今年のコンベンションの大きなテーマをあえて見つけようとすれば、
「介護・福祉」と「深層筋」ということになろうか。
ま、これとて今年の新しいトレンド、とも言えず、数年前からのテーマだが。
上の写真は、低体力者を主にターゲットにしたトレーニングマシン。
要介護者のトレーニングにも有効。
重りを使うのではなく、自分の体重を使うようになっている。
写真では分かりづらいが、自分が座ったシートがそのまま負荷になる。
コストダウンにも一役買っているようだ。
既報の通り、昨日まで東京ビッグサイトで開催された「ヘルスフィットネスジャパン(HFJ)」に出向いてきた。
トレーニング器具・各種測定関連機器の国内最大のコンベンションである。
とは言っても、現在の私の立場では、
自分の備品として何かを購入することはほとんど無いので、
人に提案する場合の為の情報収集としての意味合いが強い。
以前、会社勤めをしている時は、各メーカーさんと交渉などを繰り広げていたが。
また、この日に久しぶりに会う人も多く、
半ば同窓会と挨拶回りを兼ねているという方が正しいかも。
時間があまり無かったので、隅から隅までとはいかなかったが、
ザッと場内を見て歩くと、ここ数年は
明らかに新しいコンセプトの提案は少ないようだ。
ウェイトトレーニング機器に関しても、「重量物を挙げる」という以外には大きな発展もしようがなく、
持久系トレーニング機器についても、「大きな筋を使って心拍数を上げる」以外には有り得ないわけで。
上の写真は、言わばゲームとトレーニング機器の融合されたもの。
ゲームセンターにあるようなもので、
自転車を漕ぐことで、カロリー消費を促し、飽きずに続けられるよう考えられたものだが、
ま、特に目新しさは無いかな…
汚いなからも、大切なトレーニングルームである。
映像でトップ選手とのフォームの違いを確認したり、
トレーニングのポイントをチェックしたり。
他にジャンプの選手からも相談を受けたので、
また来週来ないと。
とあるスポーツ系専門学校から依頼を受けて、
約2時間の講演を行ってきた。
地方の学校で、年二回の東京合宿があるらしく、
その中の一コマを担当。
代々木のそばの参宮橋にある「国立青少年オリンピックセンター」にて。
ここに来るのは数年ぶりだ。
中では様々な合宿や研修が行われており、
企業や大学生、太鼓の会やスポーツなどのサークルも練習に使っている。
ここは東京オリンピックの時、確か宿舎に使われた場所だったと記憶している。
広大な施設なので、
恐らくこれぐらいの利用状況でも、赤字に違いない。
維持費が半端じゃないだろう。
国の施設ということは、これも税金?
ま、でもこれぐらい市民に使われているなら、野暮なことは言うまい。
様々なサークルなどが活発に活動していて、
若い人や子供の明るい声が響く光景は、
やはり良いものだ。
多少ハード的に無駄はあるが、
他の自治体にはもっともっと無駄な施設があるしねぇ。
ちなみに、今日の講演、
2時間の依頼なのに、勘違いして1時間半で終わらせちゃいました。
気付いてもあとの祭り。
引き返してまたしゃべるわけにもいかず。
学生さん、担当の方、大変失礼しました~っ!
ごめんなさい~っ!
フィットネスクラブ業界のベンチャー企業にいる知人から聞いた話。
フィットネスクラブにおいて大きな役割を果たしている、フリーのインストラクター。
エアロビクスを筆頭に、ダンス、格闘技系エクササイズ、その他もろもろ。
様々なインストラクタが存在する。
そんな中、インストラクターの中から、フィットネスクラブの正社員になりたがる者がチラホラ出始めているというのだ。
この業界には、本当の意味での「先人」がいない。
というのも、業界が始まって三十五年あまり。
途中、バブルが弾けたときに業界に見切りをつけて去っていった者も多く、
その頃をリスタートとすると、業界歴二十年そこそこの人が最長だろう。
つまりまだ、五十歳を過ぎた経験者はまだほとんどおらず、
特に男性インストラクターではさらに数が少なく、
「先人の動向」をまだ見るチャンスが圧倒的に少ないのだ。
だから「自分はこの先どうなっていくのだろう」と不安になるのだろう。
何しろ、幸せになっている先人を見たことがないのだから、当然といえば当然だ。
しかし、現実には唐突に正社員を希望するのはかなり無謀といわざるを得ない。
いままで自分のレッスンだけのことを考えていれば良かったのが、
180度考えを変える必要がある。
フィットネスクラブに於いて「正社員」とは、将来的にマネジメントを委ねることを意味し、
単に業界に長くいる、ということはあまり意味がないのだ。
確かに30、40歳を越えると、
「今のようにいつまで動けるだろうか」と考えるのも、よくわかる。
大事なことは、急に「正社員になりたい!」ではなく、
「正社員になるにはどういう能力が必要で、それを身につけるにはどうしたら良いか?」
と、逆算して考えて、それから行動に移らなければならない。
逆の面から言えば、
先人たちが「インストラクターの将来像は、社員以外にもこんなパターンもあるぞ」
と示してやることも、ある種の責任なのだろう。
別途、歩く時間を取って試したり、
普段の生活の中で、歩くときの自分の身体の中の変化に耳をすませてみたり。
以前のエントリーでも書いたことがあったが、
競技選手であっても、水泳以外のスポーツは全て“歩くこと”が基本になっている。
もちろん、その前に正しく“立つ”事があるが。
基本的には、大地に対してどのようにどの方向に力を掛けて、それを自分の身体を通して反発させていくかが、
身体パフォーマンスの重要な要素だからである。
数年前から、武術系から派生した鍛練方法が話題になっている。
(ここ最近はやっと落ち着いたかな?)
その中でも、野球の桑田投手や陸上の末続選手が取り入れて話題になった「ナンバ」というものがある。
ここでは詳細は割愛するが、
普通は歩くときは出した脚と反対側の手を振り出すのだが、
ナンバは同側の手を出すようにし、捻らないように身体を使うものである。
詳しくは、ネット上でも調べられるでしょうから、そちらでお願いしたい。
ただ、最近思うのは、
「このように動かした方が良い」という指導はいかがなものか?ということだ。
先入観を一切なくし、
身体が完全に脱力した状態で、
手が主導とか脚が主導とか、子供の頃から叩き込まれた概念を払拭していくと、
「身体は、本当は“こんな感じで”動きたいのではないか?」
という感覚になることが分かってきた。
敢えて筋肉的に言えば「腸腰筋」から動く感じ。別の言い方をすると、日本古来からの「腰から」動き出す感覚である。
そうすると、不思議なことに、
一般的な「脚と反対の手を前に振り出す感じ」にならない。
いや、正確には、肘から先はそのような動きになるのだが、
二の腕と肩甲骨は脚と一体化して“動きたがっている”ことがよく分かる。
文章だけでは説明が難しいが、前腕、上腕、肩甲骨が全て分離して動く感覚になる。
人はつい「このように動くのが良い」と考えがちになるが、
実際には「脚と同側の手を出して、捻らないのが“ナンバ”」ではなく、「身体が本来、どう動きたがっているか、“内なる声に耳を傾けた結果”が“ナンバ”」
ではないかと思うようになった。
いや、ナンバに限らず、どう動くべきかは、実は自分の身体が知っているのだと思える。
操体法を創始された「橋本敬三先生」がおっしゃる“原始感覚”とは、このことだろう。
話しがやや飛ぶが、操体法について少し。
――原始感覚とは、人間が忘れ去ってしまった身体感覚。
野生の生き物には備わっており、人も本来は持っていたもの。
「どのように動くのがナチュラルなのかの感覚であり、身体が不調な時は、その原始感覚に従って動いてやる事で、“歪体”を“正体”に戻すことが出来る」
という理論に沿って構築されたのが“操体法”である。――
とはいうものの、その感覚が最も難しい。
また、これを人に伝えるのが、非常に困難を極める。
この通りの力の伝え方が、全ての競技にそのまま活きるとも限らない。
少なからずアレンジメントが必要になる。
だが、それを考えるのが、これまた楽しい。
ま、こんな仕事してる人間は、大なり小なり変わり者なんで。
今週号のアエラを読んでいて目に留まった記事。
「雇用バブル『希望格差』職場」。
IT企業を支える工場の労働力のほとんどが、
正社員でなく、「請負会社」からの派遣スタッフだということだ。
要は“日雇い労働者”で、企業が採用・労務管理などを外注しているようなもので、
雇用の調整を外部委託している仕組みである。
仕組み上は請負会社の社員だが、基本的には「ピンハネ業」であるため、
コストを減らすために保険にも入らず、有給休暇も有形無実。
それでも仕事が欲しい人は我慢して厳しい労働条件にさらされているらしい。
おまけに、将来の展望も無ければ、補償もない。
だが「有効求人倍率」という数字のマジック上では、
“仕事数は十分にある”ということになる。
あるフリージャーナリストが、その労働現場に従事し、体験ルポを書いたそうだ。
「アマゾン・ドットコムの光と影」という本。
私もちょっと読んでみた。
作業は、全国から受注を受けた商品を、
約100万点の在庫から探し出し梱包するということを延々とやるもの。
ネットショップの最前線も、結局は人海戦術という「超アナログ」というわけだ。
驚いたのは、全員にノルマがあるらしく、
一分で三冊。
梱包する際に必要事項を端末に入力すると、
「只今の作業スピード・一分あたり~冊」
と表示されるらしい。
まさに「作業マシン」と化すわけだ。
また普通の職場では当然問題になるような、
労働条件に関わる約束事の不履行も横行していて、
そのことを同僚に水を向けても「そんなもんでしょ」と。
皆が「怒る」ことすら忘れ、完璧な諦めムードだと言うのだ。
アエラの記事にもあったが、
「アマゾンで本を買う人」と、
「それを梱包すべく働く人」
とは別人種で、全く異なる階層になってしまっているのだろう。
また、そこで働く人は、“怒り”という、
エネルギーの発し方まで忘れてしまっているのが問題だ。。
最近、日本は外交問題でケチをつけられ続けているが、
腰の引けた対応は、こんなところに日本の国力の弱さの根っこがあるのかも。
怒りを忘れた日本人。
だが、「怒り」も一つのエネルギーの形態である。
少々、話が大きくなったが、
せめて「怒り」を忘れないでいられる環境に身を置いていたいものだ。
今日、トレーニングマシンのサプライヤー(製造・販売)企業の管理職の方と話をする機会があった。
トレーニング機器は様々な種類があるが、
その多くは「ウェイトトレーニング」のマシンで、
欧米製品が中心で、以前には日本製品も多くあったが、
採算が取れ難いこともあって、今では日本で製造しているメーカーも少なくなった。
需要は高齢化の波もあり、リハビリやケアセンターなどの新たなステージも増えつつあるものの、
やはり中心はフィットネスクラブになる。
企業や学生のスポーツチームの需要もあるが、
廃部・統合の渦巻く昨今、そちらの需要は全体のボリュームからすると、かなり小さい。
フィットネスクラブも、一見見ると市場が拡大しているようにも見えるが、
閉鎖・倒産も多く、それらが他のフィットネスクラブに取って代わっている現状も多く、
純増数はたいして多くなく、トレーニングマシンサプライヤー側としては、
それほど市場が拡大しているとは言い難い現状である。
そんな中で最近、サプライヤー側は更なる「値引き」を迫られている現状がある。
元々、欧米製品が強いこの市場で、
円高の状況もあり、価格的にも国産製品は苦戦を強いられている。
それで、フィットネスクラブ側は、強気に値引きを迫るのである。
まあ、これは経済の論理から言って仕方が無いことだが、
サプライヤーによっては、むしろ「赤字」で販売しているところも多く、
売れば売るほど損をする、という状況も多くある。
もちろん、「企業努力の不足」ということもあるのだろうが、
現状を聞くと、本当に大変だ。
一昔前は、本当にひどいものはひどいトレーニングマシンもあったが、
現在では、余程のことが無い限り、「ひどい商品」にお目にかかることは無くなった。
特にウェイトトレーニングのマシンにおいては、基本的に「重量を挙げて、降ろす」
という機能があれば良いわけで、
メーカーによって、著しい差はなくなって来ている。
要は、購入するクラブ側も、
「安くて、まあそこそこ見栄えが良ければ」ということにもなり、
機能で選ぶ、という部分は減ってきている。
また、クラブに入会しようとしている予備軍も含め、
エンドユーザーも「あのトレーニングマシンがあるから」という観点でクラブを選ぶ事は(人は」少ない。
(ほとんどいない、と言って良いだろう)
つまり「機能」で勝負できる部分が、かなり少ないのだ。
そこで、かなり無謀な値引き要求にも応じざるを得ない現状がある。
私、個人的には、「おいおい、そんなにサプライヤーをいじめなくても…」
とも思うが、安価で機能も変わらない商品がある以上、
仕方がない面もある。
自分だって、「ティッシュ」なんて5箱で300円を切るものを探して買っているし…
「○○社のティッシュじゃないと」なんて、こだわりは全く無い。
もちろん、肌触りにこだわりがある人はいるだろうが、
一般民衆のレベルでは、大多数が「安い」で選んでいるだろう。
トレーニングマシンも、ほぼ同様の位置付けなのである。
サプライヤーも、海外に製造拠点を移して、なんてユニクロみたいなことをやれば良いのかも知れないが、
ユニクロほどの品数がでる商品でもない。
対策も八方塞りなのだと思う。
「機能」「商品力」の差別化で勝負できない商売は、
本当に大変だと思う。
視点を変えるしかないのでしょうな。
実は、当の「フィットネスクラブ」も同様の状況になりつつある。
まさに「コンビニ」と同じで、「安い・近い」が重要なのだ。
ただし、近隣に同業が乱立した時に「商品力」が勝負の分かれ目になることはある。
「セブンイレブン」が強いのは、まさにそこだろう。
おにぎりや弁当を、他社と食べ比べてみれば、よく分かるはずだ。
好みはあるかも知れないが、味が圧倒的に違う。
でも、セブンが遠くにあったら、
近くの他のコンビニで済ます人もいるかも知れない。
いやあ、商売・ビジネスは難しい。
そんな中で今年もヘルスフィットネスジャパン2005が来週開催される。
トレーニング機器・健康増進機器関連の国内最大のコンベンションである。
ご興味のある方は、是非。
会場でお会いしましょう。
でも、私を見かけても、決してモノをぶつけないようにお願いします。







