Snafuというバンドは英国産の隠れた実力派バンドではないだろうか?とにかくBobby Harrisonの男くさいVocalといい、Micky MoodyのWildなSlideやPete SolleyのHammond、そして重心の低いRhythm Sectionといい、イナタくFunkyで男汁溢れる彼らのサウンドは米国南部への憧れを強く感じさせるが、英国でしか生まれ得ない独特の雰囲気を持ったものだ。Procol Harum~Freedomを経てHarrisonが結成した、このバンドはアルバム3枚を残して解散してしまうがメンツを見ても、後にさまざまなバンドのメンバーとなってSceneで活躍することになるBritish Rockのいぶし銀の名手たちが顔を揃えている。元々はHarrisonがソロ・アルバムを制作する時のSessionに集まったメンバーが元になっている。ギターにTramline~Juicy LucyのSlide Gutarの名手Micky Moody、鍵盤にChris Farlowe & The Thunderbirds~PaladinのHammondの名手Pete Solley、ベースにはSkip Bifferty~Heavy Jelly~Griffin、そしてGinger Baker's Air Force~ Mark-AlmondのColin Gibson、ドラムスにはTramline~McPheeのTerry Poppleといった渋好みの腕利きMusicianが顔を揃えたDebut Album『Snafu』は73年にWWA Recordsからリリースされている。Swampの香りが漂い手堅くも英国人らしい仕掛けや捻りもそこかしこから感じ取れる演奏は個人的にツボど真ん中であった。MandolinやFiddleも飛び出し英国の中の亜米利加な雰囲気ではあるのだが、Funkyなリズム隊やHardなギターが絡んできて、単にそれだけでは終わらせない辺りが面白い。この一筋縄ではいかない感じは続く2nd Album『Situation Normal』、よりFunk指数が上がった最終作となる3rd『All Funked Up』の方が顕著ではあるが、この1st Albumも捨てがたい魅力がある。
『Snafu』はSnafuが73年にリリースしたDebut Album。
アルバム1曲目はエレピで始まる重心の低いFunky Rock“Long Gone”。
イントロからMicky Moodyの泥臭いSlideが炸裂する“Said He The Judge”は、やはりタメのきいたリズム隊が腰にクる。途中からTempo UpしてSlideが唸りを上げるところが最高。典型的なBritish Swampに仕上がっている。
Solleyが弾くFiddleが意表を突く“Monday Morning”はMoodyが弾くMandolinと共に田舎ののんびりした風景が浮かび上がるがマッタリContryに加えて、後半英国のTradの香りも漂うあたりが面白い。
Gamble & Huff作でJoe Simonが歌った“Drowning In The Sea Of Love”はHarrisonのSoulfullなVocalやWah Guitarもイイ感じのFunky Rock。
これまたSlide Gutarが心地良いイントロから始まる“Country Nest”。SolleyのピアノやMoodyのギターとMandolinがイイ味を出している。英国の中の亜米利加。
“Funky Friend”は再びFiddleで始まりCountry Rockが始まるかと思わせるが、FunkyなギターのRiffに重たいリズムが加わるところが英国的。
“Goodbye U.S.A.”はFunkyなWah Gutarがご機嫌なアルバムで一番好きな曲。Synthesizerもイイ感じ。
アルバム最後をシメるのはベースが低音で唸るFunkyなリズム隊がご機嫌な“That's The Song”。最後はお約束のTempo Upしてノリノリで大団円。
(Hit-C Fiore)