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ほんとなかよし

本紹介ブログ(と格好つけてる読書感想ブログw)
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ネタバレ自重・的外れで独断偏見に満ちているけど
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だったらいいな・・・

世界の根源を究めようとする超人的欲求をいだいて、ファウストは町へ出る。理想と現実との乖離に悩む

彼の前に、悪魔メフィストーフェレスが出現、この世で面白い目をみせるかわりに、死んだら魂を貰いた

い、と申出る。強い意志と努力を信じる彼は契約を結び、若返りの秘薬を飲まされて、少女グレートヒェン

に恋をするが―前後六十年の歳月をかけて完成された大作の第一部。


追求の精神の権化ファウストは、行為の人として“大きな世界”での遍歴に入る。享楽と頽廃の宮廷から冥府に下った彼は美の象徴ヘレネーを得るが、美はたちまち消滅してしまう。種々の体験を経た後、ついに彼は、たゆまぬ努力と熱意によって、人間の真の生き方への解答を見いだし、メフィストーフェレスの手をのがれて、天上高く昇る。文豪ゲーテが、その思想を傾けつくした大作の完結編。


内容 「BOOK」データベースより


ドイツの文豪、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが生涯を賭して書き上げた超大作。ゲーテは作家(詩人)以外に自然科学者、政治家、法律家であり古豪に多い多才な人物。「ファウスト」は、詩劇タイプの小説で、中心人物であるファウスト博士とメフィストーフェレス以外に様々な人物や物体が登場して言葉や詩、歌を交わす多声的(ポリフォニー)作品。天使や悪魔、古代ギリシャ神話上の生物だけでなく人間界の様々な職種・人種、時には人間感情そのものが言葉を介し互いに語り合う様は一つのオーケストラの如し!音楽的な造詣が深かったゲーテならではの旋律を味わえる作品と言えます。ゲーテを紹介する時に音楽が掛け合いに出される事が多いです、ゲーテの作品には多くの作曲家が曲をつけています、シューベルトもそんな一人で数多くの作品を提供しているそうです。「ファウスト」はゲーテ自身が、作曲する権利はモーツァルトにあり!と言ったそうで・・・なんとも恐ろしいビックネームの応酬。現代でいう所の映画と音楽のタイアップが超有名古豪レベルで繰り広げていたようなもので、物凄い話です。古今東西様々な作家が作中で引用している「ファウスト」、ほぼ全編に渡り会話で構成される作品ですので、様々な名言や格言と感じる言葉が登場します。ゲーテ関連の書物に、「ゲーテの格言集」といった書物が存在しますが、そういった格言や名言に惹かれる人は「ファウスト」なんかの作中の前後の流れの中で語られる格言や名言を楽しんでみるのも一つの読み方ではないかなと感じます。

さて、ファウスト博士と悪魔メフィストーフェレスですが、多くの作家や人々が2人物の好き嫌いを語る傾向にあるように思えます。ファウスト博士は実在の人物だそうですが、ゲーテ「ファウスト」で一躍有名になったものの実際の人物は黒魔術師か錬金術師かと虚像につつまれた謎多き人物、超人的な欲望追求の姿が作中でも印象的で猪突猛進、天才なんだか馬鹿なんだか掴み所のない印象。悪魔メフィストーフェレスは、日本ではアニメ「悪魔くん」が印象的?、「ファウスト」筆頭にファウスト博士関連の書物に登場する博士が召喚したとする悪魔、人物像的にはファウスト博士の魂を貰う契約の為に博士の様々な欲求や提案を実行・立案する立役者。時に悪魔的な汚い二面性も見せつつも一貫した第三者的な役回りには潔いものすら感じる事ができる。ファウスト博士関連の物語では、見事に魂をゲットする結末と、魂を逃してしまう結末と様々なバージョンが存在するそうですが・・・ゲーテの「ファウスト」に関しては後者の結末が採用されています。超人的な欲望追及の果てに人間の高みに達したからこその結末と捉えるか、オプティミズム(楽観主義)と捉えるかで読者の好き嫌いが分かれる結末かなぁと思います。読者はこの2人物を自分の中で好き嫌い判断してみるってだけでも楽しめると思います。名作中の名作、「ファウスト」は読んでみて損は無い!そんな一冊。


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1941年、リトアニア。ナチスは乾坤一擲のバルバロッサ作戦を開始し、レクター一家も居城から狩猟ロッジへと避難する。彼らは3年半生き延びたものの、優勢に転じたソ連軍とドイツ軍の戦闘に巻き込まれて両親は死亡。残された12歳のハンニバルと妹ミーシャの哀しみも癒えぬその夜、ロッジを襲ったのは飢えた対独協力者の一味だった…。ついに明かされる、稀代の怪物の生成過程。


愛する者をすべて喪ったハンニバルは、無感動な孤児院生活を過ごす。そんな彼を引き取ったのはフランス人の叔父ロベール。ハンニバルはその妻である日本人女性、紫夫人の薫陶に与るとともにその魅力に強く惹かれてゆく。だが、凶事の悪夢は去らない―。最年少でパリの医学校に進んだ彼は、持てる英知と才覚を駆使して記憶の一部を取り戻し、復讐すべき獣たちを狩りはじめる。


内容 「BOOK」データベースより


「レッド・ドラゴン」「羊達の沈黙」「ハンニバル」で登場したハンニバル・レクター博士の幼少期・青年期が描かれレクター4部作最新刊にして、全ての起源となる作品、ついに怪物レクター博士の誕生秘話が明かされる!シリーズファン必見の一冊。

精神科医にして連続猟奇殺人犯、人肉嗜食を交えた殺人を快楽ではなく観察や実験の如く平静と行い、圧倒的な頭脳と話術から他者を操り時には殺害すら可能なレクター博士。超人的で圧倒的な人物像に神秘的な魅力を纏った人物だった彼も、前作「ハンニバル」では深層心理に影響を与えたと思われる妹・ミーシャにまつわる過去の事件が語られたり、趣味・趣向が明らかになる等の人格面の輪郭が少しずつ定まってきた様に思えた、そこにきて彼の幼少期・青年期が描かれるのだから作者は非常に挑戦的な作品を提供していると言える。過去のエピソードや隠された真実といった展開は読者がもっとも興味を持ち関心を抱く事であると同時に下手をするとシリーズ作品が台無しになる可能性も秘めた、いわば秘策中の秘策ともいえる・・・特に常人に理解できない怪物の素顔を曝け出す事は、神秘性や謎を捨てる行為でもあり、致命傷になりえる!それでもあえて語られるレクター作品の起源。凄いの一言である!!おそらく本作を読んで、レクターシリーズが終ったなどと考える読者はいないだろうし、俄然興味が沸いたと感じる人が多いと思う。物語は過去シリーズ作品に比べると意外な展開や複雑な人間交差などが少ない為に非常にシンプルに感じられる、それだけに怪物誕生の切欠となった悲劇が純粋にどす黒く胸を掬ってゆき、その後の復讐劇には奇妙な爽快感を伴った悲哀に満ちた感情を沸き立たせられる。起きた事とやるべき事が明確な作品なので読者側は状況を把握しやすい作品となっています、反面レクター博士自身の内面的な謎が多く残る作品でもあります・・妹・ミーシャ関連の悲劇の真実を知った(知っていた?)時の背信的な価値観や言動の謎、宗教圏の異なる日本文化が登場し象徴として存在した紫婦人との奇形の愛とその結末の奇妙奇天烈、特に一番最初の殺人に関しては解釈次第でどのようにでも出来そうで謎が募るばかり・・・怪物誕生のエピソードは語られるも怪物そのものは語られずといった印象を受けました。まだまだ怪物レクターは健在と言えますので今後も続くのかな?「ライジング」に始まり「ハンニバル」で終わりそうな雰囲気はありますが~その間の話やサイド・ストーリーなんかが出てもトマス・ハリスなら完璧に構成してくれそうなので期待!!

個人的に本作でオススメなのは、良く紹介文などでも言われていますが本作は日本文化に影響を受けた作者が意図的に日本人や日本の描写を挟んでいるいる作品です、細かい差異は差し置いて日本人読者にとって親しみやすい作品だと感じると同時に、そういえば前作品にもときどき“日本”の文字が出ていたので親日派の作者なのかなぁ~なんて思いながら読んでみると愛着も沸くものです^^


ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)
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ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)
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「医者をなめてるんじゃない?自己満足で患者のそばにいるなんて、信じられない偽善者よ」。美しい信州の情景。命を預かる仕事の重み。切磋琢磨する仲間。温かい夫婦の絆。青年医師・栗原一止に訪れた、最大の転機。


内容 「BOOK」データベースより


人気小説「神様のカルテ」第三弾。現役医師が筆を取る人情医療物語は多くの読者に感動を与え、個性豊かな登場人物にファンが付く、押しも押されぬ人気小説。映画化や漫画化といったメディアミックス戦略も相まってシリーズ累計200万部突破の怪物小説。読みやすく、小説に不慣れな方も楽しめる良作品。シリーズ第三弾にして勢い衰えずといった印象!巻を重ねる毎にボリュームが厚くなり、本作も前2作品を凌ぐ頁数で読み応えも十分である。個性的で魅力溢れる登場人物が上手に配置され物語に絡んでくる為、シリーズファンにも嬉しい作りになっている(頁数が増える原因は、こういったファンサービスが増えているからかもしれない・・・)、懐かしい登場人物との再会や馴染んだ人物の相関関係が紡がれてゆく様を感じ取りながら読み進める事が出来るのはとても良いポイントです。是非1巻から通して読むべし!救急医療の最前線に立ち多くの人々の命を救う一止だが、日々の喧騒に終われ技術的・学術的に進歩せぬ自分に焦りや不安を感じていた。そんな一止も、目の前の患者を救うという使命感を持ち前向きに前進しているかに見えたのだが・・・新しく赴任した先輩女性医師の一つの医療の形・思想を目の当たりにする事で、自らが抱える医師としての弱点を思い知らされる事となる・・・暗中模索な印象が強かった前2作品に比べて、最大の転機と銘打つ様に物語が明確に進展するのも第3作品の特徴だと言えます。また、第3作の最大の評価ポイントは、医療物語にありがち(定番)の“死別”エピソードを無くした事!!“死別”という悲しい事、感動を誘う事が前提のエピソードで涙を誘うのではなく、人物や人生を扱った物語で感動させている所がグッド!多くの患者や家族を診てきた作者ならではの人間模様や人生観を綴った形式の作品に変わっているので、今までとは一味違った作風である。前2作品はどうしても“死別”エピソードが印象的になり過ぎていたが、主人公一止の一大決心を描く作品として強烈なエピソードを排して臨んでいる辺りが作者の腕に磨きがかかっている印象を受けます。惜しむべくは、ハルさん!ですね・・・随所で旦那一止の心の安らぎを与えてくれる存在である事は変わり無いのですがイマイチ他の登場人物達に比べて影を潜めた印象を受けたのは私だけでしょうか・・・



神様のカルテ 3 (小学館文庫)
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あの血みどろの逃亡劇から7年―。FBI特別捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸にこう記していた。「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」…。だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策謀が迫っていた。


レクター博士はアメリカに帰還する。執念を燃やす復讐鬼は、クラリスを囮に使って博士をおびき出す計画を整えつつあった。その先には、究極の美食家に対する究極の屈辱となる報復が用意されている。かくして、“怪物と天使”の運命は凄絶に交錯するときを迎えた…。スティーヴン・キングをして「前作を凌ぎ、『エクソシスト』と並んで20世紀に屹立する傑作」と言わしめた問題作、登場。


内容 「BOOK」データベースより


ハンニバル・レクター博士の物語第三弾「ハンニバル」。前作の「羊達の沈黙」から7年後の世界が舞台。前作で連続殺人犯バッファロー・ビルを捜査するFBIアカデミー生クラリス・スターリングに見事な助言を

し事件解決の立役者になりつつ、自身も連続殺人犯として服役している境遇から正に血を血で洗う凄惨な逃亡劇を演じ晴れて自由の身を勝ち取ったハンニバル・レクター博士、時を経てFBI特別捜査官となったクラリスはバッファロー・ビル事件大車輪の活躍以後栄光の道を閉ざされた環境下にいた・・信頼していた射撃訓練教官ジョン・ブリガムを銃撃戦で失うだけでなく捜査官の立場も危うくなるクラリスの前に再びレクター博士からアクセスが来る事で物語が急展開を迎える!クラリスの出世を阻み自らの私利私欲で動くポール・クレンドラー司法省監察次官補、クレンドラーを金と権力で操り自らを生命維持装置無しで生きれぬ体に変えたレクター博士に復讐を目論むメイスン・ヴァージャーが己の欲望剥き出しにレクター博士を誘い出しクラリスを出し抜くべく陰謀を張り巡らせる。メイスンの超絶サディストな性格は狂気の域で自らを犬に食い千切らせたレクター博士を豚に食い千切らせて殺す事を画策、カルロを筆頭に誘拐屋などを駆使し暗躍を図るのだが・・・前作に登場したレクター博士収容時の用務員バーニーやメイスンの妹マーゴ、敏腕だが不遇の警官リナルド・パッツィなどの様々な思惑や因縁が絡み合い物語は混沌を迎えてゆく・・・レクター博士とクラリスが陰謀の果てにたどり着く終着駅は如何に!!


素晴らしい!続編が面白い飽きないだけの作品は沢山あるけれど、「ハンニバル」は前作を遥かに上回る面白さで珍しい、しかも前作が既に最高に面白かったんだからどれだけ面白いのか果てが無い程だ。内容紹介にスティーブン・キング絶賛とあるが、僕は児玉 清さんの「寝ても覚めても本の虫」で絶賛されていた事から前作「羊達の沈黙」を読みドストライク!「ハンニバル」を読み、現在「ハンニバル・ライジング」を読んでいる最中である。今作の面白さの一つに前作以上に前面に登場し大活躍するレクター博士の存在がある、特殊で興味深い人物であるレクター博士だが前作では謎のベールに包まれていた博士の背景や設定が徐々に明らかになってくるのも本作の最大の魅力だと思います、前作では不明瞭だったレクター博士がクラリスに興味関心を抱く原因となるエピソードが登場すしますし、クラリスが解き明かすレクター博士の関心事や趣向が見えてくるのも面白い。不気味でしかなかった対象の輪郭が見えてきて尚面白く感じるのはトマス・ハリスの描く人物が素敵だという証拠だと思います。

また本作を読んで魅力的なのは、登場人物すべからく悪!これは北野 武監督の映画「アウトレイジ」のテイストに似ている、暴力を中心とした「アウトレイジ」に対して「ハンニバル」は欲望だろうか・・・全ての自分の抱える欲望は底知れず恐ろしい、一体誰が本物の悪なんだろうか?と考えるだけで面白くなる。欲望や快楽を剥き出しで活躍する登場人物を前にして血沸き肉躍る気分に浸る自分に気づかされる程に強烈な印象を残してくれる作品は珍しい。本当に素晴らしいの一言に尽きる一冊。

ただハンニバル・レクター博士作品として時系列的に最終話となる可能性が高い作品なのは残念でもある、次回作がハンニバルの生い立ちを描いた「ハンニバル・ライジング」と時間軸を以前に戻して執筆されているのも気になる所である。それとも・・・「ハンニバル」後の物語が用意されているのだろうか?


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カメラマン志望の大学生・瀬川誠人は、嘘つきでとても謎めいた女の子・里中静流と知り合う。誠人はかなりの奥手だったが、静流とは自然にうちとける。そして静流は誠人に写真を習うようになる。やがて誠人は静流に思いを告げられるが、誠人にはずっと好きな人がいて、その思いを受け取ることはできなかった。一年後、卒業を待たずに静流は姿を消した。嘘つきでしょっちゅう誠人をからかっていた静流だったが、最

後の大きな嘘を誠人についたまま…。


内容 「BOOK」データベースより


映画「恋愛寫眞」のコラボレーション企画として市川 拓司さんが執筆した「恋愛寫眞-もうひとつの物語」玉木 宏さん宮﨑 あおいさん主演 大塚 愛さん「恋愛写真」主題歌の映画「ただ、君を愛してる」の原作。私は読書に比べると映画鑑賞は少ない方で沢山の作品を見ている訳ではありません、「ただ、君を愛してる」も宮﨑 あおいさんのいちファン的な感覚から観たに過ぎません・・・そんな私ですが、オススメの映画は?と聞かれたならば真っ先に思い浮かぶ作品の中の一つが「ただ、君を愛してる」です。ファンの戯言としてお聞きください、物語は感動モノの定番で“愛する二人と悲しい別れ”です、これだけで多くの人が概要は掴めると思いますが、原作を読まず予備知識一切無しで映画を観たにも関わらず宮﨑 あおいさん演ずる静流が登場した瞬間に物語の結末が見えてしまった!不思議ちゃんキャラの静流ですが、その背景に隠れている悲しい宿命が見事に伝わってくるようで・・・映画開始10分頃には既に涙が溢れ出ている有様でしたwそれ程に宮﨑 あおいさんの演技が凄い!印象的な映画でした。女性の方とお話すると、玉木 宏さんファンの方がオススメの映画だと仰る人が多いのでファンが認める良作品といった所でしょうか。さて、映画で表現出来ない(カットされる)性的表現を一々指摘していけばキリがないので除外すると原作と映画にそれ程大きな差異はありません。作品自体を楽しみたいと思う人はどちらを手にとっても十分楽しめる(感動できる)ので好みに合った方法で味わってください。さて、どちらでもと言っておきながらも読書ブログとしては原作を紹介しない訳にはいきませんので・・・

原作の良さは、なんといっても脇役の人物像に厚みが出る点でしょう!映画化の悲しき宿命とでも言いましょうか、時間的制約で真っ先にカットされるのが脇役の活躍場面です、結構重要な意味を持つ場面などもばっさりされていたりするので原作から映画を観た人は少なからず落胆する事が多いものです。カットされなかった脇役達のエピソードや設定を読み解いてゆくのも原作の楽しみ方の一つでしょう。「恋愛寫眞」の特徴として、登場人物の会話重視の小説となっています。それだけに読みやすく感情移入し易いテイストです。絶妙なテンポで交わされる会話は物語を明るく彩ります、主要人物が切なく叶わない片思いばかりしている恋愛小説であるにも関わらず、終始柔らかい空気に包まれている世界観は素敵です。悲しいけれどバッドエンドには思えない悲哀や絶望感の無い終わり方も高ポイントです。どっぷりと世界観に浸かって、感情のまま感涙できる一冊。



恋愛寫眞―もうひとつの物語 (小学館文庫)
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