Mighty Grahame Bond/Grahame Bond | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Graham Bond悲劇のMusicianであるが、これだけの才能を持ちながら、あまりにも過小評価されすぎである。そんな自分もたまらなくModThe Graham Bond Organisationで初めてその存在を知ったのだ。何といっても後にCreamを結成するJack BruceGinger Bakerが在籍し、短期間だけどJohn McLaughlinも参加していたことでも知られている名バンドではあるが、そのわりにBandleaderであったBondについて語られることが少なすぎる。65年にリリースされたアルバム『There's A Bond Between Us』 でBondはRock界で初めてMellotronを導入した人物として知られることとなった。そしていち早くHammondLeslie Speaker の組み合わせで多くのModどもを魅了したのであった。Essex生まれのGrahame BondはRoyal Liberty Schoolで正式に音楽を学びSax奏者として才能を発揮するとDon Rendell Quintetに加入するほどのMusicianに成長した。Alexis Korner's Blues Incorporatedにも短期間在籍した後、Graham Bond Quartetを結成し、それがThe Graham Bond Organisationに発展するのだ。Alto Saxだけではなく上述のHammondやMellotronを演奏して黒っぽい歌声も披露するなどLondonのBlues、R&Bシーンの先駆者的存在として活躍していたのだ。自己のグループ解散後は、おクスリ関係ドップリで身も心も消耗しきったBondは心機一転、米国に渡る。そして制作されたのが68年作『Love Is The Law』で、それに続くのが本作である。何とどちらもあのPulser Recordsからリリースされている。なんといっても大好きなギタリストHarvey Mandelが参加しているのだ。さらにHarvey Brooksのベース、Eddie Hohのドラムスとくれば、手に入れなければならない音盤ということである。BondはAlto SaxにHammond、MellotronとVocalに大活躍。演奏自体はJam Sessionっぽいノリであるが、そのラフな佇まいが最高に気持ち良いのだ。 なぜかGrahameとeを加えたスペルが意味深な気もしないでもない。

 

 『Mighty Grahame Bond』はGrahame BondPulser Recordsから69年にリリースしたアルバム。VocalがこれまでになくBluesyで泥臭いような気もする。

アルバム1発目はいきなりEdgeの立ったHammonが炸裂する“Water, Water”。 Harvey Brooks の奏でるBassのRiffやHarvey Mandelギター・カッティングがLazyでイイ味を出している。Bondの黒っぽい歌いっぷりやHammondソロが素晴らしい。

Soul Ballad風の“Oh Shining One”。HammondやSaxもイイ感じ。

Pictures In The Fire”は良くも悪くも英国然とした重厚さがにじみ出たナンバー。

Baroque”はタイトル通りのイントロからHammondが唸りまくりドラムスとベースが激しく煽り、Mandelお得意のギターがのたうち回るナンバーへと展開する。

Sisters And Brothers”は腰を落としたFunkyなリズム隊Hammondが歌いまくるご機嫌なインスト曲。MandelのギターはここでもDopeで、ソロも煙たい雰囲気が最高。

Bondの怪しいVocalが存在感を発揮するFunkStiffnecked Chicken”。この曲もDruggyなムード満点。Harvey Brooksの動き回るベースが素晴らしい。

イナタいギターRiffがイイ感じの“Freaky Beak”。

Mellotronが登場する男泣きのSoul BalladWalk Onto Me”Hammondソロも最高である。Mandelのバッキングも泣けますな。

鈍色に光るMandelのギターの魅力がたまらない“Magic Mojo”。

最後を飾るのはラフなJamm Session風の“Brothers And Sisters”。これがまたLazyでダラダラ感が意外とイイ感じなのである。

(Hit-C Fiore)