JR北海道H100形 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

酷寒地北海道にしていまだに国鉄時代からのキハ40形が主役を張っていたJR北海道。令和の世になり、ようやく各地でJR世代の車両が走り出しました。

 

H100形、エンジンで発電した電力でモーターを回す電気式ディーゼルーカーで、「キハ」とは呼べないことからH5系にならったH100形という形式名になっています。まぁ・・いいんじゃないですか、「Yasashikute Chikaramochi」でYCよりは(爆) 「DECMO」という愛称があり、Diesel Electric Car with MOtors の略となって…無理矢理O足した感じですね、えぇ、えぇ…。

 

苗穂所属の車両は函館本線の山線、苫小牧運転所の車両は室蘭本線、旭川運転所の車両は宗谷本線、石北本線の旭川近郊区間で運用されています。今後根室本線でも運用開始がアナウンスされており、北海道中で見ることが出来るようになりそうです。基本的にJR東日本のGV400形のデッドコピーですが、外観は帯の他に前照灯が窓下に2灯追加された差異もあったりします。

 

車内です。おカネの無いJR北海道、内装に関してもGV-E400のデッドコピーで、モケットが違う程度の差です。・・事情は分かりますしキハ150形もそうだったので今更ではあるものの、「北海道に来てまでこの内装のに乗るかい?」と、とりあえず言いたいことだけ言っときます(^^;;

 

少し引き気味に。比率的にロングシート多めなので、クロスシート派の方々が多いとなると争奪戦となります。車体も狭幅なので、ロングシート比率向上とクロスシート3列化で床面積を補ってる感がしなくもありません。DECMOの大きなロゴがある側がクロスシートに近いので、参考までに。

 

ドアです。H5系の普通車よろしく萌黄色の化粧板を貼った引き戸で、無塗装仕上げのGV-E400形とは異なります。足元にはわずかですがステップが残っており、昨今は車体のシャコタン仕様にするなどでステップレス化が進行中である中、どうしても何とかならなかったんでしょうね。

 

ドアは通年半自動、開閉ボタンが備わります。なお開閉時はJR東日本標準のドアチャイムがなります。あと、あれだけ寒いのに(実態はあんまり意味ないけど)エアカーテン無くて、大丈夫・・?

 

運転台です。仕切り扉は引き戸、ワンマン運転時は開放して運賃箱をセットします。運転席側は窓が着色ガラスとされ、事故時に壁面を取り外せるようになっています。この辺も安全面ではいい意味で東日本仕様、あれですよね、デッドコピーで高運転台のゲンコツ仕様に出来なかったってのもありますよね(毒) おかげで多少の前面展望も出来ると思えばありがたいでしょうか。

 

天井です。近年は北海道の夏も暑くなっておりますので、ありがたい冷房が付いています。ただラインデリアは省略されていますね。照明は直管式のLED灯で、731系などの電車のように、半分を消灯する機能は無いようです。吊革は三段階の高さで、4人組ボックスシート上は省略されています。この辺りはちょっとした国鉄セオリーを地味に守っています。

 

窓です。一部は二段式で上段が開閉可能ですが、固定窓の区画もあります。日除けは相変わらず省略、直射日光直撃の残念仕様です。まぁ、731系以降の電車がさしたる遮光性もない惨劇仕様なことを考えれば、ややマシにも見えなくは無いです。

 

座席です。まずはクロスシートから、見覚えどころか「もう出てくんな」の方が個人的に強い標準車体の座席ですねー。

 

キハ40形と比べて良い点としては、シートピッチが格段に広くなったことと、足元の配管が無くなったことですね。一方で、その良さを全て背ズリが潰しにかかっています。なぞの張り出し過ぎな腰部分に殺人的硬さのヘッドレスト、どうせならこことかここみたいにモケット張りでクッション性があればまだ納得の範疇なのに・・。

 

壁際の区画は持ち手が省略されています。壁側には蓋のようなものがあり、その気になればこの座席は取り払うことが出来そうな気がします。

 

続いて向かい側の1人掛けです。キハ150形にならって設置された感のある区画ですが、全体的に着席定員が減少している中で、必ずしも必要かどうか考えさせられる区画でもあります。2人以下での利用ではありがたいんですけどね‥。拡幅車体にしてやれば、もう少し自由度も高かったろうに。

 

この座席、窓側はあいも変わらず肘掛けが省略されているわけですが、窓枠がガッツリ腕に食い込みます。この辺も全然反省してないんですよね、「とりあえず横向けときゃええんやろ」的ヤッツケ感の塊。

 

続いて比重が大きくなったロングシートです。クロスシートもそうですが、モケットは733系と同じ系統のものを使用しています。このタイプの座席、単色のモケットはあまり似合わない気がします。多分、首都圏の座席が軒並みツートーンだからだと思います。袖仕切りは413系あたりを彷彿とさせるアクリルを組み合わせたもので、化粧板の青は北海道の海や空をイメージしたものなんだそうです。クロスシートの背面は一応くぼみが付いていますが、居住性に還元できるものではありません。

 

優先座席とセットになった区画です。奥の2人分は一般座席な訳ですが、ちょっと気まずい気がしなくもないです。座席に関しては相変わらず張り出し方が理解不明な背ズリに、やや硬めな座面、旭川近郊であればまだいいですが、函館本線や室蘭本線なんかともなると退場いただきたいものです。あと、地方に導入されて来たこの手の車両は軒並み台座があったのですが、片持ち式になっています。袖仕切りは床から出ているものの、一旦ドアが開くと足元を酷寒風が通り抜けそうです。

 

トイレです。「なんぼほど大型なん」と言いたいですが、機器室のデッドスペースも含んでいるため実態は2/3程度です。バリアフリー対応なのはこの時期の鉄道車両ではある意味必須のコンテンツとなっています。トップナンバーにはベビーベッドもあるようですが、以降の車両は省略されています。

 

そして煙突等デッドスペース。一応、消火器や非常灯を収納しています。

 

車椅子スペースです。非常通話装置と握り棒、ヒーターが備えられています。隣の袖仕切りは他の区画と同じものを使用しています。酷寒地なのでこれが適当なのかもしれませんが、介助者が横に座ると完全に仕切られることになることを考えればナンセンスの塊なので、どちらに重きを置くか、会社によって考え方が出るところです。

 

ドア横にはゴミ箱があります。ささいではありますがGV-E400形には無いもので、車内美化には必要なアイテムになっております。こういうささやかなサービス、大事だと思います。