若桜鉄道WT3000形 リニューアル車 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

鳥取県の郡家駅から若桜までを結ぶ盲腸線、若桜鉄道。旅客の獲得に頭を使った結果、既存車両を観光列車に改造するという答えに行き着きました。

 

対象は開業時から走るWT3000形、昭和をイメージしたリニューアルを実施しています。

 

…まぁ、文字多めのそれはやっぱりあの人の仕事でございます。山陰地方では初登場ですね。赤色のトップナンバーは、八頭号の愛称があります。かつての「さくら○号」のイメージも含め、ロゴは桜をあしらったものです。

 

3両全てでデザインが異なっております。こちらは緑の若桜号です。

 

で、本日はお休みでした青色の昭和号。放置中の12系客車に混じっちゃいました(笑)

 

今回は赤色の八頭号に乗車です。各車でデザインも異なりますが、座席モケットの違い程度ですのでお許しを。

 

車内です。木を多用して温かみを演出する構成はいつものこと、やや薄暗い雰囲気だった車両を明るい雰囲気にしたという点では、「第一印象」としては成功してるんでしょうね。

 

ドアです。NDCシリーズらしい、バスで使われる折戸はそのままです。化粧板はクリーム色になっています。

 

その上には路線図と運賃表。この辺もまぁデザインはミトーカさんのそれです。

 

ドア横には八頭号のイラストポスターが貼られています。

 

運転台です。NDCシリーズだけあり半室構造、車掌台側は邪魔にならない範囲であれば前面展望のために立つことも出来ます。それを見越してか、ミトーカデザインでお馴染みのつまみが二つ追加されています。

 

貫通扉には桜のロゴが入っています。

 

そうそう、このリニューアル後も運賃表示機はLED式のままですね。

 

運転席を覗いてみると、席のモケットも更新されているみたいですね。

 

ナンバープレートの下には懐かしき新潟鐵工のメーカーズプレート。で、リニューアルデザインを担当したドーンデザインや、実際にリニューアル工事を行った九州艤装のステッカーがあります。

 

天井です。ここは一変、荷棚は木製の一枚タイプ、ミトーカデザインではよく見かけます。しかしこれにしたせいで、窓上にあった回転式の冷房吹き出し口が使用出来なくなりました。

 

照明は暖色系のLED照明になり、カバーは木工細工をイメージしたカバーに交換されています。吊革はロングシート上の設置、吊り輪が木になっているのはやっぱりお馴染みです。

 

窓です。二段窓で下段が開閉可能なのはそのままですが、窓枠を額縁に見せるための木の枠が追加されていたり、日除けが簾調のロールカーテンになっているのはミトーカデザインの常套手段です。

 

柱部分には…これ、何て言えばいいのかいつも迷うのですが、イラストが飾られています。

 

柱ごとにデザインが異なります。

 

さて、いよいよ座席です。

 

まずはクロスシートから。ボックスシートなのは変わりませんが、ミトーカデザインシートに改められています。近年はリクライニングシートにいらん弄りを加えて残念な代物にしてしまうケースが多いですが、ボックスシートはこのように全部取り替えるんですよね。

 

でもね、そのボックスシートがよろしくないのです。クッション性はまずまずながら、背ズリ低めで直角、「昭和」をイメージしているということでこれに通じる考えと言えども普段使いがメインであることを考えるとちょっとしんどいです。

 

こちらも毎度のことですが、区画によってモケットが異なります。一応、背ズリを直角にしたことでシートピッチの拡大や固定テーブルの設置という恩恵は受けています。肘掛けが無いのもこの固定テーブルの影響です。

 

で、なぜか1つ(ボックス数でいうと2区画)だけ背ズリの形状が異なる座席が存在します。

 

背ズリ下部に傾斜が付くようにクッションが入れられています。どうせ選べるならここ・・と言いたいのですが、座面の縦幅が狭いため、ゆっくりも座りきれないところが惜しいと言えば惜しい。脚台と座面先端の距離を見る限り、座面が延長されているようにも見えますが‥。

 

ドア横のロングシートです。上物はまたまたミトーカデザインでお馴染みソファタイプですが、脚台は従来のものを流用しています。このソファタイプの座席を置くために、従来よりも座席が延長されています。「そこまで融通利かんか」とは思いますが、余裕を持って座れることはいいことです。

 

で、向かい側はモケットが異なります。背ズリは高めになったのでゆったりは出来そうですが、いかんせんこちらも背ズリが直角です。空いていれば足を伸ばすのもよいかと。

 

反対側は排気用の煙突があるので座席幅が狭くなっています。着席定員が正直なところ不明瞭ですが、元々は4人掛けなのでその程度と思っておいた方がよいでしょう。

 

その向かい側はL字型のソファシートとなっています。イメージイラストや床面の痕跡から、かつてはここにも固定テーブルがあったと思うのですが、現在は撤去されています。なんか、くま川鉄道KT-500形もそうですが、観光列車と通勤通学列車をミトーカデザインで両立させるのは本当に難しいんでしょうね。あまり変わらずやっているのって、どこも元からオールロングシートの車両なんですよね。

 

起点、郡家駅にて発車を待ちます。因美線乗り入れは継続中ですので、北近畿地区に引き続き、JR西日本区間でもミトーカデザインが恒常的に走るようになっています。