、外国人観光客の利用が増加する可能性があると思われる。案内板の多言語表記につきましては、平成30年度で整備予定の奈良盆地周遊型ウォークルートの案内サインについて多言語表記で整備を行う予定をしており、また、今後行う案内板の整備につきましても、できる限り多言語表記で整備を行ってまいりたいというふうに考えている。


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金山 県では、平成25年7月に、なら健康長寿基本計画を策定し、健康寿命を平成34年度までに日本一にすることを目標に、さまざまな施策に取り組んでおられる。平成26年度の奈良県の健康寿命は、男性は全国4位、女性は全国33位であるが、女性のランキングが低いのは、奈良県では専業主婦率が全国1位であることと無関係ではないと私は思う。つまり、女性の多くは家事に追われ、自分自身の健康に関心を持つ時間がないのである。県の取り組みの1つとして奈良県健康ステーションが挙げられる。健康ステーションは、近隣では橿原市の近鉄百貨店6階にあり、店休日を除く午前10時から午後7時まで営業されている。体組成計や骨健康度測定器、自動血圧計、血管年齢計などの最新機器を使った無料測定ができるほか、おでかけ健康法のミニ講座や、ほかの来場者と交流を図れたり、活動量計の2週間貸し出しを受けられるなどのメニューがあるようだ。市長は、もともと歯科医師であり、「陽だまり政策」など保健や医療に対して並々ならぬ意欲で取り組んでこられたと聞いている。桜井市において、病気を予防するために、市民の健康寿命を延ばすために、どのような取り組みを現在なされているのか、また、今後取り組む予定の施策があればお聞きしたい。

 

市長 なら健康長寿基本計画では、科学的な調査の結果、運動やがん検診などの推進、減塩、禁煙が健康寿命の延伸につながるものとされていることから、桜井市については、昨年度、胃がん検診受診率向上事業を実施し、検診の受診勧奨を行った結果、多くの方に受診していただくことができた。今年度は、さらに検診種目をふやして、国保事業と特定健康診査と共同事業でスムーズに健診を受けていただけるよう、受診券方式を導入したところである。また、地域包括支援センターを中心に、介護予防教室や居場所づくりを行っている。昨年までは、包括支援センターによる介護予防教室を受講された方を対象に、ころばん塾を開催しておりましたが、今年度からは、地域において高齢者の方々が手軽に取り組めるいきいき百歳体操を実施してまいりたいと考えている。そして、本年4月から新しく地域包括ケア室を設置して、市民の皆さんがいつまでも住みなれた地域で安心して生活できるよう、地域包括ケアシステムの構築に向け、取り組みを進めたい。

 

◇◇◇

 

金山 2016年5月19日の給食メニューは、白御飯、照り焼きキノコハンバーグ、卯の花、澄まし汁、牛乳であった。美味しく体によさそうだなと感じるとともに、先ほど教育長からもありましたが、化学調味料が少なかったり、味つけの薄さも感じたが、品目が少ないなと感じた。中学校の給食は、品目がふえるわけではなく、単純に小学校よりも多目の量を提供すると聞いている。育ち盛りの子どもたちからしたら、このメニューは物足りないと思うが、いかがであろうか。皆で食べることは楽しい、給食はおいしいと子どもたちに感じてもらえないと、給食をつくってくださっている皆さんも張り合いがなく、きっと寂しいだろうと思われる。体にいいものばかりではなく、子どもたちが喜んで食べるようなものもバランスよく含んだメニューづくりをぜひ要望したい。平成20年に改正された学校給食法により、学校給食には地場農産物の活用に努めることが規定された。それに沿って、農林水産省の第3次食育推進基本計画では、学校給食における地場産物の使用割合の目標を平成32年までに30%と掲げている。学校給食の地場産物の使用割合は、平成26年度は全国平均26.9%、奈良県では22.4%であった。平成27年度は全国平均で同じく26.9%、奈良県では16.3%であった。奈良県で急に減っているのは、奈良県では39市町村全ての統計結果を平均しているわけではなく、サンプリング調査しか行っていないということである。その比率から見ても、桜井市における地場産物の使用割合は非常に少ないと感じる。桜井市には農家も多くあり、もっと新鮮でおいしい地元の食材を子どもたちに食べさせてあげたい。それは桜井市のような里山に生まれ育つことのメリットの1つだと思いますし、私だけでなく、多くの市民が感じることであろうと思う。そして、地元の食材を食べ、時には地元の生産者とも触れ合う機会を持つことで、桜井市への郷土愛が育まれるきっかけになり得ると私は考える。

 

教育長 金山議員の本市の地場産物の利用割合が非常に少ないことについてのご質問にお答えする。給食センターでは、小中学校合わせまして1日約4,800人分の給食をつくっている。そのため、一度に大量の食材が必要となり、それだけの地場産物を安定的に確保することが難しいという状況にある。そのため、一度に全食分を調達せずに、調達可能な量を地場産物で集めるなど、仕入れ方法を変えたりして取り組んでいきたいと考えている。また、今後、他市の取り組みを参考にしながら、生産者や関係機関と連携をして、地場産物の利用促進を進めてまいりたいと考えている。


◇◇◇ 

 

金山 10年後、20年後には桜井市東部、南部を中心に、その自治会を中心に住まう人がより少なくなってしまい、高齢化が急激に進行することが考えられる。そうなれば、耕作放棄地もふえ、さらに鳥獣が平地におりてきてしまい、マムシも出てきて、鳥獣被害がより拡大することも容易に想定できる。市長は、桜井市全体としては、多極ネットワーク型コンパクトシティを目指しておられ、中山間地域には小さな拠点をつくるとおっしゃっているが、果たしてその未来像で桜井市の中山間の美しい風景を守れるのか、中山間地域にお住まいの住民の生活を鳥獣害から守れるのか、高齢化の波から維持できるのか、市長のビジョンを含めてご見解をお聞きしたい。

 

市長 ご懸念いただいているとおり、中山間については、課題が山積している。中でも、中山間の集落機能が落ちると、耕作放棄地や放置山林が増加して、野生獣を引き寄せ、鳥獣被害が増加する要因となると、そのように私も思っているところである。中山間の集落の荒廃を防ぎ、住民の皆さんに対する行政サービスの質を落とさず、安心して暮らしていただくためには、私は、この多極ネットワーク型コンパクトシティと小さな拠点のまちづくりしか行く道はないと、そのように考えているところである。都市のコンパクト化と中山間の機能を集約化し、維持することで、行政効率を高め、金や人などの資源を課題の解消に充てていきたい。また、中山間地の美しい風景を維持し、住民の暮らしを守るため、今後もこれらの取り組みを進めてまいりたい。


◇◇◇

金山 PM2.5は、国内の都市部工場や自動車の排ガスも大きな要因となるが、偏西風に乗って中国から飛来してくる越境汚染も大変多いと聞く。奈良県では、平日の午前中、毎日PM2.5の速報値を公開している。奈良県の環境政策課からご提供いただいた資料によると、年平均値なので、多いときと少ないときがあるわけであるが、都道府県別の年平均値では、奈良県は49都道府県中28位、岩手県や滋賀県、和歌山県と同じレベルであり、比較的空気がいいと言えると思われる。またこのほかに、奈良県が公開しているデータで、各局の空気のきれいさを示すPM2.5をはかっている速報値というのがあり、微粒子状物質PM2.5の測定結果というのが公開されている。桜井局の数値を見ると、ほかの局に比べてさらにPM2.5の数値が低い、いわば空気がきれいだという結果が出ている。もちろん、このデータが全てではないし、ほかの指標もあるかもしれないが、定住促進を進めるに当たって、世代を超えて健康志向が高まる中、こうした空気のきれいさという切り口もつけ加えてアピールしてみてはいかがであろうか。若年層に向けては、通勤もでき、空気のきれいな桜井市で子育てしてみませんかとか、年配の方には、歴史豊かな空気のきれいな場所でとか、いろいろあると思うが、市長または担当部局のご見解をお聞きしたい。

市長 議員ご指摘のとおり、健康に対する国民の関心が高まっている中で、私も大都市にはない空気のきれいさが定住促進に際しての大きな売りになるのではないかというふうに思う。特に子どもたちが健やかな環境で育つためには、空気のきれいさについては、今後ますます注目されてくるものではないかと思う。具体的なデータとしてPM2.5の測量値を出していただいたが、これは豊かな自然環境に恵まれた桜井市を改めて数値で裏づけるものであると思います。定住促進を進める上で、京阪神都市圏にアクセスしやすく、かつ、空気がきれいな自然環境に恵まれていることは、大きなアピールポイントとなる。今後、空気のきれいさ、住環境のよさをアピールポイントに加え、定住促進の中で情報発信を行い、そこにプラス、災害のない桜井市だというのも売りに出していきたいなと、そのように思っている。

◇◇◇

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


 

◯金山 ぜひ大事な局面ですから、市長のもとで全員火の玉となって頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 3点目に移ります。先ほどいろんな取り組みを教えていただきましたが、桜井市においては、移住・定住の窓口はどこになるのでしょうか。1本化されているのかどうか、また、市役所に来た移住・定住希望者にとって、それがわかりやすく明示されているんでしょうか。担当部長にお聞きしたいと思います。

 

◯市長公室長 移住・定住の窓口につきましては、現在、行政経営課が総合窓口となり、移住・定住希望者の皆さんからの問い合わせ、相談に応じております。問い合わせ先につきましては、直接来庁いただくほか、電話やメールなどについて対応しております。特に、全国からホームページをごらんになって連絡をとられる方が多いため、先ほど市長がお答えいたしました国や県の自治体紹介サイトにおいても、問い合わせ先を明記し、対応に当たっております。ご指摘の市役所来庁者の方への対応につきましては、行政経営課が窓口形態をとっておらず、わかりにくいことも事実であります。今後は案内板等により、来庁者に明示するほか、庁内案内や各窓口から速やかにご案内できるよう、重ねて職員に周知してまいりますので、ご理解いただきますようよろしくお願いします。

 

◯金山 ぜひそういう取り組みを進めていただきたいと思います。また、市役所の庁舎に直接来られる方も多いと思いますので、そういう明示方法も考えていただけたらありがたいなと思いますので、ご検討をお願いします。財源の乏しい桜井市にとって、よい事例は参考にさせていただくにしても、他市と移住・定住の補助金メニュー合戦で張り合っても仕方ないかなと私個人は思っております。それよりも、移住・定住を希望する方に寄り添って伴走し、できる限りわかりやすく、誠心誠意親切にすることは、お金がなくてもできるはずです。市役所に来た移住・定住を希望される方が職員に皆さんに温かく迎えられ、桜井市の市役所って何か感じいいなと思っていただけるように努力することは、決して無駄ではないと思いますし、先ほど市長がおっしゃっておられた挨拶もそうですし、また、できる限り親身になって、一緒に移住・定住のビジョンを描くことはできるはずだと思います。特に南丹市では、地域の特性を生かした移住・定住施策をされていましたが、桜井市においても画一的なものではなく、各地域の特性を生かした移住・定住プランがあってもいいと感じました。担当部長のご見解をお聞きします。

 

◯市長公室長 議員よりご紹介いただきました先進地事例のように、地域の特性を生かした移住・定住策は何より桜井市の特性に合ったものと私も同感いたします。桜井市におきましても、地域ごとに数々の特徴があり、大きな魅力を秘めております。これらを最大限に生かし、各地域のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。ご提案いただきました移住・定住プランにつきましては、まさしくこの各地域の特色を生かしたまちづくりの姿がそれに当たると考えております。それぞれの地域に住むことで移住・定住者の皆さんがどのような暮らしができるのかお示しすることができるように、これからも各地域のまちづくりについて発信に努めてまいりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

 

◯金山 ぜひよろしくお願いしたいと思います。また、3点目の質問に関連してですけれども、私は慈恩寺に住んでいるんですけれども、大和朝倉駅は非常に身近な駅です。今年3月17日の近鉄大阪線のダイヤ改正で、大和朝倉駅と長谷寺駅に急行がとまるようになります。特急と快速急行はとまらないんですが、特に帰りの大和八木駅での準急待ちが多かったことを思うと、非常に便利になると私も思います。ということは、桜井市として大阪や京都へ通勤される方に大和朝倉駅、そして長谷寺駅の近隣住居への住んでいただけるチャンスが広がったと私は捉えています。私が幼かったころ、近鉄不動産さんが朝倉台を開発して住宅を販売しているときに、大和朝倉駅に急行がとまるという触れ込みで販売されていたと聞きました。同会派の先輩である高谷二三男議員も長らく大和朝倉駅の急行停車には尽力されていたと聞きますが、時はかなりたちましたが、実際に大和朝倉駅に急行がとまるというのは、本当にどういう事情があるにせよ、歓迎したいと思っています。桜井駅、大福駅、長谷寺駅においては、県との包括協定もあり、活性化に向けて進んでいるように見えますが、大和朝倉駅周辺にはそのような計画もなく、置き去りにされているかのような感もあります。そこで桜井市として、こういう環境の変化に対応して、大和朝倉駅周辺の発展についてどのようにお考えなのか、今後のビジョンも含めて市長にお聞きします。

 

◯市長 大和朝倉駅周辺の発展についてのご質問にお答えをいたします。議員お述べのとおり、3月17日の近鉄大阪線のダイヤ変更により、急行が新たに大和朝倉駅と長谷寺駅に停車すると聞いております。これにより、市内にある近鉄線の4駅のうち3駅が急行停車駅となり、大阪や京都への通勤、通学等においても大変便利になるため、人口減少に歯どめがかかるとも期待をいたしているところであります。大和朝倉駅周辺地区につきましては、今月末に策定を予定いたしております立地適正化計画において、市の中心拠点である桜井駅周辺に近鉄線を介して容易にアクセスができる地区であることから、居住誘導区域に位置づけております。そして、大和朝倉駅周辺地区のまちづくりの方向性としては、昭和50年代に、先ほどお述べをいただきましたが、大規模住宅団地として開発された朝倉団地では、今後も人口密度が高く推移するものの、高齢化や空き家等の増加が懸念されますことから、空き家等を生かした良好な住宅の提供など、居住環境の維持、向上を図りつつ、定住を促進するよう考えております。また、現在、市として団地内の幹線道路から大和朝倉駅に向かう準幹線道路の一部につきましては、歩道幅員を1メートルから2.5メートルに拡幅し、学童や一般歩行者が安全に通行できるように努めているところでもあります。今後も引き続き有利な交付金を活用して、歩行空間の整備を進めるなど、今回の急行停車を追い風として大和朝倉駅周辺の発展に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解よろしくお願いをいたします。

 

◯金山 ぜひ居住誘導区域として発展できるように、市長の手腕に期待したいと思います。また、昨年、都市公園法が改正されました。都市公園法とは、地方公共団体が都市公園を設置し、管理するための基準を示す法律です。改正内容で注目すべきは、公募設置管理制度、パークPFIというらしいですけれども、の創設です。これにより、都市公園内に飲食店や売店などを民間業者に公募することによって設置できるようになりました。ただ、民間業者は公園施設の整備を一体的に行うことが条件となりますが、公募時の条件で全額事業者負担にするか、行政が一部賄うかを決めることもできます。設置管理許可は10年から20年になり、建ぺい率の特例や施設利用促進のための自転車駐車場などの設置も可能となります。大和朝倉駅の近くには桜井市の2号公園があり、都市公園です。例えばコンビニや売店など、駅利用増を見込んだ施設をこの都市公園法の改正によって公募することも移住・定住対策として、また市民サービス向上として有効ではないかと考えますが、都市建設部長のご見解をお聞かせください。

 

◯都市建設部長 議員お述べのとおり、昨年、都市公園法が改正され、新たに公募設置管理制度が創設されました。これは、今後、人口減少が進み、地方公共団体の財政面の制約が進む中で公園施設を適切に整備、更新し、公園利用者の利便性の向上を図るために、民間活力を最大限に活用する制度でございます。具体的には、公園利用者の便益施設である飲食店や売店等の設置を行い、あわせて、その便益施設から生ずる収益を活用して、その周辺の園路や広場などの公園施設の整備や改修も一体的に行うものを公募により選定するものであります。現状の朝倉台2号公園の面積は、約1万8,000平方メートルございます。公園の大部分が古墳や斜面地となっており、平坦部の約4,000平方メートルの敷地にコンビニや売店などの施設を整備するかどうかは、都市公園の持つオープンスペースとしての基本的性格を踏まえ、慎重に検討する必要があります。また、民間事業者が事業に算入できる環境であるかどうかを見きわめるために、導入の検討に当たっては、利用者数の推計や事業者の意向を調査することが必要となっております。以上のことを踏まえつつ、県内の動向も見定めながら、制度の導入については検討していきたいと思いますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

 

〇金山 ぜひ検討をしていただきたいと思います。4点目に移ります。古代に興味のある方も本当に国内でも多く、また、古代はミステリアスな時代でもありますから、できるだけ正確な情報を詳しくわかりやすく観光される方に伝えていただきたい。先ほど冒頭の市長の答弁もございましたけれども、ぜひ段階的な整備をなるべく早く進めていただきたいなと思っております。ただ、今の状態では、知識の豊富な方か、またすぐれた想像力をお持ちの方しか、桜井観光を十分には楽しむことができないと私は心配しております。早急な対応を望みたいと思います。

 さて、2月22日に奈良県議会で行われた観光振興対策特別委員会を傍聴させていただいたのですが、外国人観光客の奈良県への入り込みは、速報値で、平成29年度209万人、また、外国人観光客が奈良観光で困ることのベストスリーとして、Wi-Fiスポットの不足、言葉が通じない、表示(サイン)の部分ということでした。3月7日に、JR西日本は、約100億円をかけて桜井-和歌山線に新型車両を56両、順次導入すると発表されました。2020年春には、ICOCAが利用できることになり、日英2カ国対応の自動案内放送、英語での情報表示など、車両の機能が充実することで、外国人観光客にも乗りおりしやすくなります。また、JR西日本の大阪支社長は、沿線は歴史、文化、伝統が物すごくある地域で、新車両の導入をきっかけに地域と連携して、まちづくりや観光振興にも取り組み、奈良を盛り上げたいという言葉もありました。私たち桜井市民は、列車というと近鉄を思い浮かべますけれども、外国人観光客にとって、列車といえばJRがまず頭に浮かぶと思います。となれば、JR桜井線の車両の充実に伴って、外国人観光客が桜井市にもふえる可能性があると思います。そこで、こうしたWi-Fiの整備や案内板の多言語化など、外国人観光客の誘客についてのお考えを担当部長にお聞きします。

 

◯まちづくり部長 議員お述べのとおり、JR桜井線に新型車両が導入され、また、自動案内放送や英語での案内表示などが導入されることにより、外国人観光客の利用が増加する可能性があると思われます。JR西日本との観光連携につきましては、平成30年度で整備予定のJR三輪駅前公衆トイレについて、用地の無償貸与を受け、整備してまいります。また、新型車両の導入をきっかけにした観光振興の連携については、状況等を見きわめながら検討してまいりたいというふうに考えております。また、案内板の多言語表記につきましては、平成30年度で整備予定の奈良盆地周遊型ウォークルートの案内サインにつきまして、多言語表記で整備を行う予定をしております。また、今後行う案内板の整備につきましても、できる限り多言語表記で整備を行ってまいりたいというふうに考えております。観光トイレの洋式化につきましては、今年度までは予算の許す範囲で1基ずつ洋式化を行ってまいりました。平成30年度につきましては、国の補助金に上乗せをする形で県の補助金も予算化されたと聞いております。できる限りこの補助金を活用して洋式化を進めるべく、今後調査検討を行ってまいりますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願いしたいと思います。

 

以上

◯金山(登壇) 新政クラブ桜井の金山成樹でございます。議長のお許しをいただきましたので、会派を代表して、今回は4点質問させていただきます。

 1点目、平成30年度予算案についてお聞きします。桜井市において平成30年度予算案が提出され、一般会計は対前年度比2.7%減の235億6,200万円と、歴代5番目の規模の予算となっています。昨年9月議会の新政クラブ桜井の代表質問において、私は、桜井市の財政規律をテーマとさせていただきました。その結果、財政規律について強い危機感を市長も持っておられることが確認されました。財政規律を堅持しながらも、先送りされた桜井市の課題を1つずつ優先順位をつけて解決していきたいとの市長の思いもお聞きしました。さて、この3月議会の冒頭で、市長施政方針を聞きながら、会派としての私たちの思いを市長を初め理事者側においても真摯に受けとめてくださっているんだなという思いを改めて強くいたしました。そこで、まず、このたびの予算を編成するに当たっての基本的な考えと、今回の予算編成においてどのようなお考えのもとで組まれたのか、また、事業の選択と財源の集中をどのあたりに厚くなされたのかについて、市長にお尋ねいたします。

 2点目、桜井市職員の服務規律についてお聞きします。桜井市が今迎えている財政上の危機を乗り越えるには、市長1人のみならず、桜井市の職員の皆さんが一丸となって、同じ目標のもと、苦しく長い時期を走り切ることが必要であろうと思います。そのためには、市長の持っている思いや危機感を職員一人一人が共有している必要があるのではないかと考えます。服務規律についてお聞きする前に、まず、将来の桜井市にとって一番大切な時期を迎える中、市長がお持ちの危機感や桜井市に対する思いは、きっちりと現場の職員一人一人に隅々行き渡っているのかと考えておられるのか、市長のご見解をお聞きします。

 3点目、移住・定住促進対策についてお聞きします。本年1月18日、19日、京都府南丹市、京都府綾部市へ新政クラブ桜井、公明党を含む有志議員8名で研修に行ってまいりました。京都府南丹市では、子育て施策や福祉施策の充実、小学校の再編など、生活基盤の安定確保に向けた施策を展開され、平成25年に南丹市定住促進アクションプランを策定し、平成28年には転入者が転出者を上回ったそうです。平成25年から29年度までに移住相談数は約430件、就農を希望したり、自然の中で子育てを希望する若い世代からの相談が多いとのことでした。その背景として、移住促進住宅整備事業、地域定住促進拠点整備事業、Uターン者住宅購入・新改築支援商品券交付制度、児童手当以外の各種祝い金など、豊富なメニューがありました。また、京都府綾部市においては、市長から直接、移住・定住対策についてお聞きすることができました。綾部市にはグンゼや日東精工などの本社・事業所があり、法人税収入も豊かであり、「医」、「職」、「住」、「情報発信」による定住促進を進めておられました。平成12年に廃校跡を綾部市里山交流研修センター「里山ねっと・あやべ」にリニューアルし、田舎体験ができる都市との交流拠点を、全国でも早い段階で設置されました。定住希望登録者は現在700名近くもいらっしゃるようです。両市とも非常に充実した移住・定住対策を行っておられました。桜井市において、この両市と比べてどのような移住・定住対策を行っているのか、どのような工夫をし、どのような実績が上がっているのかを市長にお聞きします。

 4点目、日本書紀1300年を柱とした2020年の観光誘客についてお聞きします。2020年といえば東京オリンピックの年ですが、日本書紀成立1300年の記念すべき年でもあります。桜井市には日本書紀に記載のある地名が多く現存し、また、当時の天皇の宮殿跡と目されるエリアも数多くあります。今、奈良県のほうで記紀万葉プロジェクトとして動いていると聞き及びますが、桜井市もちゃんと連携をとって準備を始めているのかどうか、また、古事記1300年のときの準備と結果はどうだったのか、その経験を今回どのように生かそうとしているのかをお聞きします。また、桜井市には宮跡や古墳を初め、名だたる史跡が多い割に、実際にその場所に行っても説明が乏しくがっかりしてしまうような場所が多いように私は感じます。せっかく歴史ある場所に立っても、歴史を感じ切ることのできない、知的好奇心を十分には満たすことのできないスポットが多いように感じます。これでは、せっかく駅前にホテルもでき、市長も観光振興を目指しておられる中で、余りにももったいないように思います。昨年の12月議会で同会派の井戸良美議員がただしておられましたが、やはり、案内板やサインは統一したほうが美しいし、また、桜井市には文化財課があり、市立埋蔵文化財センターや纒向学研究センターもあり、日々発掘や研究など進んで新たな知見が深まっているわけですから、桜井まで来て、せっかく現地まで足を運んでくれた人々に整理された情報をしっかりと届ける努力を2020年までになし遂げておくべきだと考えます。1日では回り切れない、もう一度桜井市へ来たいと感じていただけるような案内板、サインを整備していくべきだと考えますが、市長のご見解をお聞かせください。

 以上、大きく4つのテーマについて質問させていただきました。ご答弁よろしくお願いいたします。

◯市長 皆さん、おはようございます。新政クラブ桜井を代表されまして、2番金山議員の1点目、平成30年度予算案についてのご質問にお答えいたしますが、その前に、昨日、3月11日、東日本大震災から7年を迎えました。改めまして、お亡くなりになった方々のご冥福を謹んでお祈りいたしますとともに、ご遺族の方々にお悔やみを申し上げます。また、被災された方々、今なお避難生活を送っておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。被災各地では着実に基盤整備が進んでいる中、かつてのにぎわいを取り戻せるよう、一日も早い復興を皆さんとともに心よりお祈りを申し上げたいと思います。

 それでは、答弁をさせていただきます。平成30年度の一般会計予算案の編成に当たり、基本的な考え方として、第5次総合計画実施計画の重点施策に基づき、先送りされてきた課題の解決と同時に、まちづくりを初め、市民の安心安全、サービスの向上、防災の拠点としての新庁舎建設、福祉・防災の充実など、地域の活性化、にぎわい再生のため、将来への投資、新しい施策への取り組み等の予算編成に取り組んだところであります。また、平成30年度の予算編成における事業の選択と財源の集中では、財政調整基金の減少、扶助費の伸びや退職手当の増加などから、大きな財源不足が見込まれましたので、まずは経常的な経費の見直し、圧縮を図るため、各部局へ配分する一般財源を10%カットし、各部局内において精査を行いました。その後の予算査定でも、さらに既存事業の精査を行いました。また、投資的経費、新規事業では、中期財政計画に基づき事業の規模や手法、年度の調整、財源の確保、後年度への影響などについて精査を行い、必要性、緊急性による優先順位に基づいて財政規律に注視しながら、限りある財源を有効に活用し、政策実現に向けて予算づけを行ったところであります。施政方針でも述べさせていただきましたように、一気に桜井市をよみがえらせることは難しいことでありますが、持続可能な範囲で一歩一歩事業の成果を積み重ねていくことで、将来の世代が桜井市に夢を持っていただけるよう全力で取り組んでまいりますので、ご理解よろしくお願いをいたします。

 次に2点目、桜井市職員の服務規律についてのご質問にお答えいたします。議員お述べのように、将来の桜井市にとって今が一番大事なとき、踏ん張りどころであります。その思いや危機感を皆でどう共有しているのかとのことでありますが、初めに私の思いを少し述べさせていただきます。平成30年度は、町を元気にし、活力をよみがえらせるためのまちづくりなどがいよいよ形となって見えてくる年、まさに計画段階から実施段階へと移る非常に重要な年度と考えております。施政方針、提案理由でも申し上げましたとおり、本市では平成19年度から3年連続の赤字決算となり、その後も厳しい財政状況が続いてまいりました。そのため、先送りされていた課題が山積みとなり、桜井市に元気と活力が失われ、まちづくりが大きく停滞する結果となりました。ここ十数年のおくれ、空白を取り戻すため、今が一番厳しい、つらい時期でもあります。財政規律を保ちながら、10年先、20年先、市民の皆さん、将来の世代、若い世代が我が町桜井に夢を持ってくれるように、今頑張らなければいつ頑張る、自分が頑張らなければ誰がやるの意気込みで、我が愛する郷土発展のため、公平無私、誠心誠意という私の政治信条のもと、全身全霊を傾けて市政に取り組んでいきたいと考えております。危機感や私の思いの共有については、職員はもとより、行政に携わる全ての者が同じ思いで取り組まなければならないと考えます。今後もあらゆるところで伝え、さらに共有できるよう努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解よろしくお願いを申し上げます。

 次に3点目、移住・定住促進対策についてのご質問にお答えをいたします。桜井市では、まち・ひと・しごと創生総合戦略において、2040年の本市の目標人口を約5万1,000人として、「日本一住みたいまち桜井」の実現を目指し、地方創生の取り組みを進めております。人口減少に歯どめをかけるためには、総合戦略で定める取り組みを戦略的に進めていく必要かあると考えております。総合戦略にまち・ひと・しごとと冠がついておりますように、桜井市の特徴である観光交流を生かし、仕事と人の好循環と、それを支える町の活性化を進めることで、桜井市の魅力や価値が高まり、市外への人口流出に歯どめをかけ、外部からの転入を促す移住・定住の促進につながるものと考えております。外部からの移住・定住を促すためには、何よりも定住者である市民のサービスの向上を行い、満足度を高めることが大事であると考えております。その上で、移住・定住を進めるためには、議員よりご紹介いただきました先進地の事例のような手段が必要であると私も同様に考えております。移住・定住につきましては、地方創生交付金を使い、移住体験事業として、これまで2回の移住体験モニターツアーを開催させていただいたほか、移住・定住の受け皿として桜井市空き家バンクを昨年9月に開設し、10月からは国土交通省の全国版空き家バンクとも連携し、全国から桜井市の空き家を簡単に検索していただけるようになりました。また、全国に桜井市をアピールするため、情報発信も必要であります。現在、総務省が運営している自治体紹介サイト「全国移住ナビ」や、奈良県が運営している自治体紹介サイト「移住サイト奈良に暮らす」に桜井市の紹介を掲載するなど、あらゆる機会を捉えて全国に発信してまいりたいと考えております。今後は、ご紹介いただきました南丹市や綾部市などの先進事例を参考にしながら、移住・定住促進に積極的に取り組んでまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いを申し上げます。

 次に4点目、観光誘客についてのご質問にお答えをいたします。議員お述べのように、桜井市には古事記、日本書紀あるいは万葉集にゆかりのある地名が数多く存在し、また、当時の天皇の宮跡とされる伝承地も多くあります。奈良県では、古事記1300年から、日本書紀1300年を一連の期間と捉え、記紀万葉プロジェクト事業として最終年となる2020年を目指して、現在、事業を推進しているところであります。また、桜井市におきましては、歴史文化資源を活用し、観光誘客を目的として、奈良県が推進します記紀万葉プロジェクト事業に連携して事業を進めるべく、平成24年に市内38団体で構成します桜井記紀万葉プロジェクト推進協議会を設立し、記紀万葉のふるさとである桜井市を県内はもとより、全国に情報発信を行い、また地域振興に寄与することを目的に、関連団体の協働によりこれまで各種事業を行ってまいりました。主な事業では、桜井記紀万葉歌碑原書展、大和さくらい100選事業、記紀万葉関連事業など、これまで行ってきたところであります。特に、桜井記紀万葉歌碑原書展では、平成26年にはあべのハルカス近鉄本店で開催し、1,200人の来場者がありました。また、平成27年には県立万葉文化館で開催し、800人、平成28年には市立図書館で開催し、900人の来場がそれぞれあり、一定情報発信ができたものの、まだまだ記紀万葉のふるさと桜井の知名度を高めるまでには達していないものと考えております。このことから、平成30年度以降の事業については、現在、検討中でありますが、最終年度の2020年に向けて、引き続き桜井記紀万葉プロジェクト推進協議会事業を実施して、情報発信に努め、桜井市への誘客を進めてまいりたいと考えております。2020年以降については、奈良県が実施する観光誘客事業の動向を見きわめながら、引き続き連携し、取り組みを進めたいと考えております。また、説明板や案内板につきましては、議員ご指摘のとおり、情報量としてはまだまだ少ないものと思われます。近年は、史跡を目当てとした見学者や旅行客の増加は顕著で、学術的意義や価値を伝える案内板の整備に期待する声も高まっておりますことから、来訪者の知的好奇心を満たすような案内板の設置や更新を順次進めてまいりたいと考えております。また、整備更新に当たっては、景観に配慮し、インバウンドへの対応として多言語での表記についても考慮しながら、進めてまいります。いずれにしましても、観光誘客の取り組みとしてはまだまだ十分ではありません。桜井市の知名度を上げるためにも、今後も継続して情報発信等の事業を推進していくことが非常に重要であると考えておりますことから、しっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。以上でございます。

 

◯金山 ご答弁ありがとうございます。1点目のほうは、おおむね理解いたしました。松井市長も2期目の折り返し地点を迎え、これで7年目を迎えられるわけですかね。今年度予算と、また来年度予算で松井市長は実現したいこと、先ほどおっしゃられたように、いよいよ形になってくるんだろうと思っております。特に来年度予算に向けて、市民一人一人が松井市長はこういうことがしたいんやなということが目に見えてくるように、ぜひ残りの任期を頑張っていただけたらと思っております。

 2点目の質問に移ります。先ほど市長がご答弁いただきましたように、市長ご自身も自分の思いをきちっと伝えていきたいとおっしゃっておられました。確かに卑弥呼の庄の問題であったりとか、旧ごみ処理センターの撤去とか、いろいろなことも多かっただろうと思います。ただし、桜井市には、お気づきポストというものがありますけれども、これ、平成20年度からスタートした事業と聞いておりますけれども、市民の方の生の声を聞きたいという当時の市長の思いからスタートしたと聞いています。このお気づきポストも含め、年間どれぐらいの苦情が市のほうに届いているのか、市長公室長にお聞きします。わかる範囲の年度で結構です。

 

◯市長公室長 ただいまご質問の年度ごとの苦情件数につきまして、過去5カ年の件数をご提示いたします。平成25年度は30件、26年度19件、27年度30件、28年度13件、29年度は現在までで14件となっております。

 

◯金山 実は、私も今回、一部目を通させていただいたんですけれども、これは市長も目を通されていると思うんですけれども、どのタイミングで、いつもどのように目を通されるのかを市長公室長にお聞きします。

 

◯市長公室長 お気づきポストの場合を申し上げますと、投函されたご意見は日々総務課の職員が内容を確認し、関係各課に伝達の上、対応の検討結果とあわせて市長まで報告されるという流れになっております。また、その他、電話等により人事課へご意見が寄せられ、人事課が直接対応する場合もございます。そのご意見の対象は、一職員の個人レベルのものから、課全体のレベルのものまであるわけですが、その規模と内容を考慮の上、重要なものにつきましては市長まで報告もしくは相談として上げていくという形をとっております。

 

◯金山 そうしたら、先ほど件数をおっしゃっていただきましたけれども、これはお気づきポストだけではなくて、電話の部分も含めるという理解でよろしかったですかね。わかりました。目を通されて、市長はどのような意見を言われて、また、どのような指示を具体的に出されるのかを市長公室長にお聞きします。

 

◯市長公室長 まず、苦情に関するご意見につきましては、職員の接遇態度や行動により市民の皆様や来庁者が不快な思いをされたり、不信感を持たれているというものでありますので、市長の率直な意見といたしましては、これまでにおきましても職員の服務については再三周知しているだけに、とにかく残念であると述べておられ、私といたしましても同じ思いでございます。そこで、市長の指示のもと、職員に対していつも伝えておりますのは、市民の皆様はサービスを受ける市役所を選べないんだと。多くの皆様に満足をいただけるサービスを提供できるよう、常におもてなしの精神で対応を行うようにということを申しております。また、勤務時間中に不適切な行動があった場合は、その内容によりましては、懲戒処分を行うことも含め、その行動を戒めるべく厳重に対応しております。

 

◯金山 そういうふうにお気づきポストに意見を入れたりとか、また電話を入れたりというのは、すごくエネルギーの要ることだと思うんですよ。よっぽどつらい思いをされたりとか、本当に嫌だったんだろうなと思うんですね。ですので、ぜひそういうふうな市民の声をおろそかにすることなく、対応していただいているのであれば、それはいいと思うんですけれども、以前、先輩議員も一般質問で聞かれておられましたけれども、環境部において職員の方がコンビニやスーパーでパッカー車をとめられておったり、勤務時間中にですね。また、くわえたばこで運転をしていたり、また運転しながらスマートフォンを操作していたり、髪の色が派手な職員がいるとか、そういうのを市民の方から私も直接苦情をいただくことも多いんです。私自身、市内を車で走っているとき、同じようなシーンをよく見かけたりすると、本当にがっかりするというか、どっと疲れてしまうんですね。本当に頑張っている方もたくさんいらっしゃる中、一部の方がそういう行動で市民の方からの信頼を棄損してしまうのは、本当にもったいないと私は思っています。

 行政の立場からすると、ひょっとしたら服装とかは枝葉に見えるのかもしれませんけれども、市民の方からしたら枝葉とか幹とか全く関係なくて、本当にそういう服装とか運転中の行為がきっちりできないのであれば、ひょっとしたら仕事もちゃんとしてないのと違うかと思ってしまうと思うんですね。それは仕方ないと思うんですよ。ですので、職員一人一人がせっかく一生懸命頑張っていても、そんなふうに誤解されてはもったいないと思いませんかということを私は聞きたいんですね。私も民間で10年働いていましたけれども、民間でよく言われていたのは、細部に神が宿るというのがよく合言葉みたいになっていたんですよ。ちょっとしたことで誤解されるのであれば、本当にもったいないので、そういうところは、本当きっちりしていただきたいと私は思うんですね。

 我々議員もそうですけれども、職員の皆さんも常日ごろ見られているという意識は多分あるんだと思うんですけども、先輩議員も以前からそのように指摘されてきたわけでございますけども、市長は環境部に対してどのような指導をされたのかをちょっとお聞きしたいと思います。

 

◯市長 着座にて答弁をさせていただくのをお許しいただきたいと思います。議員お述べのとおり、環境部の一部職員における職員としてふさわしくない身だしなみや、勤務時間中の不適切な行動からは、市職員としての自覚や緊張感、危機感は感じられないという状況もあります。このことにつきましては、これまでにおいても市民の皆様からの苦情やご意見をいただくたびに、また、議員の皆様方のご指摘をいただくたびに、職員としての自覚を持った身だしなみを心がけるとともに、市民の皆さんに誤解を与えるような行動を慎むよう環境部長を通して職員に周知してきたところであります。

 しかしながら、今年度におきましても同様のご意見が寄せられていますのは、私としては残念でなりません。今後は、これまでのような苦情がなくなるように、服務規律を徹底して、なお心がけて徹底してまいりますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。

 また、詳細につきましては環境部長より回答させます。

 

◯環境部長 これまでも市民の皆様からの苦情、ご意見をいただいたときには、速やかにその事情を調査いたしまして、その職員を呼んで事情も聴取した上で、職務遂行上の行動が市民の皆様の誤解を招くことのないよう、適宜指導をいたしているところでございます。桜井市は、平成18年に民間事業者のほうの転落死亡事故があってから、ステップ乗車というものについては今現在行わずに、職員が走って収集業務に当たっているというところから、夏場はもとより、年中大量に汗をかくため、運転手と職員の判断のもと、適宜水分補給というようなことも心がけております。また、収集作業は市内全域に及ぶことから、作業中にトイレに立ち寄る必要が生じた場合などについて、コンビニ等の店舗を利用するということもございます。いずれにいたしましても、行政職員としての自覚とかマナーなど服務規律につきましては、大変重要なことだというふうに思っておりますので、今後も一層の意識向上に努めてまいります。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

◯金山 そういうルール上のところはよくわかるんですけれども、本当にぜひモラルというか意識向上を徹底していただきたいと思います。事情聴取しても、結局「そういうことがなかった」と言われることが多いんですけども、本当にそういう事象を踏まえてちゃんとモラル向上に当たって、ぜひ部長を初め市長も服務規律の徹底のほうをお願いしたいと思います。「若い子らは皆一生懸命走っているよ」という市民の声も、逆にあったりするんです。本当に汗をかきながら一生懸命走って回収してはるという話もあるんですが、一方で、まだステップ乗車をしているところを見かけたりとかいうところのアンバランスなところがありますので、しっかりと規律を保っていただきたいなと私から要望したいと思います。

 さて、環境部だけではないんですが、お気づきポストには、市役所を訪ねたが挨拶かないとか、私語が気になるとか、女性の服装を統一してほしいとか、さまざまな意見が私が目を通したところありました。職員の皆さんは、それは誠実に一生懸命市民のために仕事をしてくれていると私も思います。が、そういう声があるということは、非常にもったいないと思います。市役所の雰囲気はとても大切です。服装は、各自のモラルに任せるべきことかもしれませんが、挨拶ぐらいは徹底してはどうかなと私は思います。本当に市役所に来られた市民の方に、こんにちはと言えなくてもいいと思うんです。黙礼だけでもいいと思うんですけれども、本当にそんなに難しくないことだと思いますし、また、これは予算のかからないことです。民間では、自社に来られたお客様に、たとえ知らない人でも通りすがりに普通にこんにちはと挨拶をするんですよね。せめて黙礼ぐらいはします。それが礼儀だと思うんです。市長は、誰に対してもいつも明るく挨拶されています。我々議員に対してもそうですし、市民の方にも分け隔てなく挨拶をされておられますけれども、市職員の皆さんにもそういう挨拶をまずは徹底してもらえたらどうかと思います。そうすれば、市民にとって非常に感じのよい市役所になるんじゃないかと私は思いますし、また、訪れた市民も、また同僚同士も挨拶を交わし合うような雰囲気をつくることで、市役所の雰囲気もさらによくなると思うんですけれども、市長公室長、いかがでしょうか。

 

◯市長公室長 議員お述べのとおり、挨拶は接遇の基本中の基本であり、職員であること以前の問題として、人として生活する上で欠かせないことであると考えます。その挨拶ができない職員がいるというのは、非常に残念であると同時に、職員への指導不足を反省しているところでございます。先ほども申し上げましたが、市民の皆様は市役所を選べませんので、挨拶の励行を初めとし、接遇マナーや身だしなみを改めて職員に徹底し、市民の皆様に心よくサービスを受けていただけるよう努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。

 

◯金山 どうぞ、ぜひ徹底していただけますように要望したいと思います。また、歴代の市長は、よく庁舎を回って職員一人一人と接していたと聞き及びます。仮に私が職員だったとしても、トップである市長みずからが庁舎内を歩き回っている姿を見れば、おのずと気も引き締まりますし、また、見られている感がやる気にもつながると思うんです。

 また、一生懸命に頑張っている職員を市長みずからが把握できますし、人材登用や抜擢にもつながると思います。

 そこで、お聞きしたいんですけれども、どれぐらいの頻度で庁舎、分庁舎、「陽だまり」、環境部などの関連施設を市長は見回っておられるのか、市長にお聞きしたいと思います。

 

◯市長 庁舎等の巡視についての質問にお答えをいたします。私が就任以来、継続して行っている巡視としましては、まずは年度初め、4月の人事異動後に2日間かけまして、全ての職場を巡視して、全ての職場において訓示を述べさせていただいております。また、年末の仕事納めの当日には、環境部の職員に対する年末特別収集に向けての激励のための環境部に出向いております。そのほかにつきましても、不定期ではありますが、例えば会議等で「陽だまり」や分庁舎に出向いた際には、周辺の職場に立ち寄って職員に声かけを、なるべくそれを多くしようと、そのように心がけているところであります。

 このような状況でありますが、議員の質問の趣旨には、職員の服務規律を確保するという観点からもっと私がいろんな職場を巡視すべきであるというご指摘であるかと、そのように思っているところであります。今後は、時間の許す限り、多くの職場へ出向いて、職員との対話の時間をふやしたいと考えておりますので、今後もご指導、また気づかれることがあったら、お願いをいたしたいと思います。

 

◯金山 本当にそれが言いたかったんですけれども。できるだけ、本当にもっと見回ってもらったらどうかなと私も思っています。特に桜井市の場合は、庁舎、分庁舎、そして「陽だまり」、環境部と分かれていますけれども、市長も本当にお忙しいのは理解しておるんですけれども、なるべく、やはり、庁舎を見回って、またいろんな職員の生の声を聞くなり感じることができると思うんです。そして、先ほど冒頭で市長おっしゃっておられましたけれども、そういうふうに危機感とか市長の思いとかをきちっと伝えるためにも、もっと接触回数が、私が聞いている回数がちょっと少ないかなと思いますので、ぜひふやしていただけたらと思いますので、それは要望させていただきたいと思います。

 また、経常収支比率の悪化している自治体は、企業でいえば赤字企業であると言えます。私が東京で100名規模のベンチャー企業で働いていたとき、管理職として8名の部下を持っていたんですけれども、就任直後、2009年で会社はちょうどリーマンショックの大不況に陥りました。一番最初に、私を含めた管理職全員が給与カットされ、社長みずから個室を廃止して、皆と机を並べて、営業の陣頭に立って全社員を鼓舞されていました。私も配置転換を受けて、1人で新規事業を任されて、運よくそれを成功させることができました。それこそ全社一丸で必死になって働いた結果、リーマンショックを乗り越えることができました。ちなみに、今、その会社は2,500名規模の会社に成長しています。

 民間と行政とは当然違う部分もあるとは思いますが、私の経験から言うと、リーダーである市長はもちろん、幹部職員の正しい戦略のもと、職員一人一人の持っている危機感や頑張りによってのみ、桜井市も財政上の危機を乗り越えるであろうと考えます。ましてや、奈良県との5つの包括協定、新庁舎建てかえとかも控えて、限られた財政と限られたマンパワーの中で、桜井市は今非常に頑張りどころのフェーズであります。人数が減っている以上、今まで以上に職員の能力向上、業務改善に努めるのが王道であろうと考えますが、これについて、市長公室長はどのようにお考えか、お聞かせください。

 

◯市長公室長 議員お述べのとおり、まちづくりや新庁舎の建設に着手した今はまさに頑張りどころでございます。そのような中、限られた職員数ですので、職員には研修により高度な知識を身につけさせるとともに、多くの経験をさせ、少数精鋭の組織の確立を目指したいと考えております。さらに、常に業務改善、業務効率の向上を意識しながら職務に取り組み、全職員一丸となって財政の危機を乗り越え、市民サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。

 

◯金山 平成27年9月議会において、私は一般質問で、桜井市職員の残業代について取り上げました。その結果、職員の負担増により、平成26年度、年間1億1,880万円の残業代があるなど、今まで知られてなかった部分が明らかになりました。桜井市は今、非常に頑張りどころのフェーズであります。市長が先頭に立ち、職員の皆さんと一緒に長い年月を走り切らなければなりません。また、国や県の担当であった業務が丸ごと市町村へ移管されるなど、業務はどんどんふえ、かつ複雑化していると思います。職員の労務管理は、言うまでもないことかもしれませんが、市長を初め管理職の重要な役割の一つであると言えます。過労が続けば、どうしてもミスが多くなりますし、肉体的、精神的にも疲れてきます。また、家庭などプライベートな時間への悪影響も懸念されます。私が取り上げたのは、平成26年度の残業代でしたが、それ以降の残業代の推移を市長公室長にお聞きします。

 

◯市長公室長 平成26年度は、議員おっしゃられましたとおり、約1億1,880万でありました。以降、27年度は約1億89万円、28年度は約1億1,090万円となっております。

 

◯金山 余り減ってないように感じるんですけれども、市長公室長はどのようにお考えかお聞かせください。

 

◯市長公室長 新たな業務もふえております。そのことから、通常業務に加えて、新たな業務を加えるということで、余り減っていないというような状況でございます。

 

◯金山 確かに業務はかなりふえているんだろうなと思います。ただ、職員数が減っていることにより、その人しかわからない業務が恐らく、庁内でもふえているのかなとも思います。しかし、今の現有人数で有機的に仕事ができるよう工夫をするのがリーダーの役目だと考えます。人員削減、民間委託、市長の方針は、私から見ても大変結構だろうと思います。しかしながら、削減や委託だけでなく、あわせて現場がきっちりと回るように業務設計もするのもリーダーである市長の責任ではないかと考えます。権限と責任はセットですから、今、市役所の業務は理想的に回っていると考えられるかどうか、市長公室長のお考えをお聞きしたいと思います。

 

◯市長公室長 新たな業務に着手した場合や完了した場合、また、法律や制度が改正されることなどにより、業務の質や量は常に変化をしております。このような中ですので、その時々のニーズに合わせた業務効率のよい組織体制を構築する必要がございます。つきましては、今回も業務がスムーズに回るよう、4月に向け、市民生活部の新設を初め、課の移管、係の新設や統合を予定しているところでございます。今後も常に業務効率の向上を意識しながら、職員の負担を平準化し、全職員が一丸となって市民サービスを向上させるよう努めてまいりますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願いします。

 

◯金山 また、同じく平成27年度9月議会でお聞きしましたけれども、再任用職員の活用についてはどうか、再任用職員の知識や経験を有効に活用できているのかどうかを市長公室長にお聞きしたいと思います。

 

◯市長公室長 現在は、限られた職員数によりまして、これまでになかったまちづくりや新庁舎の建設を初め、さまざまな行政課題に対応しているという状況がございます。そのような中ですので、職員経験の長い再任用職員は、一職員としてなくてはならない存在になっており、有効活用はできていると考えております。

 

◯金山 組織として公平性を保つためにも、また、活力を持たせるためにも、桜井市の市役所は信賞必罰の組織であってほしいと思います。桜井市における職員の懲戒処分などの指針は、どのようなものか、また、市職員の過去の懲戒処分の実績について、わかる範囲で市長公室長にお聞きします。また、市職員が懲戒処分を受けた場合、生涯年収に影響があるのかどうかもお聞きしたいと思います。

 

◯市長公室長 本市の懲戒処分の指針は、国家公務員の懲戒処分の指針に準じて作成をしております。非違行為に応じてどういった処分がなされるかということを示したものでございます。次に、懲戒処分の実績のご質問にお答えします。過去5年間の処分の事案件数と処分人数をお答えします。まず、平成25年度は処分事案3件、人数は8人、26年度は処分事案なし、27年度は処分事案1件、人数は1人、28年度は処分事案4件、人数は7人、今年度、29年度は処分事案1件、人数は1人となっております。懲戒処分を受けた職員は、給料の不支給や減額、また賞与や翌年の昇給にも影響いたしますので、もちろん生涯年収に影響するということとなります。

 

◯金山 なるべく抑止力がきくような仕組みであってほしいなということを要望したいと思います。また、お金にまつわるものは論外なんですけれども、性犯罪においても世間一般では社会的制裁を受けるなど、厳罰化の方向にあります。ましてや、桜井市職員は市民と接する仕事ですから、高い倫理観を持っていただきたいと思います。市民目線からすると、特別に条例をつくってでも、性犯罪は厳罰化の方向でぜひ検討していただきたい、これは要望とさせていただきますけども、ぜひ検討していただきたいと思います。

 また、スマートフォンを注視、操作しながら車を運転する危険行為に対して、政府は道路交通法の改正に伴い厳罰化される方針です。もし市職員がスマートフォンを見ながらの運転で交通に危険を生じさせ、警察に捕まった場合、または、直接交通に危険を生じなかった場合、指針に従うと、それぞれどのような懲戒処分になると予想されますか。市長公室長にお聞きします。

 

◯市長公室長 議員お述べのとおり、スマートフォンを使用しながらの運転に対する交通違反の厳罰化を含む道路交通法の改正法案が現在通常国会に提案されているところでございます。一方で、本市の懲戒処分の指針における現行規定では、飲酒運転や人身事故を起こした場合には最も重い免職を含む処分を想定しております。その他の違反に関しましては、悪質な交通違反を犯した場合という前提で、その職員に対しまして停職、減給または戒告の処分を想定しております。なお、悪質な交通違反の定義といたしましては、違反点数が免停の処分となる6点以上の違反であると規定しているところでございます。以上のことから、スマートフォンを使用しながらの運転が現行の最大2点から、今回の厳罰化により違反点数がどう変わるかによるということになりますので、国家公務員の対応も見ながら検討したいと考えております。しかしながら、いずれにせよ、スマートフォンを使用しながらの運転は法律違反です。重大な危険運転でありますので、これまで同様、職員には違反のないよう周知徹底させていただきます。よろしくご理解のほどお願いいたします。

 

◯金山 本当にそういう意識の向上とモラルの徹底を図っていただきたいと思います。そのために、どのような努力を市当局ではなされていたのかを市長公室長にお聞きします。

 

◯市長公室長 職員としての服務規律やモラルの徹底に関しまして、これまでにおきましては、各種研修の機会を通して、また、部課長会を通して職員に周知するとともに、特に飲酒等の機会がふえる年末年始の前には、全職員に対して綱紀粛正の通知を行い、さらに、選挙前には公務員としての政治的行為の制限についての周知を行っております。また、今年度におきましては、交通事故、交通違反をなくすことを目的に、全職員を対象として交通安全講習会を実施いたしました。今後も法令違反の根絶や服務規律の確保、職員としてのモラルの向上に向け、継続して取り組んでまいりたいと考えております。ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

 

◯金山 ご答弁ありがとうございます。では、病気による長期休暇を取得されている職員の方の人数と、また、病気中の待遇などの対応はどうなっているのかをお聞きしたいと思います。また、定年勧奨を除く退職者の人数を市長公室長、お聞かせください。

 

◯市長公室長 病気による長期休暇のご質問に関しまして、過去5年間の1カ月以上の病気休暇を取得した人数をお答えします。平成25年度は18人、26年度は20人、27年度は23人、28年度は18人、29年度は、現在までで14人となっております。次に、病気休暇中の待遇でありますが、当初の90日間は給料が10割支給されます。以後は休職処分となり、休職発令後の1年間は給料が8割支給、その後は給料が支給されないという形になります。また、休職期間は3年が上限となってございます。続いて、定年等勧奨を除く自己都合による退職者の人数でありますが、過去5年間といたしまして、平成25年度は5人、26年度も5人、27年度は10人、28年度は8人、29年度は7人の予定となっております。

 

◯2番(金山成樹君) 結構多いな、というふうに感じてしまうんですけれども。やはり、実際にいろんなご事情もあると思うんですが、市役所に合わなかった方も結構多いのかなと私は想像します。私は、一番の入り口である採用の部分、もう少し考えてみてはどうかなと思っております。今年初めて私の事務所で大学生インターン生を3名受け入れました。今日2人議場に傍聴に来てくれていますけれども、皆真面目で優秀でよくやってくれています。政治家志望なのかなと思っていたんですが、公務員志望の子が多いんです。大学生からすると、なかなか行政でインターンの経験を積める場所が少ないと聞いております。2月27日に桜井市役所、「陽だまり」、給食センター、そして埋蔵文化財センターをインターン生を連れて見学に回らせていただきました。職員の皆さんが本当に親切に案内してくれ、皆大変喜んでおりました。ありがとうございました。今や企業では一般的となりましたが、桜井市においても学生のインターンシップを受け入れることで、本当に桜井市役所に自分が合っているのかどうか確かめられると思うんです。そうすれば、不幸なミスマッチが少なくなるようにも思います。特に日本社会では、新卒が一種のブランドであり、まだどの組織にも染まっていない生え抜きの人材は、プロパーとして組織内で優遇される傾向にあります。入庁前にもし合わない方であれば、ほかの道を新卒のうちに選べるわけですし、人事課のほうでも判断しやすくなる可能性もあると思います。

 奈良県でも幾つかインターンシップを受け入れている自治体もあると聞きますが、市長公室長のお考えをお聞きしたいと思います。

 

◯市長公室長 まず、本市の現在のインターンシップ受け入れの状況でございますが、毎年、市内4カ所の保育所へ10名程度の保育士を目指す学生を受け入れております。過去には、当時の観光課にイベントの計画から実施段階において学生を受け入れたという実績もあるところでございます。一方、市役所全体で申し上げますと、業務上、市民の皆様の個人情報を取り扱う場所がほとんどであり、その業務を体験していただくことには問題がありますが、可能な職場におきましては、今後も積極的に受け入れを行いたいと考えております。ひいては、議員お述べのように、職業のミスマッチをなくし、優秀な人材の採用につながればすばらしいことだと考えております。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。ぜひ前向きに検討していただけたらうれしいなと思います。また、現在、約40億円かけた新庁舎の建てかえの議論が進んでいます。どんなに立派な庁舎が完成しても、市民の方が頼りにするのは職員一人一人です。職員の皆さんも日夜誠実に市民のために頑張ってくださっているのも知っています。でも、もし一部の職員が考え違いや思い違いをし、それを続けてしまっているのであれば、それをただし、桜井市のためにもっともっと貢献できるように教育することもリーダーの大切な役目であると考えます。

 もっと職員の意識を初めとするソフトを変えていくことで、市民一人一人に、松井市長になって桜井市が変わってきたなと思っていただけるような、そういう実感をしてもらったらどうかなと思います。そのためには、市長の強力なリーダーシップが不可欠だと考えますが、市長のご見解をお聞かせください。

 

◯市長 職員の意識向上に向けた私のリーダーシップについての質問にお答えをいたします。職員には、公務員としてのいろんな義務や役割があるわけでありますが、議員お述べのとおり、一番重要であるのが、全体の奉仕者として市民の皆様のために全力で職務に専念しなければならないという役割であると思っております。その上に職員は成り立っているものと考えております。今回、議員にご指摘をいただきました、先ほど来よりいろいろご指摘をいただいております。職員としてふさわしくない服装や身だしなみ、また、一部における勤務時間中の不適切な行動からは、危機感は感じられず、全体の奉仕者であるという役割を担う者として信頼を得ることはできないというふうに思います。このことにつきましては、先ほども市長公室長が答弁いたしましたとおり、これまでにおいても部課長会や各種研修の際に、職員に改善を周知してきたところでありますが、私のリーダーシップのもと、今後一層挨拶の徹底、これは一番大事かなと思います。挨拶の徹底を初め、服務規律の確保とモラルの徹底を図り、今の財政危機を乗り越えるという共通認識を持って、全職員一丸となって取り組んでまいりたい、そのように考えておりますので、ご理解よろしくお願いをいたします。

 

◯金山(登壇) おはようございます。新政クラブ桜井の金山成樹でございます。議長のお許しをいただきましたので、会派を代表して2点質問させていただきます。

 1点目、まず、財政規律についてお聞きします。

 桜井市の持続的な発展を目指す上において、今、抜け落ちているのが財政規律という意識であると私は考えます。

 松井市長は、2期目就任後の平成27年12月議会において、桜井市第3次行財政改革について、こう述べられました。「桜井市が持続的に発展していくために、第1次、第2次の行財政改革の取り組みを基本的に引き継ぎながら、財政規律に重心を置いた行財政改革から、政策実現のための行財政改革へ転換し、第5次総合計画において目指すまちづくりを実現することを目指しております」と、はっきりと積極財政に打ち出す決意を述べておられます。

 私が桜井市議会議員にならせていただいたのは平成27年4月ですが、それ以降だけの動きを振り返ってみても、「陽だまり」の耐震工事6億8,000万円、桜井消防署の新築9億3,000万円、給食センターの新築、総額27億8,535万9,108円、エルト2階の全面改修計画、これは約数億円かかると思います。本庁舎建てかえ計画、約40億円など、大規模工事が多く、積極財政で箱物が次々にできてしまったなという印象です。

 なおかつ、今後は、県との5つの包括協定も大詰めを迎える中、初期費用(イニシャルコスト)については、確かに国や県からの補助金が見込めますが、毎年かかる維持管理費用(ランニングコスト)については、市のほうで負担するが通例です。住民サービスを低下させることなく、それらを負担できるだけの体力が10年後、20年後の桜井市にあるのかどうか疑問であり、不安です。

 桜井市においては黒字決算が続いてはおりますが、これは財政調整基金という貯金からお金を切り崩しての黒字決算であり、その頼みの綱の財政調整基金も、桜井市中期財政計画によると平成28年度には9億100万円あるものが、平成33年には8,400万円となり、このまま黒字決算を続けることが厳しくなってくると考えます。

 財政における経常収支比率を見ますと、平成26年度決算では104.5%となり、全国770市中767位、つまりワースト4位という不名誉かつ財政的に危ない状態に陥りました。平成27年度決算では、全国770市中758位と少し持ち直しましたが、この9月議会で審議される平成28年度決算において、2年ぶりに経常収支比率が100%を超え104.7%となりました。この数値は、奈良県12市で最も悪い数値です。

 なお、経常収支比率の全国平均は90.0%、奈良県平均は93.5%です。

 経常収支比率が100%を超えるということは、家計に例えると、収入より支出が上回っている状態となり、極めて危険な財政状態と言えます。今後、さきに述べた建物の建設費並びに維持管理費が現在の施設の維持管理費に加えて計上されていくわけですから、今後も長きにわたって極めて硬直的な財政運営になります。「桜井市って全国的に財政状況悪いのに、あんなにいろいろ事業をして大丈夫かな」と市民の皆さんから心配する声も私は聞き及びます。

 先ほど述べた「陽だまり」、桜井消防署、給食センターに伴うランニングコストに加え、本庁舎の新築、エルト2階の改修、5つの包括協定におけるまちづくりの整備事業などにおいて、地方債がさらに増加する可能性も高いと言えます。

 毎年5億円のグリーンパークの起債が今年に終わるとは言え、相変わらず桜井市における財政は決して楽観できる状況ではないという危機感は、きっと市長も共有してくださっていると信じます。

 当然ながら、市長には最終的な桜井市の完成形、桜井市のグランドデザインが描けているからこその積極財政だとは思うのですが、桜井市の財政について、財政規律について、どのようにお考えなのか、また、ファシリティマネジメントの観点からはどうか、市長のご見解をまずお聞きします。

 2点目の質問は、空き家対策の進捗についてお聞きします。

 桜井市においては、平成28年度、営繕課において空き家調査が完了したと聞いております。その進捗と今後の課題についてお聞きします。

 以上、大きく2つのテーマについてご質問させていただきました。ご答弁よろしくお願いいたします。これで、壇上での質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

◯市長(登壇) 皆さん、改めましておはようございます。

 新政クラブ桜井を代表されましての2番金山議員の1点目、財政規律についてのご質問にお答えをいたします。

 初めに、これまでの経緯について少し述べさせていただきます。

 本市では、平成16年度から国の三位一体改革により、国庫補助金や地方交付税の削減が行われ、大幅な歳入不足に陥りました。また、歳出ではグリーンパークの起債償還、また、議員お述べをいただきました管理運営費の増大、これが経常収支比率の一番厳しい状況の原因かなというふうに思います。

 増大により厳しい財政状況となりましたので、平成16年度から20年度までの5年間、事務事業の見直しを中心とした第1次行財政改革に取り組みました。しかしながら、不況による市税の減収や三位一体改革の影響は大きく、平成19年度一般会計において30年ぶりの赤字決算となり、さらに厳しい財政状況が見込まれましたことから、早期健全化団体に陥ることも危惧されましたので、平成21年度から25年度の5年間は、抜本的な改革、見直しとして第2次行財政改革に取り組みました。そのことで一定の成果も得て、さらに地方交付税の復元もあり、平成22年度決算から黒字へと転換いたしました。

 しかしながら、その間、財政規律、財政再建を最優先課題とした結果、まちづくりなど将来への投資事業、予算が抑制され、課題の解決が先送りとなって、本市では活力が失われ、地域が疲弊してしまいました。私は、この現状を何とかしなければならないというふうに一番思っております。

 私が市長に就任した直後、まずは財政の健全化に取り組み、基金を12億積み立てました。次に、この状況を打開するため、平成26年度に新たな行財政改革大綱を策定し、先ほどお述べいただきました第1次、第2次行財政改革の取り組みを基本的に引き継ぎながら、今までの財政健全化のための行財政改革から、政策実現のために限りある経営資源を有効に活用するとする基本方針のもとでの取り組みを今進めているところであります。

 また、今期提出議案理由説明の中でもご説明申し上げましたとおり、厳しい財政状況でありますが、議員お述べの学校給食センター新築や消防署の改築等、先送りされた課題の解決、そして、新庁舎建設やまちづくりなどの重点施策の実現を図ってまいりたいと考えております。

 そのため、行財政改革の着実な実施を初め、国・県補助金、交付税措置のある有利な起債の活用等により、財源確保を図るとともに、中期財政計画、その見通しに基づき、限られた財源の中でさらに今後事業の具体化、予算化を行う際には、事業の精査、選択、実施年度の調整なども考えながら行ってまいりたいと考えております。

 また、議員お述べのように、財政規律を堅持し、将来持続可能な行財政改革を行っていくためには、建設後の維持管理、運営費用などのランニングコストの縮減を勘案した事業実施に取り組むことが大切であると、そのように考えております。

 財政の健全化を保ちながら、奈良県とのまちづくり連携協定に基づく大神神社参道周辺地区や桜井駅周辺地区などのまちづくりを初め、将来への投資を行うことは大変険しい道のりでありますが、今やらなければ誰がやるとの意気込みで、桜井市に元気と活力をよみがえらせてまいりたい、そのように考えておりますので、ご理解よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 次に、2点目の空き家対策の進捗についてのご質問にお答えいたします。

 近年、地域における人口減少や既存の住宅、建築物の老朽化、社会的ニーズの変化及び産業構造の変化に伴い、空き家の増加が社会的な問題となっております。このような背景の中で、国においては、空き家等対策の推進に関する特別措置法が制定され、平成27年5月より完全施行されました。

 特別措置法では、市町村はその区域内で空き家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、空き家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針に即して、空き家に関する対策について計画、空き家等対策計画を定めることができるようになりました。

 これを受けまして、桜井市におきましても、平成29年3月に桜井市空き家等対策計画を策定し、空き家の状況に応じて適正管理、活用支援、除却、跡地利用等について、所有者等への情報提供を行い、特定空き家等への移行予防を図ります。

 平成25年に国において賃貸住宅を含む住宅土地統計調査を実施されておりますが、一般戸別住宅が空き家の利活用や特定空き家となる事例が多くなることから、平成27年度に桜井市におきましても一般戸別住宅の空き家実態調査を実施いたしました。その結果、690戸の空き家が確認されているところでございます。

 自治体への空き家に対するアンケートでは、「敷地内に木や雑草が生い茂っている」が約9割と、最も多くなっております。また、対応状況としましては、「自治会として問題のある空き家に対応していく」は、約半数でした。その内容といたしましては、「所有者や親戚等に適切に管理するように声をかけた」が7割を超えております。利活用の意向では、移住してくる人の住宅が最も多く、住宅としての利用や地域の利便性を高める利用が望まれていることがうかがえます。

 今後は、桜井市総合計画に即するとともに、桜井市都市計画マスタープラン、桜井市立地適正化計画、桜井市公共施設等総合管理計画、桜井市景観計画等の関連計画、また、奈良県まちづくり連携協定における拠点まちづくりを推進する個別地域計画とも整合を図りながら進めてまいりたいと考えております。

 課題といたしましては、空き家等に関する相談や苦情などについては、多岐の分野にわたるため、それぞれの分野に対応する関係部署への連携調整が必要となります。また、空き家対策は、専門的な知識が必要であることから、市民の皆さんや事業者の協力のもと、大学、NPO、専門家団体との連携を図りながら、空き家等の対策を総合的に進めてまいりたいと考えております。ご理解のほど、よろしくお願いを申し上げます。以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ご答弁ありがとうございました。

 今までやらなかったことに松井市長が取り組まれているのは理解しておるんですけれども、ぜひこの一の矢でしっかりと決めていただきたいと思っております。

 続きまして、平成27年度の財政状況類似団体比較カードによると、類似団体に比べ、桜井市は標準財政規模が1億1,397万7,000円少なく、地方債は4,664万1,000円多い、つまり、維持団体に比べて財政規模が低く、借金が多いと言えます。

 さらに、桜井市における財政全体の構成を見ると、平成27年度で言うと自主財源が87億845万円、依存財源が140億4,155万円となり、歳入の自治が確立されていない状況に長らくあります。

 このように限られた財源の中で、市長はいつも選択と集中とおっしゃっておられますが、何を選択して、何に集中して、そして、どのような成果を上げようとされているのかをお聞きします。

 また、財政状況の好転に向けた取り組みを何か行っているのか、行っているとすれば、どのように予算をかけ、また、その成果をどう設定しているのか、そのための行財政改革は進んでいるのかをお聞きします。

 

◯市長 座って答弁させていただくのをお許しいただきたいと思います。議員ご質問の選択と集中ですが、選択は、事業の選択、集中は、財源の集中を意味いたします。平成28年度決算におきまして、本市の経常収支比率は104.7となり、投資的経費に回せる財源には限りがあります。そのことから、「日本一住みたいまち桜井」を実現するためには、重点施策の事業を選択し、優先的な財源を集中させる必要があります。中でも新庁舎建設という大きな決断をいたしましたので、多額の事業費が必要となります。大きなプロジェクトを推進するためには、その期間、まちづくりなど他の事業を抑制していかざるを得ません。例年、予算編成時におきまして、経常的経費の枠配分をカットしてまいりましたが、今後、投資的経費についても平成32年までの期間は新庁舎建設を最優先課題として、中期財政計画に基づいて事業の精査を行い、事業の選択と財源の集中に努め、新年度予算編成を行うことを検討いたしているところであります。

 10年後、20年後の桜井市のため、財政規律を維持していくためには、歳入と歳出のバランスが重要となります。現在取り組んでいますまちづくりや企業・ホテル誘致、観光振興、ふるさと寄附金リニューアルによる寄附金の獲得、地元特産品の消費拡大などの取り組みにより、地域の活性化につなげ、歳入の確保も図ってまいりたい、そのように考えております。

 一方、歳出では、平成33年度をめどに、以前より取り壊し課題であった施設や新設により活用しなくなる施設を中心に見直しを行い、公共施設を削減する予定であります。このようなファシリティマネジメントによる施策の統合、廃止、利活用等により人口減少を見込んだ公共施設の総量の縮減を進め、維持管理経費の圧縮にも努めてまいりたいと考えております。

 また、学校給食センター調理業務、ごみ収集業務の民間委託を推進してまいります。

 短期的には、人件費と委託料の二重投資になり、経費は増加しますが、中長期的には人件費の抑制につながり、経常的経費の削減を見込むことができると思っております。

 これらの取り組みにより、財政運営において自主財源の比率をふやし、一方で、経常的経費を縮減することで持続可能な財政運営を目指し、桜井市に元気と活力をよみがえらせたい、そのように考えております。以上でございます。

 

◯金山 ご答弁ありがとうございます。

 選択と集中とおっしゃってましたけれども、その内容は理解いたしましたが、ぜひ新庁舎建設においても、身の丈に合ったものにしていただきたいと強くお願いします。せっかくやからいいものをつくろうとか、思いはわかるんですけれども、ぜひ身の丈に合ったものでお願いできたらと思います。

 また、先ほども財政規律について市長のほうで危機感を持っておられるとわかりましたので、それはぜひお願いしたいと思います。

 今後、市民の生活を支える生活インフラ、水道管や下水道、橋梁においては、耐用年数である50年を経過する設備がふえる上に、市道の維持管理などを考え合わせると、維持管理にかかる費用は今の想定以上にある可能性があります。そのあたりの維持管理費用も見込んでの財政計画ができているのかをお聞きします。

 また、市道や市管理の橋で事故が起こった場合、その管理者である市が責任を負うことになります。国土交通省の資料によると、建設50年を経過する全国の橋の割合は、全国約49万橋のうち、平成29年度で29%、そして平成34年度で36%、平成39年度49%、平成44年61%、平成49年71%となります。

 桜井市において市道は何キロメートルあるのか、そして、それは他市に比べて多いのか少ないのかをお聞きします。また、市管理の橋が市内にどれぐらいあり、耐用年数を過ぎている橋はどれぐいあるのか、また、定期点検の頻度やルールはどうなっているのかをお聞きします。

 

◯市長 再度の質問にお答えをいたします。生活インフラにつきましては、市民の皆さんの生活にとってなくてはならない重要なものであります。まず、上下水道事業につきましては、各種施設の更新時期を迎えつつあるのが現状であります。設備拡張から維持管理、更新への移行時期であると捉えているところであります。

 それに対応すべく、上水道事業では中長期的な経営の基本計画である経営戦略を策定、その中で、更新費用を把握、施設更新を計画的に行えるようにしていきたいと思っております。また、下水道事業につきましては、長寿命化計画を策定して、管路内調査による点検、修繕を実施、計画的な維持管理を行い、経費についても考慮しているところであります。これら計画のもとに、持続可能な上下水道事業といたしたいと考えております。

 続きまして、橋梁の維持管理につきましては、平成26年7月1日に道路法施行規則の一部を改正する省令が施行され、橋梁、トンネル、大型道路構造物については、5年に1回の頻度で近接目視による点検を行うことが必要となりました。また、国土交通省からの通達により、平成31年度には平成27年度より計画的に点検を行ってきた点検結果に基づいて、市内の全橋梁を対象として、平成25年度に作成した長寿命化修繕計画の見直しを行う予定であります。その後は、見直した計画に基づいて橋梁の修繕を行ってまいりたいと考えております。

 現在、市内各所には2メートル以上の橋梁が419橋あり、そのうち供用年数が50年を過ぎている橋梁が370あります。また、市道の延長としては474キロメートルあり、近隣の橿原市では501キロメートル、天理市では350キロメートル、宇陀市では736キロメートルとなっております。

 なお、これら橋梁や市道にかかる経費につきましては、中期財政計画に計上を行っているところであります。

 ただし、これらの事業につきましては、国の社会資本整備総合交付金を活用いたしますが、近年、国の内示率が厳しいため、まず点検計画策定を優先的に行い、その後、事業箇所や事業年度の調整を行い、順次修繕を進めていくことになります。

 国の社会資本整備総合交付金が予定していたより少なくなってくると、事業を縮小したり、ちょっと後回しになったりと、そのようなことができてくると思いますが、そこら辺は市民の皆さんにもご理解いただきたいなと、そのように考えております。

 以上でございます。

 

◯金山 ぜひその投資的経費だけに偏ることなく、市民サービスに直結する橋梁や道、ぜひ大切にしてほしいなと思います。交付金の関係もあるかもしれませんが、実際に住んでおられる方にとって一番身近なものは、そういう生活インフラであろうと思います。ぜひそのあたりは、中長期的に計画されているということですけれども、今後もさらに力を入れてお願いしたいと思います。

 また、桜井市は6割が山であり、先ほど他市と比較していただきましたけれども、確かに他市と比較すると、距離的には短い部分もあるかもしれませんが、市道として認められているところで山間部もたくさんありますし、ぜひそういうところの不公平感が出ないように公平性に基づいた運営をお願いしたいと思います。

 また、新築するよりも維持管理をするほうが、やはり、市としての財政は抑えられるわけですから、維持管理をぜひ計画的にお願いしたいと思います。

 また、財政規律を保つためには、先ほど市長もおっしゃっておられましたけれども、自主財源の確保が何よりも必要です。その中でも市税の収入増を目指すのが恐らく王道であろうと思います。その中で、市長は就任以来、企業誘致にも努力されてきたと聞いておりますけれども、その進捗と実績、そして、今後の取り組みについてお聞きします。

 また、市内に事業所または事業所などを有する法人に課税される法人市民税の進捗も具体的にお答えください。

 

◯市長 再度の質問にお答えいたします。企業誘致の進捗状況と実績につきましては、現在、中和幹線沿道大福地区では、5店舗が出店しており、全体面積17万2,400平方メートルのうち、19.9%に当たる3万4,300平方メートルで出店されております。

 しかし、中和幹線南西エリアにつきましては、昨年の5月にイオングループが出店を断念され、その後、イオングループが紹介した企業と地権者との間で話し合いを持たれましたが、本年4月末で開発を断念したとの報告を受けております。

 南西エリア及び北エリアの未開発の地域におきましては、複数の企業が出店の検討を行ってはおりますが、決定には至っていないというのが現状であります。

 しかしながら、桜井駅北口市有地を利用したホテル誘致につきましては、ホテル事業者が決定し、先日、基本協定の締結も実施させていただいたところであります。今後、ホテル事業者と連携し、本市の活性化に向けた取り組みを推進し、観光、商業の振興を図ってまいりたいと思っております。

 それとともに、中和幹線沿道大福地区における企業誘致も早期に出店ができるように、地元自治会とも連携を密にしながら、一層力を入れて取り組みを進めてまいりますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げたいと思います。

 次に、法人市民税の推移についてでありますが、過去5年間の法人市民税の調定額につきましては、平成24年度が3億1,662万5,600円、平成25年度が2億8,657万4,000円、平成26年度が2億8,848万3,800円、平成27年度が3億472万2,000円、平成28年度が2億9,541万5,600円となっております。以上でございます。

 

◯金山 中和幹線の開発については、市所有の土地ではなく、民地であるという難しさもあるかもしれませんが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 あと、法人市民税、やはり、まだまだ少ないなと私も感じます。たばこ税よりも少ないと思いますので、ぜひこちらのほうも、市内の事業所の誘致、企業誘致のほうをより一層頑張っていただきたいと思います。

 先ほど市長のほうがホテルの件を申されました。観光誘客、移住促進も確かに必要だろうと思います。しかしながら、観光誘客も移住促進も一朝一夕にいくものではなく、何年も準備してようやく花咲くものだろうと思います。その花咲く前に、現在の住民に対する行政サービスが低下しないことを強く望みたいと思います。

 さて、桜井市における観光誘客を図るにおいても、新しい住民の方に知っていただくためにも、市民で営業されている個人の飲食店や小売店などの情報を整理して、データベース化し、ウエブサイトやパンフレットなどで周知を図ることは有効であると考えますが、いかがでしょうか。

 市民の方や来訪者に市内で消費を喚起することで地産地消が図れ、売り上げが上がってくれば、長い目で見れば、市税の増収にもつながる可能性があると考えます。市長のご見解をお聞きしたいと思います。

 

◯市長 議員お述べのように、観光客の誘客を進める上で、市内で営業されている飲食店などをデータベース化し、ウエブサイトやパンフレットで周知を図ることは有効な手段と考えております。

 現在、桜井市では、データベースでの管理ではありませんが、観光マップや観光パンフットなどを作成し、観光案内所などで配布をしているとともに、桜井市のホームページあるいは桜井市観光協会のホームページでも情報発信を行っているところであります。

 また、このたび市内事業者の収入増加につながる取り組みといたしまして、ふるさと寄附金の返礼品の充実の取り組みがございます。かなりの発掘をしていただいたと思っております。返礼品を充実させることで、寄附金が増加し、そのことによって返礼品もふえることから、返礼品を提供していただいている市内事業者の収入の増加につながるのではないかと思われます。

 また、一方で、おもてなし仕組みづくりということをやっていただいております。この事業をさらに充実させることで、観光客の増加につなげ、ひいては市内の観光事業者の収入増加につなげていきたいと考えているところであります。

 議員ご指摘のように、情報発信につきましては、まだまだ十分な状況ではありませんので、データベース化もあわせて効果的な情報発信の手法について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

◯金山 なかなかいろいろ取り組みをされていると思うんですけれども、統合されてないと余り意味がないと思うんですね。桜井市の観光のウエブサイト、市の観光協会のウエブサイト、あちこちあっても、どこを見ればいいか観光客または新しい住民がわからないと思いますので、その辺の情報整理、ぜひお願いしたいなと思います。

 ここだけを見たら大丈夫というものをつくった上で、先ほど市長も前向きなご答弁をいただきましたけども、そういうデータベース化をリンクさせることで、より使いやすいものができるのではないかと思いますので、そのあたりよろしくお願いしたいと思います。

 観光客の方も余り親切にしてくれないと離れていってしまうと思いますので、ぜひそのあたり、こちらのほうで親切にすべきだと思いますので、お願いしたいと思います。

 あと、ふるさと返礼品の増加はかなり、私も拝見しましたけれども、努力されているなと感じます。そこと、先ほど申された市のホームページとかとしっかりと連携して、そういう序列をつけてしっかりと情報整理をして提供していただきたいと、これは要望します。

 あと、先ほどの質問に続くんですけれども、例えば勇気を持って桜井市で起業していただいても、続かなければ、その方にとっても桜井市にとってもマイナスになります。そして、できれば、桜井市の町に足らない事業を起業する人を応援できる体制ができればベストだなと思います。

 そうやって、桜井市で起業される方がふえるとともに、今、桜井市で事業をされている方が事業を続けられるよう、市として何かサポートできることはないか、積極的にやるべきだと私は考えます。個人の小売店や飲食店がなくなってしまえば、大手チェーン店ばかりの町となり、桜井市の味がなくなってしまって、個性が薄くなると私は考えます。行政は、みずから稼ぐことは難しいですけれども、商業者を後押しすることは可能です。ここでこそ市長のトップセールスで市民の皆さんや来訪者に呼びかけて、桜井市の小売店や飲食店で消費していただけるようにお願いしてみてはどうでしょうか。これについて市長のご意見をお聞きするとともに、今までの市長のトップセールスの実績をお聞かせください。

 

◯金山 ただいま議員がお述べをいただきました。やはり、小売り業者とか企業とかいうふうな方々が桜井市に来ていただけるような仕組みづくりとかもしっかりと考えてまいりたい、そのように考えております。

 トップセールスとは、市長みずからがあらゆる機会を捉え、桜井市のセールスマンとなって、観光・産業創造都市桜井を積極的に売り込むこと、また、木材、そうめん、皮革産業やスポーツ用品などの地場産業や、多種多様な歴史文化や観光資源などの魅力を国内外に発信して、桜井市の知名度やイメージの向上、市内外から観光客等、交流人口を拡大し、元気で活力ある桜井をつくるため、市長みずからが各地に出向いて直接メッセージを発信することであるというふうに認識をいたしているところであります。市のトップが直接出向くことで多くの課題の解決が図られ、情報や人間関係により新たな展開が見出せるなど、高い効果を得ることができると考えております。

 今までの政治経験の中で培った人間関係を生かし、奈良県との友好な関係の中でまちづくりについての意見交換や情報収集を行った結果、平成26年12月、県とのまちづくりに関する包括協定を結ぶことができ、懸案であったまちづくりが大きく動き出し、現在では5カ所のまちづくりや纒向遺跡を中心とするまちづくりに今取り組んでいるところであります。

 そして、なら食と農の魅力創造国際大学校を初め、その実習棟、オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井、奈良県農業研究開発センターの誘致、また、国とは緊急防災・減災事業債を活用した桜井消防署の整備、特別交付税の増額など、これまでの取り組みを挙げれば切りがありませんが、桜井市で行っている事業については、職員とともに取り組んできた結果であると、そのように私は自信を持っているところであります。

 今後、あらゆる分野で桜井市のさらなる魅力発信に努めてまいりたいと考えております。よろしくご理解お願いいたしたいと思います。

 

◯金山 去年かおととしに水森かおりさんが市の広報大使をやっていただいたのも、市長の人間関係の続きだと聞いております。ぜひ、もっと市長自身露出していただいて、いろんな機会で桜井市をアピールしていただけたらありがたいなと思いますので、さらなるトップセールスをよろしくお願いしたいと思います。

 まずは、この市内での小売店や飲食店で消費していただけるように、ぜひ発信のほうをよろしくお願いしたいと思います。

 あと、国と県とのパイプも強いものを持っておられると思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

 市長にはぜひロマンチストである以上にリアリストでいただきたいと私は考えております。先ほども市長述べておられましたけれども、全ての事業を今一気にやってしまって、将来負担比率を重くして、未来の財政危機を呼び寄せるのではなくて、現実的に今必要な事業を絞り、財政規律をいま一度重視して、本当の意味で選択と集中をして、市民サービスを効率的に向上させていただきたい。今の縮小が将来の発展につながることもあると考えます。そのためには、まず市長みずからが桜井市の将来像を明確に挙げていなくてはなりません。市長が目指す「日本一住みたいまち桜井」が一日も早く実現するように努力していただきたい。今の市民の要望に応えるとともに、将来の市民の視線もきっちりと感じて、市政に当たっていただきたい。そのために、今必要なのが財政規律であると再度申し上げて、改めて市長の思いをお聞かせください。

 

◯市長 再度の質問にお答えをさせていただきたいと思います。財政の厳しい状況は、桜井市が平成16年から三位一体改革でずっと続いてきた財政の厳しさは今も変わりがございません。その中で、今、現状を見てみると、やはり、桜井市は疲弊しているな、元気と活力をもっと出さなあかんなというような状況の中で、財政の厳しい中ででも、先送りされていることを一つ一つ解決しながら、そして、まちづくりを行っていきたい。そこに昨年の熊本で地震が起こり、宇土市の件があり、やはり、本庁舎は防災の拠点としなければならないというふうな中で、本庁舎の建てかえということも決断させていただきました。それだけに、優先課題は何なのか、そして、財政規律をしっかりと守りながら、それらを一つ一つ解決して、何としてでもこの疲弊している桜井市に元気と活力をよみがえらせたい、それが私に与えられた使命であるというふうに思っておりますので、財政規律とともにしっかりと取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

◯金山 ご答弁ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。今の子どもたちが大きくなったときに、こんなものをつくってと怒らないように、私もしっかりと見ていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、空き家対策についての質問に移ります。

 平成25年度のデータによりますと、空き家の割合として、全国では13.5%、県では13.7%に比べて、本市は16.0%と空き家がやはり多いパーセンテージあるのかなと思います。空き家対策の現状と今後の課題について、先ほどお伺いいたしましたが、今後の空き家対策の進め方についてお聞かせいただきたいと思います。

 

◯市長 空き家対策は、大別すると、適正管理、活用支援となります。適正管理のための施策としましては、空き家所有者へのセミナーや相談会、また、自治会向けの出前講座等の開催や啓発パンフレットの作成を予定しています。

 なお、啓発パンフレットにつきましては、来年度の固定資産税納付書に同封を行い、適正管理と利用促進について直接所有者に対し働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 また、空き家の活用支援としましては、桜井市空き家バンクの開設により、空き家物件を登録して、希望者に利用していただくことであります。また、奈良県とのまちづくり連携協定を結んでおります桜井駅周辺地区の本町通や長谷寺門前町周辺地区で現在行っております取り組みの事例など、例えば櫻町珈琲店や旧京都相互銀行のような利活用のモデル事業について、実際に見ていただき、このような利活用の方法があることを知っていただくことが利用促進の上で大切であるというふうに考えております。以上でございます。

 

◯金山 では、続きまして、ただいま始まったとおっしゃっていました桜井市の空き家バンクの制度について、登録方法や状況についてお聞きしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 空き家バンクとは、ウエブページ上で空き家物件を登録し、所有者と利用希望者のマッチングを行うための制度であります。桜井市空き家バンクは、9月1日よりホームページを開設しております。9月5日現在、物件登録数は1件、利用者登録の希望数は2件であります。利用希望に対し、物件数が不足している状況でありますが、今後、空き家セミナーや相談会、自治会向け出前講座、啓発パンフレットの送付など、啓発を行い、登録物件をふやしてまいりたい、そのように考えております。

 また、空き家利活用の支援制度の紹介など、桜井市の魅力の発信を行い、空き家バンクの利用促進に努めてまいります。

 また、全国版空き家・空き地バンクを国土交通省が主体となって構築し、今年10月下旬から運営を予定しております。また、当市も全国版空き家・空き地バンクと連携してまいります。連携後は、全国から桜井市の空き家物件を検索していただけるようになり、空き家の流通、利活用の普及を進めてまいりたい、そのように考えております。ご理解よろしくお願いいたします。以上でございます。

 

◯金山 空き家バンク、まだ始まったばかりということもあって、1件の登録ということでございます。やはり、空き家の、先ほど適正管理と利活用と市長おっしゃってましたけれども、この利活用の部分が今後大切になってくるのかなと私は思います。

 その中で、果たしてこの空き家バンク制度だけで利活用の取り組みとして十分なのか、そして、桜井市に適したコンパクトシティ、小さな拠点についても聞きたいと思うんですけれども、桜井市においては、先ほど述べましたとおり、6割が山でございます。その中での、今までは均衡した発展をそれぞれ目指してこられたと思うんです。その中で、松井市長においては、桜井市でコンパクトシティ、小さな拠点をやっていくというふうにおっしゃっておられますが、その形がなかなか私に見えない部分がございますので、市長のご見解をお伺いしたいと思います。

 

◯市長 再度の質問にお答えします。桜井市では、まち・ひと・しごと創生総合戦略にコンパクトシティ、小さな拠点を位置づけ、本市の特性を踏まえ、魅力と個性を生かし、安全安心に暮らせるまちづくりを行いたいと考えております。

 今後、少子高齢化が進展する中で、一定の財政規律を保ちながら、市民サービスの充実を行うためには、持続的なまちづくりを行う必要があります。そのために、総合戦略でお示ししているように、市街地においてはコンパクトシティ、中山間地においては小さな拠点のまちづくりを進め、それらを公共交通で結び、限られた財源の中で都市機能を維持することができるよう取り組みを進めております。

 その中で、住民の皆さんに中心市街地や居住誘導地域に居住を促す取り組みの1つとして、空き家や空き店舗の利活用は有効な施策の1つと捉えております。

 また、人口減少に歯どめをかけるためには、外部から移住・定住を促さなければなりませんが、各地域の拠点の集落機能を維持していくためにも、空き家や空き店舗の活用を進めていかなければならないと考えております。

 このように、私は、長期にわたり桜井市を持続可能な町として市民の皆さんが安心して暮らしていくには、コンパクトシティ、小さな拠点のまちづくりを進めるほかないと確信いたしております。今後は、持続可能なまちづくりの実現に向け、取り組んでおります空き家対策のほか、県とのまちづくり連携協定における拠点まちづくり、ファシリティマネジメントの推進、道路・橋梁などのインフラの老朽化対策の推進などの施策について、計画的に実施をしてまいりたい、そのように考えているところであります。以上でございます。

 

◯金山 空き家の利活用の対策として空き家バンク制度だけで大丈夫なのかという質問についても、担当部長からお答えいただきたいと思います。

 

◯総務部長 失礼いたします。金山議員のご質問にお答えさせていただきます。空き家バンクのみならず、さまざまな啓発、それから活動、取り組みを行いまして、今後、賃貸住宅、そういった不動産会社とかの連携も図りながら、取り組みを進めてまいりたい。そうすることで、一層加速するのではないかというふうに考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。以上でございます。

 

◯金山 コンパクトシティ、先ほど市長おっしゃっていただきましたけども、私理解が届かないところがあるんですけども、おおむね理解いたしました。確かに安心安全も大事なんですけれども、そもそも町に魅力がないと、移住・定住してくれないと思いますので、そのあたりもぜひあわせてお願いいたしたいと思います。

 あと、先ほど総務部長からありましたけれども、桜井市に住みたいと考える方にとって、まず入り口になるのは、実際に来るにせよホームページで検索するにせよ、最初の窓口になるのが桜井市の駅前にある賃貸会社や不動産会社となってくると思います。先ほどお聞きした空き家の利活用という観点において、桜井市にある賃貸会社や不動産会社、また宅建協会さんなどと連携することはできないかと考えますが、空き家対策において民間企業との連携について、どのようにお考えか、行政にできる取り組みはないのかを市長にお聞きしたいと思います。

 

◯市長 空き家等対策は、それぞれのステージ、予防、適正管理、利活用で問題の背景や事情が異なり、行政側の対策だけでは限界があります。お述べをいただいたとおりであります。特に空き家の利活用には、需給のマッチングや背景にある経済的、法的な問題を解決する仕組みや知恵が必要となるため、中間的な立場で支援する組織の構築が有効であると考えているところであります。

 そこで、空き家等対策に関する法律対処や不動産ビジネスのノウハウを含めた幅広い官民連携のネットワークづくりを行い、空き家所有者、市、自治会や、お述べをいただいております賃貸会社を含む民間事業者やNPO等とが相互に連携した専門家ネットワークによる空き家等対策のプラットホームの構築を今後は目指してまいりたい、そのように考えているところであります。ご理解よろしくお願いいたします。

 

◯金山 ぜひお願いしたいと思います。松井市長、かなり桜井市でも人的ネットワークが広いと思いますので、そういう官民連携、ちょっと私弱いんじゃないかなと疑っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。

 空き家対策にかかわる部署は、先ほどご説明ありましたけれども、市民協働課が窓口となって、かなり多岐にわたっての、営繕課であったり農林課であったり多岐にわたると聞いております。今後、ふえ続けるであろう桜井市の空き家対策に適切に処理するために、空き家対策を総合的に対応できるように部署の一本化を図るべきだと考えますけれども、市長のお考えをお聞きしたいと思います。

 

◯市長 現在、桜井市の空き家対策は、お述べいただきましたように、相談窓口を持つ市民協働課に空き家対策係があります。また、特定空き家に関しては営繕課、移住・定住に関する対応は行政経営課、景観については都市計画課、奈良県とのまちづくり連携協定地区、大神神社参道周辺地区並びに商業系利活用については商工振興課、桜井駅周辺地区及び長谷寺門前町地区は観光まちづくり課、ほかに環境部など専門分野もあり、連携を図りながら、現在のところ対応を行っているところであります。

 なお、空き家対策については、多岐の分野にわたるため、現状は空き家対策部署の一本化は困難であるな、なかなか難しいなというふうに考えております。そのことから、今後も関係課と密に連携を行いながら、適切な空き家対策を図ってまいりますよう努めてまいりたい、そのように考えております。ご理解よろしくお願いいたします。

 

◯金山 行政マンであったらすぐわかるようなことでも、市民の皆さん、私も含めて、どう回ったらいいのかとかわからない部分も多いですので、ぜひ親切な対応、そして、密な連携をお願いしたいと思います。

 昨年、ちょうどこの時期に桜井市、60周年を迎えたわけでございますけれども、今後もぜひ市長におきましては、自助・共助・公助を軸に、そして公平性を忘れずに緊張感、危機感を持って市政に当たっていただきたいとお願いいたしたいと思います。

 以上で質問のほうを終わります。

◯金山(登壇) 金山成樹でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、質問させていただきます。今回は、大きく2つのテーマについてお聞きします。

 まず、鳥獣被害対策についてお聞きします。このテーマについては、ちょうど1年前の平成28年3月定例会において一般質問させていただきました。そのときの市長のご答弁によると、平成26年度、桜井市内においては、中山間部を中心に2,653万円の農作物の被害が発生しており、桜井市鳥獣被害防止計画に基づいて、農林課で対応に当たっているとのことでした。

 1点目、現在、桜井市が鳥獣被害の対応、予防のために行っている対策、市における取り組み体制、捕獲頭数並びに農作物の被害状況の推移についてお聞きします。

 2点目、平成27年度から取り組んでこられた奈良県猟友会桜井支部との取り組みについて、具体的にお聞きします。その予算と人員、鳥獣被害対策における効果をお聞かせください。

 次に、観光誘客と定住促進についてをテーマにお聞きします。

 市当局は、平成29年度予算において、観光に力を入れる方針であるようですが、観光に力を入れ、交流人口をふやす前に、やることがあると私は考えます。まだ、桜井市には観光客を迎え入れることのできる体制が十分整っていないように思うからです。

 そもそも桜井市における観光スポットの9割9分は寺社仏閣、つまり宗教法人であり、現在も年間約730万人の方が桜井にお越しになっているということですが、この観光客の人数をふやしたところで、市税として桜井市に循環する金額はかなり限られてくるであろうと考えられます。つまり、桜井市における観光は、経済波及効果が限定的にならざるを得ず、行政が取り組むのには非常にハードルが高い観光誘客であると言えます。

 一般論として、観光における自治体にとってのメリットは、つまるところ経済性にしかないと私は考えます。訪れた方に桜井市っていいなと満足いただき、ファンになっていただけるのも大変ありがたいし、光栄なことなんですが、市民の税金を使って行う観光施策である以上、観光客にいかに桜井市でお金を使っていただけるか、桜井市内の経済と産業の好循環をいかに生み出すことができるという観点が非常に重要になってきます。

 1点目の質問として、一体どこで観光客にお金を使っていただくつもりなのか、そもそもそうした収益施設が桜井市にあるのか、そして、観光による経済波及効果は幾ら見込んでいるのかをお聞かせください。

 また、市内を循環するバスは1時間に1本というような、貧弱な公共交通体系しか持っていない当市に来られた観光客がどのように観光スポットを回られることを想定しているのか。東京オリンピックに関連して、仮に外国人観光客が桜井市に来られたときに、どのような対応を考えているのかをあわせてお聞かせください。

 2点目として、平成27年に水森かおりさんが観光親善大使に、平成28年には笑い飯の哲夫さんが広報大使になられました。その結果、桜井市がマスコミに大きく取り上げたり、観光客の流入があったり、プラスの影響があったのでしょうか。その効果についてお聞きします。

 私は、今の桜井市は、観光誘客に市税を大きく投入するよりも、定住促進に力を入れるべきタイミングであると考えます。今現在、桜井市に住んでくださっている市民の皆さんが、桜井市で住まうことに満足していただけることに努力することがまず大切だと思うのです。平成28年度版桜井市統計によると、平成17年以降、毎年1,700人から2,100人規模の方が転出されている実態があります。桜井市に縁があったこれらの方々の市外への流出をできるだけ抑制することが、まず大事なのではないでしょうか。

 そこで、3点目として、平成28年3月定例会でもお聞きしましたが、桜井市まち・ひと・しごと総合戦略における定住促進のための施策と成果をお聞かせください。

 4点目、桜井市には、桜井市内で仕事も住まいも完結されている方、桜井市内に住まいがあり、市外へ通勤、通学をされている方、市外に住まいがあり、桜井市へ通勤されている方のそれぞれがいらっしゃいます。今後の桜井市への定住促進の観点から考えると、特にこの2番目、3番目の層にフォーカスを当て、桜井市での暮らしの満足度を上げ、流出を防ぎ、流入を促すことが定住促進に即効的ではないかと考えますが、市長のご見解をお聞きします。

 以上、大きく2つのテーマについてご質問させていただきました。ご答弁よろしくお願いいたします。これで壇上での質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

 

◯市長(登壇) 2番金山議員の1点目、鳥獣被害対策についてのまずは質問にお答えをいたします。

 まず、桜井市が鳥獣被害の対応、予防のために行っている対策、体制等につきまして、農林業従事者の高齢化や担い手の減少による耕作放棄地や放置山林が増加し、野生獣が誘因する原因となっておりますことから、平成27年度より奈良県猟友会桜井支部と有害鳥獣の捕獲に対する委託契約を結び、桜井市鳥獣被害対策実施隊員6名とともに対策に当たっているところであります。

 耕作物被害に対する予防の対策といたしましては、平成27年度の防止柵設置計画延長が市内に5万9,593メーターあり、年間4,000メートルの対策を講じることで、14年間で完了する計画となっております。高さ1.5メートルのワイヤーメッシュを材料とした侵入防止柵を平成27年度より被害の多い地区の1ヘクタール以上連担した農地及び受益耕作者戸数が3戸以上の集落を対象に、農業者みずからが自立施工により被害防止対策に当たる地区に年間500メーター分の材料を支給させていただいており、現在8,000メートル分の対策が完了いたしているところであります。

 取り組みの体制につきましては、平成23年1月に、有害野生獣による農作物の被害防止対策の充実強化を図るとともに、関係機関と連携のもと、総合的な被害防止体系を確立し、農林業などの被害軽減等に資することを目的として、奈良県猟友会桜井支部を初めとする6団体を会員として、桜井鳥獣被害防止対策協議会が設立をされております。

 また、平成26年8月に浅古地区の鳥見山周辺市街地に野生のイノシシがあらわれたことから、市民生活の安全確保のため、関係4課が集まり、野生獣の住環境被害等に対する対策会議を行い、住宅地に出没する野生獣の対応策については、周辺住民への注意喚起を市民協働課が、捕獲については猟友会桜井支部の協力のもと、農林課が中心となり危機管理課がサポートに回ることとなっております。

 捕獲頭数につきましては、今年1月末時点におきまして、前年度より約1.5倍の有害野生獣、イノシシ370頭、鹿191頭、合わせて561頭を捕獲しております。

 攻めの対策と守りの対策の結果、平成26年度、約2,650万の農作物の被害に対し、平成27年度では約1割軽減をされております。金額にして460万、被害面積としまして2.5ヘクタールの農地被害が軽減をされております。

 次に、2つ目の奈良県猟友会桜井支部との取り組みについての質問ですが、平成27年度から有害鳥獣捕獲委託料といたしまして、年間400万の予算で駆除依頼に対する対応、捕獲おりやくくり縄等の見回り巡回を行っていただいております。なお、現在、猟友会桜井支部の会員数は45名でございます。

 次に、鳥獣被害対策の効果等につきましては、捕獲頭数がふえることと、野生獣の侵入を防止する枠の対策を行うことで、農産物被害に一定の効果があらわれており、農業者の生産意欲につながり、耕作放棄地発生防止、新規就農者等の農業の担い手確保に効果が期待されているものと考えているところでございます。よろしくご理解お願いいたしたいと思います。

 次に、観光誘客と定住促進についてのご質問にお答えいたします。

 桜井市まち・ひと・しごと創生総合戦略における基本目標の一つとして、市外からの来訪を促し、定住を促進すると定めており、観光の振興と交流人口の拡大を目指し、さまざまな取り組みを行っているところであります。市民の満足度を上げると同時に、人口減少にも対応するため、さらに町の魅力を高めることが必要であると考えております。

 議員お尋ねの1点目ですが、市内の収益施設は、宿泊施設や観光関連のお土産、飲食などの店舗と考えております。現在、観光関連事業者等で組織されておりますおもてなし仕組みづくり協議会には、113の団体、事業者が加入されています。その経済波及効果については、数字として試算することは難しいと考えておりますが、将来、インバウンドも含め、来訪者の増加により、来店者数、売上額などが増加し、その波及効果を実感していただけるように、今後とも積極的な誘客に努めてまいりたいと考えております。

 また、市内には国内外に誇れる寺社等が数多く点在しますので、まずは点から線となるルートの形成を行い、コミュニティバスにおいては、桜井駅を起点とし、各方面に移動ができるよう工夫や改善を行いたいと思っております。

 さらに、大和さくらいブランドにも認定されました記紀万葉ふるさとめぐりツアータクシーなど、官民連携をした取り組みもあわせて行ってまいりたいと思っております。

 なお、従来の寺社仏閣だけに頼る観光ではなく、新たな観光をつくり出す必要があると考えており、大神神社参道周辺地区や長谷寺門前町周辺地区、桜井本町通りなど、景観整備を行うことにより、町を見て歩く観光や、纒向遺跡、相撲神社、桧原神社を結ぶ新たなルート形成、オーベルジュを中心とした安倍地域の農業と観光を結合した新たな観光拠点をつくっていければと考えております。

 また、新年度では、訪日外国観光客の受け入れ観光整備にも取り組むべく、予算計上をいたしております。

 次に、2点目の観光大使と広報大使についてでありますが、水森かおりさんの「大和路の恋」のヒットに伴い、NHKやBSなどの歌謡番組などに多数出演され、全国的なPRを行っていただきました。また、笑い飯の哲夫さんも、地元桜井市のためにメディア出演時に桜井市の話題を出していただき、各方面でPRを行っていただいております。まずは、桜井市の知名度を高めることが大切であり、その効果は非常に大きいものがあると考えております。

 次に、3点目、定住促進のための施策と成果についてでありますが、市内にお住みの方々に引き続き定住していただき、かつ、市外から移住を促すためには、桜井市の魅力を最大限にアピールし、かつ、定住者に住みよさを実感していただく必要がございます。そこで、定住促進では、大都市圏における移住説明会や移住体験ツアーを行い、市外からの人及び市内からの人口流出に歯どめをかけていきたいと考え、現在実施しているところであります。成果については、今年度開催した移住体験事業として、東京の奈良まほろば館での説明会に54名、桜井市の移住体験ツアーには13名の参加を得ました。市内での定住効果については、複数年度にわたる人口動向を見て判断する必要がございます。今後、人口動向を分析し、判断していきたいと考えております。

 4点目の今後の定住促進の考えについてですが、桜井市は、大阪市まで40キロ圏に位置し、ベッドタウンとして大阪などの都市圏に通勤、通学されている方が多数おられます。また、逆に、市内の事業者や高校に通勤、通学されている方々もおられます。市内在勤、在学の方や市外に通勤、通学されている方をターゲットに置き、定住促進を図るということも効果があるものと考えております。特に大学進学や就職、結婚により、地元を離れる若者が多いことから、今後は、定住促進に力を入れて取り組んでまいりたい、そのように考えているところであります。ご理解よろしくお願いを申し上げます。

 以上でございます。

 

◯金山 ご答弁ありがとうございました。まず、1つ目の質問の1点目に関してなんですけれども、前回お聞きしたときよりも1.5倍以上の捕獲数があるということを率直に評価したいと思います。また、攻めの施策と守りの施策ということで、田畑を守ると同時に、メーンとなる獣害を減らしていこうという取り組みは評価させていただきたいと思います。

 あわせて、この猟友会の協力の件も、そうやって実際に561頭という結果が出ているのであれば、非常に効果があったのかなと思います。

 その中で、前回、私が一般質問をさせていただいたときは、農林課のみで鳥獣害対策を行っておられたように記憶しております。今回お伺いすると、住環境被害を中心に、市民協働課、そして危機管理課等と連携をとりながら当たっていただいているということでございます。これも率直に評価させていただきたいと思います。実態に沿った対応だと私は考えます。

 また、桜井市には三輪山があります。三輪山は、大神神社の神域でもあり、当然、殺生は禁じられております。多くの鳥獣の通り道になってしまっているとも聞きます。なかなか調整が難しい部分もあると思いますけれども、近隣住民の生活の安全を守るために、さらなる工夫をしていただきたいと要望します。

 さて、先ほどお聞かせいただいた対策を続けたとしても、10年後、20年後には桜井市東部、南部を中心に、やはり、その自治会を中心に住まう人がより少なくなってしまい、高齢化が急激に進行することが考えられます。そうなれば、耕作放棄地もふえ、さらに鳥獣が平地におりてきてしまい、マムシも出てきて、鳥獣被害がより拡大することも容易に想定できるところです。

 市長は、桜井市全体としては、多極ネットワーク型コンパクトシティを目指しておられ、中山間地域には小さな拠点をつくるとおっしゃっておられますが、果たしてその未来像で桜井市の中山間の美しい風景を守れるのか、中山間地域にお住まいの住民の生活を鳥獣害から守れるのか、高齢化の波から維持できるのか、市長のビジョンを含めてご見解をお聞きします。

 

◯市長 これからの人口減少社会に対応して、都市の機能を維持するため、現在お述べをいただきました多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくりを進めているところであります。

 中山間につきましては、この中心市街地と公共交通のネットワークで結ばれた小さな拠点を形成して、今後も住民が安心安全に地域で暮らすことのできるよう、まちづくりを行っていきたいと考えております。

 ご懸念いただいておりますとおり、中山間については、課題が山積しております。このままでは立ち行かなくなることは目に見えていると思います。中でも、中山間の集落機能が落ちますと、耕作放棄地や放置山林が増加をして、野生獣を引き寄せ、鳥獣被害が増加する要因となると、そのように私も思っているところであります。

 中山間の集落の荒廃を防ぎ、住民の皆さんに対する行政サービスの質を落とさず、安心して暮らしていただくためには、私は、この多極ネットワーク型コンパクトシティと小さな拠点のまちづくりしか行く道はないと、そのように考えているところであります。

 都市のコンパクト化と中山間の機能を集約化し、維持することで、行政効率を高め、金や人などの資源を課題の解消に充てていきたいと考えております。中山間地の美しい風景を維持し、住民の暮らしを守るため、今後もこれらの取り組みを進めてまいりたい、そのように考えているところであります。以上でございます。

 

◯金山  ご答弁ありがとうございます。問題意識が共有できていることで、安心いたしました。一方で、やはり、こういう中山間の、特に桜井市は6割が山になりますので、その山間部の集落を守ることが、鳥獣害の被害を抑制することにつながってくると思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 次に、観光誘客と定住促進についてのテーマに移ります。1点目についてです。先ほど、私の1点目の質問に対して、市長のほうから、市内の収益施設に関して、桜井市にはおもてなし仕組みづくり協議会があって、113の団体があるとお答えいただきました。その113の団体を初めて来た初見の観光客が来たときにどうやって知るのかを教えてください。

 

◯まちづくり部長 ただいまのご質問にお答えさせていただきます。現在、おもてなしの仕組みづくり協議会では、来られた方にその113の宿泊施設、食堂あるいはお土産物屋さん、こういったことがどこにあるのかを知っていただくためのパンフレットを作成しております。それにつきましては、そういった宿泊施設等、あるいは食堂等、入っておられる、加盟しておられる団体の方に配付をさせていただいて、また、そこには幾つか回っていただいたらポイントをためて、また景品が当たるような仕掛けもつくりまして、市内を回っていただく、あるいは最後にお土産を買っていただくというふうなことでできるような仕掛けを現在やっていただいております。以上でございます。

 

◯金山 ぜひ、加入していただいているところだけではなくて、例えばウェブで公開するとか、もう少し訪れる前に手に入れるようなことができるような仕組みをぜひ研究していただきたいなと、これは要望とさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

 あわせまして、先ほど点から線、バスの交通網をこうするとかいうふうに市長のビジョンを語っていただきました。私もぜひそうしていただきたいと思います。

 私、今回この観光誘客について反対しているわけでは、当然ないんですけれども、タイミングが早いんじゃないかと申し上げているだけでございますので、その点はあわせて理解いただきたいと思います。私個人の実感としては、お話を聞きながら、まだもうちょっと、やっぱり時間がかかるのかなというふうに感じさせていただきました。それも含めてお伝えだけさせていただきたいと思います。

 2点目に関してなんですけれども、先ほどお答えいただきました水森かおりさんと哲夫さんの件でございます。こちらの件ですけれども、桜井市としては報酬は出ていないというふうに聞いておりますけれども、効果測定のほうを桜井市のほうでされておられるのか、市長または担当部局のほうからお聞きしたいと思います。

 

◯まちづくり部長 水森かおりさんの観光親善大使なり、哲夫さんの広報大使、任命をさせていただいておるところでございます。水森かおりさんにつきましては、1年間ということで、テレビ、ラジオ、BS等に出ていただくということで、そういったことにつきましての回数等、勘定させていただいておりますところですが、視聴率何%でどれぐらいの方が見ていただけるかというふうなことも、プロダクションのほうからはお聞きもさせていただいて、改めてそれだけのアピールをするのを桜井市が独自に予算をかけてすることと比べますと、非常に効果は大きいということで聞かせていただいております。ちょっと今、手元にその数字がどうかということは資料ございませんけれども、そういったことで、特に年末、日本歌謡大賞、レコード大賞、それから紅白歌合戦ということで、「大和路の恋」を歌っていただきましたので、その効果は非常に大きいなというふうに思っております。

 また、哲夫さんのほうにつきましても、いろんなところで広報活動ということでしていただいておりまして、ちょっとここについての具体的なものは今持っておりませんけれども、こちらについては1年ということではございませんので、これからさらに引き続き活動していただけるということで、効果を期待しておるところでございます。

 以上でございます。

 

◯金山 市としては、ぜひそういう効果測定、できる範囲でしていただきたいなと思います。例えば桜井市の市役所の中ででも、きっとスクラップ、桜井市にかかわる新聞の切り抜きとかされているところもあるかもしれませんし、少なくとも桜井市図書館でも、桜井市に関する記事は記録されています。それをピックアップするだけでも、やはり、効果測定という意味で意味があるのかなとは思います。

 なおかつ、やはり、市民の目からすると、期待されていると思うんです。そうやってアピールしてくれていると。松井市長のときに、そうやって哲夫さんが広報大使をされて、水森かおりさんがされて、桜井市はもっと知られるのかなと期待されている部分があると思いますので、そうした部分、できる範囲で、労力のかからない程度に、ぜひカウントしていくのは無駄なことではないと思いますので、申し添えさせていただきます。

 3点目です。私、先ほど、桜井市には桜井市内で仕事も住まいも完結されている方、桜井市内に住まいがあり、市外へ通勤、通学をされている方、そして、市外に住まいがあり、桜井市へ通勤、通学をされている方の大きく3つの属性の方がいらっしゃると述べました。

 桜井市内で仕事も住まいも完結されている方は、地域の区長や自治会長を通じて、桜井市へ要望を届けるという方法があります。一方、桜井市内から桜井市外へ通勤、通学をされている方、市外から桜井市内へ通勤されている方の要望は、当然ながらなかなか市として酌み取れない、把握できない部分が多いのではないでしょうか。

 その一例として、小さな例かもしれませんが、2つの事案を紹介させていただきます。

 昨年12月中旬の朝、私は、桜井市の駅前南口におりました。その際、駅前の地面のれんがが何カ所も剥がれ、ヒールを履いた若い女性が何人かつまづかれているのを目撃しました。そこは桜井市の管理地だったので、私は、すぐに都市計画課に相談して、簡易な修繕をしていただいたのですけれども、通勤される市民の方、桜井市を初めて訪れる観光客の方がどう感じるだろうと想像するだけで、私は恥ずかしい思いがしました。ちょうど年末でしたので、年末年始の乗降客の多いときに、例えば駅前の通路がそのままの状態だったら、そこで転んでけがをされる方が出たら、こんな小さなことで桜井市にがっかりされるような方が出たらと考えると、私は危機感を感じました。

 また、本年2月、大和朝倉駅へ行く用事があり、慈恩寺区の墓地前を通って大和朝倉駅へ向かう南側の細い市道を徒歩で歩いていたのですが、道路が割れているなど、かなり荒れた道路の舗装状況でした。こちらもすぐ土木課に相談し、修繕を依頼しました。

 当然、私のような議員も桜井市内をくまなく歩き回って、常にアンテナを立て、気づく努力を重ね、市当局に気づいたことを伝えていくべきだと感じると同時に、願わくば、ぜひ市当局や職員においても、市民の隠れた要望にいち早く気づいていただきたいと考えます。

 というのも、市長もおっしゃるように、定住促進、そして観光が進むにつれ、サイレントマジョリティーというか、物言わぬ多数派というか、そういう市民も確実に桜井市内にはふえていくと思います。区長や自治会長から来る各地域からの要望に加え、そうしたサイレントマジョリティーの要望を先んじて読み取って、言われる前に未然に対応する努力を市当局にはしていただきたい。今も現場の職員の方は、市内各所で市民のために汗をかいていただいているとは思いますが、その地道な努力の量が桜井市への定住につながり、人口の流出防止にもつながるのではないかと考えますので、さらに頑張っていただきたい。市長または担当部長にご見解をお聞きします。

 

◯市長 議員お述べのように、駅前広場や朝倉の例も挙げていただきましたが、市道を利用される方の通行の安全を確保することは、通報や要望の有無にかかわらず、非常に大事なことであると、そのように考えております。このことから、日常的に各施設を管理する職員によるパトロールを実施して、危険と思われる箇所につきまして、その都度修繕を行っている状況にありますが、管理範囲が広く、利用者による通報により対応することが多い現状にあります。今後、パトロールの強化に努めてまいりますとともに、特に桜井駅前周辺につきましては、来年度に策定を予定しておりますバリアフリー基本構想に基づき、駅周辺の面的なバリアフリー化を進めることとなっております。通勤される市民の方、桜井市を訪れる観光客の方が快適に駅を利用していただけるように、桜井市の定住につなげていけるよう努めてまいりたいと思います。

 そして、サイレントマジョリティーの要望の読み取りについてのご質問についてであります。物言わぬ多数派、いわゆるサイレントマジョリティーの皆さんが感じておられる要望を読み取って、市に反映することで、ひいては定住につながり、人口の流出の防止につながるとの議員の考えは、私も同じように思っているところであります。今後、私を初め、職員がアンテナをしっかりと立てて、気づく努力をすべきだと改めて感じた次第であります。

 これらの目に見えぬ要望や意見について把握するためには、やはり、市民や来訪者の声に耳を傾け、また、各現場において異変がないかどうか目配りすることを常々心がけていかなければなりません。具体例を挙げていただきましたが、今後は、これらを教訓として、仕事を進めていく上で物言わぬ多数派の方々の思いを酌み取って、私が先頭に立って頑張っていかなければなりませんが、これはおっしゃったように、常々の、日ごろの心構えであると、そのように思っておりますので、今いただいた提言、しっかりと胸に受けとめて、職員ともども頑張っていきたい、そのように考えております。

 

◯金山 今も現場では、本当に頑張っていただいていると思うんですけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。やはり、これからは、今後10年後、20年後、よく市長おっしゃっていますけれども、直接言ってきていただけない、多分黙って去っていってしまう方もふえてくると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 さて、桜井市の発展のために、行政は産業構造を緩やかに変え、新たな産業を生み出す努力をすると同時に、木材、三輪そうめん、皮革産業など既存の地場産業の振興を図って、民間活力を生かし、市内経済の活性化に努力せねばならないと私は考えます。同時に、企業誘致を初め、市内企業に呼びかけて、市内に多くの雇用を生み出す努力をせねばなりません。

 桜井市では、近年、イオンの撤退がありましたが、それも含めて、市内への企業誘致の現状と施策を具体的にお聞かせください。

 また、近年における木材、三輪そうめん、皮革産業を初めとする地場産業の振興における桜井市の取り組みとその効果についてお聞かせください。

 

◯市長 まず、企業誘致の現状についてでありますが、出店面積は、中和幹線沿道大福地区における全体計画面積の17万2,400平米に対し、約20%にとどまっております。また、これまでイオンリテールが出店を計画していたエリアにつきましては、昨年12月にイオンリテール側より、イオングループの商業施設出店については断念せざるを得なくなったと、しかし、自社が紹介した新たな企業とともに、商業施設の誘致に向けて協力するとの報告を受けております。残りのエリアについても、複数社から問い合わせが寄せられているものの、現段階ではいずれも契約締結には至っていない現状にあります。こうしたことを受けまして、昨年12月議会でご承認いただきました中和幹線沿道大福地区の企業誘致条例を5年間延長させていただきました。

 次に、地場産業の振興における取り組みについてでありますが、三輪そうめんにつきましては、昨年3月に農林水産省が実施しております地理的表示保護制度G1マークの登録を果たすとともに、東京や大阪において、三輪そうめんのブランド力の向上と消費拡大を目指し、大々的なイベントを実施していただいております。また、来年3月には、全国そうめんサミット2018の開催も決定していただいております。

 次に、木材産業につきましては、桜井市福祉保健センター「陽だまり」や新消防庁舎への奈良県産木材の利用を行うとともに、桜井木材協同組合と連携して小学校への木製机と椅子の配置を進めております。また、市内製材木材等利用促進事業奨励金制度による住宅の新築等に対する奨励金の交付を行い、木材の活用を図る取り組みも実施しております。

 皮革産業につきましては、地場産業見本市等への出展に対しての補助や先進地の視察、講演料の実施などの取り組みを行っております。

 このように各業界とともに連携を図り、地場産業の振興に向けた取り組みをさらに進めることが必要であると認識をいたしております。ご理解よろしくお願いいたします。

 

◯金山 そういう取り組みも数多く、率直に評価したいと思います。あと、松井市長は、なられてから、三輪そうめんにおいても販売協議会ができて、大きく動いておられると聞きますので、それもまたぜひ頑張っていただきたいと思います。

 ただ、その雇用を生み出すために、市当局のほうでどのような施策を行っておられるのかをあわせてお聞かせください。

 

◯市長 雇用を生み出すためには、まず、新たな企業を誘致することが必要不可欠であるとともに、特に中和幹線沿い大福地区における企業誘致については、早期に実現を図る重要課題であるというふうに認識をいたしているところであります。

 また一方では、市内の地場産業のみならず、市内の中小企業が元気になり、活性化することも必要であるとともに、新たな起業家を生み出すための創業に関する支援も雇用の創出につながるものと考えております。

 創業支援につきましては、商工会や金融機関等と連携を図り、創業支援事業計画を策定して、積極的な取り組みを進めるとともに、今年度、新規創業者に対しての融資利子補給制度を拡大し、現段階で6件の利用がありました。

 今後も中小企業や起業を目指す方に対する各種融資等の支援情報の提供や経営相談を実施するなどの取り組みを商工会等の関係機関との連携を図り、推し進めてまいりたいと思っております。

 今、まちづくりが進んでおりますが、それらのまちづくりをなお一層進めることによって、そして、企業も、いろんな意味の企業があると思いますが、やはり、にぎわいを中心とした中で企業誘致も図りながら、雇用を図っていきたいな、そのように考えております。

 

◯金山 ご答弁ありがとうございます。ぜひその施策も含めて頑張っていただきたいと思います。先ほど私がご質問した3点目、4点目の定住促進と、あと市外への流出を防ぐことにも、この雇用を生むというのがつながってくると思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 桜井市を長年支えてきた木材、三輪そうめん、皮革産業においても、一朝一夕で産業として成り立ったわけではありません。それこそ100年、200年という時間をかけて、先人たちの知恵と努力が積み上げたものです。桜井市としても、10年、20年先を見越して、新たな産業の種をまき、芽を育て、次代へつなげていく営々とした努力が今必要であり、重要であろうと私も考えます。

 そういう意味でも、先ほど市長にお答えいただいた創業支援の取り組みは大いに評価させていただきますし、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返しながら、しかも近年のニーズの移り変わりは年々早くなっているので、スクラップ・アンド・ビルドを高速で繰り返しながら、つくったり壊したりというのを繰り返しながら、よりよい枠組みをつくり上げて、民間活力を行政が効率的に後押しできるように、そして、桜井市全体の活力にしていただきたいと考えます。これは要望とさせていただきます。

 さて、私は、昨年の6月議会において、健康寿命を延ばすための桜井市の取り組みについての一般質問をさせていただきましたが、今やテレビ、新聞でも健康寿命を延ばすための具体的な取り組みが数多く紹介されています。

 高齢化が急速に進展している時代背景もあるでしょうが、ウォーキングやランニング、体操、ヨガなど、自主的に運動に取り組まれている方もどんどんふえていますし、食事内容に気を使う方もふえています。また、食事内容をアドバイスしてくれたり、運動強度を自動ではかったりするスマートフォン用の無料アプリも若い層を中心に浸透し、老若男女を問わず、今、健康に対する関心が非常に高まっているタイミングであると考えます。

 一方で、世界全体を見渡せば、年々進んでいく地球温暖化のため、海面の上昇、北極の氷も年々大きく減少を続けています。その中で、特に喫緊の課題と言えるのは、大気汚染の激しい隣国、中国からのPM2.5の日本への飛来です。数年前には、テレビでも連日報道され、サージカルマスクなども飛ぶように売れましたが、今は比較的報道も落ちついていますが、決してPM2.5の日本への飛来が終わったわけではありません。特に、昨年の12月16日、中国北京で大気汚染警報としては最も重い赤色警報が発令され、20日には北京におけるPM2.5の値が日本の環境基準の10倍以上にもなったと報道がありました。ちなみに、中国では、年間約100万人の方がPM2.5による健康被害の死者が出ていると聞いております。

 PM2.5は、国内の都市部工場や自動車の排ガスも大きな要因となりますが、偏西風に乗って中国から飛来してくる越境汚染も大変多いと聞きます。奈良県では、平日の午前中、毎日PM2.5の速報値を公開しています。少しこちらのパネルをごらんください。

 

 

 これは、奈良県の環境政策課からご提供いただいた資料なんですけれども、こちらは、年間の年平均値のPM2.5のマイクログラム毎立方メートルの値が示されています。年平均値なので、多いときと少ないときがあるわけですけれども、こちらは順位が低いほうがいいんですが、都道府県別の年平均値では、奈良県は49都道府県中28位、岩手県や滋賀県、和歌山県と同じレベルです。比較的空気がいいと言えると思います。

 また、このほかに、奈良県が公開しているデータで、各局の空気のきれいさをはかっている、PM2.5をはかっている速報値というのがありまして、微粒子状物質PM2.5の測定結果というのを公開されています。これは奈良県管理の局が全部で、私の知っている限り6つありまして、生駒局、王寺局、御所局、桜井局、天理局、大台局とあるわけですけれども、桜井局の数値を見ますと、ほかの局に比べ、やはり、さらにPM2.5の数値が低い、いわば空気がきれいだという結果が出ています。

 私は、過去に大阪や東京で10年間、民間企業で働いておりましたが、大阪や東京に比べ、生まれ育った桜井市は、何となくですけれども、空気がきれいだなと思っておりました。そういう感覚値は持っておりましたが、こうして具体的なデータを見て、私自身納得感が深まりました。もちろん、このデータが全てではありませんし、ほかの指標もあるかもしれません。ぜひいろいろ研究していただいた上で、定住促進を進めるに当たって、世代を超えて健康志向が高まる中、こうした空気のきれいさという切り口もつけ加えてアピールしてみてはいかがでしょうか。

 若年層に向けては、通勤もでき、空気のきれいな桜井市で子育てしてみませんかとか、年配の方には、歴史豊かな空気のきれいな場所でとか、いろいろあると思うんですけれども、そうしたやり方はあると思います。市長または担当部局のご見解をお聞きしたいと思います。

 

◯市長 桜井市の魅力は、歴史文化の発祥の地として数多くの歴史資源に恵まれているというのとともに、豊かな自然環境に恵まれていることであると思っております。

 議員ご指摘のとおり、健康に対する国民の関心が高まっている中で、私も大都市にはない空気のきれいさが定住促進に際しての大きな売りになるのではないかというふうに思います。特に子どもたちが健やかな環境で育つためには、空気のきれいさについては、今後ますます注目されてくるものではないかと思います。

 具体的なデータとしてPM2.5の測量値を出していただきましたが、これは豊かな自然環境に恵まれた桜井市を改めて数値で裏づけるものであると思います。定住促進を進める上で、京阪神都市圏にアクセスしやすく、かつ、空気がきれいな自然環境に恵まれていることは、大きなアピールポイントとなります。今後、空気のきれいさ、住環境のよさをアピールポイントに加え、定住促進の中で情報発信を行っていきたいな、そこにプラス、災害のない桜井市だというのも売りに出していきたいなと、そのように思っているところであります。以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) また、やはり、桜井市は、先ほどの一般質問でもありましたけれども、限られた財源、限られた人的リソース、そして厳しい外部環境の中で、桜井市が取り組む以上、観光誘客も定住促進も同じように効果の高い、意味あるものにしていただきたいと要望します。

 特に観光誘客に関してですが、私から1つ提案をさせていただきたいと思います。過去に桜井市は、今まで歴史や伝承、いわれを地区別にまとめた冊子を発行してきました。私が把握している範囲では、最新のものは、長谷川明市長のときに、栢木喜一先生のもとで編さんされた「桜井風土記」、堀井孝昭先生による「わがまち桜井」の2冊は、市制40周年に当たる平成8年に発行されたものですが、それが最新であると理解しています。つまり、平成8年以降、新しく桜井市はみずからの歴史を体系的にまとめていません。

 桜井市が誇る資産は、歴史文化です。「桜井風土記」から既に20年以上たち、市制60周年も昨年迎えた今、新たに桜井市をさらに深く知っていただけるように、さらなるファンをふやすために、そして、桜井市自身がみずからの歴史文化を大切にしていることを発信するためにも、歴史文化を体系的にまとめた冊子をつくってみてはいかがでしょうか。

 例えば「桜井風土記」には、纒向遺跡周辺の記述としては、纒向珠城山遺跡の記述のみで、当時発見されていなかった纒向遺跡のくだりは、当然ありません。また、ほかにも新たな発見、知見もあり、盛り込むべき情報は多いように私は考えます。さらに、合併前の町村の情報にも改めて光を当て、編さんしてみてはいかがでしょうか。

 昔は、桜井駅前には若草書店があり、そこで桜井市関連、また歴史関連の書籍コーナーがありましたので、観光客も市民も気軽に購入することができました。私自身、社会人2年目に「桜井風土記」を書店で手にとり、桜井市が持つ歴史の奥深さを感じることができました。

 きっと今桜井に住んでいる市民も知らないことが、そのままでは埋もれてしまうようなことがたくさんあると思います。もったいないと思います。世代間の知識の濃淡をなくすためにも、知識の断絶をなくすためにも、今のうちに年配の方々が持っておられる桜井市の歴史や文化、いわれなどを全て集約し、新たな知見などを含めて整理し、桜井市がそうした書籍を編さんすることは大変意味あることだと私は考えます。そして、しっかり料金を取ればいいと思います。1,000円か2,000円ぐらいで販売するのです。

 その際、今、「わかざくら」でも展開されているように、過去の写真なども整理し、ビジュアルも含めて時系列で並べ、次世代に伝えていくこともあわせて有意義なことではないでしょうか。

 各世代に人気のある松井市長のうちに、市内全域に写真や資料、情報の提供を呼びかけ、有識者の皆さんの編集委員会をつくり、情報の真偽を厳選し、後世にとっても資料性の高い正確な本をつくってはいかがでしょうか。市当局しか持っていない情報もきっと多いと思います。そして、ぜひ早いタイミングで実現していただきたいと考えます。市民だけでなく、きっと歴史ファンを初め、桜井市を初めて訪れる方にも喜ばれる事業になると私は考えます。そうすることで、桜井市がより味わい深くなり、リピートする観光客もふえる可能性もあると私は考えます。

 また、駅前周辺でそうした歴史本、関連本を気軽に購入できる環境をつくることも、市当局は、これから観光に力を入れるのであれば、重要な施策の一つになると考えますが、ぜひ研究を重ねていただきたい、遠慮せず、お金を出して買っていただければいいと思います。ぜひこれは要望とさせていただきます。

 観光も定住促進も、効果はすぐにはかれないものではありますが、その分、ごまかしはきかない部分でもありますから、やるからにはぜひ市長以下、必死になって頑張っていただきたい。そして、成功させ、桜井市を元気にするきっかけにしていただきたい。それをくれぐれもお願い申し上げ、強く要望させていただきながら、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

 

◯2番(金山成樹君)(登壇) 皆さん、おはようございます。金山成樹でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問させていただきます。

 まず、桜井市における学校給食についてをテーマに5点お聞きします。

 1点目、桜井市の学校給食は、保育園、幼稚園においてはその内部で調理が行われていますが、小学校、中学校の給食は給食センターで行われています。保護者の方から聞くところによると、保育所、幼稚園での給食の評判はよく、アレルギー対応も細かく対応してくれる上、おいしいと聞く一方で、小学校、中学校の給食を提供している給食センターの給食は、余り評判はよくありません。このことは、私自身、子どものころ給食を楽しみにしていたので、意外なことでした。

 給食センターの設備の老朽化のため、子どもたちにつくってあげたくてもつくれないメニューがあるためか、それともほかに何か原因があるのか、理事者側のご見解をお聞きしたいと思います。

 2点目、食育という言葉が世間で定着してきました。子どもたちにとって学校給食は、栄養をとるだけでなく、食べるものに対する知識を学び、好きなものも嫌いなものも仲間たちと楽しく食べながら、その背景にある命に感謝することにつながっていってほしいと私は考えます。

 11月26日には、この議場において子ども議会が行われ、学校給食と食育の取り組みについて質問をされた子ども議員もいました。子ども議員の皆さんが質問する姿を見て、非常に頼もしく感じるとともに、各学校でも学校給食を通じ、食育について子どもたちに教えてくださっているんだろうなと感じました。

 そこで、桜井市が小学校、中学校で行っている食育の内容について具体的にお聞きします。

 3点目、桜井市の学校給食で使う食材の国内産利用割合並びに地場農産物の利用割合についてお聞きします。また、地場産物を学校給食に積極的に使用するための取り組みがあれば教えてください。

 4点目、学校給食の廃棄量は、毎日どれぐらいあるのでしょうか。直近の数値で結構ですので、月間、年間の量もあわせて教えてください。

 5点目、桜井市の学校給食のアレルギー対応は、県下でも優れていると聞きます。その対応と内容についてお聞きします。

 平成30年には、総額約32億円の桜井市立学校給食センターが桜井市金屋にて稼働予定です。立派な建物ができても、「仏つくって魂入れず」で、中身が伴っていなければ意味がないと私は考えます。

 以上、5点、教育長にお聞きします。

 次に、大神神社参道周辺地区のまちづくりについてお聞きします。

 10月20日、21日、産業建設委員会8名にて、大神神社参道周辺地区のまちづくりに生かすべく、島根県出雲市にある出雲大社を中心としたまちづくりの行政視察に赴きました。

 その際、強く印象に残ったことが大きく4つありました。

 1つは、神門大通りの側溝のシンプルさです。これは、私が気づいたのではなく、先輩議員が気づかれたのですが、非常に小さい穴が複数個あいていて、細長く、デザイン性もよい。そして、神門通りにおいては、電線類が地中化されているため、景観もよい。その分、歩道も大きくとれて、これは大神神社の参道においても非常に参考になるなと感じました。

 2つ目は、シェアドスペースという考え方です。桜井市にも、旧の街道が道路になっているケースが多く、道幅が狭いところが多いですが、出雲市も同様です。出雲大社神門通りでは、物理的境界を設けずに、歩道、車道、沿道までを一体的空間とすることで、車も人も広さを感じながら行き交うことができるよう石畳舗装されていました。専用意識を排除することにより、相互の危険意識が高まって、自然と譲り合い、安全行動を促すことになり、今のところ事故もないそうです。

 3つ目は、テーマの設定です。出雲市は、縁結びをテーマに、ほぼワンテーマで観光客に訴求されていたように思います。空港は、出雲縁結び空港ですし、縁結びスクエアという公園はあるし、駐車場の名称もご縁広場駐車場という名前がついています。我が桜井市の大神神社は、ご利益が多いゆえになかなかワンテーマに絞り切るのは難しいかもしれませんが、ぜひわかりやすく、桜井市を訪れる皆さんに関心のあるテーマでコンセプトを統一したらどうかと感じました。

 4つ目は、平素から防災意識を高めることの大切さに改めて気づいたことです。視察先の島根県から桜井へバスで戻る道中のトイレ休憩の際、鳥取県中部地震が起こり、震度5強の直下型地震に遭遇しました。これほどの震度の地震を体験したことがない私にとって、揺れも長く感じ、非常に恐ろしく感じました。行政視察の最後に、防災意識を常日ごろから高めておくことの大切さを身をもって感じた研修となりました。また、その際は、松井市長から議員一人一人に直接お電話をいただきました。松井市長、ご心配いただき、ありがとうございました。

 さて、私も産業建設委員の1人として、出雲市における取り組みを学ばせていただきましたので、大神神社参道周辺地区のまちづくりについて質問いたします。

 1点目として、現在の大神神社参道周辺地区のまちづくりの進捗はどうか。参道整備において、行政と地元住民の信頼関係は十分に醸成されているのか。また、どのようなメンバーで協議を行っているのか。地元住民の意見を積極的に取り入れているのか。

 2点目として、まちづくりの成功イメージ、どんなイメージを描いているのか。また、具体的な数値目標はあるのか。

 以上、2点を市長にお聞きします。ご答弁よろしくお願いいたします。

 これで、壇上での質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

 

◯市長(松井正剛君)(登壇) 皆さん、おはようございます。

 2番金山議員の大神神社参道周辺地区のまちづくりの進捗はどうか、また、どのようなメンバーで協議が行われているのか、まちづくりの成功イメージはどのようなものであり、数値目標はあるのかのご質問にお答えをいたします。

 大神神社参道周辺のまちづくりを進めるためには、ハード面やソフト面で実施しようとする事業について、奈良県に対し、大神神社参道周辺地区基本計画を提出する必要があります。その基本計画の策定を行うために検討協議会と、協議会の事務を円滑に遂行するために検討部会の立ち上げを行い、今年度中での基本計画策定に向け、議論を重ねていただいているところであります。

 また、この三輪地区では、歴史的町家等が数多くあるとともに、景観に配慮した町並みを形成する必要があることから、景観分科会を設け、景観に関するルールづくりにも検討を進めています。

 次に、構成メンバーについてでありますが、検討協議会につきましては、三輪小学校区区長会会長に協議会会長を担っていただくとともに、各種団体等から9名、また、行政といたしまして県と市より5名の合計15名で構成されております。

 また、検討部会につきましては、地域住民である有識者の方に部会長を担っていただくとともに、各種団体等から6名、また、三輪小学校区の9つの区から選出をいただいた9名、県より1名、合計17名で構成されております。

 景観分科会の構成メンバーにつきましては、奈良女子大学の准教授を座長として、検討部会の委員の中から5名を選出するとともに、奈良県建築士会桜井市支部より2名の合計8名で構成されております。

 このように、今年度末までに基本計画の策定を行い、平成29年には、この基本計画をもとに県との個別協定を締結し、事業化に向けて動き出したいと考えております。

 また、景観に関する部分につきまして、景観計画に対応するガイドラインの作成を来年度中に定める予定となっております。

 なお、参道の整備スケジュールにつきましては、JR踏切から二の鳥居までの間を来年度詳細設計を行い、平成30年度、31年度で整備を行うと県から聞いております。

 このように、地域住民の方々とともに、三輪のまちづくりの目標であります大神神社の上品な参道づくりと三輪の町のにぎわいの創出の実現に向け、関係各位のご理解とご協力をいただいて進めてまいりたいと考えております。

 次に、まちづくりの成功イメージについてでありますが、観光歴史資源が豊かな大神神社を中心とした三輪地域全体に活気と活力を導入するためには、にぎわいを創出する施設の導入や渋滞を発生させない駐車場の配置や動線の確保、さらに休憩スペースの確保や良好な景観形成について、整備を進めることにより、まちづくりの目標であります大神神社の上品な参道づくりと三輪の町のにぎわい創出が生み出されることであると考えております。

 具体的には、私が抱いている伊勢神宮のおかげ横丁や、今お述べをいただきました出雲大社の参道のようなにぎわいに結びつけることができ、三輪地域に元気と活力をよみがえらせ、たくさんの来訪者が訪れることにより、桜井市全体の活性化にも結びついていくようなまちづくりになったらなというふうに考えております。

 次に、数値目標についてでありますが、現在、市内の観光客の入り込み数については、平成27年度では733万人となっており、このうち、大半を占めておりますのが大神神社への参拝者となっております。

 議員ご指摘の数値目標を設定しているのかについてでありますが、今回の参道整備及び参道周辺におけるまちづくりについては、今年度に基本計画を策定し、平成29年度以降、順次個別協定を奈良県と締結し、動き出すこととなりますことから、現時点では三輪地域への観光客の入り込み数に対する数値目標を設定していない状況にあります。

 しかしながら、議員ご指摘のように、数値目標を設定し、その数値に向かって各種施策を実施することが必要であると考えますことから、今後、まちづくりの進捗に併せ、数値目標の設定について検討してまいりたいと考えております。ご理解よろしくお願いを申し上げます。

 以上でございます。

 

◯教育長(上田陽一君)(登壇) おはようございます。

 2番金山議員の桜井市における学校給食についてのご質問の1点目の現在の給食に対し、必ずしもおいしいという声だけではないのではないかというご質問にお答えをいたします。

 学校給食については、おいしいという声ばかりではなく、違うご意見もあることは聞いております。給食の献立やそのできぐあい、また、味などにつきましては、毎月子どもたちの感想や学校の先生方の意見を各小中学校の給食主任から聞き、次の月以降の給食をよりよくするための参考としております。

 また、献立は、成長する子どもたちの健康のため、塩分や栄養素のバランス等を考え、化学調味料の使用をできるだけ少なくするなど、工夫して作成しております。

 今後は、味つけに関してもより工夫を重ねてまいりたいというふうに考えますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 次に2点目、本市の小中学校の食育の取り組みについてお答えをいたします。

 各学校では、食育推進委員会を中心として、食に関する指導の全体計画に基づいて、食育推進に努めているとともに、保護者の方への啓発と意識向上を図っているところでございます。

 また、給食センターの2名の栄養教諭が学校の担任と連携をとりながら、子どもたちの発達段階に応じた出前授業を行ったり、食事のマナーや、かむことの大切さ、また、カルシウムと骨の成分などをテーマに給食の時間中の訪問指導も行っております。

 また、給食時間に放送をするための放送資料や、給食だより、学校で張り出す資料等を作成し、栄養バランスの大切さや地域の食文化、産業についての理解を深めることも行ってまいっております。

 今後も子どもたちが食の大切さについての理解が深まりますように取り組みを行っていきたいと考えております。

 3点目の学校給食での国内産、地場産物の利用割合と取り組みについてお答えをいたします。

 桜井市の場合、野菜の旬の時期に合わせて仕入れの入札業者にできるだけ奈良県産及び桜井市産の野菜を入れて入札しております。また、特産物の三輪そうめんを使った献立をつくったりして、地産地消に取り組んでおります。

 使用品目を基礎としました使用割合は、平成27年度で国内産が平均約82.2%、県内産の地場産物の使用割合は平均約7.5%となっております。

 次に4点目の給食の月間、年間の残滓量についてお答えをいたします。

 学校給食では、平成27年度に8月を除いて月平均1,879キログラム、年間で2万673キログラムの残菜となっております。

 次に、5点目の学校給食のアレルギー対応についてお答えをいたします。

 桜井市では、現在、乳、卵、魚卵、エビ、チリメンジャコ、イカ、貝類、タケノコ、サバ、サンマ、アジ、牛肉、サトイモ、ゴマ、果物の食物アレルゲンに対して、除去または代替食などの対応を行っております。

 保護者から学校への申し出により保護者と栄養教諭との面談を行った上、生活管理指導表や医師の診断書の提出を受けて、保護者、学校、給食センターが共通理解を図りながら連携して対応をしております。対応件数は、平成28年12月現在で、小中学校合わせまして105件の対応となっております。

 以上で金山議員への回答を終わらせていただきます。

 

◯2番(金山成樹君) ご答弁ありがとうございます。再度質問させていただきます。

 桜井市における学校給食についての1点目ですが、私は、本年5月19日に先輩議員とともに給食センターにて給食の試食をさせていただきました。こちらのパネルをごらんください。

 

 

◯2番(金山成樹君) 5月19日の給食メニューなんですけれども、白御飯、照り焼きキノコハンバーグ、卯の花、澄まし汁、牛乳ということでございました。正直、おいしかったんですけれども、体によさそうだなと感じるとともに、先ほど教育長からもありましたが、化学調味料が少なかったり、味つけの薄さも感じましたけれども、でも、品目は少ないなと感じました。その中で、なお、中学校の給食は、品目がふえるわけではなく、単純に小学校よりも多目の量を提供すると聞いております。

 私のような妙齢の男性ならちょうどヘルシーでいいと思うんですけれども、育ち盛りの子どもたちからしたら、このメニュー、物足りないと思うんですが、いかがでしょうか。

 仮に、現在の給食センターでの調理方法が限られていたり、給食費の制限があるにせよ、それは、子どもたちには関係のないことでありますから、平成30年からおいしい給食を食べられるから我慢せよと言っても、私たち大人の1年と子どもたちの1年では、その重要性が圧倒的に違います。それと、新しい給食センターの給食を食べることなく小学校、中学校を卒業してしまう子どもたちが多くいます。

 皆で食べることは楽しい、給食はおいしいと子どもたちに感じてもらえないと、給食をつくってくださっている皆さんも張り合いがなく、きっと寂しいだろうと思います。体にいいものばかりではなく、子どもたちが喜んで食べるようなものもバランスよく含んだメニューづくりをぜひ要望したいと思います。

 まず、今ある設備で知恵を絞って、必死になって、子どもたちの笑顔のためにメニューづくりに工夫をし続けていただきたい。現有戦力で戦っていただきたいと思います。さらにおいしい給食を提供していただきたい、これは要望とさせていただきますが、どうぞよろしくお願いいたします。また、折りを見て、試食に伺わせていただきたいと思います。

 2点目に関しては、理解いたしました。本当にきめ細かく食育について努めていただいていると思います。そして、子どもたちの健康にとっては、家庭での食事も大変大切になってくると思いますから、そうした保護者への取り組みもすごくありがたいなと思います。

 食育は、長い目で見れば、私が本年6月に質問させていただきました地方自治体における健康寿命を延ばすことにもつながることでありますから、引き続き力を入れていっていただきたいと思います。

 3点目についてです。平成20年に改正された学校給食法により、学校給食には地場農産物の活用に努めることが規定されました。それに沿って、農林水産省の第3次食育推進基本計画では、学校給食における地場産物の使用割合の目標を平成32年までに30%と掲げています。これは、問い合わせましたところ、農林水産省も文部科学省も品目ベースで30%と目標を掲げているということです。学校給食の地場産物の使用割合は、平成26年度は全国平均26.9%、奈良県では22.4%でした。平成27年度は全国平均で同じく26.9%、奈良県では16.3%でした。奈良県で急に減っているのは、奈良県では39市町村全ての統計結果を平均しているわけではなく、サンプリング調査しか行っていないということで、急に下がっています。その比率から見ても、桜井市における地場産物の使用割合は非常に少ないと感じます。

 桜井市には農家も多くありますから、もっと新鮮でおいしい地元の食材を子どもたちに食べさせてあげたい、それは桜井市のような里山に生まれ育つことのメリットの1つだと思いますし、私だけでなく、多くの市民が感じることであろうと思います。そして、地元の食材を食べ、時には地元の生産者とも触れ合う機会を持つことで、桜井市への郷土愛が育まれるきっかけになり得ると私は考えます。

 ここで、すいません、もう1度パネルのほうを見ていただきたいと思います。


 

 平成27年度の桜井市の近隣市における地場産物の使用割合を調べてみたところ、奈良市では平成27年度、38.03%。天理市では42.4%。大和郡山市では4.9%。橿原市では7.5%。宇陀市では17.24%。ちなみに、この宇陀市の17.24%のうち、12.60%は宇陀市産の重量比ベースと聞いております。大和高田市は19.2%。葛城市が16.87%。五條市は五條市内産のみで8.1%となっております。この活用割合から見ても、やはり、桜井市はすごく低いのではないかと感じております。

 なお、宇陀市においては、平成27年度の地産地消メニューコンテストにて、近畿農政局長賞を受賞されています。このメニューは、地場産率が55%ということでございました。

 また、県内の町村においても、下市町にある下市小学校の給食が地場産物をふんだんに使ったということで、平成27年度の文部科学大臣賞を受賞されたとも聞きます。

 このように、近隣市と比べても、やはり、桜井市の地場産物の使用割合は低く、地元の食材を使おうとする意識は、まだまだ低いと言えます。

 一方で、先ほどもお述べになりましたけれども、国内産の使用割合、先ほど82.2%とおっしゃっておりました。これは、奈良県の全国平均、平成27年の75.3%に比べ非常に上回っていると感じております。

 その中で、12月議会の全体協議会において、給食費の値上げについても報告がありましたが、それを議論する前に、ぜひ他市の事例を参考に、流通網を新たにつくったり、協力していただける農家をふやしたり、今あるものをブラッシュアップするなど、工夫を重ね、積極的かつ計画的に地場産物を給食に取り入れ、さらにおいしい給食にしていただきたい、そうした工夫にまず取り組むべきだと私は考えますが、教育長のご見解をお聞かせください。

 

◯教育長(上田陽一君) 金山議員の本市の地場産物の利用割合が非常に少ないことについてのご質問にお答えをいたします。

 給食センターでは、小中学校合わせまして1日約4,800人分の給食をつくっております。そのため、一度に大量の食材が必要となり、それだけの地場産物を安定的に確保することが難しいという状況にあります。現在の方法では限りがあると考えております。一度に全食分を調達せずに、調達可能な量を地場産物で集めるなど、仕入れ方法を変えたりして取り組んでいきたいと考えております。

 また、今後、他市の取り組みを参考にしながら、生産者や関係機関と連携をして、地場産物の利用促進を進めてまいりたいと考えます。ご理解のほどよろしくお願いをいたします。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。

 自校方式かセンター方式かというところで、難易度は上がってくると思うんですけれども、理論的には自校方式で市内全部でやっているところもありますので、可能か不可能かで言うと、検討する価値は十分あると思いますので、ぜひ工夫を重ねていただきたいと思います。

 4点目、廃棄量に関してですが、やはり、多くの廃棄量があるのだなと感じました。廃棄量がこれだけ出る理由というのは何なのでしょうか。また、この廃棄量も含めてつくった総量で子どもたちに必要なカロリー計算を行っておられるという理解でよろしかったでしょうか。教育長にお聞きします。

 

◯教育長(上田陽一君) 残菜がこれだけ出る理由は何であるのか、どう考えているのか、また、積極的な再利用というようなこともありますけれども、これについてのご質問にお答えをいたします。

 学校給食では、子どもたちに必要な栄養、それからエネルギー量を計算して、献立を作成しておりますので、決して余分につくっているわけではございません。残菜の出る理由としましては、例えば食生活の最近の傾向の中では、昔ながらの和食の煮物類が各家庭でなじみが少なくなってきております。そのために、食べず嫌いの児童生徒がふえてきたため、煮物類などには人気があまりないというようなこと、また、暑い日が続いて食欲が低下するというような夏の時期もございます。また、同じ献立でも、学校によって残食割合が異なってくるということもあり、理由はさまざまであるのではないかというふうに考えております。

 食育の観点からも食べず嫌い等をなくすために、より給食指導等々を行い、残食を減らしていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。ぜひ必要なカロリーを全て子どもたちにとっていただけるように、引き続き先生も含めた指導を行っていただけたらなと思います。

 それと、やはり、もったいないなと感じます。残菜がたくさん出ることはですね。農林水産省のほうでは、食べられるのに捨てられる食品ロスを減らす取り組みを進めておられますけれども、平成25年度調査によると、事業系、家庭系合わせて632万トンの食品ロスが発生したということでした。政府広報によると、632万トンとは、日本人1人当たりに換算すると、毎日お茶碗約1杯分、約136グラムの御飯の量を一人一人が捨てているということになります。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量、平成26年で年間約320万トンを大きく上回る量です。

 であるならば、桜井市における小学校・中学校の教育の観点からも、残菜の再生利用を目指すべきではないかと私は考えます。環境省が平成27年4月に発表した「学校給食から発生する食品ロス等の状況に関する調査結果において」という資料によると、全国各市町村の小中学校における食品廃棄物のリサイクル率は約59%となっています。うち18%は飼料化、40%は肥料化、1%はメタン化として使われています。残りの37%は焼却処理、残りは埋め立てその他となっています。桜井市でも、それだけ多くの食料廃棄物、残菜が出続けるのであれば、立派なグリーンセンターを持つ当市において、こうした再生利用、また、リサイクルに積極的に取り組むべきではないかと考えますけれども、教育長のご見解をお聞きします。

 

◯教育長(上田陽一君) 議員ご指摘をいただきましたように、残菜の再生ということは、大変大切なことだというふうにも感じております。再生といたしましては、堆肥化等が考えられますが、コスト面での課題もございますので、まずは地元生産者や、それから学校で使用をするなど、また、他の事例も探しながら利用方法を検討してまいりたいと考えております。ご理解をいただきますようにお願いいたします。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。本当に身近なところからでも結構ですので、ぜひ取り組んでいただけたらうれしいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 5点目、アレルギー対応に関しては、きめ細かく努力していただいていることは理解しました。しかしながら、小麦や米の主食系のアレルギーなど、いまだ対応できていない部分があることも事実だと思いますし、そうした子どもたちは、まだお弁当持参でみんなと食事をしていると聞いています。私自身も経験がありますが、みんなと同じではないというのは、子ども心に非常に傷つくものです。

 国の指針としては、アレルギーに対する食の事故を防ぐために、自治体でのアレルギー対応は控える方向です。しかし、今後は地方自治体も選ばれる時代になると私は考えます。新しい給食センターができることを機に、例えば、先ほど保護者と教育現場と連携したとおっしゃっておりましたけれども、行政並びに広域消防と学校と病院とで連携して情報共有をすることで、よりきめ細かいアレルギー対応ができ、皆が同じ給食を食べることができるきっかけにもなるのではないかと考えますけれども、教育長のご見解をお聞きしたいと思います。

 

◯教育長(上田陽一君) 本市のアレルギー対応について、まだまだできることがあると考えるがどうかというご質問にお答えをいたします。

 食物アレルギー対応につきましては、子どもたちにいつも安全な給食を提供するということが最も大切であると考えております。ミスがあれば、命にもかかわる重大な事故にもつながりかねないというリスクを負いながら、全てのアレルゲンに対応していくということは、非常に難しいことでもあります。議員ご指摘のように、文部科学省からは、リスクを軽減して、安全な学校給食を提供するために、対象のアレルゲンを限定するようにというような指針も出ておるところであります。しかしながら、家庭の事情や、それから子どもたちに他の子どもと同じように、同じ給食を食べさせてやりたいという親の願いがあることから、本市の場合、子どもの安全とリスクについて、保護者とも十分に話をしながら、アレルギー対応を進めているところでございます。

 また、教職員を対象に、エピペンの研修を行ったこともありましたが、アレルギーに対するマニュアルづくり等々、危機管理体制につきましても検討しながら、これまで以上に食物アレルギー疾患を持つ子どもたちの安全性の向上を図ってまいりたいというふうに考えますので、ご理解をいただきますようにお願いをいたします。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。ぜひ引き続きいろいろ研究を進めていっていただきたいと思います。

 いろいろお聞きしましたけれども、この新しい給食センターをつくるための環境整備もきっと大変であったろうなと拝察いたします。昭和46年に今の給食センターができ、あと1年弱で新しい給食センターが稼動するわけでございますけれども、ぜひこのことを機に、今の桜井市の子どもたちが幼いときの私たちのように、給食の時間が待ち遠しいと感じるような新鮮でおいしい給食へと進化させていただきますように、教育長、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上は要望とさせていただきます。

 

 続きまして、大神神社参道周辺地区のまちづくりについてお聞きします。おおむね順調に進んでいることは評価させていただきます。多くの方の合意形成がこれからまさに本格化していくところだと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 出雲市においては、住民と行政とが何度もワークショップを行い、住民アンケートを中心に対話を重ねて整備を行ったと聞いてまいりました。そのため、相互に信頼関係が生まれ、まちづくりも異例のスピードで進んでいったと聞きました。また、民間企業が土日の休日には駐車場を無償開放してくれるなど、強い協力体制が生まれていました。ぜひそのあたりは今後参考にして進めていただければと思います。

 さて、観光客を想定したまちづくりを進める上で、観光客の多くがまず訪れるであろうJR三輪駅の機能についてお聞きします。

 観光客を誘客し、リピーターになってもらうためには、各観光地域で見るべき場所を効果的に伝えるため、観光資源の情報発信、周遊ルートの提示、休憩施設等の機能を目的とした立ち寄り・情報拠点となる施設を整備することが不可欠です。

 以前のJR三輪駅には駅員が常駐しており、観光客の不明点についてもしっかり対応し、そうした機能も一定程度果たしてくれていたと聞いています。しかし、現在は無人駅となり、週末だけJRのOBの方が駅に張りついてくれてはいるものの、桜井市としての観光客への対応が十分ではないような気がします。また、JR三輪駅周辺にはコンビニがないなど、観光客にとっては不便です。

 そこで、JR三輪駅について、観光案内機能を持った駅売店など、観光拠点となる施設を設置するべきではないかと考えますが、市長のご見解をお聞きします。

 

◯市長(松井正剛君) 座って答弁をさせていただきますことをお許しいただきたいと思います。

 金山議員の再度にわたる質問にお答えをいたします。

 JR三輪駅では、平成14年3月まで駅員を配置するとともに、平成20年11月まで駅売店も営業を行っておりましたが、JR西日本の営業方針等の理由により、現在は、お述べのように、駅員が不在であるとともに、売店も営業を行っておりません。

 議員お述べいただきましたように、私も毎年多くの観光客がお見えになる三輪の玄関口として、非常に寂しい思いをするとともに、おもてなしができないことが非常に残念であると思っています。これまでは、初めて三輪の地に訪れてこられ、不明な点があるときは、駅員さんや売店で案内を受けていただくこともできていたわけでありますけれども、今は無人駅となっており、近隣の商店等で案内を受けざるを得ない状況であるため、来訪者や地域住民からの改善の要望も受けているところであります。

 また、参道整備や大神神社の第2期平成の大造営による直会殿や能楽堂の完成等により、今後ますますJRを利用し、三輪へお越しになる方が増加することは確実である、喜ばしいことであるというふうに思っております。

 このようなことから、大神神社を初め、観光資源豊かな三輪地域の玄関口であるJR三輪駅の機能配置については、JR西日本側とも十分協議を行っているところであります。やはり、今までと違って、町が大きく変わるというふうなこともしっかりとJRのほうにもお伝えをしながら、大神神社参道周辺地域のまちづくりの進捗におくれることのないよう、しっかりとJRとともに対応していきたいなと、そのように考えているところであります。以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。

 昨年の6月議会で井戸良美副議長が一般質問されたJR三輪駅のホーム脇に設置されているトイレについてもお聞きしたいと思います。

 私も正月にはJR万葉まほろば線を利用し、桜井駅から三輪駅まで乗車していますが、三輪駅でトイレに行ったところ、男女共用になっているのには毎回驚きます。また、身体障がい者用のトイレも全く整備されていません。

 今後、参道整備や大神神社の直会殿や能楽堂の建設が進むにつれ、今、市長もおっしゃっていたように、協議が進んでおるんでしょうけれども、JRの利用客数が大幅に増加する中で、JRを利用して三輪におみえになる来訪者に対し、玄関口のトイレがこのような状態では、周遊型のまちづくりが実現できるかどうか不安に思います。今後、どのようにするのか、市長にお聞きしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 再度の質問にお答えをいたします。

 JR三輪駅トイレにつきましては、観光用トイレとして、昭和59年10月に市が整備を行いました。JRの敷地を借用しての建設であったため、JRの利用客や一般観光客の双方が利用できるように、駅ホーム側と駅広場からも入れるような仕様となっておりました。

 しかし、議員ご指摘のとおり、男女共用であるとともに、洋式化もされておらず、また、身障者用のトイレの設置もできていない状況で、大変不便をかけているなというふうに思っております。特に、男女共用となっていることから、利用される方には大変不愉快な思いをされている方もいらっしゃるというふうに思っております。

 このようなことから、トイレの改善についても、先ほどのご質問にありました観光案内機能を持った売店などの協議にあわせて、同時にJR側と今、協議を進めているところであります。しっかりと前向きに考えていきたいと思っております。よろしくご理解お願いいたします。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 さて、本年9月議会の代表質問で札辻輝已議員がおっしゃっていたように、伊勢のおかげ横丁のようなにぎわいを、この大神神社参道に生み出す取り組みに引き続き頑張っていただきたいと思います。そのためには、行政だけが幾ら頑張ってもだめで、やる気のある新しい人材をいかに発掘するか、地元の自治会を初めとした既存の枠組み、先ほどおっしゃっておられたまちづくりの枠組み、そういったところをどう生かしていくか、そして、民間の活力と知恵をどう生かすか、それを行政がどう後押しするかに力を注ぐという視点のほうが重要だと私は考えます。まちづくりは、地域主導で行うべきものだと私は考えるからです。

 何度もこの議場で申し上げているように、ぜひ松井市長初め理事者側には、この一の矢でぜひ桜井市の発展につなげていただきたい。市税の乏しい桜井市には、二の矢、三の矢を継ぐ体力があるかどうか、非常に難しいと思いますので、ぜひ今まで以上に粉骨砕身、桜井市の発展のために頑張っていただきたいと思います。

 最後に市長の意気込みをお聞きして、質問を終わりたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 再度の質問にお答えをさせていただきたいと思います。今、金山議員おっしゃいましたとおり、桜井市の今、非常に一番大事なときであると思います。今おっしゃいましたように、桜井市のまちづくり、三輪だけではなくて、初瀬も、あるいは桜井の駅前も大福もというふうな形で進んでいくと思います。まちづくりは、人づくりであるというふうにも思いますので、地域の皆さんと連携をとりながら、今が桜井市にとってのよみがえらせる最後のチャンスというぐらいの思いを込めて、しっかりと頑張っていきたいと思いますので、よろしくご指導のほうお願いいたしたいと思います。以上でございます。

◯2番(金山成樹君)(登壇) 金山成樹でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、質問をさせていただきます。

 今回は、健康寿命を延ばすための桜井市の取り組みについてお伺いします。

 健康寿命とは、平均余命(65歳の方がその後平均で何年生きるか)から、平均要介護期間(65歳の方がその後平均で何年介護を受けるか)を引いた期間です。要は、65歳以上の方が健康で元気に過ごせる期間のことです。

 人生50年と言われた時代は過去のものとなり、日本では、4人に1人は65歳以上という超高齢社会を迎えています。厚生労働省によると、平成26年時点の国内の平均寿命は、男性80.50歳、女性86.833歳であり、女性は3年連続世界一、男性は世界3位となり、日本は今や世界有数の長寿国になりました。

 私ごとではございますが、私の母親は要介護2で、入院するたびに弱ってしまい、なかなかこの先もすっきりと元気になるということはないだろうと実感しています。そこで、私は、そもそも病気にならないこと、つまり、市民の病気をできる限り予防し、健康寿命を延ばすことこそが、これからの高齢化の時代、大切な視点なのではないかと思います。高齢の方も若い方も、家族のために、社会のために、健康でパワフルに貢献していただくことこそが桜井市の発展のためになり、本質的なまちづくりにつながると私は考えるからです。

 県では、平成25年7月に、なら健康長寿基本計画を策定し、健康寿命を平成34年度までに日本一にすることを目標に、さまざまな施策に取り組んでおられます。平成26年度の奈良県の健康寿命は、男性は全国4位、女性は全国33位です。女性のランキングが低いのは、奈良県では専業主婦率が全国1位であることと無関係ではないと私は思います。つまり、女性の多くは家事に追われ、自分自身の健康に関心を持つ時間がないのです。

 その奈良県の取り組みを1つご紹介したいと思います。奈良県健康ステーションという取り組みです。健康ステーションは、近隣では橿原市の近鉄百貨店6階にあり、店休日を除く午前10時から午後7時まで営業されています。体組成計や骨健康度測定器、自動血圧計、血管年齢計などの最新機器を使った無料測定ができるほか、おでかけ健康法のミニ講座や、ほかの来場者と交流を図れたり、活動量計の2週間貸し出しを受けられるなどのメニューがあるようです。

 そこで、市長にお聞きいたします。市長は、もともと歯科医師であり、「陽だまり政策」など保健や医療に対して並々ならぬ意欲で取り組んでこられたと聞いております。桜井市において、病気を予防するために、市民の健康寿命を延ばすために、どのような取り組みを現在なされているのかをお聞きいたします。また、今後、取り組む予定の施策があればお答えください。ご答弁よろしくお願いいたします。

 以上で、壇上での質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

 

◯市長(松井正剛君)(登壇) 2番金山議員のご質問にお答えをさせていただきます。

 急速な高齢化が進み、議員もお述べのとおり、我が国は世界有数の長寿大国となりました。長寿は、多くの国民、市民の望むところであります。お述べいただきましたように、病気などにより介護のもとで長生きするのではなく、健康で自立して長生きすることが誰しもの理想であると考えているところであります。

 なら健康長寿基本計画では、科学的な調査の結果、運動やがん検診などの推進、減塩、禁煙が健康寿命の延伸につながるものとされていることから、桜井市におきましては、昨年度、胃がん検診受診率向上事業を実施し、検診の受診勧奨を行った結果、多くの方に受診していただくことができました。今年度は、さらに検診種目をふやして、国保事業と特定健康診査と共同事業でスムーズに健診を受けていただけるよう、受診券方式を導入したところであります。

 一方、高齢化に対する取り組みにつきましては、地域包括支援センターを中心に、介護予防教室や居場所づくりを行っております。昨年までは、包括支援センターによる介護予防教室を受講された方を対象に、ころばん塾を開催しておりましたが、今年度からは、地域において高齢者の方々が手軽に取り組めるいきいき百歳体操を実施してまいりたいと考えております。

 また、本年4月から新しく地域包括ケア室を設置して、先ほどお述べをいただいた「陽だまり政策」の1つではございますが、市民の皆さんがいつまでも住みなれた地域で安心して生活できるよう、地域包括ケアシステムの構築に向け、取り組みを進めたいと考えております。ご理解よろしくお願いをいたします。

 以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ご答弁ありがとうございました。

 再度質問させていただきます。なるほど桜井市における現在の施策は、よく理解できました。また、胃がん検診や健診項目をふやしたり、いろいろ工夫なされていることも評価したいと思います。

 しかしながら、検診の広告を充実させたり、また、地域包括ケアシステムをしっかりとしたものを構築しても、病気を未然に防ぐ、健康寿命を延ばすという観点では不十分であり、タイミングとしても少し遅いのではないかと私は考えます。

 どこまで行政がかかわるべきかという議論はあるかと思いますが、これからは、生活習慣病の予防という観点から、市民の健康を考えねばならない時代に差しかかっているのではないかと考えます。病気になったら治すという治療に軸足を置き過ぎるのではなく、病気になることを未然に防ぐ予防という発想が大切だと考えます。

 奈良県健康づくり推進課がまとめた市町村別65歳時の健康寿命という統計によると、桜井市の健康寿命の順位は、平成23年度で男性27位、女性22位、平成24年度で男性23位、女性25位、平成25年度で男性27位、女性25位となっております。奈良県には39市町村あり、12市15町12村あるわけですが、私は、これは大変低い順位であると感じます。考えられる原因、また、この結果を受けての施策などあれば、再度、市長にお伺いしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 金山議員の再度の質問にお答えをいたしたいと思います。

 桜井市の健康寿命の順位が低い原因につきましては、先ほど奈良県のこともお述べいただいたと思いますが、具体的には把握できておりませんが、全国的には、働く世代の忙しさ、また、自分は健康だからという過信から、健診などの予防対策が後回しになっていることも関係があるのではないかと考えているところであります。

 そんな中で、予防に関しましては、先ほど議員が述べられたように、早いタイミングで始めることが大切であると思っております。生活習慣病の予防、予防医学というものは、一朝一夕で実を結ぶものではなく、若いころから、ひいては子どものころの食育といったころからも培っていかなければならないというふうに思っております。そのために、8月1日にオープンいたします桜井市保健福祉センター「陽だまり」では、調理実習室も完備しておりますことから、離乳食から始まり、生活習慣病の予防に大いにかかわりのある減塩食まで、切れ目なく学習、実習を行っていただけると期待をいたしているところであります。桜井市では、生活習慣病にならない生活習慣、健康で健やかに暮らす生活習慣を健康なときこそ意識づけてまいるよう、今後もさまざまな企画、情報発信に努めたいと、そのように考えているところであります。

 以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) 少し話を変えますけれども、桜井市は、ウォーキングフェスティバルを近隣他市に先んじて開くほど、健康に関心の高い町であったと聞いています。当時、そのウォーキングフェスティバルのようなイベントは、近隣他市ではなかったと聞いております。そのウォーキングフェスティバルは、ことしで31回目を迎えますが、参加者が減少傾向と聞いていますが、実際はどうなのでしょうか。もしそうだとしたら、広報体制が十分と言えるのかどうかをお伺いしたいと思います。

 また、私が幼かったころは、夏休みの間は毎朝、近所の保育所でラジオ体操を行う機会があり、幼かった私は、参加するごとにスタンプを押してもらえることと、ヤクルトをもらうことが楽しみで、父親と一緒に毎日参加しておりました。大人も子どもも世代を超えて体力づくりに取り組む環境が、ひょっとしたら昔のほうが身近にあったように思います。一昨年、NHKのラジオ体操の会場に桜井市が選ばれたこともあると聞きますが、現在でも毎朝ラジオ体操を行っている地域は、桜井市内にあるのでしょうか。また、桜井市として何らかの指導や助成を行っているのでしょうか。担当部局にお答えいただければと思います。

 

◯教育長(石田泰敏君) ただいまのウォーキングフェスティバルについてのご質問にお答えいたします。

 議員お述べのとおり、ウォーキングフェスティバルにつきましては、本年で31回を迎えますが、参加者につきましては、毎年、市内外から多くの方々に参加をいただいております。市内からの参加者の割合は、26年度が6,637人中、市内参加者が2,841人の43%でありました。昨年度は7,738人中、市内参加者が3,537人の46%で、やや市外の参加者が多くなっている傾向にあります。

 屋外のイベントでもあり、天候にも左右されることから、年によっては参加者に増減がありますが、おおむね市内参加者の比率は4割から5割の間で推移している状況で、市内からの参加者の割合が大きく減少している状況ではないというふうに見ておるところでございます。

 次に、ラジオ体操の状況でございますが、以前は市内、多くの地区で大字ごとに子ども会が中心となり開催されておりましたが、今は一部の地域の開催となっておるようでございます。特に桜井市から指導、また助言しているのかということでございますが、今のところ行っていない状況でございます。

 県内でも奈良市、生駒市などで子ども会やラジオ体操の会が主導で、5市町13会場で開催となっているのが現状でありますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) まず、ウォーキングフェスティバルの件ですけれども、私は参加人数の減少しているのではないかとお聞きさせていただきましたので、参加人数の減少しているのかどうかについてお答えいただければと思います。

 すみません、私のほうでちょっと資料がありますので、述べさせていただきます。ウォーキングフェスティバルの参加人数、こちら、教育委員会からいただいた資料ですけれども、平成23年度、9,504名、平成24年度、9,757名、平成25年度、こちらは大雨のためと聞いておりますが4,936名、平成26年度、6,637名、平成27年度、7,738名ということで、こちらは減少していると私は思うわけでございます。

 桜井市が誇る歴史のあるイベントであるウォーキングフェスティバルを私個人としては大切にしてほしいと思います。毎年、同じやり方でやるのではなく、常に改善するべきと考えますが、いかがでしょうか。具体的に言えば、市内、市外を問わず、さらなる告知を深める。先ほど教育長からも申し上げていただきましたけれども、市内の参加者も多い状況であると教えていただきましたので、ぜひ市内、市外を問わず、さらなる告知を深めていただきたいと思います。また、イベントの魅力の発信、そして、ターゲットを決めた上での参加誘導などが必要だと私は感じますので、何らかの施策をぜひお願いしたいと思います。この点について、教育長、お考えをお伺いしたいと思います。

 

◯教育長(石田泰敏君) 再度のご質問にお答えさせていただきます。

 先ほど申し上げさせていただきましたように、屋外でのイベントでございますので、天候によって大きく影響されるところがございます。しかしながら、今、議員ご指摘いただきましたように、さまざまな工夫を凝らして多く参加いただけるように頑張ってまいりたいと、このように思っております。

 このイベントは、より広く市民に参加していただき、健康増進のため、日常生活の中にウォーキングを取り入れていただくことが目的でありますので、今年度は、全コースが市内出発、市内ゴールという形で行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 また、広報活動につきましては、市内の各団体にポスター掲示等の協力をお願いし、周知が行き届きますよう努力をしてまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ご答弁ありがとうございました。ぜひその施策に期待したいと思いますし、私もチームをつくって、ぜひことしは参加させていただきたいと思います。

 そして、私は、東京や大阪で生活をしていた時期がありますが、東京や大阪などの都心部よりも桜井市のような地域のほうが健康づくりに取り組む必要があると感じています。つまり、都心部では、電車移動と徒歩が中心になり、結果、よく歩き、体を動かすことになります。桜井市が都市部に比べ、どんなに空気が澄んでいたとしても、車移動が中心となり、体を動かす機会が少なくなります。

 先ほどご答弁いただきましたラジオ体操に関しては、地域を絞ってでもいいと思いますので、現在されておられる地域もあるということですが、ぜひさらにふやして、試験的に行ってみてはいかがかと考えます。また、自治会や老人会と協力して、先ほどの生駒や奈良市の例も挙げていただきましたけれども、子ども会とも協力して、また、各学校と協力して実現できることではないかと思うのですが、いかがでしょうか。教育長のほうにご答弁いただけたらと思います。

 

◯教育長(石田泰敏君) 議員ただいまお述べのとおり、ラジオ体操の実施については、市民の健康寿命を延ばすために有効な施策と考えておるところでございます。今後、地域での健康づくりやスポーツ活動のあり方について考えていく上で、地域で実施が可能かどうか検討してまいりたい、このように考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 

◯2番(金山成樹君) ご答弁ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。奈良県では、県の施設である橿原公苑で毎週、月水金の午後5時から9時に、ナイトランとして、橿原陸上競技場の無料開放を平成23年から行っておられます。予約不要で、入場時に名前と年齢と住所を書けば、誰でも利用できます。橿原公苑におけるナイトランの参加者は、直近の3年間で、平成25年度2万6,845名、平成26年度2万9,915名、平成27年度2万9,732名です。延べ人数となります。年齢構成は、平成25年度は、10代37.4%、20代16%、30代14.3%、40代18.3%、50代9%、60歳以上が5%です。平成26年度は、10代40%、20代15%、30代13%、40代17%、50代12%、60歳以上が3%です。平成27年度は、10代が43%、20代が15%、30代が11%、40代が16%、50代が11%、60歳以上が4%です。思ったよりも比較的幅広い年齢層の方に利用されていることが見えてくると思います。

 また、近隣市町村では、御所市でも毎月第2・第4土曜日の午後6時から9時に市民運動公園を無料開放し、ナイトランを行っておられるようです。

 桜井市においても芝運動公園のグラウンドがあります。教育委員会で試算していただいたところ、ナイター料込みで1日2万2,000円の費用で実施できるということです。芝運動公園は、下が砂ですが、歩いたり、走ったりするには十分ですし、当初は特にお金をかける必要もないと考えます。ぜひナイトランを桜井市でも、週1回でも結構ですので、実施を検討していただきたいと考えます。

 私も4月29日から橿原公苑のナイトランに参加させていただき、毎週一、二回、歩いたり走ったりをしています。私のように外周をゆっくり歩くだけの方もいれば、医大のランニング部のように、すごいスピードで駆け抜けていかれる方もいますし、走り方を指導者に教わっている子どもたちなど、参加者はさまざまです。通い続けて1カ月たった今、私自身、体調も随分よくなったように感じます。

 市民のために運動の機会をつくることも、桜井市の健康寿命を延ばすために大変有効なことと考えられますけれども、市長のご見解をお伺いしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 県主催のナイトランは、お述べいただきましたように、月曜、水曜、金曜日の夜、競技場を無料開放され、県民が仕事の帰り、一汗かいて、また、学校のクラブの利用と、多く利用者があると聞いています。今、おっしゃいましたように、本当に幅広く、そして、たくさんの方が参加されているんだなというのもわかりました。議員提案のナイトランにつきましては、市民の健康づくりの推進のための1つのいい方法であるなというふうに考えておりますが、実施に当たっては、会場となる施設にタータントラックの整備、そして、安全な環境づくりや温水シャワー、更衣ロッカー等の衛生面についても配慮する必要があると、そのように考えておりますので、今後そのような施設の整備とか、市民のもっとニーズがあるかどうかというふうなことも把握しながら、今おっしゃっていただいたこと、健康には非常にいいかというふうに思いますので、検討してまいりたい、そのように思っております。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。私の見たところ、更衣室でシャワーを使う方は、結構少数ですし、まずそういう場をつくることが大事かなと思いますので、ぜひ前向きにご検討いただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 ここで1つ、統合医療について紹介させていただきたいと思います。

 統合医療とは、近代西洋医学と伝統医学や相補・代替医療のそれぞれの長所を生かし、統合した新しい医学・医療を目指すものです。その特色として、患者中心の個別化医療である。体のみならず精神面、社会面などを考慮した、いわゆる全人的医療である。治療のみならず、保健、予防及び予後を含め、個人の自然治癒力を最大限に生かすものである。多様な治療法が提供できるの4点があります。

 現在、国の厚生労働省でも、統合医療のプロジェクトチームがつくられ、情報収集、調査研究が進められています。ぜひ桜井市でも予防や健康増進という概念を取り入れた統合医療という考え方を研究していただきたいと私は思います。一般社団法人日本統合医療学会では、定期的にセミナーを行っておられるようですので、担当職員の方に参加していただくなどの取り組みをぜひ検討していただきたいと思います。これは要望とさせていただきます。

 健康寿命を延ばす施策は、一見遠回りなように見えますが、長期的な視点で見たときに、医療や福祉、介護などの社会保障費を減らしていく可能性があると私は思います。行政にできる範囲で、市民の運動の機会をふやし、健康の意識を高め、桜井市において健康寿命を延ばすことで、市民は元気に幸せに長く社会で活躍し、医療費の低減にもつながっていくような、よい循環を生む、そういう先進的なモデルをぜひ松井市長のもとでつくっていただきたいと考え、今回、こうした健康寿命をテーマに質問させていただきました。

 結果が出るには時間がかかる施策ではありますが、市民の健康づくり、病気予防、そして、まちづくりという観点から、健康寿命を延ばすことにぜひ積極的に、そして、長期的な視野で取り組んでいただけますことをお願い申し上げたいと思います。市長、何かございましたら、お願いたいと思いますが。

 

◯市長(松井正剛君) 今、議員おっしゃいましたように、健康寿命を延ばせるように粘り強く、そして、早く結果も出るように頑張ってまいりたい、そのように考えております。

 

◯2番(金山成樹君) では、ぜひ市長の今後に期待したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。これにて質問を終わります。

◯2番(金山成樹君)(登壇) 金山成樹でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、質問させていただきます。今回は2点質問いたします。

 1つ目は、桜井市における鳥獣被害対策についてお伺いします。

 桜井市の全面積のうち、約60%が山間部であり、近年では市街地でもイノシシや鹿の鳥獣被害が出ていると聞いています。農林水産省農林振興局にある農林政策部農林環境課鳥獣対策室の調査によると、平成26年度の野生鳥獣における農産物被害は、全国で約191億円です。桜井市においては、桜井市鳥獣被害防止計画が策定されていますが、その趣旨と捕獲頭数、並びに近年の桜井市の被害状況、また、国や県からの補助金の活用度合いを市長にお聞きいたします。

 2つ目は、桜井市における定住促進への取り組みについてお伺いします。

 本年2月26日に総務省が発表した平成27年度国勢調査の速報によると、日本の人口は1億2,711万47人で、5年前に行われた前回調査に比べ約94万7,000人が減少、これは国勢調査が始まって以来初めての人口減少ということでした。

 桜井市における人口も平成26年度版桜井市の統計によると、平成11年の6万4,728人をピークに年々減少し、平成26年には6万人を切り、現在は、本年1月1日現在で5万8,167人となっています。

 市長は、就任以来、若者の定住対策にも努力されてきたと聞いておりますが、桜井市では実際にどのような取り組みを現在なされているのかを市長にお聞きします。ご答弁よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

 

◯市長(松井正剛君)(登壇) 2番金山議員の1点目、鳥獣被害対策についてのご質問にお答えをいたします。

 鳥獣被害による農作物の被害は、議員お述べのとおり、国による農作物被害の調査が始まった17年前、平成11年から年間200億円前後で推移しております。本市におきましても、年間2,000万円前後の被害が発生しており、特に近年、農林業従事者の高齢化や担い手の減少による耕作放棄地や放置山林が増加し、野生獣を誘引する原因となっていることなどから、被害が増加いたしております。

 そのため、総合的な対策を図ることを目的に、平成23年に桜井市鳥獣被害防止計画を策定いたしました。計画の主たる対策としては、個体数の削減について、捕獲計画頭数を平成28年度はイノシシ300頭、アライグマ80頭、ニホンジカ200頭としております。また、被害の軽減目標については、平成25年度の被害総額の30%削減を目標に設定をいたしております。こうした取り組みを進めることにより、個体数の削減や農作物の被害防止を図ることといたしております。

 なお、捕獲頭数につきましては、平成24年度からふえ始め、平成26年度、イノシシ、鹿、アライグマ合わせまして328頭を駆除いたしております。平成27年度は、本年2月末時点で351頭を駆除いたしているところであります。

 被害状況につきましては、中山間地での野菜、タケノコ、米などに被害が出ており、平成26年度で2,653万円の被害が出ております。

 対策に当たりましては、国の鳥獣被害防止対策事業や奈良県の森林植生事業の補助制度を活用し、囲いわな5基、通常捕獲おり17基、小動物用捕獲おり20基、金網柵1万6,839メートル、ワイヤーメッシュ柵9,274メーター、電気柵1,110メーターの設置、また、桜井市におきましても猟友会に対し、国や県の補助の対象とならない幼獣等の駆除活動に対し、独自の補助を行っております。さらに、平成27年度からは、本年度からですが、桜井市と地元猟友会桜井支部との間で委託契約を締結し、有害鳥獣の駆除に当たっていただいております。

 そして、市民サービスといたしまして、小動物用捕獲おりの貸し出しや購入、農業者がみずから購入する防護柵、狩猟免許取得等に対する補助も行っております。

 以上でございます。

 2点目、定住促進の取り組みについての質問にお答えをいたします。

 先日、国勢調査の速報値により、日本の総人口が、先ほどお述べをいただきましたが、1億2,711万人であったことが明らかにになりました。前回の平成22年調査より94万7,000人、0.7%減り、大正9年の調査開始以来、初めて人口が減少する局面を迎えました。速報値によりますと、首都圏を中心に人口がふえる一方、地方で減少しており、二極化が進んでいることが数値の上で明らかになったところであります。

 私は、このような中、地方創生の取り組みの中でも若者の移住・定住促進については非常に重要な取り組みと考えており、その取り組みの方針については、さきに策定させていただきましたまち・ひと・しごと創生総合戦略によりお示しをさせていただきました。移住・定住を進めるためには、地域の特色を生かした住民サービスの向上が必要であります。そのために、私が進めております「陽だまり政策」による子育て支援の充実などの福祉の向上、また、先日ご説明いたしました教育大綱に基づく教育の充実、また、地域に雇用を生み出す地域振興策の実施等、複合的に取り組む必要があります。これらの取り組みについては、総合戦略に基づき、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。ご理解よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ご答弁ありがとうございました。

 1つ目の質問である桜井市における鳥獣被害対策について、再度質問をさせていただきます。

 なるほど桜井市においても、年間2,600万円を超える非常に甚大な被害が出ていることがよく理解できました。丹精込めて育てた農作物をいざ出荷するときにイノシシや鹿に荒らされてしまい、売り物にならない、その落胆のお気持ちは農業に素人である私にも察するに余りあるわけでございます。2,600万円という金額だけを聞くとイメージが湧かないかもしれませんが、例えば私が農家をしていて、イノシシによる金額にして約3万円と換算できる被害を受けたとします。これ、一個人としては大きな負担だと感じます。例えば農家の私が3本1セット100円のニンジンを育てていた場合、300セット多く売らなければ金額的には取り返せません。また、つくった作物を販売するだけではなく、農業をすること自体を楽しみにしておられる方も多いと思います。鳥獣被害が続けば、一生懸命農業をしていてもいいことないと感じてしまい、ひょっとすれば農業を続ける市民の意欲が低下し、廃業を考えられる可能性もあると考えます。荒廃した田畑がふえれば、イノシシや鹿などの有害鳥獣がさらに町なかにおりてくることにもつながるし、マムシなどもすみつきますし、この桜井市の自然に恵まれた豊かな景観を維持すること自体が難しくなってしまう可能性があると考えます。

 また、農作物の被害だけではなく、近年ではイノシシや鹿などの有害鳥獣による住居施設の破壊事例、例えば庭を荒らしたり、玄関の柵を壊したりと、市民の生活環境にも悪影響を及ぼしていると耳にしています。鳥獣被害を課題であると理事者側も認識しておられるのかどうか、ご見解をお伺いしたいと思います。

 また、桜井市役所としての体制はどうか、そして、今後の対策はどのようにお考えなのかを再度市長にお伺いしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 被害情報の把握につきましては、市民や警察等の通報による被害情報や目撃情報をもとに、農林課担当職員または猟友会会員が現地で直接その情報を確認して把握をいたしております。また、有害鳥獣による被害防止対策の充実、強化を図るため、奈良県や猟友会、奈良県農業協同組合などの関係機関と連携をして、総合的な被害防止体系を確立し、農林業等の被害軽減等に資することを目的に、平成23年1月に桜井市鳥獣被害防止対策協議会を設立をしました。有害鳥獣による農作物被害等の防止対策、各種補助事業による取り組みと推進、その他鳥獣被害を減少させるための事業にその協議会で取り組んでいるところであります。市といたしましては、農林課の職員が適宜対応させていただいております。平成26年度には、市街地での、先ほど議員お述べのとおり、イノシシの出没が確認されるようになったことから、市役所関係部署による野生獣イノシシ、鹿の住環境被害等対策会議も開いております。地元自治会や周辺住民への注意喚起や現地対応に各課連携をして取り組む体制をつくり、対応に当たっているところであります。以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。

 本当に農林課だけではなく、いろんなところに被害が広まっている鳥獣害被害がありますので、今、市長が述べられたとおり、さらなる対策のほうをよろしくお願いしたいと思います。

 さて、五條市の阪合部新田町にあるイノシシや鹿などの有害鳥獣のみを対象とした食肉処理加工施設、ジビエール五條のことは、多くの方が報道などでご存じかもしれません。自治体が設置した食肉処理加工施設としては県内初ということもあり、先日、私は視察に行ってまいりました。

 ジビエール五條では、現在、五條市で設置しているおりで捕獲した有害鳥獣のみを処理している状況であり、個体番号もつけ、ウイルスなどの安全対策を十分に行った上で、生活協同組合ならコープや、大塔ふる里センターなどで販売されていると聞いています。また、五條市新町の和食レストラン、五條源兵衛でジビエ料理として味わえるほか、五條市のふるさと寄附金のお礼品としても、五條産ジビエセットとして好評を博していると聞いております。

 ジビエール五條は、昨年10月にオープンしたばかりの施設ですが、本年2月単体の売り上げで地元出身の職員3名分の人件費と光熱費が賄えるようになったと、今後の明るい見通しが見えてきたということを実際に見聞してまいりました。

 五條市においては、平成26年度、市の管理するおりで計460頭、猟友会で849頭、計1,309頭のイノシシ、鹿を捕獲しているとのことです。

 先ほどご答弁いただいたところ、桜井市においてのイノシシ、鹿の捕獲頭数は、平成26年度は300頭近く、そして、平成27年度も350頭余りと聞いております。また、ジビエール五條は、過疎債を活用した事業ということもあって、それをそのままそっくり桜井市に導入せよという話はございませんけれども、そして、捕獲頭数においても大きな開きがあることも承知しておりますが、市長は、桜井宇陀広域連合の連合長でもあります。近隣市町村と連携して鳥獣被害の低減を目的に、こうしたジビエール五條のような取り組みを参考にするのも、1つ有意義な方法ではないかと考えますが、市長のご見解をお伺いしたいと思います。

 また、当市には、奈良県が運営するオーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井というレストランを備えた宿泊施設がございます。現在は、県内でとれたイノシシや鹿を素材にしたメニューもあるそうですが、桜井市でとれるイノシシや鹿の味は非常においしいものと聞いております。桜井市でとれるイノシシや鹿をそうしたオーベルジュ、または、市内の飲食店でいつでも気軽に楽しんでいただける環境をつくることも、迎え入れの体制を整えることも、市長の目指しておられる観光・産業創造都市になるというビジョンにそぐうものであり、鳥獣被害低減にもつながっていくと考えますが、市長のお考えをお聞きしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 金山議員の再度の質問にお答えをさせていただきます。

 五條市のジビエール五條を昨年の12月、桜井市の担当職員も研修に行かせていただきました。そして、ちょうど運営を始められてから、まだ半年しかたっていないというふうな中で、いろいろ市のほうでも向こうと連絡をとりながら調べさせていただいて、収穫について、あるいは、採算面について、議員は黒字になったと言うんやけど、そこまでなかなか苦戦もされていたというふうに、いろんな課題も出てくるなと、まだあるなというふうにも思っております。

 そしてまた、近隣市町村との連携はどうかということもありましたが、宇陀市では、以前に検討もされておったというふうなことも聞いておりますが、課題の解決や採算面からなかなか進んでいないというのも現状であると思います。

 本市といたしましても、有害鳥獣駆除活動により捕獲した個体の有効活用方法が大事なことであると、そのようにも思っておりますので、検討いたしておりますが、現段階では商品化までには、さきに述べました多くの課題がありますので、引き続き周辺自治体とも情報交換をしながら、しっかりと研究もしながらやっていきたいなと、そのように思っているところであります。

 そして、もう1つは、昨年9月に営業を開始されましたオーベルジュにおきまして、最近、民間の食肉店を通じて調達された奈良県産、そして桜井産のイノシシ、鹿を食材としたジビエ料理が振る舞われていると、そのようなことも伺っております。

 議員お述べのとおり、ジビエによる桜井ブランドの開拓と食の環境づくりが市の活性化につなげるものと私も考えておりますが、有害鳥獣で捕獲したイノシシ、鹿については、衛生面の課題とか、あるいは個体数の確保とか、いろいろまだ課題が残っているように思います。活用できるか、引き続き検討してまいりたいと、そのように考えております。よろしくご理解お願いいたしたいと思います。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。

 では、1問目の質問はこれにて終了したいと思いますが、最後に少しだけ強調したいんですけども、こうした県内初の取り組み、そして、今まで誰も挑戦したことがないような新しい、新たな産業を生み出す試み、これはぜひ続けていただきたいと思いまして、参考までに述べさせていただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。

 2問目の質問のほうへ移らせていただきます。先ほど定住促進の取り組みのほうで、市長もまち・ひと・しごと創生総合戦略について申していただきました。こちらのほうで定住促進についての取り組みの事業内容を少し述べていただけたらと思うんですけれども、こちらは担当部局でも市長でも構いませんが、お願いできますでしょうか。定住促進のために、今、取り組んでおられる施策について述べていただきたいと思うんですが。

 

◯市長(松井正剛君) それでは、具体的な先駆事業について、お答えをさせていただきたいと思います。

 本市において、移住・定住促進の先駆的な取り組みとして計画をしておりますのが、桜井市政策パッケージ化移住・定住促進事業であります。この事業につきましては、今議会においてご審議いただいておりますが、国の地方創生加速化交付金事業に手を挙げ、かかる所要の経費を補正予算案として上程をいたしております。

 この事業は、各施策にまたがる移住・定住促進を効果的に行うため、複数の事業を連携して実施するものでありまして、都市部の人をターゲットにした桜井市の暮らしの魅力を体験するツアーを行う桜井市移住体験事業、所有者や空き家活用、希望者向けの空き家の活用啓発活動を行う空き家活用普及啓発事業、地域の子育て支援を行う人材の発掘、育成、啓発活動を行うBPプログラム推進事業などの8事業を束ねて実施する予定であります。

 現在、国により事業の選定が行われているところでございまして、採択をいただけましたならば、早速実施させていただきたい、そのように考えております。

 これらの先駆事業を初めとして、今後も移住・定住の促進に向け、全力を挙げて取り組んでまいりたい、そのように考えております。

 

◯2番(金山成樹君) その事業の内容は、ご説明ありがとうございました。その予算をかけて、一体何世帯の定住を目標とされているのか、また、効果検証についての取り組みはどのようなお考えかをお伺いしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 今回の地方創生の取り組みの特徴の1つとして、数値目標を掲げて、それに基づく効果検証を行う仕組みを整備することが挙げられております。国の総合戦略によりますと、地方創生に係る各種施策を実施する上で、施策の実施による市民にどのような便益がもたらされるかを示す重要行政評価指標、KPIというので検証をして、改善する仕組み、PDCAサイクルを確立することが求められております。本市におきましても、事業ごとに設定をいたしております。

 移住・定住の促進に当たりましても、当然のことながら、この指標を各種設定し、取り組みを進めておるところであります。総合戦略において、U・I・Jターンと移住・定住の促進のKPIとして、先ほど言いました重要業績評価指標でありますが、移住者説明会参加者で平成31年度に50人、移住マッチング件数で同じく10件の目標値を設定いたしております。今後もこのKPIを使いながら、施策事業の検証を進め、効果的な移住・定住策を実施してまいりたい、そのように考えているところであります。以上です。

 

◯2番(金山成樹君) この平成31年の50人そして10件が多いか少ないかという議論は十分に精査されたうちだと思いますので、置いておいて、今回の取り組みの項目に関してなんですけれども、私も拝見させていただいたんですが、直接的というよりも、非常に間接的な移住・定住の促進事業であるというふうに感じさせていただきました。そういうふうに私は感じたんですけれども、市長のご見解をお伺いしたいと思うのと、あと、桜井市の未来像を、市長は多極ネットワーク型のコンパクトシティを目指すと常々おっしゃっておられますけれども、その多極ネットワーク型コンパクトシティの具体的なビジョンを再度お伺いさせていただいて、この移住・定住促進事業との整合性をご説明いただければと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 今回の指標目標もしっかりつくりながら、地に足のついた活動をしてまいりたい、そのように考えておりまして、そして、それが移住・定住につながっていけばというふうな中で、この計画をつくらせていただいたというところであります。

 それとともに、多極ネットワーク型コンパクトシティに関しましては、人口減少社会を見据え、国では多極ネットワーク型コンパクトシティという新たなまちづくりを進めようとしています。これは、現在分散している生活に必要なサービス提供の担い手を一定のエリアに集約することで、地域の拠点を構築して、拠点同士、あるいは、拠点と中心市街地を公共交通で結んで、都市機能の維持を図ろうとするものであります。本市においても、この多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくりに向けて、立地適正化計画を策定し、取り組みを進めていく予定となっております。

 このコンパクトティのまちづくりを行う一番の目的は、人口減少社会において、住民サービスを低下させないことであると私は考えております。今後の地方都市は、人口減少や人口密度の低下という課題を都市の機能性を向上させることで乗り越えていくという発想が必要であります。そのことで、市民サービスを低下させない、あるいは、充実させ、移住・定住の促進につなげていくことが大事であると考えております。

 このような考えのもと、今後も多極ネットワーク型コンパクトシティのまちづくりの中で、移住・定住を促進してまいりたいと、そのように考えているところであります。

 

◯2番(金山成樹君) 決して間接的だから悪いとか言うてるつもりではないんですけれども、ただ、例えば桜井市にある106の自治会のうちで、市長の中では多分考えがあるんだと思いますけれども、定住強化エリアを例えば決めて、そのエリアで新築の住宅を建てられた方には数年間固定資産税を免除したりとか、あと、一定の補助金を出したり、そして、そういう直接的な定住促進事業のほうがより呼び水になるのではないかなと思いまして、質問させていただきました。

 また、桜井市は、木材の町でもございますので、桜井市内の事業者が扱う木材を使った新築やリフォームには、さらに補助金をふやすとか、そうした取り組みがあってもいいのかなと思ったので、質問させていただきました。

 こうした呼び水になるような施策とともに、現在、定住対策の一環として、本年2月に桜井市が初めて取り組まれた婚活事業の内容と実施主体、そして予算、そして結果について教えていただければと思います。

 また、桜井市における20代、30代、40代における未婚率をお聞きしたいと思います。担当部局で結構です。よろしくお願いします。

 

◯市長(松井正剛君) 今、金山議員が質問された最初の点については、私のほうから少し答弁させていただきます。

 今おっしゃっていただきましたように、桜井は木材の町、そして、木材を使った、今までは、去年までは木材あるいは桜井市の業者の方が新築と増築のときのみに補助対象としておりましたが、平成28年度、今議会に提案させていただいておりますのは、リフォームまで広げさせていただいております。少しでも市民の皆さんだけではなくて、定住対策になるようにしっかりと取り組んでいきたい、そのように思っているところであります。

 その他の件に関しましては、担当部長のほうからお答えをさせていただきます。

 

◯福祉保健部長(山名定晃君) ただいまの金山議員のご質問にお答えさせていただきます。

 まず、本市が取り組みました婚活事業についてでございますが、事業につきましては、2月20日の日曜日、長谷寺門前町町家コン、お座敷文化体験と題しまして、実施されました。イベントにつきましては、市が直接実施いたしたものではなく、県の地域のみんなで支える結婚子育て共同推進事業の補助金を利用しまして、NPO団体が主体となり、市が後援をさせていただきまして、実施したものでございます。

 内容といたしましては、奈良市の奈良町で唯一残っておりますお茶屋さんから奈良舞妓、奈良芸者を講師としてお招きして、奈良花街の歴史やお座敷でのマナーの簡単な講義と、実際にお座敷遊びを体験しながらゲーム感覚で参加者同士が自然に打ち解けるといった、交流しながらといったような企画であったと伺っております。

 イベントの共同事業者といたしまして、桜井市におきましては、この補助事業へのつなぎ、そしてまた、当日の進行につきましてもいろいろと協力させていただいたところであります。市の直接の事業ではありませんことから、市の予算から支出は行っておりません。県から1イベント当たり事業費の2分の1、限度額20万円が補助金としてNPOに補助されたところであります。また、参加者からは、男性、4,500円、女性、3,500円のご負担をいただき、この事業を運営されました。

 今回のイベントにつきましては、男性7名、女性8名の参加者があり、当日は悪天候にもかかわらず、会場は終始にぎやかであったということも聞かせてもらっており、4組のカップルが成立されたということを聞いております。以上でございます。

 

◯まちづくり部長(清水孝夫君) ただいまの金山議員さんの未婚率についてのご質問にお答えいたします。

 平成28年3月20日現在の桜井市住民基本台帳の集計によりますと、20代の人口は5,938人で、そのうち未婚は4,930人、未婚率は83.0%となっております。30代では、人口6,558人のうち未婚者は2,947人、未婚率は44.9%、40代では、人口7,845人のうち未婚者は2,911人、未婚率は37.1%となっております。なお、この未婚者の中には離婚や死別による場合も含まれておるということでございます。以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ご答弁ありがとうございました。大変たくさんの、非常に高い未婚率があるなというふうに感じました。桜井市においては、もちろん外から住んでいただく努力も必要でしょうけれども、中から発掘していくということで、こうした、先ほど山名部長にもお答えいただいたような婚活事業にも取り組みを始められたというふうに理解させていただきます。行政としてどこまでかかわるかは、非常に難しい部分もありますが、人口減少という、先ほど市長もおっしゃられたこの課題に対してあらがっていく、こうした努力は非常に大切だと思いますし、できることは何でもやっていく、市の魅力をもっと見つけていく、こうした努力は不可欠でありますので、さらに工夫を重ねていただいて、桜井市に定住していただける方をふやしていただきたいと思います。また、婚活の事業を行う上では、独身でお子様を持つ方向けの施策もぜひあわせて十分研究していただきたいと思います。

 参考までに、大淀町は、花火のイベントに絡めて婚活イベントを行っておられます。本市においても、いろいろなイベントがあるわけでございますので、ぜひ担当部局にはこうした他市の事例も十分に研究していただきたいと要望いたしますが、いかがでしょうか。

 

◯福祉保健部長(山名定晃君) ただいまの再度のご質問にお答えさせていただきます。

 市が独自で婚活イベントを実施するのは、企画面やスキル面で限界がございます。そうした中で、今後は、今回のようにNPO団体、また、民間のご協力をいただきながら、取り組んでまいりたいというように考えております。

 また、婚活イベントに限らず、各種補助金メニューを紹介したり、また、逆に、そういったところからご提案をいただいたりしながら、情報を共有しながら、今後もイベントに取り組んでまいりたいというように考えておりますので、今後ともご指導、また、情報の提供がございましたら、よろしくお願いいたしたいと思います。以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) ありがとうございます。関連資料は、また、山名部長のほうにお届けさせていただきます。

 また、最後に市長のほうにお伺いしたいと思います。市長は、「甦れ!桜井、日本一住みたい、誇れるまちに」をスローガンに、昨年、市民の付託を受け、再選されました。「週刊東洋経済」が全国の都市を対象に毎年公表している「住みよさランキング」において、2015年度、全国813市区のうち、桜井市は住みよさの点で今、何位なのか、市長、ご存じでしょうか。お伺いしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 再度の質問にお答えをいたします。残念ながら、今年度は全国813市区中567位という結果となっております。

 

◯2番(金山成樹君) 市長のおっしゃるとおり、567位です。ちなみに、生駒が27位、そして香芝市が44位、そしてお隣の橿原市は244位となっております。こうした点で見ると、まだまだ桜井市の住みよさ、もちろんこれだけが指標の全てではないんですけれども、まだまだなのかなと思ってしまいます。桜井市の今後のことを考えると、余り時間がないなと感じるこのごろなんですけれども、市長のほうでおっしゃられる「日本一住みたい、誇れるまち」にいつなるのか、定住人口が増加する桜井市にいつなることを目指すのかを市長にお伺いしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 金山議員の再度の質問にお答えをいたします。桜井市を「日本一住みたい、誇れるまち」にし、市外の皆さんから定住するなら桜井市という評価をいただくため、私は公約を掲げ、また、総合戦略にそれを反映させていただきました。市民の皆さんが豊かに、また安心安全で暮らせるまちづくりを行うためには、まだまだ先送りされている課題は山積をいたしております。また、取り組むべき事業も数多く残されております。桜井市の財政状況は、先ほど来よりお話をさせていただいておりますように、危機的な状況は脱しました。19年、20年、21年と赤字になりました。そのような危機的な状況は脱したものの、なかなか新しいまちづくりに手を広げるまでには難しい状態だなというふうに私も思っておりました。そんな中で、一昨年の12月、奈良県とまちづくりに関する包括協定を結ぶことができました。これによって、先ほど来議論しておりますように、懸案であった桜井市のまちづくりが大きく動き出しました。財政的にまだまだ厳しい桜井市でありますが、国や県の支援を得て、桜井市のまちづくりに明るい光がわずかでありますが見えてきた今こそが桜井市にとって絶好のチャンスであると思っております。取り組みを進めていきたいと、そのように考えているところであります。

 先ほど来申しておりますように、桜井市の10年後、20年後を見据えて、市民の皆さんが住んでよかった、誇りに思う町、市外の皆さんが魅力を感じる町になるように、総合戦略に取り組んでまいりたいと思っております。平成28年度は、その礎になる、そんな年にしていきたい、そのように思っております。議員ご質問のまちづくりの目標時期でありますが、短期的には総合戦略で定める平成31年度末が1つの区切りであると、そのように考えております。今後とも着実に取り組みを進めてまいりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 以上でございます。

 

◯2番(金山成樹君) やはり、定住を促進する、そして、まちづくり、「日本一住みたい、誇れるまち」にするというのは、同時に桜井市自身が桜井市の魅力を発見し続けないといけないと、磨き続けないといけないということを市長の言葉を聞きながら再確認させていただきました。桜井市は、相撲の発祥の地でございますので、どうぞ市長におかれましては、二の矢、三の矢はちょっとないと思いますので、ぜひこの一の矢でしっかりと頑張っていただきたいと思っております。相撲の発祥の地である桜井市ですので、ぜひ粘り腰で頑張っていただきたいと思います。

 以上で質問のほうを終わりたいと思いますが、市長、何かご意見ありましたら、お伺いしたいと思います。

 

◯市長(松井正剛君) 金山議員から今、叱咤激励をいただきました。しっかりと取り組んでまいりたいと思います。相撲の発祥の地を忘れることなく、頑張りたいと思います。以上です。