8回目の議会での質問(2019年6月26日:令和元年第2回定例会) その2 | 温良恭倹譲~金山しげきのブログ

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生まれ育った町・奈良県桜井市で政治家になった「金山しげき」のブログです。

 〇金山 安全協会や地域住民を巻き込んで、ぜひ協働しながら、そうした登下校の通学路の安全の向上に努めていただければと思います。

 私の母校でもある桜井中学校は荒れていると近年、保護者の方が心配する声をよく聞いております。その理由の1つに、私は、そもそもあの桜井中学校の立地があるのではないかと思っております。先ほど申し上げましたように、先日、桜井中学校へ視察に行きました。朝の7時半に坂の下で待っていると、多くの中学生が自転車や徒歩で登校してきました。徒歩の子どもたちは、みんなタオルを持っていて、特に女子生徒たちは長距離を歩いたり、自転車で来たり、本当に大変だなと思いました。中には、忍阪方面から坂を超えて歩いてくる女子生徒も見かけたり、本当に通学が大変だなと改めて思いました。

1990年、私が中学2年生の終わりに、桜井中学校は浅古へ移転したように記憶しています。今では考えにくいですが、当時、私たち中学生は、男子生徒は机を、女子生徒は椅子を2回ずつ新校舎へ運んだものでした。疲れ切って、最後の無限坂が非常に大変だったことを今でも覚えています。が、今ではいい思い出です。なお、昭和50年、51年生まれの私たちが、新しい桜井中学校の卒業第1号でした。当時から、なぜわざわざ山を造成してまで通いにくいところへ移転するのかなと思っていましたが、今となっても、その合理的理由が私には分かりません。建てる前から十分に、そのマイナス面は予見できたことだと思うからです。そして「通いにくい」とか「車を置くところが少ない」とか「子どもが心配」とか、立地面において、保護者からの評判も決してよくはないと聞いております。学校はそもそも、いろんな人の目に触れる立地が望ましいと私は考えております。それは、地域の人に見守られることによって、見られることによって、そうした見られる感が、見られている感が人を育てると私は思うからです。

 また、今の図書館のところにあった桜井南小学校ですが、市長、ひょっとしたら卒業生かもしれませんが、木造で本当に美しい校舎であったと私は聞いております。それがなくなったことを残念がる声も、今でも市民の方からお聞きします。木材の町なのであれば、桜井南小学校を残す選択肢もひょっとしたらあったのではないかと私は思いますし、また、30年ほど前のことですが、桜井中学校、桜井南小学校移転の経緯、その理由などをご存じでしたら、お答えいただければと思います。

 

○副市長  昭和60年ごろだと思いますけれども、戦後間もなく、昭和27年に建てられました桜井中学校は木造で、老朽化が進んでおりまして、改築に緊急を要する状態でございました。そのような状況の中、各方面からの意見や要望、将来の都市計画等のことから、桜井中学校を現在の浅古地内に移転改築することを決定したというふうに聞いております。それと同時に、その跡地を利用いたしまして、小学校の用地として利用することを含め検討する中で、旧小学校も老朽化が、南小学校ですね、これも老朽化が進みまして、現在の福祉総合センターにありました多武峰小学校を含めて、吸収統合するという計画も一方であったわけでございます。その中で、多武峰地区からは、現在の小学校の場所より近くにしてほしいという要望もありまして、旧桜井中学校跡地に多武峰小学校を吸収するという形ではなくて、旧南小学校を統合して、新生の、新しく校舎をつくって、多武峰地区の方々の心情も含みながら、現在の新しい桜井南小学校を建築することとなったというふうに聞いております。また、当時、その財源捻出の手段といたしまして、旧桜井中学校の西側の土地を利用いたしまして、これを売却いたしまして、校舎建築の費用に充てたとも聞いております。こういった形で校舎を移転していった場合、桜井中学校、それから桜井南小学校ともに仮校舎を建てる必要もないわけでございますので、財政的な利点も大きかったなと、そのようにも考えております。これが、私が認識しております桜井中学校、また桜井南小学校の移転の経緯だというふうに考えておりますので、よろしくご理解いただきたいと思います。

 

○金山  ご答弁ありがとうございます。しかしながら、それでも合理的理由がわからないな、というのが正直なところでございます。多武峰小学校に近いといっても、そんなに遠くないし、どうなのかなと思いながら聞いておりましたが、はるか昔のことなので、逆に(副市長に詳しく聞くのも)申しわけないなとも思うんですけれども。当時は、バブルの絶頂期でございまして「新しいものはいいことだ」という風潮も、一部あったのかなとも思いますが、過去の桜井市議会の議事録を拝見させていただきましたが、議会で語られていることだけから読み取るに「その場での改築」という選択肢もあったようにも思いますので、むしろそっちのほうがよかったんじゃないかなと私は思うんですけれども、過去のことを余りあれこれ言っても仕方ないんですけれども、そんなふうにも感じます。

 やっぱり、行政というものは、以前の一般質問でも申し上げたかもしれませんが「失敗できない性質の仕事」だと私は思っております。一つひとつの政策の実現には本当に時間がかかりますし、決断も民間に比べて、やはり時間がかかりますし、手続も大変です。日々職員の皆さんも慎重に慎重を重ねて、ミスのないように業務に励んでおられるのだろうと思います。失敗できないからこそ、特に子どもたちの未来にかかわることには慎重かつ丁寧な決断が求められると私は考えます。私には1990年の桜井中学校の移転に、今の説明を受けても合理的理由を見つけることはできません。子どもたちが必死に桜井中学校に通う姿を見ても、そう思ってしまいます。そして、それがもし過去の行政の判断ミスであったならば、ミスというとちょっと重いかもしれませんが、もしそうだとしたら、早目に挽回せねばならないと私は思います。

 現在、学校規模適正化委員会の会議が教育長のもとで立ち上がり、議論が始まっています。これは、昨年3月にまとめられた桜井市小・中学校の適正規模及び適正配置に関する基本方針に沿って議論を深めていくもので、文教厚生委員長として私も加わらせていただいております。松井市長は、最近よく10年後、20年後の桜井市を見据えてと言ってくださんていますが、本当に10年後、20年後を見据えるのであれば、そうした議論をするのであれば、この桜井中学校の場所に関しても、適正配置に関しても、今のうちから議論すべきだと私は考えますが、松井市長のお考えをお聞かせください。

 

○市長 桜井中学校は、平成2年4月に現在の浅古に移転いたしました。現在で築29年となり、校舎の構造はRC造、鉄筋コンクリートであります。平成12年度以前に建設したRC造の学校施設の法定耐用年数は60年となっています。この数年は、減価償却のための年数であり、物理的な耐用年数はこれよりも長く、そして、さらなる長寿命化も可能となっています。文部科学省からの手引では、改築より低コストで廃棄物や二酸化炭素の排出量が少ない学校施設の長寿命化改修を図ることが必要とされています。

 平成30年2月に策定されました桜井市小・中学校の適正規模及び適正配置に関する基本方針では、学校の適正な配置の考え方として、中学校区の枠組みを堅持しながら、各小中学校において適正化を進める。また、建てかえや長寿命化の時期を適正化検討の最優先順位の目安とするとしております。議員お述べのとおり、今後この基本方針に基づいて、桜井市内小中学校の適正化を進めていくこととなり、桜井中学校に関しましても、建てかえや長寿命化の時期までに適正な規模及び配置を検討することとなりますが、今おっしゃったようなことも踏まえながら、今話をしていると大分と先の話かもわかりませんが、検討も加えてまいりたいと、そのように考えているところであります。ちなみに私は旧の桜井中学校、南小学校の卒業生です。うちの息子と娘が新しい桜井中学校、そして南小学校を卒業いたしております。

 

○金山 今後、桜井市の小中学校の適正化の配置もこれから議論されていくと思うんですけれども、そういう小中一貫校とか、そうしたものも出てくるかもしれませんし、また、市内の3高校も今後どうなるかわかりませんので、そういった全体的な、広い視野で、ぜひ検討いただけたらありがたいなと思います。

 次の質問に移ります。学校給食について、お聞きしたいと思います。少し話は変わりますが、私は、平成28年第4回定例会において学校給食についてお聞きしました。私は、そのときの教育長の答弁をもとに、給食センターが新しくなって自分自身も食べに行ったことも踏まえて、「給食おいしくなるよ」と、子どもたちに伝えてきました。ところが、最近、子どもたちから「給食、最初はおいしかったけど、最近はおいしくない」と。「金山しげき、話が違うやんか」と、怒られております。おいしい、おいしくないは、個人の感覚の部分も大きいとは思いますが、児童・生徒、保護者からそのような声は出ていないか、届いていないか、教育長にお聞きします。

 

○教育長 給食の味つけ等につきましては、各学校の給食主任の先生、栄養教諭、それから調理委託会社の社員とで毎月、給食主任会を開催して、児童生徒の日々の給食の感想等を受けて、改善点等を話し合いを行っております。また、献立は、成長する子どもたちの健康のために、塩分や栄養素のバランスを考え、化学調味料などはできるだけ少なく使用するというようなことなど、工夫して調理を行っております。新しい学校給食センターでは、それこそ新しい調理機器の導入によりまして、今までできなかった焼き物、蒸し物、揚げ物などの調理ができるようになり、献立の種類も随分、増えました。各小中学校の家庭教育学級等々をはじめ、各種団体の給食センターの見学、試食会に来られた際には、給食内容のアンケート等を実施させていただいておりますが、おいしいというご意見を数多くいただいております。今のところ、おいしくないという意見は私どもには届いておりません。ただ、今後も児童生徒、そして保護者の意見を参考にしながら、充実したよりおいしい給食の提供に努めてまいりたいというふうに考えています。

 

○金山 私は、子どもたちの生の声を届けさせていただきました。私が、子どもたちに怒られないように、(おいしい給食に工夫してくださるよう)よろしくお願いしたいと思います。また私自身、後日、給食センターに伺って再度試食したいと思います。

 平成30年度転入・転出者数によると、桜井市への転入は1,579人、転出が1,774人です。過去5年ぐらいの転入・転出者を見ても、毎年約2,000人前後の人が転出されるわけです。その多くは、進学や就職・転勤・結婚などが多いのだろうと推測します。であるならば、義務教育である小・中学校のうちに郷土愛を育むような教育をしていただけないかと私は思っております。当然ながら桜井市の歴史や風土、主要産業などについては学校でも教えてくださっているのでしょうが、歴史などに興味を持ってくれるのはもう少し大きくなってからだと私は思います。それよりも、桜井市で住むということはどういうことか、桜井市で生まれ、育ち、桜井市で生きることの、ちょっと生々しいかもしれませんが、コストメリットというか、生きる良さというか、そういうところをしっかりと伝えていただくことで「桜井市に住み続けたい」「通勤できる範囲で仕事を見つけて桜井市に住もう」と思ってくれる子どもたちも、出てくるのではないかと思うからです。私の同級生でも、結構そのまま桜井市に住んでくれている人も多いです。その理由は、単純に桜井市のことが、桜井市の風土が、桜井市の人たちが気にいっていて、愛着があるからだと私は思います。そういう愛着をもっと持ってもらうためにも、総合的な学習の時間などで、社会人経験のある講師などを招いて、そうした具体的な未来をイメージできるような授業があってもいいと私は考えますが、教育長、いかがでしょうか。

 

○教育長 私たちの郷土桜井市は、議員お述べのとおり、豊かな自然、文化、歴史遺産に囲まれ、我が町に愛着を持つ人が大変多いというふうに感じております。教育委員会としても郷土に対する理解と愛着を深め、豊かな社会を創造する人材の育成に努めていきたいというふうに考えております。現在、学校では、総合的な学習の時間や社会科の時間、生活科の時間などを活用いたしまして、それぞれの校区の自然や文化、歴史遺産の学習に加えて、地域で住み、地域で仕事をされている方をゲストティーチャーとしてお招きして学習に参加していただくというような取り組みを、小学校において数多く進めております。また、中学校におきましては、このゲストティーチャーから仕事の内容や仕事に込める思いなども聞かせていただくという取り組み、そして、職場体験学習で、地域の事業所に生徒が出向いて、そして実際に仕事をさせていただきながら、仕事がどのようなものか学ばせていただき、小学校からは一回り成長して、今度は自分が仕事を行うということをイメージした、実際に将来を見据えたキャリア教育につながるものを行っておるということでございます。

 今後においても社会人経験のある講師の方などを積極的に招き入れまして、郷土に対する理解と愛着を深め、桜井が好き、桜井に住みたい、住み続けたいというような思い、そして、豊かな社会を創造する人才の育成に努めてまいりたいというふうに考えます。

 

○金山 ぜひ、そういう取り組みを続けていただきたいと思います。核家族が増えていますので、そうした世代間交流は大切です。年配の方や社会人の方は、そうした知恵や経験を豊富にお持ちですし、素晴らしい方が桜井市にはいっぱいいらっしゃいます。そうした方々の知恵・経験を、若いうちから学ぶのは非常に大切だと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 先ほど松井市長からも教育に対してご答弁いただきましたが、私は、教育こそが「日本一住みたくなるまち」桜井の1丁目1番地だと思っております。教育の評判の高いところは、やはり若い世代が集い、住んでくれると思います。また外国では、教育の質の高いところは地価も上がるということも多いと聞いております。何よりも、教育が移住・定住対策にもなると私は思いますので、ぜひ引き続き教育に力を入れていただきたいと思いますし、また、平成27年からは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律ができて、教育に対して首長の権限も少し強まっております。ですので、そういう総合教育会議でも、ぜひそういったハード面・ソフト面の課題に対して積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、また、心から、子どもたちの可能性を信じて、心から期待して、松井市長自身も、心から子どもたちを支援していただきたいと私は思います。

 また、昨日、松井市長は3期目の挑戦について言及されました。といいましても、まだまだ任期は数カ月残っております。残りの任期、ぜひ火の玉になって、精力的に取り組んでいただきたいし、また、秋以降の議場でも松井市長と桜井市の課題について有意義な、前向きな議論ができることを楽しみにして、質問を終えたいと思います。