『ハンニバル』 トマス・ハリス | ほんとなかよし

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あの血みどろの逃亡劇から7年―。FBI特別捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸にこう記していた。「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」…。だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策謀が迫っていた。


レクター博士はアメリカに帰還する。執念を燃やす復讐鬼は、クラリスを囮に使って博士をおびき出す計画を整えつつあった。その先には、究極の美食家に対する究極の屈辱となる報復が用意されている。かくして、“怪物と天使”の運命は凄絶に交錯するときを迎えた…。スティーヴン・キングをして「前作を凌ぎ、『エクソシスト』と並んで20世紀に屹立する傑作」と言わしめた問題作、登場。


内容 「BOOK」データベースより


ハンニバル・レクター博士の物語第三弾「ハンニバル」。前作の「羊達の沈黙」から7年後の世界が舞台。前作で連続殺人犯バッファロー・ビルを捜査するFBIアカデミー生クラリス・スターリングに見事な助言を

し事件解決の立役者になりつつ、自身も連続殺人犯として服役している境遇から正に血を血で洗う凄惨な逃亡劇を演じ晴れて自由の身を勝ち取ったハンニバル・レクター博士、時を経てFBI特別捜査官となったクラリスはバッファロー・ビル事件大車輪の活躍以後栄光の道を閉ざされた環境下にいた・・信頼していた射撃訓練教官ジョン・ブリガムを銃撃戦で失うだけでなく捜査官の立場も危うくなるクラリスの前に再びレクター博士からアクセスが来る事で物語が急展開を迎える!クラリスの出世を阻み自らの私利私欲で動くポール・クレンドラー司法省監察次官補、クレンドラーを金と権力で操り自らを生命維持装置無しで生きれぬ体に変えたレクター博士に復讐を目論むメイスン・ヴァージャーが己の欲望剥き出しにレクター博士を誘い出しクラリスを出し抜くべく陰謀を張り巡らせる。メイスンの超絶サディストな性格は狂気の域で自らを犬に食い千切らせたレクター博士を豚に食い千切らせて殺す事を画策、カルロを筆頭に誘拐屋などを駆使し暗躍を図るのだが・・・前作に登場したレクター博士収容時の用務員バーニーやメイスンの妹マーゴ、敏腕だが不遇の警官リナルド・パッツィなどの様々な思惑や因縁が絡み合い物語は混沌を迎えてゆく・・・レクター博士とクラリスが陰謀の果てにたどり着く終着駅は如何に!!


素晴らしい!続編が面白い飽きないだけの作品は沢山あるけれど、「ハンニバル」は前作を遥かに上回る面白さで珍しい、しかも前作が既に最高に面白かったんだからどれだけ面白いのか果てが無い程だ。内容紹介にスティーブン・キング絶賛とあるが、僕は児玉 清さんの「寝ても覚めても本の虫」で絶賛されていた事から前作「羊達の沈黙」を読みドストライク!「ハンニバル」を読み、現在「ハンニバル・ライジング」を読んでいる最中である。今作の面白さの一つに前作以上に前面に登場し大活躍するレクター博士の存在がある、特殊で興味深い人物であるレクター博士だが前作では謎のベールに包まれていた博士の背景や設定が徐々に明らかになってくるのも本作の最大の魅力だと思います、前作では不明瞭だったレクター博士がクラリスに興味関心を抱く原因となるエピソードが登場すしますし、クラリスが解き明かすレクター博士の関心事や趣向が見えてくるのも面白い。不気味でしかなかった対象の輪郭が見えてきて尚面白く感じるのはトマス・ハリスの描く人物が素敵だという証拠だと思います。

また本作を読んで魅力的なのは、登場人物すべからく悪!これは北野 武監督の映画「アウトレイジ」のテイストに似ている、暴力を中心とした「アウトレイジ」に対して「ハンニバル」は欲望だろうか・・・全ての自分の抱える欲望は底知れず恐ろしい、一体誰が本物の悪なんだろうか?と考えるだけで面白くなる。欲望や快楽を剥き出しで活躍する登場人物を前にして血沸き肉躍る気分に浸る自分に気づかされる程に強烈な印象を残してくれる作品は珍しい。本当に素晴らしいの一言に尽きる一冊。

ただハンニバル・レクター博士作品として時系列的に最終話となる可能性が高い作品なのは残念でもある、次回作がハンニバルの生い立ちを描いた「ハンニバル・ライジング」と時間軸を以前に戻して執筆されているのも気になる所である。それとも・・・「ハンニバル」後の物語が用意されているのだろうか?


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