JR北海道H5系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

東北新幹線を延伸する形で開業した北海道新幹線、ひとまず新函館北斗までの暫定開業ではありますが、鹿児島から北海道までが標準軌の線路で結ばれることとなりました。

 

開業に当たって用意したのは順当に東北新幹線で走っていたE5系をベースにしたその名もH5系です。外観で異なる点と言えば、E5系でピンク色であった帯色がラベンダー、ライラック、ルピナスをイメージしたパープルとなったことですね。

 

あと、ロゴが北海道とシロハヤブサをイメージしたものになっていますね。パッと見でE5系とはそれなりに相違点が多いので判別は可能です。

 

編成記号は系列名らしくH編成となっています。

 

そう言えば、幌が全周タイプから転落防止幌のようなタイプに変わっていますね。このタイプは同時期に導入されたE5系にも採用されているため、ちょっとした投入時期によるマイナーチェンジと捉えた方がよさそうです。

 

トップナンバーですね。新函館北斗までの暫定開業時点では4編成が製造されましたが、半数が予備で営業運転には2本しか充当されません。ただ東海道・山陽・九州系統と違って運用は固定されていますので、狙っての乗車は容易かと思います。

 

青函トンネルも30周年ですか。

 

それでは参りましょう、まずはデッキドアからです。普通車は北海道のコーポレートカラーでもある萌木色となっています。E5系の生々しいベージュよりはアクセントになっていると思います。

 

バリアフリー対応車両は横幅が広げられています。ドア上には防犯カメラが設置されています。

 

そして、やはり編成中にはいくつか公衆電話があります。最近の新幹線がいくら比較的静かになったとは言え、さすがに昔あった電話室内と比べると通話は少し厳しいですね(^^;;

 

トイレです。男女共用と男性小用が並びます。共用トイレにはベビーベッドやベビーシートが備わっています。ここはE5系と特に変わりが無いですね…。

 

バリアフリー対応トイレです。円筒形で面積も広く、取り回しを容易にしています。開閉はボタンによる自動式となっています。

 

同じような見た目の反対側は多目的スペースです。ドアに窓が付いているのが識別ポイントでしょうか(笑)  普段は施錠されているため、使用の際は車掌さんに申し出ることとなります。

 

で、なぜこの位置に置いたか疑問な洗面台です。一見すれば、トイレのすぐ向かいにあった方が便利なのですが…。抜き取り設備と車内レイアウトが喧嘩した結果なのでしょうか…。その横には公衆電話とゴミ箱、AEDがあります。

 

一部トイレは女性専用です。配置も少し異なり、中にはベビーベッド・ベビーシートの他、更衣用のステップが備わっています。

 

洗面台です。E5系に引き続き、水・石鹸・送風が同じ導線で出来る万能タイプが備わります。両側には半間接照明を配置しています。

 

広告枠を見ますと、こちらにも青函トンネル30周年記念の広告が入っています。なるべく同じアングルで撮ったのだとは思いますが、安全位置での撮影となったのは時代ですね。

 

普通車の車内です。基本はE5系に準じますが、この系列から照明がE7系と同様、反射式のLED灯になっています(色調こそ蛍光灯時代に合わせて暖色系ですが…)。このスタイル、同時期に製造されたE5系でも踏襲したデザインで登場することとなります。

 

デッキとの仕切りです。仕切り扉の窓の大きさがE5系と異なっています。これは中々気付きにくいですね…。

 

荷物置き場が設置された区画です。H5系としては導入当初より設置されているものですね。仕切り扉上のLED表示機はフルカラー式、二段表示している時はさすがに文字が小さめですね。

 

バリアフリー対応車両がこちら。座席配置の関係で仕切り扉は真ん中にセットされています。幅もやや広めでしょうか。

 

窓です。地味に日除けの柄がE5系と異なっております。

 

座席です。まずは2人掛けから行きましょうか。

 

構造はともかくモケットもE5系と変わりません。日除けや床にはオリジナリティが出ているだけに、この辺りはもう少し頑張って欲しかったところではありますが…。

 

車椅子対応座席です。肘掛けが跳ね上げ可能となっております。デッキ仕切り際の座席は全てオフィスシートとなっており、テーブルが大型化されています。

 

続いて3人掛けです。B席だけ幅が広いのはもうお馴染みですね。

 

座り心地はやはりハードさが際立つそれでして、ヘッドレストピローがあるとは言え気休め程度に思っておくのが幸せです。東京からずっとこれは…ねぇ…。

 

先述の車椅子対応座席背後はシートバックテーブルが無いため、サイドアームテーブルが備わります。あまり大きくないのであるだけマシくらいにありがたがりましょう(笑)  通常は指名買いでもしない限りはラストプライオリティでしょうね。

 

そうそう、この系列からは全席にコンセントが設置されました。E7系は最高速度が低いために全席コンセント設置が実現したと各所で言われておりましたが、遂に最高速度300km/h超えの列車にも全席設置が果たされたのでした。同時期以降に登場したE5系についても、同様に全席設置で投入されていますね。しかし、B席・C席用はなぜ座席の間に設置したんでしょうね?先に座った人が本来想定されているコンセントを使わなければ、トラブルの元になりそうですが…。

 

床面の通路部分は雪の結晶の模様が描かれており、その他の部分もE5系とは柄が異なっています。

 

近年の大型荷物持ち込み増に対応するため荷物置き場が設置されています。二段式で、上段には滑り出しを防ぐためのベルトが備わります。

 

続いてグリーン車へと参りましょうか。まずはデッキからですが、ドアの色がE5系の赤色から赤紫色になって変化を付けています。ドア幅はバリアフリー対応のため幅広となっています。

 

トイレです。化粧板は普通車と同様、木目の柄が荒くなっています。中は普通車と同様ですね。

 

一方でバリアフリー対応の大型のトイレも備わります。

 

洗面台です。そうそう、洗面台の各種案内はE5系とは異なりピクトグラムのみとなっています。

 

客室との仕切りをデッキ側から。窓を廃しグリーンマークを入れることで、ちょっと入りにくい雰囲気を醸し出しています。そこへグリーン券を片手に持って入っていくのには多少の高揚感があるというものです。

 

荷物置き場があり、スキー等の長尺モノも置くことが出来ます。各段にはセーフティバーも設置されています。

 

グリーン車の車内です。こちらも普通車と同様、パーツは同じですがちょこちょことオリジナリティを出しています。

 

デッキとの仕切りです。一面木目調なのはE5系と同じですが、木目の流れが横から縦に変更されています。これは細かい(笑)

 

バリアフリーに対応したデッキ側は普通車のように仕切り扉が左側にオフセットされています。こう見るとマガジンラックや非常通話装置、懐中電灯の位置が逆に見えますが、車両全体で見ると片側に揃えられているという哲学…。

 

天井です。普通車とは異なり、間接照明に窓上の補助照明という構成は変わりません。

 

座席です。2+2の配置は新幹線では標準的なものですね。そうそう、床面のカーペットはこらまたE5系とは異なっており、流氷の夜明けイメージしたものとなっています。

 

座席自体はこれまたE5系と同様モケットまで揃えられています。座り心地はいいのですが、一時を思うと優等クラスから「二等車」へとランクダウンしたことで座席自体もちょっとこざっぱりした印象は拭えません。この辺が要するに「バランス」なんでしょうね。

 

シートバックテーブルはスライド機能が隠されており、リクライニングしながらでもテーブル利用が可能です。

 

壁際の座席はオフィスシートとなっております。なおコンセントはセンターアームレストに人数分備えられています。

 

1席のみ設置された車椅子対応座席です。アームレストには固定用のベルトが備わります。ここはE5系から変わりません。

 

全展開の図。それにしても、なぜこれまた座席モケットはE5系と同じなんでしょう…。

 

さて最後は10号車に位置するグランクラスです。今回乗車したのは仙台への最終列車、「やまびこ223号」です。ええ、乗車したことのある方なら分かるかと思いますが、アテンダントサービスが無いB料金適用列車です。いいんです、アテンダントさんがいない方が取材はしやすいのです(笑)

 

デッキ、ドアはグリーン車と同じく赤紫色ですが、こちらは普通の新幹線のドア幅となっています。

 

ドア上には開閉ランプ、ダウンライト、ドアコック、監視カメラが備わります。結構何やかんや付けられていますね(笑)

 

壁には手すりが付けられており、金属のままにしないことで冷たさや急ブレーキ時の衝撃を和らげています。

 

マガジンラックには車内誌と時刻表が入っています。愛読書にする方、いるでしょ?(笑)

 

車内への入り口付近にはくず物入れと、何も入っていないマガジンラック。

 

デッキとの仕切りです。グリーン車とは異なり、ロゴだけでなく文字も入れられています。

 

グランクラスの車内です。ゆとりを持った1+2の3列配置はE5系から変わりません。

 

こちらはお昼間の様子。こちらも各部の色調が異なるのみですね。

 

デッキとの仕切りです。グランクラスに関しても木目は縦方向となっています。

 

天井です。直接照明が枕木方向に配置されているのはE5系と同様です。

 

荷棚はハットラック式、アテンダントサービス無しの列車だけかは分かりませんが、各棚に包装されたブランケットが備わっています。

 

窓です。大きさ自体はグリーン車や普通車とは変わりませんが、周囲に取り付けられたパネルの形状を工夫して小さく見えるのを軽減しています。なおそのパネルには照明が仕込まれています。

 

グランクラスにおいても床のカーペットはE5系とは異なっており、沿線に点在する湖沼や海の水面が輝く様を表現したそうな。模様自体は大胆ですが、色調を暗くしてグランクラスとしての格調をなるべく崩さないように考えたんでしょうね。

 

座席です。やはり座席に関してはE5系と異なる点はありません。

 

リクライニング・レッグレストの操作は電動式、操作の鈍重さは安全への配慮と、私がグランクラスの「時の流れ」に合わせられていないせいでしょう。2人掛け席でもセンターアームレストに仕切り板を挟むことでプライバシー性を保っています。

 

向かい側の1人掛けです。

 

グランクラスに関しては日除けにオリジナリティはあまり見られませんね。

 

で、全展開の図。座り心地自体は看板列車の最上級クラスだけあり良好ですが、やっぱりこの肘掛けだけは納得行きません。カタログ数値的には圧倒的に異なれど、実効面積的には通路側に人がいないグリーン車の方がまだ広々と使えるような気がしています。要するに窮屈、リクライニングするとその思いは尚一層。

 

各席には読書灯が備わり、照射角度を自由に変更可能です。この辺りは、ここまでとは言わないまでもグリーン車も見習って欲しいところ。角度固定は今時にして時代遅れとみなされて然るべきです。

 

コンセントは2人掛け席はセンターアームレストに人数分備えられています。

 

1人掛けについては右側の肘掛けに設置されています。

 

2人掛け席のバックシェルにはマガジンポケットが付いており、車内誌や座席の操作シート、スリッパが入れられています。

 

デッキ仕切り際の座席は壁に備えられています。

 

1人掛けは窓下にあります。スリッパは持ち帰り自由ですので、記念にどうぞ。

 

盛岡駅ではE6系「こまち」との切り離しを行います。札幌延伸が待ち遠しいですね。