Paulette ReavesはFlorida生まれの実力派女性Soul Singer。Miamiを拠点として活動を開始して、主に70年代後半に活躍していた。76年にMiamiのT.K. Productions傘下のLabel Blue CandleからClarence ReidやClay Cropper Horace、Horace Straws、Nathaniel DeanのProduceでDebut Album『Secret Lover』をリリースしている。なんと当時、日本盤も出ていたりするのだ。しかもタイトルが『不倫の恋』ときたもんだ。ジャケットにはメンチ切ってる、いや、意味ありげな視線でこちらを見つめるPaulette Reavesさん。当時弱冠22歳の期待の女性Singer。それにしても、Millie Jacksonが74年にPolydorからリースした不倫をThemeとしたアルバム『Caught Up』がヒットしたこともあってか、当時は不倫ソングが流行っていたのだろうか?いずれにしても22歳の若さで、そういった歌を歌うのだから恐れ入る。PauletteはアルバムからIsaac Hayesと David Porter作となるMable Johnの“Your Real Good Thing's About To Come To An End”のCoverを7", 45 RPM, Singleで切ってヒットさせている。Florida州Miami出身といえば、自分は、どうしてもBetty Wrightを思い浮かべてしまうのだが、Pauletteは、そういう意味ではMillie Jackson姐さん的な立ち位置を担う若手かと思わせておいて、この2作目である。いきなりジャケットからして1st Albumとは違った感じで、アルバム1発目からしてSingleでもリリースされたオサレJazzy GrooveなClarence Reid作“Jazz Freak”ときたもんだ。この曲のProduceはReidとChocolateclayのGeorge "Chocolate" Perryである。アルバムにはMiami Soulの重要人物Little BeaverやBenny Latimoreも参加しており、前作に続いてClarence Reidが2曲を除いてProduceしており、Stringsが多用されたDiscotiqueなノリが強調されている。個人的な好みは1stではあるが、この2ndも中々捨てがたい。
『All About Love』はPaulette Reavesが77年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目は上述のClarence Reid作の“Jazz Freak”。
Paulette渾身のBallad“God Bless This Man Of Mine”。Clarence ReidとWillie Clarke、Pauletteの共作。
Clarence ReidとM. Diazの共作となる“Flesh”はFunkyなギターのカッティングから始まるイナタいMiami Funk。女性ChorusやStrings、Horn隊、ギターのフレーズががなんとも泥臭くてハマってしまう。
Clarence ReidとPauletteが共作した“It's Hard To Dance (With A Broken Heart)”もMiamiらしいイナタさに満ちたDiscotique。しかしベタっすなあ。
Aretha Franklinの名唱や74年のMarcia GriffithsのCoverでも知られるVan McCoy作の“Sweet Bitter Love”はPauletteが丁寧にじっくりと歌い上げる。
淫靡な囁きと語りから始まるのはWilliam BellのCover“I Forgot To Be Your LOver”。Stringsは少々過剰と思われるが、女性Chorusを従えてジックリ歌い上げるPauletteは悪くない。
同郷のBetty Wright風のカッティングと女性Chorus、Horn隊を従えて始まる“We'll Try It Again”。キモの据わった歌いっぷりもイイ感じ。ここからMiamiを活動拠点とするSongwriter Horace Straws, Jr.とuitarist/Songwriter Nathaniel Deanの共作が2曲続く。Produceもこの2人の手によるもの。
アルバム最後をシメるのは雰囲気タップリのSaxで始まる“You Are My Star”。MellowなバッキングにPauletteのCuteなVocalがバッチリのご機嫌なナンバー。こういう路線でいけば、もう少し人気が出たような気がしないでもない。
(Hit-C Fiore)