Al CampbellことAlphonso "Al" CampbellはJamaicaはKingstonで牧師の息子として生まれた。そんなわけで幼少時から教会で歌うようになっていた。Prince JammyことLloyd Jamesと同じ学校に通い、10代の頃には友人らとThe ThrillersというVocal Groupを結成して、まだRock Steady全盛の60年代後半にはStudio Oneに出入りするようになり、Recordingも残している。いわばDancehallの第一世代ともいえるSingerの一人である。Campbellは、Freddie McGregorやErnest Wilsonと短期間活動した後、Prince Lincoln ThompsonのRoyal RassesやMighty Cloud Bandでも活動した。The Heptonesのアルバム2枚でもVocalを担当している。 70年代に本格的にソロ活動を開始してPhil PrattやBunny Lee、Joe GibbsがProducerを務め、Lee PerryのBlack Ark Studioで録音するなど一躍人気Singerとなり70年代後半から80年代前半にかけて共演盤を含めて毎年1枚以上のアルバムをリリース(なんと78年は6枚!)し続けていたのだから驚かされる。70年代後半から始まる初期のDancehallとLovers Rockの時代にCampbellの爽やかでクセのないNaturalな歌声は絶妙な取り合わせだったと思われる。さて、本日ご紹介する『Gee Baby』はAl Campbellの1st Solo AlbumでProduceを手掛けたのはRock Steadyの時代から着々と実績を重ねてきたPhil Pratt。ベースにAston "Family Man" Barrett、ドラムスには映画『Rockers』で知られるLeroy "Horsemouth" Wallace、OrganにAnsel Collins、OssieことOswald Hibbert、Electric PianoにLloyd "Gitsy" Willis、Bobby Kalphat、ギターにEarl "Chinna" Smith、Radcliffe "Dougie" Bryanという布陣。Campbellの歌声も魅力的だが、アルバムは2曲を除き、全てCampbellの手によるものでSongwriterとしても有能であったことがよくわかる。
『Gee Baby』はAl Campbellが77年にPhil PrattのLabelからリリースしたアルバム。
アルバム1発目はタイトル曲“Gee Baby”。蕩けてしまうSweetな名曲でアルバムは始まる。
イントロのマッタリしたOrganがイイ味出している“Hide And Seek”。CampbellとChorusとの掛け合いも良き。
哀感漂うCampbellの歌声が絶品の“Going The Wrong Way”。DubのSoundも心地良く響き、この時代のReggaeは、やっぱり最高である。
イントロのピアノのRiffがご機嫌な“Call Me”もピアノとCampbellの哀感を湛えた歌声が素晴らしい。
73年にSingleでリリースした“It's True”もタメのきいたリズム隊をバックに甘美で哀愁に満ちたCampbellのVocalが歌い上げていくのだが、これが実に心地良いのである。
Duetで歌われる74年にSigleでリリースした甘美な名曲“Where Were You”。これも極楽気分で最高ですなあ。
“Suit Yourself”も74年にリリースされたSingleで、伸びやかでクセのないSoulfulなCampbellのVocallが素晴らしい。
73年のSingle“Saving My Love”はマッタリゆったりイイ感じで、こういう曲で抑え気味で歌うCampbellのVocalもご機嫌である。
“When And Where”はSoulfulで切ないCampbellのVocalが絶品。それにしても良い曲書きますなあ。SongwriterとしてもCampbellは才能有りまくりである。
アルバム最後を飾るのは“Over Size Man”。これまた哀感に満ちながら甘美なCampbellのVocalが最高。
◎Gee Baby/Al Campbell
(Hit-C Fiore)