Down To Love Town/The Originals | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 The OriginalsMotownの中にあって派手さこそないが、60年代後半から81年解散するまで、頑張ってきたR&B/Soul Vocal Group。なんといっても73年までMarvin GayeBacking Vocalをしていた彼らは、メンバー4人が遜色なくLead Partをとれるいぶし銀の実力派である。BaritoneのFreddie GormanにTenor/FalsettoのWalter Gaines、そして絶品のTenor C. P. SpencerDebut SingleとなるLeadbellyの“Good Night Irene”のLead Vocalを務め、即脱退したJoe Stubbsに代わって加入したHank Dixon。69年にリリースされたMarvin Gayeが書いた極上のBallad“Baby, I'm for Real”がBillboard Top Black Singles Chart1位に輝き、Pop Singles Chartでも14位を記録した。続いて70年の1月にリリースされた“The Bells”もMarvinが曲を書きProduceした、この込み上げ系のBalladもSoul Singles Chart4位Pop Singles Chart12位を記録するヒットとなった。これが71年にリリースされる名盤中の名盤『What's Going On』のLandmarkとなったことは疑いの余地がない。Marvin Gayeの“Chained”や“Just to Keep You Satisfied”をはじめ、Stevie Wonderの“For Once in My Life”や“Yester-Me, Yester-You, Yesterday”、 Edwin Starrの“War”や“25 Miles”など60年代後半からMotownの数多くのSingerのBacking Vocalを務め、Creditこそないが数えきれないほどのRecordingに参加している。そして72年に独立のため、脱退したC. P. Spencerに代わってGlass HouseTy Hunterという、これまた強力なTenor Singerが加入している。Tyの加入により74年に『Game Called Love』という傑作を生んでいる。そして本作は、低迷していたChartで久しぶりにタイトル曲がDisco/Dance Chart1位、残念ながらSoul Cahrtでは93位だったがPop Chart47位を記録している。そこからわかるようにDiscothequeなアルバムだがBalladの出来が良くTyのSolfulなVocalが楽しめる作品となっている。

 

 『Down To Love Town』はThe Originals77年にリリースしたアルバム。ギターにDavid T. Walker、Ray Parker, Jr.、ドラムスにJames Gadson、 Ed Greene

アルバム1曲目は“Hurry Up And Wait”。James JamersonJames Gadsonのリズム隊にのってDiscothequeにキメる。Stringsが少々気になるもののOpenerとしてはまずまず。

上述のヒット曲“Down To Love Town”。これまたStringsが少々過剰なDiscothequeではあるが、Jeff Porcaroが Alvin Taylorとドラムスを叩いている。SoulfulなVocalとChorusの掛け合いがイイ感じだし、思わず腰が動き出してしまう。

Mike & Brenda Sutton夫婦作の“You Are A Blessing To Me”も高揚感に満ち溢れたDiscotheque。アルバムで一番のお気に入り曲。ここでの洗練されたStringsはイイ感じ。この曲のベースはDavid Shields。Minimalな鍵盤とDavid T. WalkerRay Parker, Jr.のギターの絡みも心地良し。

Mike & Brenda SuttonKathy Wakefield共作の“Call On Your Six Million Dollar Man”もイントロから中々聴かせるDiscothequeDavid ShieldsSlapが炸裂し、切り込むHorn隊とChorusの絡みもカッコイイ。

Mother Nature's Best”はしっとり歌い上げる込み上げ系Ballad。LeardのPartが次々に変わり、ジワジワと盛り上げていくところはさすが。男らしいTyのTenorもご機嫌だが、こういう曲ではFalsettoWalter Gainesがイイ味を出している。

これまたRomanticな必殺のBalladSunrise”。Tyが切々と歌い上げるこの曲もグッとくるものがありますなあ。

最後をシメるのは“Been Decided”。Synthesizerがイイ感じFunkyにキメたご機嫌なナンバーで、TyののびやかなVocalが最高。

(Hit-C Fiore)