本日12月29日の新潟日報の朝刊に、私にとってはとてもとても大きなニュースが、とても小さい記事で報じられました。
不同意わいせつ容疑で逮捕された市の幹部職員が地検長岡支部に「起訴」されたのです!
この記事、読んでない人結構いるんじゃないでしょうか?社会面の3ページ目(27面)の下の方に小さく報じられたので、よく目を凝らして隅々まで読まないと、読み飛ばしてしまうかもいしれません。社会面でも1面、2面、3面があり、3面は、私が毎日新聞記者時代は「三社」と呼ばれ、社会面の中でも一番ニュース性が低いものが扱われていました。
それでは、今回のブログでは、なぜ、このニュースが大きなニュースなのか解説していきます。
性犯罪事件(強制性交罪等)が起訴される確率は32パーセントです。10件に7件は起訴されていません。
おそらく、逮捕後、すぐに被害者と加害者の間で和解が成立していたり、証拠が不十分であったことが理由で、起訴される率はそこまで高くないのではないかと思われます。
そもそも、刑法犯の有罪率というのは、そこまで高くなく、28パーセントほどです。
塩谷寿雄議員の様に、公職選挙法違反行為をしたという事実が検察に認定されても、「起訴猶予」となることもあり、有罪とはならないケース等、実際に犯罪行為をしたとしても、裁判所から有罪判決を受けるケースはそこまで多くありません。
なので、今回のこの幹部職員が不同意わいせつ容疑で逮捕された件だって、実際に有罪となる可能性はそこまで高くないと思っていました。議会の一般質問でも、私は容疑者の名前は出しませんでしたし、この件がまだ容疑の段階であり、本人が容疑を否認しているという事実を指摘し、慎重に取り扱いました。(この件について私の一般質問を見たい方はこちらをクリックしてください。16分0秒からです)
しかし、検察に「起訴」されたということになりますと、完全に別次元の話になります。
日本では起訴された場合の「有罪率」は99パーセントです。それくらい検察は慎重に調べ、確実に有罪判決がとれると思うものだけを起訴しています。
今回、被疑者は逮捕の段階では容疑を否認していましたが、否認していたとしても、有罪率はほとんど変わりません。
なので、推定無罪の原則はありつつも、被疑者が有罪となる可能性は極めて高いということになります。
有罪になると仮定した場合、不同意わいせつ罪は懲役6か月から10年です。罰金刑はありません。執行猶予がつけばいいですが、本人が逮捕段階で否認していたということは、情状酌量の余地を求めるのも難しいかもしれません。
私が特に目を引いたのは、起訴状の内容です。
「被告は8月18、21日、市内で同じ30代女性にわいせつな行為をしたとしている」
不同意わいせつ罪は、「相手がわいせつな行為について同意していないのに、体を触る、キスをする、自分の性器を触らせるなどの行為をした」時に成立します。
例えば、電車内での痴漢行為とかが該当します。痴漢行為と聞くと、無計画な単発行為という可能性がありますが、今回のは違います。短期間に連続して加害者の知人女性が被害を受けています。
8月18日に被害を受けた女性が、その3日後に再び、被害を受けているのです。
電車の痴漢行為や路上で突然抱き着く等の行為とは考えられません。
この罪は、相手に睡眠薬を飲ませて、抵抗できない状態にさせ行為に及んだ場合も成立しますが、だとすれば、その3日後、もう一度被害者が被疑者に会ったということはどういうことでしょう。
何かしら、二人の間に強い力関係があったのかもしれません。
または、何か弱みを握られていたのかもしれません。
いずれにせよ、とても悪質な臭いがしますね。
南魚沼市役所は今日から1月3日まで閉まりますが、1月4日の新年の仕事始めに、この件について取り掛からなくてはいけなくなるのではないでしょうか。
これまで、この件についての職員の処分等は発表されてきませんでしたが、恐らく、起訴されたという事実を重く受け止め、林茂男市長や南雲貢総務部長らが減給処分等になるのではないかと推測します。
起訴されたということは、被疑者が裁判にかけられるということになります。裁判は当然公開です。
裁判を傍聴したい方は、新潟地方裁判所長岡支部に電話をし、被疑者の名前を告げ、日程を聞いてみましょう。
電話番号は0258-35-2141です。ただし、起訴されてすぐに裁判の日程が決まるわけではありませんので、注意しましょう。私は日程が合えば、裁判の傍聴に行きたいと思っています。