「ストラングラーズ(The Stranglers)」の90年6月発表、10th「10(10)」を聴きました。

僕が持っているのは、19年発売の紙ジャケット、19年リマスター、ボートラ5曲付。

ストラングラーズ10-1
(ジャケット表)

ストラングラーズ10-2
(帯を外したジャケット表)
メンバーが当時の世界の首脳10名(アラファト議長、ガンディー首相、ヨハネ・パウロ2世、ゴルバチョフ大統領、サッチャー首相、ブッシュ大統領、カストロ議長、カダフィ大佐、ブットー首相、ジョシュア・ンコモ)に扮しています。

ストラングラーズ10-3
(ジャケット裏)

ストラングラーズ10-4

ストラングラーズ10-5
(内袋表裏)

ストラングラーズは、イングランド出身のパンク・バンド。
この当時のメンバーは、ジャン=ジャック・バーネル(ベース、ボーカル)、ヒュー・コーンウェル(ギター、ボーカル)、デイブ・グリーンフィールド(キーボード)、ジェット・ブラック(ドラムス)の4人。

27年振りの単独来日を記念し、これまで紙ジャケットになっていなかったエピック・レーベル移籍後のアルバム5枚が再発されました。
EMI傘下のユナイテッド・アーティスツ時代のアルバムは、06年に紙ジャケットで発売されているので、ようやく10作目までが揃うことになります。

このアルバムは、前作「夢現(Dreamtime)」に続く10作目(全英15位)。
「オール・ライヴ(All Live and All of the Night)」を間に挟んだため、スタジオ録音の新作としては3年8ヵ月振りとなります。
プロデューサーは、クイーンやカーズで有名なロイ・トーマス・ベイカー。
このアルバムをもって、ヒュー・コーンウェルが脱退し、エピックとの契約も終了致しました。
したがって、オリジナル・ストラングラーズの最終作となります。
ただ、これも発表当時CDを持っていましたが、あまり聞き込まないうちに手放したようで、ほとんど記憶にありません。
そんな訳で、初めて聴くような新鮮な気持ちで楽しめました。

1曲目「スウィート・スメル・オブ・サクセス(Sweet Smell of Success)」は、全英65位。太いベース音、コンガ、トランペットが入った疾走感溢れる曲。
2曲目「サムワン・ライク・ユー(Someone Like You)」は、チープなオルガンがレトロな雰囲気を醸し出す曲。
3曲目「96ティアーズ(96つぶの涙)(96 Tears)」は、全英17位。クエスチョン・マーク&ザ・ミステリアンズのカバー。これもオルガンが曲を引っ張りますが、原曲もチープなオルガンが鳴っているので、ぴったりの選曲ですね。ホーンの起用も効果的です。
4曲目「イン・ディス・プレイス(In This Place)」は、ヒューの持ち味とも言えるヨーロッパ耽美的な雰囲気のコーラスを伴った曲。
5曲目「レッツ・セレブレイト(Let's Celebrate)」は、ホーンが入った明るく軽快な曲。途中で女性のセリフが入るのは、8th「オーラル・スカルプチャー(Aural Sculpture)」収録の「スペイン(Spain)」を思い出させます。
6曲目「マン・オブ・ジ・アース(Man of the Earth)」は、ビートルズ辺りを思い起こす60年代テイストのロック。
7曲目「トゥー・メニー・ティアドロップス(Too Many Teardrops)」は、ジャンらしいベース音とトリッキーなキーボードによる、これまた疾走感溢れる曲。
8曲目「ウェア・アイ・リヴ(Where I Live)」は、ジャンのリード・ボーカルによるキャッチーな曲。
9曲目「アウト・オブ・マイ・マインド(Out of My Mind)」は、歌い出しがクリスマス・ソングの「リトル・ドラマー・ボーイ(The Little Drummer Boy)」に似ていると最初は思いましたが、それほどでもなかったかな?唸るようなギターと、叩くようなキーボードが印象的です。
10曲目「ネヴァー・トゥー・ルック・バック(Never to Look Back)」は、9曲目から間髪を入れずに始まる、ジャンのリード・ボーカル曲。制作当時はまだヒューの脱退は想定されていなかったと思いますが、まるでジャン主導でバンドの存続を図る決意表明のような曲。
ボートラ11曲目「インステッド・オブ・ディス(Instead of This)」は、3曲目のシングルB面。ちょっと南国ムードなミディアム・テンポの曲。
同12曲目「ポイズナリティ(Poisonality)」は、3曲目の12インチ・シングル収録曲。早送りのようなボーカルもミックスされた賑やかな曲。
同13曲目「モーター・バイク(Motorbike)」は、1曲目のシングルB面。流れるようなキーボードをバックに、ジャンが囁くように歌ったり、熱っぽく歌ったりする変貌自在な曲。
同14曲目「サムシング(Something)」は、1曲目の12インチ・シングル収録曲。50年代風のソウルフルなスロー・ナンバー。
同15曲目「ユー(You)」は、エピックでのラスト・シングルとなった「ゴールデン・ブラウン(Golden Brown)」(再発盤)のシングルB面。8th「オーラル・スカルプチャー」収録時の未発表曲。

ボートラは、99年再発日本盤に収録された独自のボートラを継承しています。

このアルバムは、最高に良いですね。特に、冒頭3曲は一気に聴かせます。何で、当時は手放しちゃったのかな?
こうやって、エピック時代のアルバムを連続して聴いて来ましたが、少なくともユナイテッド・アーティスツ時代後期のアルバムよりはどれも出来が良いと思います。
今回、ちゃんと聴けて良かったです。

Youtubeで「96ティアーズ(96つぶの涙)(96 Tears)」のPV映像とライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。





同じくYoutubeの「スウィート・スメル・オブ・サクセス(Sweet Smell of Success)」のPV映像とライヴ映像です。