>企画盤

>タイトル:Sugarless Ⅲ

>アーティスト:スガシカオ

>リリース日:2021年 12月 22日

>記事作成日:2022年 1月 20日






聴きました!


節目節目にリリースされる、スガさんの『Sugarless』シリーズ。ちなみに前回の『』は独立直前でしたねぇ。

今回も、新曲からアルバム未収録曲から提供曲のセルフカバーまで、盛りだくさんの内容でした!




『トワイライト★トワイライト』

ファンキー最高潮の曲からスタート。独立以後のスガさんの配信シングルシリーズは、アルバムの“文脈”とは全然別のところで音が鳴ってる感じが強くて(まぁだからこそアルバムには収録されていないんでしょうけど)、だから面白いんですよねぇ。この曲も、まさにそういう感じ。


『10月のバースデー』

新曲。本作中で、一番好きな曲かも。温もりと優しさのあるアコースティックサウンドが、だけどなんとも言えない寂寞感や感傷みたいなものを伴って耳に入ってくるものだから、胸がキュッと締め付けられる感じがするのです。過去作『Happy Birthday』同様、バースデーと名のつく曲なのにハッピー感無し(笑)

飾り気が少なくアナログ感の強いサウンドには、“Hitori Sugar”感があって。『Acoustic Soul 2』に入っていてもおかしくない感じ。アダルティな雰囲気が、凄く好き。


『Music Train〜春の魔術師〜』

FM802のキャンペーンソングの、ソロver.(セルフカバーver.)ですね。そもそもが春のキャンペーンなので、さわやかで前向きなポップソングというのは必須要件なのかな?とは思いますが…スガさんの普段のソロ作とはかなり毛色の異なる、爽やかさマシマシの曲(笑) 個性の強い本作の中で聴くと、その特異性が際立っている。

ちなみに…この曲のオリジナルのほう、Mr.Children桜井さんが招聘されても良かったのになぁと今でも思う(それを言ったら、『春の歌』にはスガさんが招聘されるべきだと思ってますが)。


『もういいよ』

新曲②。別に「『Sugarless』シリーズだからこういう作風で」とか意識してるとは思わないけど、ぼくの中ではこの曲みたいな曲調は凄く“『Sugarless』感強め”。低刺激なアレンジで、滋味深くて、でも細かなトゲがある感じ。スガさん初期の作風に近いとも言えるのかもしれない。


『JOKER』

新曲③。ブラックコーヒーみたいな奥深い味わいの曲の次は、コーラみたいに刺激的な曲。でも、あくまでも、ちょいと前に流行りかけ(て結局流行らなかっ)た“クラフトコーラ”みたいな、独特のクセが強いコーラですけどね(何の話だ)。


『雨ノチ晴レ』

配信シングル。まさに『雨ノチ晴レ』な感じの曲。ちょっと憂鬱で重みのあるバースから、雲が切れて光が差すような爽やかなメロディのサビへ。スガさんの数多ある楽曲の中でも、美しさは群を抜いてる気がします。

そしてね…歌詞が沁みる。半分は傷口の塩水みたいに痛みを伴って、もう半分はカラカラに乾いた喉に流し込む水のように、全く違う感触の“しみる”が同時に迫ってくる。


『ハッピーストライク』

こちらも配信シングル。ファンキーでドライで少しチャラい(笑)、作品やメディアを通じて感じられるスガさんの人柄がそのまま曲になった感じ。物凄く軽いサウンドに、跳ねるアレンジに、ほんのり苦味もある歌詞。そしてゴキゲンなボーカル。


『ヒカルカケラ』

リトグリさんへの提供曲のセルフカバーだそうな。ぼくはリトグリver.を聴いた事が無いんだけど…歌詞こそ女性的な雰囲気がありつつ、メロとアレンジ的には物凄く“スガシカオ感”強し。このメロ、スガさん以外で歌いこなせる人居るのか⁉︎って思っちゃうけど…そういう意味で、リトグリver.も聴いてみたくなった。

凄く凝ってるんだけど分かりやすい派手さとは無縁のメロディライン。うまくやらないと野暮ったく聴こえちゃいそうな気がするけど、さすがスガさんはうまくやっている(笑)


『心の防弾チョッキ』

新曲④。

ナイーブなのにトゲトゲしい。平気な口ぶりで女々しい。サバサバした表現で陰湿(褒め言葉)。なんというか、スガ節炸裂ですよね。この感じ、大好きですわ。この湿度感を味わう為にスガシカオを聴き続けてるといっても過言ではない。最高。


ぼくの街に遊びにきてよ

“スガシカオ×小林武史”名義。小林Pが何年か続けている、コラボ企画の一環の曲ですね。小林Pの、流麗で透明感があり、でも実際のところは指が攣るんじゃねーかってくらいに手数の多いピアノが印象的。スガさんの、毒々しくないほうの持ち味が炸裂している、とにかく美しいバラードですね。


『Real Face』

既にセルフカバー済みのこの曲を、今回改めて。今回は、作曲者であるB'z松本さんがプロデュースとの事。なんちゅーか…笑っちゃうほどにB'z(笑) 鉛の球を腹に投げ込まれたみたいな重厚なサウンド。そして、これでもかってくらいに濃ゆいアレンジ。ある意味で聴き手を一切信用していないような…「こんぐらい詰め込まないと、どうせ満足しないんだろう?」って感じの濃さ。

総じて、「メタルバンドの曲かな?」って感じ。相当にクセの強いスガさんのボーカルも、B'zサウンドの前では若干華奢に感じてしまう…。スガさんのアルバムで、スガさんが歌ってるのに、B'zの曲。


『Progress』

ラストは、kokuaの名曲をリレコーディングしたもの。

アレンジはそのままなのに、重厚感が増してる。オリジナルは、抜けの良い開放型ヘッドフォンで聴いてる感じだったけど、今回のテイクは低音がウリの密閉型ヘッドフォンで聴いてる感じがする。カジュアルに聴きたいならオリジナルでしょうし、ガツンとヤラレたいならこっちでしょうな。

でも、その割に、ストリングスの存在感もあるんですよねぇ。ボーカルラインに対するカウンターラインが“強く”て、好き(ぼくは小林武史P大好きなので、カウンターラインの主張が強いアレンジが大好物なんですよね)。



そんな、計12曲。


このシリーズならではの、“アルバムとしての統一感”が無い感じが凄く良かった。“縦糸”となるコンセプトとか方向性とかというのが無い分、一曲一曲が際立って聴こえる。粒揃い感というか。気軽に聴けるのに、聴き応えは充分。

少し前の、B'zとのミスチルのツーマンというのも衝撃的なトピックだったけれども、その両者と作品作りをした経験を持つスガさんというのもこれまたかなり衝撃的な存在。






お気に入りは、

#02 『10月のバースデー』

#04 『もういいよ』

#06 『雨ノチ晴レ』

#08 『ヒカルカケラ』

#09 『心の防弾チョッキ』






この作品が好きなら、

・『黒盤』/斉藤和義

・『thanks to』/さかいゆう

・『リトルメロディ』/七尾旅人

などもいかがでしょうか。






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