これは大好きなレコードで、気分を盛り上げたい時には必ずかけてしまう一枚。大好きなTrumpet奏者Tom Harrellの関連作を掘っていた時に偶然手にして単なるDiscoモノだと思っていたら、Tenor奏者Bob Bergも一緒でイイ感じのソロもあったりして結構楽しめてしまうのである。Tom HarrellとBob Bergといえば、Horace SilverのMid-70sのSilver 'nシリーズを支えた黄金のFrontlineである。73年にリリースされた『In Pursuit of the 27th Man』でFrontを務めた、これまた素晴らしいRandyとMichaelのBrecker兄弟の後を受けたこの2人は1976年のUmbria Jazz Festivalでも激カッコイイ雄姿とプレイで映像に残っている。また77年の演奏は近年『Horace Silver Quintet - June 1977』としてCD化されている。さて、肝心の本作はMulti-InstrumentalistでComposerのChris HillsとProduceを担当するDanny Weissが中心となったThe Players AssociationというProjectの3作目のアルバム。New YorkをベースにしていたVanguard Recordsが腕利きのStudio Session Misicianを集めたGroupで、アルバムにはHillsの楽曲とCoverが収録されている。HillsはLarry CoryellやBob Moses、Sax奏者のJim Pepperが60年代に結成していたThe Free Spiritsでベースを弾いていた人で、その後Hillsが関わったEverything Is EverythingというFunk BandのProducerがDanny Weissであった。77年にデビュー・アルバム『The Players Association』をリリース、Joe FarrellやJon Faddisが参加していた。同年の2nd『Born To Dance』ではMichaelとRandyのBrecker兄弟やDavid Sanbornら豪華な布陣が参加、続く本作では前作に続きPercussion奏者David Earle Johnsonや1stからのSax奏者Bob Mover、鍵盤奏者Mike Mandelが参加している。またベース奏者Herb Bushlerや鍵盤奏者Pat Rebillot、ギター奏者Karl Ratzerといった凄腕が脇を固めている。
『Turn The Music Up!』はThe Players Associationが79年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は心地良すぎるギター・カッテイングで始まるタイトル曲“Turn The Music Up!”。Vocalは殆ど曲のタイトルを繰り返すのみだけど、これが良い。Tom HarrellのTrumpetソロ、続いてのBob BergのTenorソロが痺れますな。
Roberta FlackとDonny Hathawayの極上のDuetで知られる名曲“The Closer I Get To You”はBob MoverのSoprano Saxが雰囲気たっぷりに歌い上げる。若干、歌いのない何とか風な味わいも感じさせるギリギリ感ではある。
Chicの“Everybody Dance”はBob BergのTenor SaxソロやTom HarrellのTrumpetソロが聴ける。
Stevie Wonderの“I Wish”ではMichael BreckerのTenorにDavid SanbornのAlto、Jon FaddisのTrumpetという豪華なFrontにギターにSteve Khan、ベースにWilbur Bascomb、 M'TumeがCongaを叩くという、これは前作『Born To Dance』制作時の布陣である。
Clavinetとギターのカッティングが心地良いオリジナル曲“More Than A Little Bit”。高らかに歌い上げるHorn隊も最高。ここでもTom HarrellのTrumpetソロが最高。
最後をシメるのもオリジナル曲のFunky Disco“Ride The Groove”。Shrapなフレーズで煽るHorn隊がカッコイイ。OutするBob BergのTenorソロがご機嫌である。
◎Turn The Music Up/The Players Association
(Hit-C Fiore)