>オリジナルフルアルバム
>タイトル:Topics
>アーティスト:My Little Lover
>リリース日:2001年 5月 16日
>記事作成日:2021年 4月 16日





久しぶりに聴きました!

音楽家・小林武史を知るぞ!シリーズ。その⑭。
久しぶりのヤツ。今回は、いっときは小林P的に“ミスチルとの両輪”的な感じであったマイラバの、こちらの作品を。

これ、akkoさんの産休明けの第一弾なんですよね。ギター・藤井謙二さんが在籍した最後のアルバムでもあったはず。
今思えば、“いわゆるマイラバ”というのは、この作品までだったような気もします。



『Topics』
身近なところから世界を見るという視点では、小林Pのソロ作『Duality』収録の『Looking For America From The Kitchen』辺りから変わらないですね。小林Pの根っこの部分が垣間見えます。
終始エレピとストリングスがもの静かに鳴る、シンプルな味わいの曲。アルバムの“顔”である一曲目がこれでいいのかな?と余計な心配をしてしまいかねない程ですが、この曲で始まってこそこのアルバムなのかな?という気もします。

『新しい愛のかたち』
この曲はなんか、産休直前の作品『NEW ADVENTURE』の流れを汲んでいるように聴こえます。ギターの音はエッジ鋭くて、でも曲全体の雰囲気としてはどこか底の見えない奥深さというか、夜の闇みたいなものを感じさせるテイストが。あの頃よりもアクティブな雰囲気ではあるけど、どこか通じるものがある気がします。
シングルのカップリングとして初めて聴いた当時は今ひとつピンと来なかったけど、今回改めて聴いたらめっちゃかっこいい曲じゃないですか! 数十年のタイムラグを経て、どハマりしました。

『未来ボリビア』
こちらは、『PRESENTS』の辺りを彷彿とさせるような、もうどこをどう切り取ったってキャッチーで瑞々しくて爽やかな曲。歌詞の意味なんか、正直今でも半分解ってるかどうか…ってくらいなんだけど(笑)、アレンジとサウンドだけでも存分に楽しめる曲。

『日傘〜japanese beauty〜』
なんというか…フツーにいい曲ですよね。しかしながら、それまでのマイラバとはちょっとテイストが違うかな?という気もします。アレンジとかっていうのではなく、歌詞の面で。
例えばこの2020年、「日本の」とか「日本人の」とかのアイデンティティみたいなものを多くの人が意識するような機運が出てきた今であれば、この歌詞はもっとマスにヒットしたような気はします。これがシングルとして出た2001年当時には、この歌詞はちょっと先進的過ぎたかもしれないですねぇ。

『赤いグライダー』
『白いカイト』へのアンサーソングなんですね。『赤いグライダー』と『白いカイト』…あからさま過ぎる程にあからさまな対比なんだけれども、当時ガキンチョのぼくはそんな事にすら気付かず(笑) 単純に「いい曲だなぁ」って。
ほんと、今でも大好きです。とにかく、メロディがいいんですよね。そして、アレンジも良い。あと、演奏も素晴らしいし歌詞も素敵。つまり、全部良いんだ(笑) 全てがぼくのストライクゾーン。
やっぱ、謙兄のギターは素晴らしいよなぁ。

『アスプレイ〜晴れた日の空に〜』
ギタリストとしてだけでなく、コンポーザーとしての謙兄の才能も堪能出来るのがこのアルバムの特色。この曲は謙兄作曲。
小林Pが、他者の曲に歌詞を付けるのって、かなりレアケースなんじゃないかな。メロディが最も映える言葉が乗っている気がして、小林Pの気遣いも感じられる曲です。

『BABEL'S TOWER』
謙兄曲が続きます。本作の中でも、アレンジ的にかなり異色の曲。切れ味の鋭いアコギと、野太いリズム隊と。
ヴァースはサイケデリックでトリッキー、でもサビは一気に抜けるように爽快なポップへ。その経過を追うのがなんとも気持ち良いのです。

『Like an onion』
正直、このアルバムが出た当初、一番印象が薄い曲だったかもしれない(笑) 当時、この曲を聴いてどう感じたのかがまったく思い出せない。でも、今回聴いてみたら、すげー良かった! いや、びっくり。もしかしたら当時の記憶が無い分新鮮に聴けたって事なのかもしれないけど。
メロディ的にもアレンジ的にも、わりとさらりとしてると思うんです(だからこそ当時あんまり記憶に残らなかったのかと)。でも、マイラバがたまに見せる“普通のOL感”みたいなものが出ていて、それが凄く好き。肩肘張らずに聴ける気楽さが良いのかもしれない。

『午後の曳航』
反対に、当時もの凄く「なんだこの曲!!!」と衝撃を受けたのがこの曲。いくらアルバム曲とは言え、あまりにも独特なタイム感過ぎやしないか?と(笑) ほんと、午後の曳航ですよ。遠〜〜〜くからそれを見てる感じ。止まってんだか動いてんだか分からない速度で進む船を眺めるような、そんな曲。
穏やかな午後…しかも、秋の少し切ない空気が漂う時期が良いでしょうね…そんなタイミングで聴きたい曲。

『Shooting star〜シューティングスター〜』
この曲もまた、『NEW ADVENTURE』の雰囲気を引き継いでる感じがしますね。そう考えると、復帰第一弾シングル(この曲と、カップリングに『新しい愛のかたち』)は、活動休止前の雰囲気を彷彿とさせるものだったんだなぁ。
これもまた、当時は今ひとつピンと来なかった曲。「マイラバは『ALICE』か『Hello, Again』でしょう」みたいなガキンチョには、この曲は渋過ぎた(笑) でも例によって、今回聴いたら超かっこよかった〜!

『アシタ』
これもまた、ゆ〜ったりとした曲。この辺の引き出しが、『Organic』に繋がり『acoakko』に繋がって行ったのかなぁ〜なんて、勝手に思っております。

『その問題』
遊び心でいっぱいの曲。akkoさんのボーカルが凄くユーモラスで、歌詞のいい感じの軽薄さをいい感じに表現している。
珍しく、akkoさん以外のコーラスが入っているのも特徴的ですね。しかも、ブラックミュージック的な、太いコーラス。
サウンドも、いい感じに野太くて、でも聴きやすくて。小気味の良い曲ですね。

『A wonderful life』
可愛らしい曲でシメですね。
evergreen』から『NEW ADVENTURE』までのアルバムは、アルバムごとにカラーがあるような感じでしたが、本作は一曲一曲に独立したカラーがある感じで。そのような個性的な曲がいっぱい詰まったアルバムの中で、この曲が最も“素のakkoさん”に近い雰囲気が出てる曲なんじゃないかなぁと感じるのです。気張らず、凄くフラットな印象を受ける曲。



そんな、計13曲。

今聴いても、一切色褪せていない素晴らしい曲がたち。
なんたって、謙兄のギターの存在感ね。この作品を聴いていた当時は謙兄のギターが“あって当たり前”だったので、正直殆ど気にしていなかったのですが…これ以降のマイラバ作品を聴いた時に感じる物足りなさの大部分は、謙兄のギターが無い事によるものなんだなぁと、本作を聴いて思う。
小林Pのアレンジも、非常にバランスが取れてると思いました。大概、もっとピアノやストリングスを重視した繊細なものか、逆にデジタルサウンドをダイナミックに取り入れた鋭角なもののどちらかが多いですが…ちょうど良いバランスで、バンドサウンドを堪能出来るのが本作。この時期のライラバか、ツアーにも帯同していた時期のミスチルか…その辺りが一番小林Pのバランスが良かったような気がします。

近年は、マイラバも音源を出さなくなってしまいましたが…時々で良いので、小林Pの絡んだマイラバの新譜を聴きたいものです。





お気に入りは、
#01 『Topics』
#02 『新しい愛のかたち』
#03 『未来ボリビア』
#05 『赤いグライダー』
#06 『アスプレイ〜晴れた日の空に〜』
#08 『Like an onion』
#10 『Shooting star〜シューティングスター〜』
#12 『その問題』
#13 『A wonderful life』





この作品が好きなら、
・『Crispy Park』/Every Little Thing
・『THE LOVE ROCKS』/DREAMS COME TRUE
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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