「ストラングラーズ(The Stranglers)」の84年11月発表、8th「オーラル・スカルプチャー(Aural Sculpture)」を聴きました。

僕が持っているのは、19年発売の紙ジャケット、19年リマスター、ボートラ6曲付。

ストラングラーズ8-1
(ジャケット表)
日本初回盤LP帯再現。

ストラングラーズ8-2
(帯を外したジャケット表)

ストラングラーズ8-3
(ジャケット裏)

ストラングラーズ8-4

ストラングラーズ8-5
(歌詞カード表裏)

ストラングラーズは、イングランド出身のパンク・バンド。
この当時のメンバーは、ジャン=ジャック・バーネル(ベース、ボーカル)、ヒュー・コーンウェル(ギター、ボーカル)、デイブ・グリーンフィールド(キーボード)、ジェット・ブラック(ドラムス)の4人。

27年振りの単独来日を記念し、これまで紙ジャケットになっていなかったエピック・レーベル移籍後のアルバム5枚が再発されました。
EMI傘下のユナイテッド・アーティスツ時代のアルバムは、06年に紙ジャケットで発売されているので、ようやく10作目までが揃うことになります。
この5枚のうち後ろの3枚は当時CDを持っていたはずですが、随分前に手放したので、ほとんど記憶にありません。
と言う感じなので、新鮮な気持ちで聞けますね。

このアルバムは、前作「黒豹(Feline)」に続く8作目(全英14位)。
プロデューサーは、ローリー・レイサム。

1曲目「アイス・クイーン(Ice Queen)」は、中盤以降唐突に鳴り響くブラスが斬新な曲。一度曲が終わったように思わせて、再び始まる所も印象的です。
2曲目「スキン・ディープ(Skin Deep)」は、全英15位。
3曲目「レット・ミー・ダウン・イージー(Let Me Down Easy)」は、全英48位。亡くなったジャンの父親に捧げる曲。
4曲目「ノー・マーシー(No Mercy)」は、全英37位。ユーモラスな雰囲気の曲。
5曲目「ノース・ウィンズ(North Winds)」は、ジャンのリード・ボーカルによる政治的・社会的ニュアンスの曲。
6曲目「アップタウン(Uptown)」は、日本語解説書によれば、競馬とコカインのダブル・ミーニングらしいアップテンポのロックン・ロール。さらに盛り上がりそうな所で、あっさり終わってしまいます。
7曲目「パンチ・アンド・ジュディ(Punch & Judy)」は、転がるピアノとブラスが軽快な曲。ベースも目立っています。
8曲目「スペイン(Spain)」は、カルメン・フランコ(フランコ元総統の一人娘)のスピーチが入った、無国籍風ながらモダンな感覚の曲。
9曲目「ラフィング(Laughing)」は、虫の鳴き声で始まるストリングスが入った美しい曲。当時、父親に殺害されたマーヴィン・ゲイへ捧げられた曲。
10曲目「ソウルズ(Souls)」は、次作「夢現(Dreamtime)」に繋がるマヤ文明をテーマにした軽快なポップ・ナンバー。
11曲目「マッド・ハッター(Mad Hatter)」は、ヴィブラフォン(鉄琴)を模したシンセ、トロンボーンを始めとするブラスに、何とドゥーワップ・コーラスと言う異色の曲。
ボートラ12曲目「イン・ワン・ドア(In One Door)」は、4曲目のシングルB面。
同13曲目「ホット・クラブ(Hot Club)」は、4曲目の12インチ・シングル収録曲。青春歌謡曲風のインストゥルメンタル。
同14曲目「アキレス・ヒール(Achilles Heel)」は、3曲目のシングルB面。
同15曲目「プラス・ドゥ・ビクトワール(Place De Victoires)」は、3曲目の12インチ・シングル収録曲。3曲目のインストゥルメンタル・ヴァージョン。
同16曲目「ウラジミール・ゴーズ・トゥ・ハヴァナ(Vladimir Goes To Havana)」は、3曲目の12インチ・シングル収録曲。歌詞や対訳が付いていないので詳細は不明ですが、当時のソ連の体制を批判したロシア民謡風の曲。
同17曲目「オーラル・スカルプチャー・マニフェスト(The Aural Sculpture Manifesto)」は、前作「黒豹」のオリジナルLPにおまけで限定付属した7インチ・シングル。後に3曲目の12インチ・シングルにも収録。日本語解説書に対訳も載っておりますが、このアルバムのコンセプトとなった「音響彫刻(オーラル・スカルプチャー)」に関する朗読。
ボートラは、99年再発日本盤に収録された独自のボートラを継承していますが、2曲目「スキン・ディープ」のシングルB面は、なぜか前作「黒豹」のボートラに収録されております。

かつてなく明快でポップな作品です。ミックスの違いかもしれませんが、ジャンのベースもあまり目立たず、バンド一体となった演奏です。
まあ、ちょっとらしさを失った気もしますが、これも80年代の作品として十分楽しめる内容だと思います。

Youtubeで「スキン・ディープ(Skin Deep)」のPV映像を見つけたので、ご紹介しましょう。



同じくYoutubeの「ノー・マーシー(No Mercy)」のPV映像です。



同じくYoutubeの「レット・ミー・ダウン・イージー(Let Me Down Easy)」のTVライヴ映像です。