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お茶と放射能

2011年5月19日朝日新聞朝刊の記事です。


お茶彦店主の瀬戸ぶらり


5月11日(水)、掛川での仕入れを終えて久しぶりに瀬戸に帰り、夕方のニュースで神奈川の足柄茶から基準値を超える放射性セシウムが検出されたことを知る。

心配していたことが現実になったというのが正直なところでした。

産地から12日から緊急の調査をし順次調査結果を発表するとのことだったので、それを待つことにしました。

14日に掛川の結果が公表され、放射性セシウムは、生茶葉で39.83ベクレル、飲用茶が3.99ベクレルでした。これで一安心と思っていたら、この朝日新聞の記事です。

農家を守ろうとする産地の論理では、消費者の不安は解消されないのは明白であり、福島第一原発の終息が見えない今、事実が隠蔽されているのではという疑心暗鬼になっていくことは、茶業界にとって、マイナスであろう。


消費者に一番近い茶業界に関わる私たちだからこそできることはないだろうかと考えます。


まず、第一にすることは、事実を把握すること。自分の店に並べている新茶の放射性物質を調べること。

結果次第では、恐ろしいことになるかもしれませんが、自信を持って仕入れたものを自信を持って売るためには必要なことです。

次にすることは、放射能のことをもっと勉強して、正しい知識を持って、接客すること。

そして、判断に迷った時は、損得でなく、善悪で判断すること。

こういう覚悟で、この難局に対処していこうと思います。

あれやこれやで忙しい5月

お久しぶりです。


今年は、新茶が1週間遅れたので、静岡の仕入れが終わるや否や、商店街の総会、瀬戸市商店街連合会の総会、銀座茶屋の決算と忙しい日々が続いています。

おまけに、悩ましい放射能の問題。これを避けて、能天気に新茶の素晴らしさを語るわけにはいきません。

この問題は改めて書くことにします。



八十八夜摘み新茶

この1週間は、仕入れのため静岡・掛川に行ってました。

今朝、静岡は雨が降り、明日の仕入れがなくなったので久しぶりに自宅でゆっくりしています。


お茶の専門店の場合、5月の一番茶の仕入れが、1年で最も重要な仕事になります。

と言いますのは、この時期に仕入れたお茶を1年間売ることになるからです。

年間通して変わらない品質のお茶をお届けすることが、お茶屋の信用につながる大事なことだと思います。


さて、ご存じのように5月2日は八十八夜でした。

そして八十八夜といえば新茶ですね。

茶摘みの唄で、「夏も近づく八十八夜♪野にも山にも若葉が繁る♪あれに見えるは茶摘みじゃないか♪茜だすきに菅の笠♪♪」と歌われたように昔から八十八夜に摘まれた新茶は、最もおいしいといわれてきました。


暦というのは、不思議なくらいよく出来ていまして、今年は、5月2日の午後に見事にやや黄色かった茶園が緑に変わったと農家の人たちが、声を揃えていました。


今では、お茶の手摘みも初めの2,3日だけで、ハサミや乗用で刈り取られます。

八十八夜摘み新茶といっても5月2日前後の一番の旬の時の新茶と拡大解釈されることが一般的です。


今年は、まさに八十八夜(5月2日)に手摘みされた正真正銘の八十八夜摘み新茶を仕入れることができました。

香りも味も一級品です。

ぜひ味わってみてください。