Street Corner Talking/Savoy Brown | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 British Rockの名脇役、そして実はModJazzが出自のBlues好きな燻し銀のMusician Paul Raymondが天国に召されてしまった。鍵盤ギターも弾いてVocalもこなし、その上Songwritingの才能にも恵まれたMultiなMusicianであった。Tony Jackson Groupの“Let Me Know”やMick Graham、Nigel Olssonらと結成したPlastic Pennyでは“Your Way To Tell Me Go”、そして個人的には、Savoy Brownの“Tell Mama”。実に良い曲を書いているのである。Kim Simmonsとの共作となる“Tell Mama”はイントロから炸裂するSlideから最高。Savoy Brownは、傑作『Raw Sienna』を最後にChris Youldenが脱退、続く『Looking In』では"Lonesome" Dave PeverettをVocalに立てて米国でも成功を収めたかに思ったらSimmondsを残して"Lonesome" DaveらがFoghat結成のために脱退。ライバル関係にあったBlues Rock BandChicken Shackから鍵盤奏者のPaul RaymondとベースのAndy Silvester、ドラムスのDave Bidwellの3人を大胆に引き抜いて、VocalにはThe Idle RaceにいたDave Walkerを迎えて本作をリリースしたのであった。これが実に素晴らしいBand Magicを生み出しているのである。Chris Youldenの英国然としつつ、個性あふれる男くさい黒々としたVocal、"Lonesome" Daveの気合の入った張りのある男気溢れるVocalもSavoy Brownの魅力であったが、Dave Walkerも負けていない。そのSoulfulなVocalは実に魅力的で新生Savoy BrownSwampy黒々とした路線にピッタリなのである。そして名脇役Paul Raymondがまた素晴らしい。ピアノHammondエレピでバンドに新たな味を加え、ツボを突いたド渋なプレイで魅了するだけでなく、Songwriterとしても頑張っている。Youlden、"Lonesome" DaveといったSimmondsの片腕的存在として、ある意味リーダーのSimmondsを差し置いてバンドの方向性を決定してしまう位の才能の持ち主たちとは、また違ったRaymondのSimmondsとのCombination実に味わい深い。Andy SilvesterとDave Bidwellのリズム隊も本作の作風にピッタリとハマって持ち味を発揮しているのが本作を聴くとよくわかる。

 

  『Street Corner Talking』はSavoy Brown71年Deccaからリリースしたアルバム。ガッツ入りまくりのHardでSwampなRock 'n' Rollは聴けば聴くほどハマってしまう。Southern Rockにも共鳴する泥くさくて男気溢れる、それでいて英国らしい捻りも感じさせるRockの名盤だ。

Tell Mama”はKim Simmonds爽快なSlideとDave Walkerの男くさいVocalがご機嫌なノリノリの男気Boogie。Simmonds兄貴の骨太のSlideが絶品である。

Let It Rock”はPaul Raymondの跳ねるピアノ野郎Chorusが冴えわたる腰を落としたRock 'n' Roll。VocalはRaymondが担当。

Norman Whitfield作のThe Temptationsの69年のヒット曲“I Can't Get Next To You”のCover。これまたWalkerの黒いVocalとRaymondのHammondにSimmondsの魂入ったド渋なギターが激キマりまくった大好きなナンバー。ChorusもWalkerのVocalも最高っす。

Simmonds作のLazyなBllues RockTime Does Tell”もSoulfulなWalkerのVocalがカッコイイ。Simmondsのギターは勿論、RaymondのエレピとAndy Silvesterのベース、Dave Bidwellのドラムによるリズム隊がイイ味出しまくり。

BluesyなギターのRiffが激カッコイイタイトル曲“Street Corner Talking”。ドッシリ腰を落としたFunkyなリズム隊にRaymondのHammondが絶品の味わい。

10分越えの長尺曲“All I Can Do”はSoulfulなVocalとRaymondのFunkyなエレピ・ソロがツボ突きまくりのSwampの香り漂う英国の亜米利加なナンバー。後半のSimmonds兄ィのBluesyな渋いギターとRaymondのHammondのかけ合いでJamっぽくなる展開がたまらんす。

アルバム最後をシメるのはWillie Dixonの“Wang Dang Doodle”。WalkerのVocalはこういう曲に映えまくりですな。

 

Tell Mama/Savoy Brown

(Hit-C Fiore)