色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 /村上春樹 | ブログ

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おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
↓↓↓
著者 : 村上春樹
文藝春秋
発売日 : 2013-04-12









【出会い】
お盆に祖父母宅に行ったときに貸してもらいました。ようやく読みきった~。


【本書紹介のねらい】
話題の書籍を読んでみよう!

【響いた抜粋と学び】
~ウィキペディアより~

著者の村上 春樹さんは、早稲田大学第一文学部映画演劇科卒業、ジャズ喫茶の経営を経て、1979風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。当時のアメリカ文学から影響を受けた文体で都会生活を描いて注目を浴び、村上龍と共に時代を代表する作家と目されます。

1987年発表の『ノルウェイの森』は上下430万部を売るベストセラーとなる。これをきっかけに村上春樹ブームが起き、以後は国民的支持を集めている。その他の主な作品に『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』など。

日本国外でも人気が高く、柴田元幸は村上を現代アメリカでも大きな影響力をもつ作家の一人と評している。2006年、特定の国民性に捉われない世界文学へ貢献した作家に贈られるフランツ・カフカ賞をアジア圏で初めて受賞し、以後ノーベル文学賞の最有力候補と見なされています。

僕は今回、初めて彼の書籍を読みました。ここの読者は僕より、彼のこと、彼の書籍のことをご存知かもしれませんね。

発売してから数日間で、100万部のベストセラー、出版業界の不況? なんのその。売れる作品はいつでも売れていることが証明されました。

祖父母宅の居間に置いてあったのを貸してもらうことができて、早速読み始めたのですが、50ページくらいで一旦ストップして1ヵ月以上経っていました。
ようやく読書を再開したのが、先日の出張の時なので1ヶ月すぎています。その頃には細かい内容を忘れていて、この登場人物は誰だろう? なんてこともありました。

ここからネタバレを含む紹介に入ります。

”色彩を持たない”……これは多崎つくるが高校時代仲が良かった5人組のうちの4人の氏名には赤や青などの色が入っていたのに、彼だけが色彩をもたなかったのです。

そして、多崎つくるは悩まされていた。忘れていた過去を……、高校時代いつも仲が良かった5人組のグループから外されてしまった。しかも、一方的に。理由は伝えられない。
なぜ……? なぜ? なぜ?

それは高校卒業後。4人は地元名古屋に残り、多崎つくるは一人東京に出てきました。

大ベストセラーであり、村上春樹さんの書籍ということもあり、読む前から僕は緊張していました。どれだけの書籍なんだろう。

面白さは? 魅力は? 物語は?

読み始めて、僕は文章の平易さ、簡単さの中に硬さを感じていた。なんとなく、読みづらい気がしていました。

ハラハラドキドキ感はない。でも、途中からのページをめくるスピードは格段に上がっていきました。


どうなるのか? どういうことなのか? 紅茶のようにたしなむ感じから、後半はコーヒーブレイクのようにガッと飲み尽くす感じになりました。「順調かどうかはともかく、少なくとも着実に前には進んでいる。言い換えれば、後戻りはできなくなっている」。

「自分で気に入っているものを人に勧めるのは、いいものだ。いくら口がうまくても、自分で納得のいかないものを人に売りつけることはできないよ」。

「おれが会社勤めからもうひとつ学んだのは、世の中の大抵の人間は、他人から命令を受け、それに従うことにとくに抵抗を感じていないということだ。むしろ人から命令されることに喜びさえ感じている。むろん文句は言うが、それは本気じゃない。ただ習慣的にぶつぶつこぼしているだけだ。自分の頭でもの考えろ、責任を持って判断しろと言われると、彼らは混乱する」。


抜粋部分を筆頭に、登場人物の言葉には、トラウマがあるからなのか、刺がある、というかクセのある言い回しが多い、気がします。
それだけ、心に負った傷が深いからなのかな?

2つ目の抜粋はヤフオクをやっているので、
「そのとおりだなぁ」
としみじみ思いました。

3つ目の抜粋は、社会で生きる人間の真理を突いているような気がします。あ~なるほどなぁ。命令されるのを嫌がる一方で、命令がないと何をしてよいのかわからなくなる……。
自分で考えて行動する、ということが人間としての、生物としての高度な技術なんだと改めて感じました。

【編集後記】
本日は担当者会議2件。月末の書類整理もあり、忙しい中ですが喜んで働きます。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

コメントは自由制です。一見さんも読者も大歓迎です。
返信は24時間以内にいたします。
※心無い非難・誹謗・中傷等は削除させていただきます。

著者 : 村上春樹
文藝春秋
発売日 : 2013-04-12



それが50ページくらいで一度中断してしまった理由かもしれない。なんのためにこの登場人物は現れたのか? このエピソードは? 物語が終了しても、
「あれ? 結局、なんだったの?」
というのは数箇所あります。

それが村上春樹さんの作品の旨みなんだろうか?

出張の帰りに、おもむろに本書を取り出して、物語の途中がわからなくなった状態で読書を再開する。とりあえず、とばしていく。

大まかな内容としては5人組から外された理由を解明していく多崎つくる。そして、その真相を知ると同時に意外な事実を目の当たりにする……。

それは知らなくてもよかったのか……。いや、知ってよかったんだ。なぜ、彼はグループから外されなきゃいけなかったのか?

その真相が一つ一つ分かってくる。

物語は、
「え? これで終わり?」
というところで、終わってしまう。続編があるのか? それともか、僕たち読者にあとのことは想像にお任せ、ということか?