Earl Sixteenは70年代から活動を開始して、80年代後半に英国に移住し、現在も現役で頑張っている。結構な枚数のアルバムを残しているが、個人的に最もツボにハマっているのは本日ご紹介するデビュー・アルバム『Reggae Sound』である。すべてのTrackがChannel Oneで録音され81年にリリースされたこのアルバムは、Errol "Flabba" HoltやPablo Black、Style Scott、Robbie Shakespeare、Sly Dunbar、Wycliff "Steelie" Johnson、Ansel Collins、Noel Bailey、Bingy Bunnyといった大好きなMusicianが持ち味を発揮して絶妙のサウンドで楽しませてくれているのだ。80年代初頭の、このサウンドこそが自分にとっては一番ツボなのである。Kingston生まれのEarl SixteenことEarl John Daleyは音楽好きの父親のもとで幼少時から地元の教会で歌い始め、米国のSoulやDennis Brownに影響を受けたという。高校の友人たちとVocal Group Flaming Phonicsを結成し、75年にシングル“Hey Baby”をリリースしている。その一方で地元のTalent Shawでも評判であったEarlはソロ・アーティストとしてもシングルをリリースしている。Joe Gibbsのもとで録音した“Malcom X”は後にDennis BrownにCoverされている。そしてFlaming Phonicsは評判を呼び、The Boris Gardiner Happeningとも共演する機会にも恵まれた。そこでBorisに目をかけられたEarlは脱退したSinger Tinga Stewartの後任としてHappeningに加入する。EarlはBorisの紹介でLee "Scratch" PerryとBlack Arkで録音を残し、そのうちシングルとして“Freedom”と“Cheating”がリリースされている。本作はMikey Dread制作によるアルバムで、上述の豪華なMusicianが顔を揃え、SingerとしてもSongwriterとしてもデビュー作とは思えないEarlの才能を見事にサポートしている。
『Reggae Sound』はEarl Sixteenが81年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目“Going To Africa”。いかにもこの時代のReggae Soundが嬉しい。大好きなThe Roots RadicsのベーシストErrol Flabba Holtの重低音で蠢くベース、Falsetto ChorusやOrgan、Wahをかけたギター、自分のツボにハマりまくり。
タイトル曲“Reggae Sound”。重心の低いMinimalなベースに心地良くビシバシとTightにSnareを叩きこむStyle Scottのドラミングが最高。勿論、EarlのVocalやDubbyな上モノがメチャクチャ気持ち良いのである。
Organがイイ味を出している“Dread A General”。アルバムではこの曲のみCarlton "Santa" Davisが叩いているが、Snareを頭で叩いたり、個性豊かなドラミングは素晴らしい。
SweetでMellowな“Loving You”。ここでもCheapなOrganがイイ感じ。
Robbie ShakespeareとSly Dunbarのリズム隊が最高な“Mount Zion”。 Wycliff "Steelie" JohnsonのOrganはここでも渋い隠し味となっている。
“Israel Tribes”はようやく登場した陽気な気分に浸って弾けるナンバー。Bertram "Ranchie" McLeanのベースがイイ感じ。
“Hanging On”も高揚感に満ちたEarlのVocalがご機嫌なナンバー。Errol Flabba HoltのベースがRobbieのドラムスと絶妙のEnsembleでシメるバックのサウンドも心地良くて申し分なし。Ansell ColinsのOrganも好サポート。
多幸感に満ちた“Love For You”はEarlのVocalが雰囲気たっぷり。
Comicalな“Stay With Me”も中々楽しい仕上がり。
アルバム最後をシメるのはBo-Pee Bowenのギターが気持ち良い“This Tribulation”。
(Hit-C Fiore)