男臭いガッツ溢れるファンキーロックを聴かせてくれるSnafu。
むさ苦しい髭にロングヘアー、ベルボトムのジーンズで汗を飛び散らせる
VocalistのBobby Harrisonのルックス通りの男気溢れる泥臭い音である。
Procol Harumの初期メンバーでもあったBobbyが、Freedomを経て結成
したSnafuの音は米国音楽を意識しつつも英国人にしか出せないものだ。
同じような志向を持つと思われるSlide Guitarの名手、Micky Moodyは
TramlineやJuicy Lucyに在籍していた髭とハットが似合う渋い男。
BassのColin Gibsonは元Ginger Baker's Air ForceやMark-Almondに
在籍していた人だが派手ではないけどセンスの良いベースラインを弾く。
(そういえばAlan Whiteのソロ・アルバムでも渋いBass弾いていた)
DrumsのTerry PoppleはMicky Moodyと同じくTramlineに在籍していた。
このリズム隊がタイト且つ弛めのファンキービートもバッチリ対応していて
素晴らしい。
元Paladinの鍵盤奏者のPete(Peter)SolleyはARP Shynthesiserやエレピ
の使い方に、ファンキーなんだけど英国っぽいセンスを感じる。
この人はFiddleまで弾いている。
『Situatuon Normal』はSnafuのセカンド・アルバムで74年に発表された。
1曲目の“No More”はエレピから始まって、気だるいファンキーなリズムが
カッコイイ!と思いきや曲調が展開していく様がなんともBritish。
“No Bitter Taste”はMoodyの伸びやかなSlideが心地よいLaid Back
したナンバー。
続く“Brown Eyed Beauty&The Blue Assed Fly”は、MoodyのMandlinと
PeteのFiddleがいかにもBritish Tradの香りが漂ってくるカントリー風味。
“Lock And Key”もMoodyの粘っこいSlideギターが活躍するBlues色強い
曲。
“Big Dog Lusty”は一糸乱れぬコーラスが見事でHarmonicaもいい味を出し
ている。
“Playboy Blues”はコーラスやインスト部分がSteely Danを連想させる。
しかしPeteのソロが活躍する中間部の展開はやはり英国的だ。
骨っぽいBobbyのVocalに絡むコーラスがやはりアメリカンな“Jessie Lee”。
Moodyのギターのアルペジオによるブレイクに続くオルガン・ソロが最高。
アルバム最後の曲“Ragtime Roll”はMel Collinsが参加しているが、その名
の通りロックン・ロールで、せっかくのMelがもったいないかも。
アルバム全体が強烈にアメリカを意識した音なのに所々に英国くさい部分が
顔を出すのが面白い。
Hit-C Fiore