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ほんとなかよし

本紹介ブログ(と格好つけてる読書感想ブログw)
ノンジャンル手当たり次第読んだ本を紹介♪

ネタバレ自重・的外れで独断偏見に満ちているけど
読んだ誰かが読書をちょっとだけ好きになるブログ

だったらいいな・・・

突然の閃光と業火―それが路線バスを襲った。送電システムの異常により、電力が一つの変電所に集中、

爆発的な放電が発生したのだ。死者一名。これは事故ではなかった。電力網をあやつる犯人は、ニューヨーク市への送電を予告なしに50%削減することを要求する。だがそれはNYに大停電を引き起こし、損害は膨大なものとなると予想された。FBIと国土安全保障省の要請を受け、科学捜査の天才リンカーン・ライムと仲間たちが捜査に乗り出した。しかし敵は電気を駆使して罠をしかけ、容易に尻尾をつかませず、第二の殺戮の時刻が容赦なく迫る。一方でライムはもう一つの大事件を抱えていた―宿敵たる天才犯罪者ウォッチメイカーがメキシコで目撃された。カリフォルニア捜査局のキャサリン・ダンスとともに、ライムはメキシコ捜査局をサポートし、ウォッチメイカー逮捕作戦を進めていたのだ。ニューヨークを人質にとる犯人を頭脳を駆使して追うリンカーン・ライム。だが彼は絶体絶命の危機が迫っていることを知らない―。


内容 「BOOK」データベースより


ジェフリー・ディーヴァーが贈るリンカーン・ライムシリーズ9弾「バーニングワイヤー」、今度の敵は“電気”我々のインフラである“電気”も扱い方一つで簡単に大量に人を殺傷する恐るべき凶器へと変わる、犯人は“電気”を駆使しニューヨーク市民を人質に取り電力会社へ強迫を繰り返す!犯人の目的は?そして犯人を捕まえる事が出来るのか?一方メキシコでは宿敵「ウォッチメイカー」の逮捕作戦が同時進行しておりライムは肉体・精神的にも窮地に追い込まれる・・・シリーズ最新作・電撃タイムミステリー。

“地球の日”を目前に控えたニューヨークが凶悪犯に狙われる本作、事件の規模も相当のものでFBI初め環境テロ組織の関与も視野に捜査が展開されるのだが、FBIといえばおとり捜査の天才フレッド・デルレイ幾たびもライムを助け、主役級登場人物の彼だが新時代科学捜査の波が押し寄せるFBI組織の中で自身の時代遅れを痛感しており苦悩している状態から始まる・・・彼の大活躍はファンなら誰しも期待している筈だが、彼の動向がどうなるのかも本作の一興ポイントでしょう。また本作は主役・準主役級の総動員であるのもうれしいポイントである、スポンオフ作品を生んだキャサリン・ダンスはもちろんあちこちで過去登場人物が満載である、ファンは喜ぶ事間違いなしだろう。さて、“電気”といえば我々日本人には東日本大震災に関連して原発問題で嫌と言う程に考えられたテーマなだけに、作中でのエネルギーと環境に関する言及部分は活目すべき点があるでしょう、ただし科学は我々人類の未来の形でもあります、その未来へ進む為の選択や決断といったものの重要性を説くのも本作の魅力、今回ライムは過去にない大きな決断を下す事になります、そして迎えるラストは感動そのもの。ライム史上最高のラスト1ページは物凄く美しく、今までの全てはこの1ページの為に存在したといって過言ではないでしょう。多くの読者が最後のページを賞賛していますので、必見ですね。今回は事件の規模が大きくなっただけでなく、人生における哲学的な要素も盛りだくさんで今作に限った事ではありませんが、只のタイムサスペンス以上に得るものが多い作品に仕上がっているような気がします。さて、とうとう新作ハードカヴァーに追いつきました、人生には様々な楽しみがおありかと思いますが、私の人生にリンカーン・ライムシリーズ最新作を読むという楽しみが出来た事を嬉しく思います。思えば「ソウル・コレクター」を読んだのが始まりでしたが第一弾「ボーン・コレクター」を読んでから一気に第九弾まで読みました、それ程に魅了された訳ですが・・・なんといってもリンカーン・ライムシリーズだけでも2年に1度のペースで刊行されているのだから凄い、しかも合間にスピンオフ作品や単体作品を連発している(しかも全てがヒット+高評価)のが凄い!ジェフリー・ディーヴァー旋風は世界を駆け続ける事でしょう。今後も追い続けたい作家の一人、ディーヴァーはおすすめです。



バーニング・ワイヤー
バーニング・ワイヤー
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ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋
売り上げランキング: 64,036

リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人容疑で逮捕された。アーサーは一貫して無実を主張するも、犯行現場や自宅から多数の証拠がみつかり有罪は確定的にみえた。だがライムは不審に思う―証拠が揃い過ぎている。アーサーは濡れ衣を着せられたのでは?そう睨んだライムは、サックスらとともに独自の捜査を開始する。


殺人容疑で逮捕されたいとこを無実とみたライムは、冤罪と思しき同様の事件の発生を突き止める。共通の手掛りが示したのは、膨大な情報を操る犯人像。真相を究明すべく、ライムのチームは世界最大のデータマイニング会社に乗り込むが―。データ社会がもたらす闇と戦慄を描く傑作!巻末に著者と児玉清氏の対談を特別収録。


内容「BOOK」データベースより


ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズ第8弾「ソウル・コレクター」。凄腕暗殺者や凶悪殺人鬼など様々な敵と相対してきたライムだが、今後の敵は“全てを知る者”=“神”。個人情報の全てを司り利用・操作する犯人、他者の人生を破滅させる事すら簡単にする術を持った犯人は、自らの強姦殺人の罪を他者に擦り付ける事で犯行を繰り返していた・・・新たな被害者がライムの従兄弟アーサー・ライムが冤罪で拘置所に置かれる事からライムが捜査に乗り出す事となったのだが・・・冤罪被害者の購入履歴や趣味趣向の全てを知り尽くした上で偽装される犯行現場、あまりに証拠が揃いすぎる現場、犯人は一体どうやって犯行を成立させているのか?情報社会ならではの最新型犯罪にライムが立ち向かう!!

「ソウル・コレクター」は再読になる、一番最初に読みシリーズ全てを読んでみたい衝動に駆らせた作品だが過去作品を読んだ後で再読する事で一層面白く感じた。ジェフリー・ディーヴァーは素晴らしい作家である、シリーズ作品は登場人物の成長や活躍を楽しめるのが醍醐味ではあるが人気作家がシリーズ作品の登場人物の扱い方を誤り一気に人気急降下なんて事は良くある事だが・・・彼にはそんな気配は一切ない。“読者の期待に答える事を第一”とする作者だが、このシリーズ作品の基本にして肝心要の技術がずば抜けて巧みなのだと言える。次回作を読みたい!登場人物の活躍を見たい!と必ず思わせる作家である。本作「ソウル・コレクター」は、高度情報化社会が進み個人のあらゆる個人情報が電子化管理される世界が目前に迫っている設定であり、SFというよりも近未来・・・もしくは既に実現している世界なのかもしれない。強烈な悪を描く事が巧みな作者であるが、今回は犯人そのものの恐怖よりも世界観全体の恐怖を感じる事になるだろう、作中でも引用されるのですがジョージ・オーウェル「1984年」やオルダス・ハックスリー「すばらしい新世界」といった作品が登場する、両作とも超管理社会を描いたディストピア作品であり個人が国家や文明に完全支配される内容である、是非とも本作の世界観を味わう上で外せない作品ではないだろうかと思います。情報化が進み個人情報が集約されてゆく社会・・・そんな中、個人情報を操り自在に犯罪・冤罪を発生させる犯罪者が登場したならば?恐怖ではないだろうか?現実社会でも元諜報関係機関所属職員が国家規模の情報管理をリークし問題になったばかりではないか?個人情報が管理・統制されつつある社会は決して本の中だけの世界ではないのかもしれない。あらゆる情報が収集され悪用された時に個人は世間から抹殺される恐怖は身の毛もよだつ、新型犯罪に天才ライムが挑む。

ソウル・コレクター〈上〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋 (2012-10-10)
売り上げランキング: 16,495
ソウル・コレクター〈下〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋 (2012-10-10)
売り上げランキング: 16,530
“ウォッチメイカー”と名乗る殺人者あらわる。手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。やがて犯人が同じ時計を10個買っていることが判明、被害者候補はあと8人いる―尋問の天才ダンスとともに、ライムはウォッチメイカー阻止に奔走する。2007年度のミステリ各賞を総なめにしたシリーズ第7弾。

サックスは別の事件を抱えていた。公認会計士が自殺に擬装して殺された事件には、NY市警の腐敗警官が関わっているらしい。捜査を続けるサックスの身に危険が迫る。二つの事件はどう交差しているのか!?どんでん返しに次ぐどんでん返し。あまりに緻密な犯罪計画で、読者を驚愕の淵に叩き込んだ傑作ミステリ。2007年度「このミステリーがすごい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「日本冒険小説協会大賞・海外部門」大賞。

内容 「BOOK」データベースより

ジェフリー・ディーヴァーが贈るリンカーン・ライムシリーズ第七弾「ウォッチメイカー」。拷問に等しい残忍な殺しの手口と殺人現場にアンティーク時計を置いて廻るライムシリーズ史上最も残忍で凶悪な連続殺人鬼が登場する、まるで痕跡を残さない未詳を追うライム。最愛のパートナーサックスは刑事として初担当の事件を抱える事となるのだが警察内部の汚職や腐敗といった沼に次第に引き込まれる事となる・・・2つの難事件を抱えながら我らがライム捜査チームは犯人や真相を捉える事が出来るのだろうか!?
作品に優劣をつけるのが失礼なぐらい完成度の高い作品を連発するジェフリー・ディーヴァーだけども、本
作品「ウォッチメイカー」はその中でも群を抜いて素晴らしい出来だと言える。毎回の事ではあるが、事件の真相がまるでマトリョーシカ(人形の中から人形がでてくるロシア人形)の様だ、一つの真相が暴かれたぐらいではディーヴァー作品では序章程度と思っていただいて良い、本当の人形は驚くほど奥のほうに隠れているのだから・・・今作品の真相も恐るべきものが存在するのだが、全てが犯人の掌の上の出来事である点が興味深い所である、辛くもライムの天性の閃きや捜査チーム一丸の努力の甲斐あり真相まで辿りつくのだが・・・過去作品ではなかった意外な結末にシリーズ読者も今後の展開が気になる事間違いなしでしょう。基本的には各シリーズとも読みきりの物語になっており読者はどの作品を手にとっても自然に楽しめる工夫がなされているのだけども、シリーズファンには楽しみな展開も目白押しである、特に今回は第一作品で登場した被害者の意外な再登場がファンには驚きを与えてくれる事だろう、前作「12番目のカード」で瀕死の怪我をした永遠の“ルーキー”プラスキー、次回作「ソウル・コレクター」では既にライム捜査陣のメインと呼べるポジションを獲得している彼が活躍しだすのも本作品であり、そういった主役級なじみの登場人物の活躍を追えるのもシリーズ作品の良い所であろう。
ここからはネタバレになるので、未読の方は読まないで頂きたいのだが、今回の犯人である「ウォッチメイカー」は今後も重要になるキャラクターかもしれない、私がライムシリーズを読み始めるきっかけとなった次回作第八弾「ソウル・コレクター」には、ライムの宿敵ともいえる殺し屋が登場している、以前私はルパンと銭形警部のような存在なのでは?と書いたのだが・・・見事当たっていた事になる。今作品でライムは初の犯人を逃がしてしまうのである(犯行そのものは頓挫させたが・・・)。世界的に有名な殺し屋「ウォッチメイカー」は自らの犯行を阻止した唯一の人間としてライムを認め今後宿敵として戦うであろう事を宣告し幕を下ろすのである。この宿敵登場が今後シリーズを進める上で興味を惹かないわけがない。注目の第七弾と言える。
ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋 (2010-11-10)
売り上げランキング: 70,070
ウォッチメイカー〈下〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋 (2010-11-10)
売り上げランキング: 60,032

ハーレムの高校に通う16歳のジェニーヴァが、博物館で何者かに襲われそうになるが、機転をきかせて難を逃れる。現場にはレイプのための道具に、1枚のタロットカードが残されていた…。単純な強姦未遂事件と思い捜査を始めたライムとサックスだったが、その後も執拗に少女を付け狙う犯人に、何か別の動機があることに気づく。


強姦未遂事件は、米国憲法成立の根底を揺るがす140年前の陰謀に結びついていた。そこにジェニーヴァの先祖である解放奴隷チャールズ・シングルトンが関与していたのだ…。“140年もの”の証拠物件を最先端の科学捜査技術を駆使して解明することができるのか?新鮮かつ強烈な刺激満載の好評シリーズ第6弾。


内容「BOOK」データベースより


博物館で先祖チャールズ・シングルトンについて調べていた少女ジェニーヴァが突如襲われそうになる、現場にはタロットカードが一枚「吊るされた男」とレイプパックが残されていた。通り魔的偽装の裏にプロの殺し屋の影を感じたライムは、殺し屋と依頼者特定に乗り出す。“アベレージ・ジョー”は自らの逃走の為なら一般市民を傷つける事に躊躇しない残虐非道な殺し屋、ハーレムという土地柄を最大限に駆使し少しずつだが確実にジェニーヴァに迫る血で絵を描く男“グラフィティ・キング”、危険な男が迫ってくる中ライム達はジェニーヴァを守る事が出来るのか?そして彼女が狙われる動機を見つけ出す事ができるのか!?ライムシリーズ第6弾「十二番目のカード」、ミステリ作品における重要な要素である動機に驚く一冊です。

凶悪な殺人犯が実は愛する人の復讐が動機で犯行していた!なんて終盤にほんわかする作品に馴染み深いのは現代日本人気漫画の影響でしょうか・・・ディーヴァーの作品にそんな生ぬるい動機なんてものは一つとして存在しない、どんでん返しがお得意のディーヴァーですが動機そのものがどんでん返しする事もしばしば、特に今回の作品は動機どんでん返しが際立っていた印象を受けます。と言うのも猟奇性や残虐性が他のライムシリーズに比べていくぶん少ない進行で物語が展開されます、140年前の事件が絡み合ってきそうでなかなか絡み合わない所も「十二番目のカード」にスリリングさを損なわせている所ではないかと思います、全体的に謎や不可解な事が多すぎて面白くない!・・・と上巻だけ読んで思うでしょう。しかし下巻に突入し特に後半部分に差し掛かった時には読者はディーヴァーのどんでん返しに夢中にさせられている事と思います。事件の動機が二転三転どんでん返しされる度に読者は、そう来るか!と唸る事になる、まさか140年前の事件がそういった具合に絡んでくるなんて、こんな計算が出来上がっていたんだと素直に驚く事になるでしょう。動機の面白いミステリは読んでいるだけで楽しい。

アメリカ文学の宿命とも言うべき人種差別(特に黒人差別)を取り扱う作品なだけに果たしてどんな作風に仕上がるのだろうかと最初は不安だったのだけど、流石はディーヴァーでした、残虐非道な事件とは対照的に希望や未来に満ちた志向を与えてくれる数々の人生の教訓や価値観を与えられたような印象を受けます。悲劇を乗り越え生を渇望したライムが発する言葉の数々は読者の胸を打つ、ライムシリーズの素晴らしい点をまた一つ見つけたような気がします。



12番目のカード〈上〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
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12番目のカード〈下〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋
売り上げランキング: 39,710

ニューヨークの音楽学校で殺人事件が発生、犯人は人質を取ってホールに立てこもる。警官隊が出入り口を封鎖するなか、ホールから銃声が。しかし、ドアを破って踏み込むと、犯人も人質も消えていた…。ライムとサックスは、犯人にマジックの修業経験があることを察知して、イリュージョニスト見習いの女性に協力を要請する。


超一流イリュージョニストの“魔術師”は早変わり、脱出劇などの手法を駆使して、次々と恐ろしい殺人を重ねていく。ライムたちは、ついに犯人の本名を突き止めるが、ショーの新たな演目はすでに幕を開けていた―「これまでの作品のなかで最高の“どんでん返し度”を誇る」と著者が豪語する、傑作ミステリ。


内容「BOOK」データベースより


ジェフリー・ディーヴァーが贈る最高傑作リンカーン・ライムシリーズ第五弾「魔術師」(イリュージョニスト)。第一の専門はイリュージョン、年齢国籍性別を問わない早変わり変装、被害者や警察の目を欺くための物理的誤導(注意をそらし)と心理的誤導(疑いをそらす)を駆使し演目に見立てた凶悪な殺人を繰り返す犯人、ライムは専門的な見地からアプローチをとイリュージョニスト見習いカーラを捜査に加えるのだが・・・最後の最後まで予測不可能な物語と千変万化する状況はイリュージョンショーそのもの!果たしてライムは犯人の真の目的に辿りつく事が出来るのだろうか!?天才VS魔術師のショータイムが始まる。

多くの読者が感じた事は、作中に様々な凄腕の魔術師(イリュージョニスト)が登場するのだけれども本当の魔術師はジェフリー・ディーヴァーその人だという事ではないだろうか?大掛かりな装置や音響といった場の空間を制圧し観客を魅了する事がイリュージョニストであるならば、活字と読者の想像力のみで文字通りイリュージョンを行なっているのだから作者が如何に凄い人物であるかは言うまでもない。確かにあとがきにあるように“どんでん返し”に拘り過ぎであるといった指摘は的外れではないと感じる、犯人の最終的な目的から考えて過剰すぎる殺人演出はどうなの?と感じた人も多いかもしれないが・・・ライムシリーズは今作第五弾なのである、ディーヴァーの“どんでん返し”の腕を既に経験した読者が今作を読むので一筋縄でいかない物語を構成しなければならない使命を帯びた作品なのである。そんなハードルの高いシリーズ作品にも関わらず読者がワクワクどきどきしながら“どんでん返し”展開を楽しめるのだからやはり作者は凄い。犯人の特技の一つである誤導だが、本書において一番誤導の被害者となるのは読者自身であるといっても過言ではないだろう・・・今作品は特に犯人の最終目的が不明な点が最大のミステリといえる、私のようなミステリ経験が少ない読者はあっという間にミスリードの術中にはまって間違った推理を得意気に披露してしまうだろう、今回こそ読めた!と思ったのが大失敗。ディーヴァーの作品は一瞬たりとも気を抜いてはならない。息もつかせぬタイムリミットサスペンスにどんでん返しの数々は健在。

さて、本書におけるキーとなる登場人物は捜査協力者でもあるイリュージョニスト見習いカーラの存在だろうと思われる、イリュージョンの豊富な知識の提供はもちろん捜査にも率先して参加する彼女なのだが・・・最初から最後まで目の話せない登場人物であるとだけ言っておこう。ジェフリー・ディーヴァーはイリュージョンショーを見て感動し本書を執筆したとの事であるが、構成力はもちろん自らが描きたい作品を創作する技術が高くなくてはこうも良質の作品を連発出来ないのではないだろうか?まるでショーを見ているかの様な作品に読者は魅了され感動する事になるだろう、秀逸な作品である。



魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋
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魔術師(イリュージョニスト)〈下〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
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