社長一年生 -28ページ目

社長一年生 第七十三話



大きな夢を見る奴は腐るほどいる

なんと自分に優しい現実逃避だ



同じく大きな夢を語る奴も

今の状況に言い訳する為に夢を語っているのだろうか



皆そこから始まる
そして皆が成功者の予備軍となる


でも失敗を恐れて諦める


他人に批判され諦めてしまう


そうゆう人間もまた腐るほどいるのだろう


失敗を恐れ諦める奴はどんなに優れていても夢を叶える才能はない


一部の例外を除き成人を過ぎてから見る夢はきっと叶う


僕の場合、失敗とは負債を出す事や大失態をおかす事ではない


失敗とは諦める事だ


成功するまで諦めなければ失敗はないと信じている


これまで大いに歓喜し大いに落胆した


それでもビジネスを諦めた事は一度もなかった


気付けば昔の夢は追い越していた


今はもう次の夢を追いかけている

社長一年生 第七十二話


最近お酒を飲んで酔い潰れる事がなくなった



少しは大人になったんだろう



酒の弱い自分の限度を超えないようになった




反面、大人になっていく自分に脱力感さえ覚える



百万単位の数字を扱っていると一万円札のありがたみも忘れてしまいそうになる



全てを投げ出したい



俺を解放してくれ



ほんの一日でいい



仕事を全く考える事のない真実の休日をおくれ



近代的な物は何もない原始の国へ俺を連れだしておくれ


土日でも無理なんだ


無理なんだ


この家に住んでいると…

PCやケータイが目に入ると…

大都会のビル群がある限り…

俺はどうしても仕事の事を考えてしまう


地位も金も資産も投げ捨てて逃げてしまえば楽になるのだろうか


今の俺にはこの世界から逃げ出す勇気さえもない

社長一年生 第七十一話



これまでの人生以上の歓喜や感動はこれからあるのか


初めて女の子とキスした中一の夜


暴走と非行に明け暮れた青春時代


海とナンパに心を奪われた18の夏


初めて買った高級外車


最初の店では先輩にタメグチで一日でクビになった夜の世界


昼まで開けてたボーイズバー


会社の面接に受かったあの日


ビッグさに感動した大都会の全て


仕事で挫折し夜の大都会を眺めた事


後に売り上げが一番になった亊


無理して引っ越した新築の3LDK


あの時のような感動は今はない


会社を設立した日だって何の感動もなかった


これが大人かと思うとウンザリする


これから先、30代40代と迎える度にさらに大人になるのだろう


俺にとって何が正しくて何が間違いなのかわからなくなる


あの日々のように本能のまま生きられるなら幸せだ


現実を知り大人になり理性を持てばそれは難しいだろう


幸せとは金では買えないし金では到底繕えない


過去の思い出が云わずともそう教えてくれる