ErrobiはSpainのPaís Vasco(Basque州:Basque語ではEuskadi)のLapurdiで70年代前半に結成されている。中心となったのはAnje DuhaldeとMikel Ducau。AnjeもMikelもギタリストでありSingerであったが、鍵盤にRobert Suhas、ベースにJean Phocasを迎えて75年にElkarからリリースされたDebut Album『Errobi』では、AnjeはドラムスとVocalを担当している。BasqueならではのAcoustic楽器を使ったBertsolariな吟遊詩人的で民族音楽的要素が初期は強かったが、徐々にJazz Rock的な要素も強まっていき、77年にリリースした2nd Alubum『Gure Lekukotasuna』では一部の曲でBeñat Amorenaがドラムスを叩き、Funkyなナンバーも登場している。本作は続く3作目となるLive Albumであるが、BasqueのLabel Xoxoaからの1作目となる作品であり、彼らがVascoでいかに影響力を持っていたかを物語っている。ベースにMixel Halty、ドラムスにBeñat Amorenaが迎えられて、Mikel Ducauはギターと鍵盤にVocal、Anje DuhaldeはギターとVocalを担当して、彼らの本領が発揮されている。79年にリリースされた『Ametsaren Bidea』はベースにJean-Paul Gillesを迎えて、さらに緩急自在のJazz Rock路線が強まり、かつ彼らの持ち味である牧歌的で清涼感に満ちたMelodyも健在で、70年代後半にXoxoaからデビューしたItoizの作品と共に70年代のPais Vascoを代表する名作に仕上がっている。残念ながらErrobiはこのアルバムが最終作となって解散してしまうが、彼らが残した作品は今でも不思議な魅力を湛えている。Basque語で歌われるVocalが、やはり独特の雰囲気を醸し出している。メンバーのAnje Duhaldeは、後にSolo Singerとして成功を収め、Mixel DucauもMulti-Instrumentalistsとして活躍している。
『Bizi Bizian』はErrobiが78年にリリースしたLive Album。
アルバム1曲目は2nd Alubum『Gure Lekukotasuna』の1曲目を飾ったタイトル曲“Gure Lekukotasuna”。Funkyな要素は抑えられてギターが唸り、哀感漂うVocalとChorusがVascoの香りを漂わせる。
続いては1st AlbumからAcoustic Guitarの響きとChorusがBertsolariな世界を神秘的に彩る“Hi”。
続いても1作目から“Kanpo”。Rock魂が炸裂したギターが唸りを上げ、タメのきいたリズム隊もガッツリ支える。
“Xileko Langileria”は日本人の琴線に触れる哀感に満ちたもので、泣きのギターも、これでもかと盛り上げる。後半の展開もイイ感じ。
“Nagusiaren Nigarrak”はイントロの抒情的かつMagicalなEnsembleから聴かせるが途中からJazz Rock的な展開になだれ込み、さらに混沌とした世界を挟んで展開が次々と変わるのが面白い。
“Euskadi”はAcoustic楽器のEnsembleとChorusがジワジワ沁みますな
“Aitarik Ez Dut”は緩急自在のリズム隊にのって翳りを帯びた旋律を歌い上げるVocalとChorusが渋い。速弾きで攻めるギター・ソロもカッコイイ。
“Lantegiko...”は楽しそうなみんなで歌って踊り出したくなる民族音楽調。
1作目収録の“Nora Goaz”も引き締まったリズム隊にのって素朴で爽やかなVocalとChorusがイイ感じ。これまた途中からTempoが変わり盛り上がれとばかりにギターが攻めまくり。
アルバム最後をシメるのは1st Album収録のAcousticな名曲“Gure Zortea”。ここでは見事なA Cappellaでバッチリキメて観客も大喜び。
(Hit-C Fiore)