治す! うつ病、最新治療 ──薬づけからの脱却 /リーダーズノート編集部 | ブログ

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こんにちは。岡本大輔です。
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リーダーズノート
発売日 : 2013-09-09










【出会い】
本が好き!: 書評でつながる読書コミュニティ  の抽選で当選しました。ありがとうございます。


【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
「脳刺激治療、それ自体は決して目新しい治療ではありませんが、ここ10年で急速に、勢いよく伸びた分野と言えます。精神医学においては常に、最低限の副作用で最大限効果が現れる方法が追究され続け、その結果が、今日の脳刺激分野の著しい発展です。これは精神医学だけではなく、すべての医療分野に共通する原理原則ですが、TMSはまさしく、その原理原則にマッチした治療なのです」。

うつ病を治す最新治療……それがTMS治療(軽頭蓋磁気刺激)です。最先端のうつ治療について学びましょう。



【気になった抜粋】
日本が研究面で遅れているわけではないと思うのですが、保険の点数も治療実態に比べるととても低いですし、専門医や心理士などの人材育成もまだうまくいっていないというのが現状です」。

【響いた抜粋と学び】
うつ病の治療というとまっ先に思いつくのは薬物治療です。その他に色々なセラピーやカウンセリング、などが思いつくかと思います。専用の治療機器を用いて脳神経に磁気刺激を与え、脳神経を活性化させることで、脳の奥深くにある感情を司る部分を間接的に刺激します。

TMSで報告されている副作用は、頭痛、患部指でたたかれるような痛みや不快感、頭皮のひきつり程度、それらはあくまで治療中のもので、治療後も持続することはまずない。

この治療の一番良いところは副作用がほとんどない、というところです。薬物治療はやはり効果もありますが、副作用もあります。

「TMSが常にベストな選択肢とは限りません。ECTの患者が途中でTMSに変わるなど、さまざまな理由で治療を変更する場合もありえます。当院では、TMS、ECT、麻酔医、薬剤師、セラピスト、ソーシャルワーカーといった生活支援のスタッフなど、豊かな経験を積んだ多方面のプロフェッショナルが相互連携し、そのときどきの患者にとってベストな治療を提供でき、柔軟な体制を自負しています。当然ながら、そうした重要な判断の場面では、患者の意志や決断は尊重されます」。

脳刺激治療は、未知なる可能性の宝庫である、この真新しい、優れた治療について気になる「効き目」だが、ほかの治療と等しく、劇的に回復した人もいれば、効果が見られない人も存在する、モラレス氏によると、寛解に至ったのは患者の30%ほどだという。


「薬物も、セラピーも、有効な手段であることは間違いないんです。TMSもかなり有効な手段です。しかし私が言いたいのは、TMSが、これらすべてに取って代わるような代替治療ではない、ということです。我々はあくまで、症状の改善、健康の回復につながるすべての可能性、治療の発展を望んでいるのですよ。しかしながら、こうは言えるでしょうね。TMSは、うつ病症状の改善において百害あって一利なしの、まったく無用な薬の投与を、最小限に抑えることができるだろう、と」。

副作用がほとんどない分、効果も
「庭仕事をちょっとやろうかな」
と思えるようになった、という少しの反応である場合もあるようです。
※ それでも引きこもりで無気力状態からだったとしたら劇的な進歩ですよね。

「うつ病とは何であるか、それについていくつか、わかってきたこともあるのですが、すべてが解明されているわけではありません。この病気を治癒しようとすれば、病理学、生理学、神経病理学などの領域についていっそう理解を深める必要がありますが、我々はまだそこまで到達しているとはいえないのです。治癒技術のの研究と発展によって、健常の人の脳と、うつ病の人の脳の違いなども明確になっているんです」。

計算問題をやってもらって、そのときの脳の血流を見ると健常者とうつ患者、双極性障害の人で流れが違うのです。問診だけではわからない場合も脳を見ていくとわかるのです。

日本では、多くの日本人の患者は、何度も病院に行きますが、ただ薬をもらいに行くだけなのです、それは統合的な治療とはいえません、多くの場合、病院に行っても、患者の問題や内面に何が起きているかについて、医者と話をしないのです。

うつに限らずですが、その症状の改善するためにはどの薬が必要か、というところが医療のメインになっているように思います。なぜ、その症状になっているのか? 生活習慣なのか、環境なのか、それらに着目していない、できない、現状が浮き彫りになっているように思います。

これらの問題解決を医療だけに丸投げしてはとても解決できないとも感じます。

うつ病は治療しないで放置しておくと、脳の機能を変化させてしまう可能性があり、最終的に、脳そのものの喪失が起こり得ます。

「うつ病の人がうつから抜け出せなくなっている理由については、二つの見方があります、一つは悲観的に考える癖がついてしまったということ、もう一つは、行動療法的な考え方で、うつになると物事を心配したり自分がダメだと思い込んだりする『時間』が増えてしまう、という点に注目します」。

「海外で行われているような認知行動療法が、国内で十分に行われているかというと、実は非常に少ない、というのが現実です、それは結局、医療体制の問題なのです。


うつの原因の一つとも言える砂糖類の過剰摂取……糖尿病、砂糖を過剰摂取することでセロトニンが不足し、無気力状態になる、というのは他の書籍で書いていました。
実際に介護現場にいると、精神疾患を持っている人や認知症の診断を受けている人は極端に甘いものが好きだったりします。僕はこのあたりはかなり因果関係があるんじゃないかと思ってみています。

「うつ病もほかの精神疾患も、自分で治す気持ちになって自費で治療を受けるからこそ、症状がよくなる面があるんです。『皆保険』は日本が誇るべき制度といわれてきたが、高塩氏によれば、現行制度だとたとえば『うつ病と診断されることで生活保護が適用され続ける』という側面があり、そのことが治癒を遅らせたり、医療現場を歪めたりする可能性も否定できないのだそうだ」。

ここは難しい問題ですね。確かに本気で今の状況を改善したいと思ったら、自分の身銭を削ることが必要です。それは自己啓発の分野でも同じです。

「病気は時代によっては変わる、ということです。たとえば、戦前のうつ病の人の症状と、戦後の高度成長期のうつ病の症状、それに携帯電話などの高度なIT機器が溢れる社会になった現在のうつ病の症状は違います。昔は、うつ病は40代以降に多いといわれていましたが、いまでは若者にもけっこういます。しかも、社会の価値観や表現手段も多様化するなかで、『うつ』の病態も多様化しています」。

「当然、昔もうつ病になる人はたくさんいました。しかし、かつて窓際族という言葉があったように、会社での成績は特別に高くなくても、病気の回復途上にある人の居場所が社内にもあったんです。そうした部署で1、2年仕事をしていくと、病気は徐々に治っていったものです。現在は、そうした仕事の多くは派遣などの外部に委託されているので、居場所がなくなってしまったんです」。


なるほど。昔は仕事ができない人でも居場所があって、それで会社や社会が機能していたんですね。今はどうでしょうか? 窓際族はリストラになったのでしょうか?
人件費削除とともに弱者の居場所を削られてしまったのですね。

「薬のせいで、寝てばかりいる、暴れたり泣いている。それが病気の症状だと思ってしまう。病気だと思うから薬を足す。実は、病気のせい、うつ病のせいだと思われているもののうち、かなりが薬によって引き起こされているんですよ」。

これは確かに。介護現場でも、うつの薬じゃなくてもありますね。昔担当した方では入院中に不眠で睡眠薬を処方されていたけれど、帰宅してからよく眠れるようになり、それでいて病院から処方されているからと、睡眠薬を飲んでいて、日中フラフラになっていたお客様がいました。

処方箋を確認することで、その状態になる要因となる薬がわかり、処方をやめてもらい、そのお客様はふらふら状態が回復して元気に歩けるようになりました。

薬によって引き起こされていることってもっといっぱいあるかもしれませんね。

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