Alive and Screamin'/Krokus | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Krokusは以前ご紹介したアルバムもお馬鹿なジャケットが最高だったが、今回も不気味だし趣味も悪いが連中らしいアホ出し感全開で面白い。元々、そこそこ演奏力はあるバンドであったのだが、中々焦点が定まらず、80年代に入ってからの彼らは、AC/DCであったりJudas Priest路線であったりStatus Quoもありの、器用に屈託なく、ええとこどりのバンドとして人気を集めるようになっていったようだ。実は、彼らを注目するきっかけになったのは、なぜか、あのAllan Holdsworth先生が、彼らが86年にリリースしたアルバム『Change Of Address』に1曲だけ参加していたということを知ったことであった。“Long Way from Home”という曲がそれで、アラホ先生がなぜに、ここにいるのか?というような楽曲で驚かされたのだが、ギター・ソロは、あえて速弾きせずにLegato奏法でしっかりアラホ節を聴かせてくれるのであった。そんなわけで同アルバムは手に入れたものの、いつしかレコード棚に隅に追いやられてしまったのであるが、なんと彼らが大好きなCanadaのHard Boogie Band Bachman–Turner Overdrive(以下BTO)の“Stayed Awake All Night”をCoverしているということを知って、おいおいマジかよと再び興味を持ったのであった。それは、83年にリリースされた『Headhunter』というアルバムに収録されていた。こちらは、なんとJudas Priest路線で、おおっと、Rob Halford兄貴がBack Chorusで参加している曲もあったのは驚き。まさかと思って、その前作に当たる『Metal Rendez-vous』を聴くと、こちらは、まんまAC/DCで、個人的には一番ツボであったのだった。そして、このLive Albumである。Krokusは見事なLive Bandであるのがよくわかる。Studio Albumとは全く勢いが違う。上述のBTOのCoverもやっているのであった(こちらはイマイチではあるが)。

 

 『Alive and Screamin'』はKrokusが86年にリリースしたLive Album

大歓声に包まれる中、始まるアルバム1曲目は82年リリースのアルバム『One Vice At A Time』の冒頭を飾る“Long Stick Goes Boom”。まんまAC/DCなんだけど、これは気持ち良いっす。

続いては83年作『Headhunter』から“Eat The Rich”。このRiffで畳みかけていく流れがご機嫌である。ま、これも同作で顕著になるJudas Priest路線ではあるのだが。

Screaming In The Night”は彼らのもう一つの側面である歌い上げる演歌ノリの哀感溢れるBallad

Hot Shot City”はAllan Holdsworth参加(1曲のみだが)で話題になった86年作『Change Of Address』からのナンバーで、この辺はもう完全に80年代のMTVなんかで流れていた音である。

Midnite Maniac”はイントロのギターのRiffがご機嫌で思わずヘドバンかましたくなる。思わず口ずさんでしまうPopでお馬鹿ななサビも最高である84年のアルバム『Blitz』収録曲。

Bedside Radio”は80年のMetal Rendez-vous収録曲でStatus Quoがヒットさせた“Rockin' All Over The World”に影響受けたと思われるガッツリ気合の入ったギターのRiffが最高な男気Boogie。最高!

Lay Me Down”もイントロから炸裂する豪快なギターのRiffが気持ち良いっすな。

なんと上述の大好きなBachman–Turner Overdriveの“Stayed Awake All Night”。豪気にキメてるが、ちょい冗長気味なのが残念。

最後を飾るのは『Headhunter』からタイトル曲“Headhunter”。まんまJudasなのはご愛嬌。

 

Eat The Rich/Krokus

(Hit-C Fiore)