Mother/Bow To The King/Bang | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Black Sabathはお気に入りのバンドで、自分の場合はTony Iommiの繰り出すあの重々しいRiffにゾッコンなわけである。SabbathといえばRiffなのだ。で、Ozzy OsbourneのVocalといえば、自分はなぜかFleetwood Mac脱退後のStevie Nicksを思い出してしまうのだった。さて、Philadelphiaで結成されたBangはデビュー・アルバム『Bang』のBlack Sabbathを彷彿とさせるVocalとHeavyDarkRiffで一部に熱狂的な人気を誇る三人組。ベースとVocalのFrank Ferrara、ギターとVocalのFrankie Gilcken、ドラムスのTony Diorioから成るPower Trioである。高校をDrop OutしてBangを結成したフロントの二人は当時16歳だったというから驚きである。何といってもベースのFerraraのVocalがOzzyそのものなのだ。ギターのRiffや曲作りもSabbathから影響をモロに受けた感じではあるのだが、何より楽曲がよくできているのである。最初にアルバム『Bang』を聴いた時に、とても十代のメンバーが書いた作品とは思えなかった。そいて同年にリリースされたのが本作である。このアルバムにも驚かされた。芸風が大きく拡がっているのである。それもBlack Sabbathの模倣の粋から脱していると思った素晴らしいデビュー作の完成度を上回っている。そしてSabbath一辺倒ではなく、Acoustic GuitarChorusを巧みに使った豪快で乾いたAmericanなノリのHard Rockをぶちかましているのだ。相変わらずRiffはカッコイイし、OzzyなVocalも健在ではあるのだが、その懐の深さに脱帽である。特にThe Guess WhoのCoverで始まるB面は1曲目に女性Chotusも入って随分1stの雰囲気とは違うが、個人的にコレはコレで大好きなAmerican Hardな路線なのであった。

 

 『Mother/Bow To The King』はBang72年にCapitolからリリースしいた2ndアルバム。怪しげなメンバー3人がテーブルに座って、さあ、これからお食事かという表ジャケットにはタイトル『Mother』の表記。裏ジャケットには『Bow To The King』と表記された格闘技をしている男性が描かれている。A面Mother Side、B面Bow To The King Sideと分けているらしい。確かに作風が大きく変わってはいるのだ

アルバム1曲目は意表をついて軽快なAcoustic GuitarのArpeggioにのって爽やかなVocalが飛び出すタイトル曲“Mother”。Chorusなんかもバッチリとキメまくり。しかしギターがWildなソロで乱入する途中からはご機嫌にぶっ飛ばすHard Rockに展開するからご安心を。

Humble”は抒情的なArpeggioから邪悪なRiffが炸裂する彼らの得意なパターン。

コレだよコレのRiffが激カッコイイKeep On”。地を這うようにひたすら重たいベースも最高。

重心の低いIdealist Realist”もまんまBlack Sabbathなノリ。

B面はThe Guess Whoの“No Sugar Tonight”からスタートする。このカラッと乾いて豪快にぶちかますRockも大好きである。

続いてもAcoustic GuitarのArpeggioで始まる乾いたAmerican Rockノリがイイ感じの“Feel The Hurt”。それでもぶっとく粘っこいギター・ソロは彼ら独特の味わい。Acoustic Guitarも入って大らかで雄大な感じは魅力的だ。

ギターのRiffがカッチョイイTomorrow”。しかしノリはAmericanである。

アルバム最後を飾るのはタイトル曲“Bow To The King”。爽やかなBostonサンかよ!みたいなArpeggioから始まり、女性Chorusや加わって盛り上がるナンバー。

(Hit-C Fiore)