A Step Further/Savoy Brown | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

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 とうとうSavoy Brownが日本にやって来るという。あの英国が誇る3大Blues Rock BandのSavoy Brownでっせ!それにしても今年は来日公演で興奮しっぱなしですな。おかげで財布はすっからかんと(泣)。Savoy Brownといえば最初に出会ったのは大好きなStatus Quoと並ぶ最高のBoogie野郎ども、そう我らがFoghat(最高!)のメンバーが在籍していたバンドとして知ったのであった。つまりFoghatのギタリストでシンガーのLonesome Dave Peverett、ベースのTony Stevens、ドラムスのRoger Earlを輩出した名門バンドである。リーダーのKim Simmondsは健在で唯一のオリジナル・メンバーとして今回の来日でも期待大ですな。個人的にはChris YouldenがVocalでFoghat結成組の3人がいた時代が最も好きであった。すなわち69年リリースの3rdアルバム『Blue Matter』から70年作の5thアルバムの『Raw Sienna』までの時代である。YouldenはSoulfulなSingerであるだけでなく、Songwriterとしても有能であった。英国独特の陰りや洗練をBluesyな曲調に散りばめるのがお気に入りで、70年代にリリースされた2枚のソロ・アルバムも大好きであった。一方、YouldenやFoghat組に脱退されたSavoy Brownと言えば、なんとライヴァルのChicken Shackから鍵盤奏者のPaul RaymondとベースのAlan Silvester、ドラムスのDave Bidwellを引き抜くという荒業で乗り切っている。VocalにIdle RaceDave Walkerを迎えて、米国でも成功を収めるなどSimmons先生の絶頂期であった。面白いことにChicken ShackのリーダーでギタリストのStan Webbも74年にギタリストでSingerのMiller Anderson(最高!)とともにSavoy Brownに加入している。この時のアルバム『Boogie Bothers』も大好きな音盤である。しかし現在に至るまで一体何人のMusicianがこのバンドに出入りしているのであろうか?

 『A Step Further』はSavoy BrownDeccaから69年にリリースした4枚目のアルバム。Kim SimmonsTop-HatのVocalistChris YouldenをはじめギタリストLonesome Dave Peverett、ベースのTony Stevens、ドラムスのRoger Earlメンバーが佇むジャケットも素晴らしい。ジャケットには写っていないがこれまで通り鍵盤のBob Hallも参加している。ProduceはMike Vernon。アルバムのタイトル通りBrassOrchestrationを導入して単なるBluesのコピー・バンドから英国バンドらしさを追求していった作品。TrumpetにはKenny Wheelerの名前が見えるのが興味深い。
アルバム1発目はYoulden作のご機嫌なBoogieMade Up My Mind”。
Simmons作の“Waiting in the Bamboo Grove”はHorn隊が炸裂するインスト・ナンバー。ギターが唸りを上げて後半にCongaが加わりHorn隊と一丸となって盛り上がっていくところが面白い。
Youlden作のSlow Bluesは“Life's One Act Play”。OrchestrationMoody Blues的な英国情緒を醸し出す。
ギターのRiffにHornがビシバシと呼応してリズム隊がうねりまくるYooulden作の“I'm Tired”~“Where Am I”。BluesyなYouldenのVocalも最高。Congaが鳴り響き余韻が残る終わり方でA面終了。
B面は“Savoy Brown Boogie”というタイトルでメドレー形式の一発のみで怒涛のLive演奏が収録されている。20分を越える演奏でVocalは若干ダレるところもあるが、Bob HallのピアノをまじえてPubで酔っ払いを前に演奏しているような臨場感があり、ガンガン迫ってくる演奏が楽しめる。
I Feel So Good”と“Whole Lotta Shakin' Goin On”ときてChuck Berryの“Little Queenie”、Riffのみの“Purple Haze”が披露される。Youldenの語りが続いてギターがTangoの“Hernando's Hideaway”のメロディーを奏でYouldenが御ふざけで歌って意表を突くと、ホンのサワリだけで再び圧巻のギターが唸るBoogieに突入。またまたYouldenの語りが入って観客を煽ってBoogie祭りは大団円。
(Hit-C Fiore)