>プライベートCD
>タイトル:Acoustic Soul 2
>アーティスト:スガシカオ
>リリース日:2020年 2月 25日
>記事作成日:2020年 3月 23日





聴きました!

新型コロナでの自粛が始まるか始まらないかの時期に行ったヒトリシュガー(現に、ぼくが行った翌日分から中止になったようです)。その物販(プラス通販)でのみリリースされた、本作。店頭販売も配信もないとの事で。そういう意味で「ヒトリシュガーの思い出」として記念になる作品のはずだったんだけど…この作品を手に入れた時期から続々とライブが中止になって、3月だけで3つのライブに行けなくなって。だからなんか、本作が自分の中で「コロナ騒動のリマインダー」みたいなものになってしまっていて…中々聴く気になれなかったんですよねぇ。
でもやっぱり、もちろんスガさんには1ミクロンの非も無いし、本作に収録された各曲には尚更非が無いわけなので、聴く事にしました。



『発芽』
“プライベートCD”と銘打たれているだけあって、とてもミニマムにまとまった雰囲気のある曲。かといって「パンチが弱い」とか「小ぢんまりしてる」という事ではなくて…「派手さは無いけど奥深い味わい」という事ですね。エレピが軽やかで、ギターは滋味深くて、穏やかでゆったりとした曲。メジャー流通してるスガシカオが刺激的で濃厚な味わいの缶コーヒーだとしたら、この曲はペーパードリップしたブラックコーヒー的な感触。それをククサなんかでウッディな香りまじりに飲みたいな(なんの話だ 笑)。

『1+1』
アコギの音色とフレンドリーなボーカルラインとが可愛い、ポップな曲。アルペジオが柔らかに弾けて、心が軽くなる。いやぁ、ほんと、社会全体がキリキリギスギスしている今だからこそ、沁みてくる…。ぼくは、防御効果は無いとされているのでマスクの常用はしてないし、もちろんティッシュやキッチンペーパーの買い占め列にも並ばないし、福祉系なので仕事も普段とまったく変わらないカタチでやってる(相手がいるのでテレワークなんて物理的に不可能)。だから感覚的には“変わらない毎日”を過ごしてるつもりなんだけど、この曲を聴いた途端に、「あ、疲れてるのかもしれないな」って思ったんです。可愛らしいけれども派手さは無いアコースティックサウンドは、普段のぼくならもしかしたら「ちょっと地味かなー」で終わってた可能性があって…それがこんなに沁みてくるってのは「普通じゃないんだな」って。
でも、端々で、それこそ今のこの社会情勢を歌ってるんじゃないかなってドキッとする歌詞があって、なんか面白い。「ねぇ神様 みんなの事ちゃんと見えてますか? どれくらい平等に 僕らの願い叶いますか?」。

『ヤグルトさんの唄』
正直スガさんって、生活感の無さが特徴のひとつだと思うんです(笑) 生臭い程に生々しい歌詞はあれど、“スガシカオという男の私生活”が見える曲ってのは皆無じゃないですか? そんなスガシカオ作品の中で、この曲は言わば「異質」。スガさん…というよりも菅止戈男さんが、その声帯と6弦とで手紙を読んでいるような、そんな曲。
一方で、ここで描かれるヤグルトさん(=母上)への想いってのは、老いた親を持つ子どもにとっては共通するものでもあると感じて。ぼくは親との折り合いがあまり良くないんだけれども、それでも、親の事を想わずには居られなくなります。

『ぼくの街に遊びにきてよ(Acoustic ver.)』
小林武史Pとの共作曲の、アコースティックバージョン。オリジナルはストリングスとピアノが美しい雄大な曲でしたが、今回のこちらのバージョンはアコギの音色が気さくな等身大の曲。オリジナルが日本地図だとしたら、こちらは町内会の戸別地図くらいの縮尺。
ぼく、小林Pの作品が大っ好きで、もはや崇拝していると言っても過言ではないんだけれども…この曲に関しては、こっちのバージョンのほうが数段好きでした…なんかごめんなさい(笑) スガさんの倍音マシマシなボーカルはとてもしなやかで、優しいタッチのアルペジオはどこまでも軽やか。穏やかな曲調は、新緑の季節の木漏れ日のよう。心が洗われていく…心の黒い部分が蒸発していく…黒いところしかないぼくは、消えて無くなるかもしれないけど(笑) 多分、塩より強力なお清め作用あり。



そんな、計4曲。



お気に入りは、
#01 『発芽』
#02 『1+1』
#03 『ヤグルトさんの唄』
#04 『ぼくの街に遊びにきてよ(Acoustic ver.)』





この作品が好きなら、
・『エンドロール EP』/秦基博
・『ステレオ』/山崎まさよし
・『魔法のバスに乗って』/曽我部恵一BAND
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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