当社で扱っているツノのパーツはフィリピン、

インドネシア、インド製です。

かってインドネシアのウジュパンダンから

鹿のツノを輸入したこともありました。


ここではフィリピンでの水牛パーツについて

書かせてもらいます。


フィリピンのミンドロ島にはタマラオと言う水牛

が生息していますが、これはワシントン条約

での絶滅品種に指定され捕獲禁止です。

ツノ事態も小さくてあまりパーツ作りに適しても

いません。


パーツ作りに使われているのは

いわゆるアジア水牛です。パーツが作れるのは

ツノ、骨、つめ、皮です。



@シェルナカムラのブログ


@シェルナカムラのブログ

①が一般的な黒水牛のツノです。

②が白水牛のツノです。こちらは量的に少ないため

パーツとしても割高になります。



@シェルナカムラのブログ

@シェルナカムラのブログ

③は黒水牛で作ったパーツです。

④は白水牛パーツです。



@シェルナカムラのブログ

⑤はフィリピンでゴールデンホーンと呼ばれて

いるものです。

これは黒水牛でパーツを作り、工業用の強力な

オキシュールに漬けて変色させたものです。

オキシュールの度合い、漬ける時間にも因ります

が、パーツの厚さと云いますか太さにも因って

変色の色合いが異なります。



@シェルナカムラのブログ

⑥はバーンホーンと呼ばれているパーツです。

黒水牛のパーツをバーナで焼きます。

するとツノとは思われない色合いのパーツが

出来上がります。左上のシマウマは一度バーナ

で焼いた表面の一部を削り取ったために生地の

黒が出てきています。



@シェルナカムラのブログ

⑦はボーン(骨)で作ったパーツです。

これはフィリピン製ですが、インドネシア製は

非常に磨きがきれいです。

フィリピンの職人にこの技法を取り入れさして

いるところです。



@シェルナカムラのブログ

⑧はツメで作ったビーズです。

材料が少ないので量産は不可です。

一般的には白水牛かゴールデンでのパーツに

なります。


@シェルナカムラのブログ

⑨は水牛バーンと貝のコラボのパーツです。

この二つの材料を繋いでいるのが水牛の皮です。

私が取引させてもらったかっての職人さん達

の思い出を書かせてもらいます。


先ず日本で最初に貝の工場らしきものが

出来たのは神戸です。

神戸に居留するドイツ人が日本人に貝ボタンの

作り方を教えたのが最初です。

その後神戸が市街地化されるに従い、大阪、

和歌山、奈良と貝工場は移って行った訳です。

理由は貝を削った粉が近隣に飛ぶ公害のために

より郊外の過疎地を求めたのです。

数年前、奈良のボタン工場を見せていただき

ましたが、以前より格段の機械化が進んでいた

のに驚きました。貝ボタンの製作は農閑期の

お百姓さん達に任されていた訳です。

当初は比較的に簡単なシャツボタンの製作でした

が近年はフランスなどのオートクチュール用の

高級ボタン作りにかかっているとのことです。

安価な量産ボタンは東南アジアに移っている

ようです。

しかし日本では奈良以北には貝の工場が

出来たとは聞いていませんが、近年の状況に

ついては定かでありません。


むろん当社専属のMMさんも関西の方です。

私の前の代よりの付き合いでしたから随分の

年月当社の製品のみに尽くしていただいた

訳です。

当時の主なアクセサリーに使う貝の材料は、

メキシコ貝、ヤコウ貝、白蝶貝、黒蝶貝、

タカセ貝です。この方の磨いた貝を見て

他の貝の職人さんが、日本にこれほど

綺麗な磨きが出来る人がいるのかと驚いた

位です。問屋さんも何か上に塗っているのか

と仕上げに感心したものです。

仕上げは只のバフ仕上げだけです。


この方の貝があったおかげで当時、当社の

アクセサリーが主だったデパートで扱って

いただけた訳です。

①がMMさんの磨いたメキシコ貝です。

サイズは30x40mmです。

貝としてはあまり良い部分の見本では

ありません。左の貝の左半分がメキシコ貝の

中心部のクジャク模様の良い部分です。

右の貝は外側の部分です。

ニュージランドアワビ(パウアシェル)は逆に

外側部分が美しいです。
@シェルナカムラのブログ

②はMKさんのカメオです。

この彫りは今一ですが③はコンパクトに

嵌められた白蝶貝の彫り物で直径48mm

あります。隣の黒蝶貝もコンパクト用に磨かれた

もので直径70mmあります。

白蝶貝はオーストラリア産、黒蝶貝はタヒチ産

です。

④の菊彫りは見事です

直径60mmありコンパクト用に製作された物

です。裏が平らで、しかも肉厚で白い貝

が必要です。オーストラリア産の白蝶貝です。

MKさんの人物彫りは今ひとつと申しましたが

花とかの彫りは抜群でした。


@シェルナカムラのブログ


@シェルナカムラのブログ

④60mm丸
@シェルナカムラのブログ

④上と同じく60mm丸です。花芯に本真珠を

つけてみました。
@シェルナカムラのブログ


⑤はMHさんのカメオです。

この方の人物彫りに魅せられて、三顧の礼を

持ってお願いしたと言っても過言ではありません。

とにかく犬、ネコの動物は元より全ての彫りの

生き生きとした彫刻は今眺めていても

飽きることがありません。


当時の職人さん達のすごいのは全て1から手彫り

であったことです。

その証拠に花びら一つ一つ、髪の毛一つ一つが

全部違っていました。

@シェルナカムラのブログ


@シェルナカムラのブログ


⑥は20年ほど前に台湾の王さんに作ってもらった

作品の一部です。この頃は機械化が進み、この

デザインと同じものを鋳型で作り、超音波で合鍵を

作るようになぞって行けば貝に全く同じデザインの

ものが線彫りされます。それにルーターで肉づけ

すれば完成です。従って簡単に量産が可能です。

この時、4デザインで1,000枚作ってもらいました

が、困ったのは裏側が平らでないことです。

サイズは50x60mmで平らでないために一部を

除いて大半が空枠に嵌まらなくて苦労しました。


このことについては次回に書きます。


@シェルナカムラのブログ


























セブに初めて行ったのが1972年です。

その頃は前にも申しましたようにカントスと

ミセスポンセの2社のみの訪問で大体仕事は

済みました。


ミセスポンセの工場はキャピトルヒルズ(現在

ポンセズヒルズ)に有り、300人の労働者を雇い

材料の仕入れから完成品まで作り上げて

いました。むろんそれ以外の職人はカントス、

ミセスポンセに持参し買い上げてもらっていた

わけです。


しかしポンセ以来、このような大規模システム

での輸出業者は出てきていません。

それには余程、材料、商品管理を徹底しなければ

いつの間にか無くなるからです。

その後、欧米人などによる会社の設立が

ありましたが、結局長続きはしませんでした。


日本人の方でも会社を設立されましたが、材料の

紛失が多く2,3年で撤退されました。


私の知るところでは、フィリッピン人と商売する

には余程心してかからねば思わぬ失敗がある

と思います。先ず相手と信頼出来る相手を

見つけることです。

私の経験から申しますとこれに20年位掛かった

のではないかと思います


職人と直接取引するには更に注意が必要です。

彼らは全くのその日暮らしです。金を先払い

してもなかなか納期までに仕上げてくれません。

それでも頼んだ品物が手に入ればいい方です。

材料費を生活費に使い込むのは当たり前です。

それとサンプルの仕上がりは見事でも量産を

頼みますと、サンプルと似ても似つかぬ品物が

上がって来るのが常習です。


私の知人もセブで取引をして3割の商品が不良

品を送られ、相談を受けて協力した覚えが

あります。


どうも日本人のように末永く商売を希望すると

云うより、その時その時の一時的観念感が強い

ように思います。

フィリッピンの輸出業者はバリ島の業者のように

在庫は持っていません。注文を受けて、

金が入って初めて生産に掛かります。


私の場合幸いに30数年の取引業者が居り、

家族付き合いをさせてもらっています。

子供さんの結婚式にはスポンサー(後見人?)

の一人になりました。


この業者に有る程度の金を預け、貝の職人、

水牛の職人が頼んだものを持ってきた場合

金を払って貰っています。但し品質管理までは

頼めません。これは私がセブに行かねば

解決できないところです。ただこれ等の職人も

30数年来使っていますので私の心情は理解

してくれている筈ですがやはり気が抜けません。


しかしフィリッピンの職人の長所は全般的に

非常にセンスが良いところです。

バギオの木彫りにしても非常に洗練された技術

を伺われます。これは私の使っている貝、水牛、

ウッドの職人にも当て嵌まります。

40年前とほとんど使っている道具は変わらず、

グラインダー一つで巧みにパーツを仕上げて

行きます。


かって黒原和男先生が-フィリッピン人とは

どんな人種だ、作品のトリミングが実に上手い-

と驚いていたくらいです。


なんと言ってもフィリッピンは貝の宝庫です。

そして水牛、ウッド等の材料も豊富です。

これ等の技術に魅せられて40年の歳月が流れ

ました。あと何年か、そう長くはないでしょうが

今少しくフィリッピン通いを続けたく思います。


①の写真は30年位まえにミセスポンセの職人が

作ったものです。現在もこれらのパーツを見る事

が出来ますが、やはり出来が今ひとつです。

むしろ40年まえの方が仕事がきれいと思います。

②前回のブログでマクタン島の隆起サンゴと書き

ましたが、決っしてここだけでなくてマクタン島

全体が隆起サンゴで出来上がった島です。

この島の軍の施設内(キャプラプラプ)にゴルフ

場がありますが打つ前に必ずクラブで芝生を

叩いてプレイすること。すぐ下が隆起サンゴの

ことが多いです。


@シェルナカムラのブログ


@シェルナカムラのブログ