今はROLAND Blues Cube はHotとArtistを使用しています。
軽量で音が良く、私にとって救世主のようなギター・アンプです。
以下に主観ながら使用感をまとめてみます。
●Blues cube Guitar amplifier
★Blues cube オリジナルサウンド(トーンカプセル未使用):6L6GC 管 Fender Blackface twin reverb等
新品の耳に痛い音ではなくヘタッた柔らかな音を再現しているように感じます。
故に音が柔らかく音圧のあるバンドでは若干埋もれ気味に感じました。
トリオのジャズ、ブルース、静かめなバンドにマッチしそうです。
オリジナル自体アナログ感を感じられ、ふくよかな味わいのある音で、これだけでも十分に使いやすく良い音です。
★HOTは40Wながら意外に音量が大きく凡庸性も高いことから自宅用やセッションで使用しています。
音はヘッドルームの差かArtistよりも平面的でブーストchはミドルゲインOD程度によく歪み、ペダルライクと言いますか、ペダル程硬くは無く、音抜けの良い使いやすい歪みだと思います。細かな好みを求めなければ実用面で十分に及第点です。
Artistより平面的で音圧は劣りますが、音抜けはStageより良く、バンドで聴こえないということはありません。
少し前までビッグバンドでも使用して合格点でした。
静か目のバンドの方が間違いないのは確かで、フットワークの良さは最高です。
ペダルは不要なレベルで良い音ではありますが、フットスイッチでブースト(クランチ〜OD)chとクリーンchを切り替えられるとは言え、ツマミが共有なため歪みとクリーンを使い分けたい場合はペダルがあった方が良いです。
★Artistは当然ながらHOTよりも音量、音圧、帯域のバランス、奥行きや立体感など、あらゆる面で優っています。
歪みはローゲインOD程度でHOTほどの歪みは得られませんがアンプらしいナチュラルな心地良い歪みが得られます。
クリーンと歪みMIXも好みで、高価なブティック系ペダルも不要になります。
トーンカプセルまで買うともう言うことなしです。
と書きつつ興味のあるペダルは買ってしまいます(笑)
重量は16Kg程で男性なら片手でそれ程苦もなく持ち運びすることが出来ます。
もう少し小さく軽量であればとは思いますが音質にも関わると思いますし、それ以外に全く不満はなく、むしろ素晴らしいアンプです。
●他アンプとの比較
★NextoneはStageとSpecialを使っていた時期があります。
その名の通り次世代を意識したアンプのため、これがNextoneの音というのは難しいです。
デフォルトの音はシャープでタイト、ジャキジャキな音です。
PCを使えばコンプからメタルハイゲインまでプリ部に10種類ほどの音を選ぶことができ、ヘッドルームの影響かどれもコンパクト以上の音質に感じました。
正直、ツマミで選べる方が便利ですが、ステージは割り切って選び、Specialにはプリセットがあります。
★ジャズギター用のアンプとして有名なDV MARK JAZZ 12はBC HOTより音量が稼げずビッグバンドでは音量不足だったため断念しました。
JAZZ 12の音自体はYouTubeなどで聴くよりもキレイな音でコンプ感もあり、アン直でジャズやセッションなどに最適です。
★HOTとよく比較されるBlues Junior は、自宅では音量が大き過ぎ、小さな音も出せますがボリュームが急激に大きくなるためツマミを回すのに神経を使い、小さな音では真空管アンプである必要もなく、バンドでは音量不足で歪んでしまい、音抜けもBCより良くなかったため、比較の対象にならないというのが正直な感想です。
背面から見える真空管には萌えるので可能であれば使いたかったのですが、肝心なバンドで音量不足のため致し方ありません。
ロックバンドやビッグバンドでは音量音圧不足で柔らかい音故に音抜けも良くありませんが、そのかわりジャズやセッションでは問題なく使えるため、用途を間違えなければ良いアンプです。
★Henriksen the blu sixもビッグバンドではモニターとしても聴こえませんでした。
ビッグバンドで使っている動画も見たことがあるため、モニターとしてはイスやアンプスタンドを使用し、外音はPA必須かと思われます。
それと値段からかなり音質にも期待しましたが、Blues cubeやDV MARK、その他のアンプと比較してキャラの違いこそあれ、音質面において差はないように感じました。
帯域などの違いはありますが、それは各アンプにある程度の差です。
ボーカルなども使えるシリーズもあり、そちらは差別化出来ていて実用的だと思います。
★JAZZ 12, BJ, the blu 6は静かなネオソウルやジャズブルースであれば使われているギタリストもおられるので、その様なジャンル限定では音が好みであれば持ち運びの面からみてもお勧めです。
★Fender custom pro reverbは、BC Artistと比較出来るサイズと重量です。
音は高域と低域が強くスウィートスポットで鳴らすのは難しいです。
スピーカーを変えるかEQを使った方が良いかも知れません。
Hot Rod Deluxe や Devilなどもありましたがとにかく重く、自分で運ぶと会場によっては演奏前に手がプルプルして演奏に支障が…(笑)
これ以上のアンプでBC Artistと比較出来る音質となると重量20Kgは余裕で超えてしまい、値段も数十万になってくるため比較の対象にはならないと思いました。
●BCの評価と開発経緯について思うこと
レビューなどでは真空管とは違う等の真空管信者さんの意見もチラホラ見かけますが、真空管アンプ自体個体差もあれば製造時期による違い、同じ真空管を使用しても評価されないアンプが無数にあるにも関わらず、何を以って真空管とは違う等と書いているのか?エリック・ジョンソン以上に耳やセンスが良いとでも言いたいのか?Roland社よりも多くのフィードバックが得られる数多くのアンプ等を研究検証ができるのか?とても疑問で、ご本人が所有する自慢の真空管アンプでどれだけ素晴らしい音を出されているのか聴かせて頂きたいものです。
Blues cubeというアンプを作るに当たって、当然ながら当たり個体などの美味しい部分の研究検証をし、チューブアンプの問題点を補い、現代でも使いやすい音に仕上げているはずです。
何よりRoland社とEric Johnson(エリック・ジョンソン)氏と共同開発でエリック氏が何度も試行錯誤をした末に完成したと言われています。
とはいえ音は完全に感性や好みの世界で、彼の音を全ての人が好きというわけではありませんが、少なくとも世界的に評価されているギタリストが開発に協力した事実、また様々なアーティストと交流がありプロのフィードバックが得られ数多くのアンプを研究できるRoland社は、アマチュアの感性や好みによるレビューより信用でき、先入観感や思い込みなどのプラシーボに囚われない一般の人にとって良い音に感じられる確率は高いはずです。
ただしギタリストとしてのロマンとしてチューブアンプが好まれるのは分かります。
Fenderのビンテージ・チューブアンプなんかを2〜3台所有して、メンテなど出しつつローテーションしてでも使いたいという気持ちが全くないわけではありませんし、やってみたいですが、今、そこまでしたいとも思えず、十分にBlues cubeの良い音でライブやコンサートを楽しめています。
どんな音量でも安定して良い音を出せるBlues cubeは、私の使用環境では安定したサウンドメイクができ、運搬も負担にならないなど、総合的にチューブアンプに優っているため使用し続けているわけです。
●Tone Capsule(トーン・カプセル)
Blues cubeには著名ギタリストがカスタムしたTone Capsuleというモディファイ・ユニットがあり、著名ギタリストのサウンドをシュミレートしたり、様々な真空管をシュミレートしています。
私は以下の3つを使い分けています。
BC TC-UB Ultimate Blues
BC TC-NY New York Blues
BC TC-SC Sparkle Clean
それぞれ主観ながら使用感をまとめてみます。
★UBは6V6管の小型Blackfaceアンプをクランクアップさせた粘りのあるサウンドを、本来は得られない余裕のあるヘッドルームで楽しむことが出来るとのこと。
小型アンプを意識している為かオリジナル(トーンカプセル不使用)含め唯一ローカットされいます。不要なローが抑えられ、バンドアンサンブルでの馴染みの良さと音抜けの良さが実現されていて凡庸性が高く、個人的に最も使いやすいと感じました。
web上のレビューでローゲインオーバードライブが不要になったと書かれている方がいましたが、まさにローゲインOD不要になります。
ブティック系ペダル含め300個程使って来ましたが、ヘッドルームの差なのか詳しいことは分かりませんが高価なペダルよりも良い音です。
特にちょっとしたセッションや軽い音合わせの練習などではギターとアンプだけで十分です。
★NYはEL84管 VOX AC30とのことで、クリスピーながら音圧も感じられ、3-4人のオールドロック、ロックなどに最適だと思います。
音圧があるためビッグバンドなど管楽器とのアンサンブルではバリトン・サックスやトロンボーンなど低域を邪魔してしまい(軽くくってしまえるほど)、EQで低域をカットする必要があり、上記のような小編成のロック系バンドに適していると感じました。
★SCはクリーントーンに特化しており、ハイとローを少し上げ気味のフラットに近い印象です。
バッキングやナチュラルな音を必要とするジャンルにマッチします。
伸びやかな高域は他のトーンカプセルでは得られない特徴でフュージョンなど、管楽器とのアンサンブルが美しくまさにな音でした。
バンドにキーボードやリードギターがいるならSCは他の楽器を邪魔せずに控えめに聴こえるアルペジオやバッキングは得意です。
音圧のあるバンドでリードを弾く場合は別にODやブースターが必要になりますが、NYとUBは若干ミドルに味付けがあるため良くも悪くもクリーンchでもギターの美味しい音が出てしまうため、キレイなクリーンを意識するならSCがお勧めです。
好みのペダルがあるならリードとバッキングのメリハリがつけられるためSCは良い選択になる可能性が高いです。
★トーンカプセルまとめ
トーンカプセルを切り替えられたりチャンネル毎に異なるものを付けられたら便利なのですが、アンプを気分で手軽に変えられる感はあるので、その個性を活かす、楽しむ感じです。
トーンカプセルは初め非常に差しにくいので足の先端の返りに軽くヤスリを当ててやるとスムーズになります(自己責任)。
オリジナルの音だけでも十分ですが、トーンカプセルも楽しいです。
●おわりに
演奏する場所によっては慣れていないアンプでもそれなりの音を作り、オーディエンスに楽しんで頂ける工夫や努力は必要ですが、せっかくなら理想のアンプで最高の音で自分自身も楽しんで演奏したいものです。
と、色々長々と書きましたが、結局のところ音は好みによるところが大きいため、ここまで記したこととは全く異なる感想を持たれる方もおられると思います。
忘備録として、考えや感想をまとめ、その上で少しでも参考になりましたら幸いです。
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