2025年11月29日(土)に行われた国際親善試合:MS&ADカップ@長崎スタジアムシティ(ピーススタジアム)。

TBS系地上波生中継。

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なでしこJAPANは10月のヨーロッパ遠征で、イタリアと引き分け、ノルウェーに負け。

今年2月良い船出だったニールセン体制だが、少し暗雲が立ちこめている。

今回は、26人と少し多目のメンバー招集。
前回辞退した13北川選手

前回呼ばれなかった2遠藤(優)選手16三浦選手22石川選手の海外組と、

24成宮選手25中嶋選手26吉田選手の国内組を招集している。
前回招集組から、清水選手・籾木選手・遠藤(純)選手が外れている。

システムは4-3-3。インサイドセンター:19谷川選手は、最近活躍している報道をよく見る。他はいつものメンバー・いつもの配置。
ニールセン体制でスタメンが多い所では、3南選手14長谷川選手がベンチスタート。
14長谷川選手は少し怪我しているとのこと。



カナダ代表はFIFAランキング9位で、なでしこJAPANの一つ下。
同じく10月にヨーロッパ遠征して、スイスとオランダに共に1-0で敗れている。

東京五輪2020+1で優勝したカナダ代表は、やや世代交代が遅れているようだ。
今回のメンバーの平均Cap数は59(なでしこJAPANは37)、キャップ数100以上が6人(同1人)。
流石に大御所シンクレア選手は代表を引退したが、成功したチームあるあるで、年齢バランスはあまり良く無い。



 

前半開始後、なでしこJAPANが攻勢に出た。その後膠着したが、HT前に先制する。
後半は、なでしこJAPANが攻め続けて、2点追加し勝利している。

ボール支配率: なでしこJAPAN 52%-48% カナダ代表 (Yahoo Sportsnavi)

シュート状況は下図の通り。



 

なでしこJAPANは快勝。内容的にも非常に良かった。
高い位置でボールを取れているし、自陣でボールを奪った後は、早く行けそうか、いけなさそうなのかの判断が、的確だったと思う。
それにしても19谷川選手は重要な点を取れますね。
また、10長野選手の球離れが、2月のSheBelievesCupあたりから非常に良くなっていて、アウトサイドの選手が受けたときに余裕が出来ている。その余裕を活かせてなかったが、この試合は改善されていたと、私は思って見ていた。

難点が有ったとしたら、終盤投入されたI神戸組が空回りしていた事くらいかな?



一方、カナダ代表は世代交代中とは言え、ちょっと内容が無さ過ぎたと思う。

チャンスも有ったが、ほとんどセットプレー。
日本での国際親善試合は鬼門なんでしょうか。2019年9月も0-4で良い所無かった。
でも東京五輪は金メダルだし、方角では無さそう。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

なでしこJAPANは、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。
10月のノルウェー代表戦でゾーンを敷いたが、やはり気まぐれか、相手の要望だったのだろう。
マンツーマンに戻している。

カナダ代表は、MIXディフェンス。4人をゾーン固定配置している。



下表に、スタメンを身長順に並べる。



 

カナダ代表は欧米のチームとしては平均やや上くらい。
なでしこJAPANとしては毎度のことながら厳しいマッチアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.なでしこJAPANのコーナーキック

a)体制

キッカーは19谷川選手15藤野選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: -
・正面からファーへ: 6古賀選手5高橋選手8清家選手
・GK脇: 4熊谷選手11田中選手
・ショートコーナー: 15藤野選手
・コボレ狙い: 10長野選手7宮澤選手
・セーフティー: 13北川選手



b)結果概要

1本目 (15:09) 左CK 19谷川選手6古賀選手ヘディングシュート。右へ流れてGキック。
2本目 (55:11) 左CK 密集陣形 19谷川選手GKシェリダン選手キャッチ。
3本目 (78:01) 左CK 15藤野選手14ジル選手ヘディングクリア
7宮澤選手ヘディング→10長野選手15藤野選手ドリブル・8リヴィエール選手カット。再CK。
4本目 (78:39) 左CK 15藤野選手6古賀選手ヘディング折り返し→29ルヴァスール選手ヘディング→8リヴィエール選手クリア
17浜野選手ヘディング回収・ドリブル・クロス→14ジル選手ヘディングクリア
20松窪選手ボレーシュート→9ウイテマ選手カット・クリア
10長野選手回収→21守屋選手6古賀選手17浜野選手クロス→14ジル選手クリア
17浜野選手回収→7宮澤選手17浜野選手6古賀選手17浜野選手クロス→24コリンズ選手ヘディングクリア
10長野選手回収→15藤野選手クロス→(5高橋選手)。抜けてGキック。
5本目 (85:07) 左CK ショートコーナー 15藤野選手10長野選手トラップミス・11ヴィアン選手カット・逆襲→30ジュール選手ドリブル・21守屋選手カット→GK山下選手回収。再組み立て。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

10月の欧州遠征も、凝ったことはやっていなかったのだが、やりたいことを感じられた。
でも、この試合は何をしたいのか、よくわからなかった。
主力選手が海外クラブに所属するようになって、日本国内開催の試合に対して、セットプレーを合わせるのは、時間的にも難しいのかも知れない。
あるいは、本来背の高い相手には、ニアでタイミング勝負をしたいなでしこJAPANとしては、カナダ代表のニアが厚いMIXディフェンスは、攻めどころが無かったのかも。

 


ただ、1本目 (15:09)が少し惜しかったような気もする。
セットした状態でマークの付いていない6古賀選手がフリーでヘディングの体勢に入ったが、4ザドルスキー選手が体を寄せてきて、シュートは軽く触っただけになったプレー。

 


実はそのファー側で、8清家選手とピックプレーして、5高橋選手29ルヴァスール選手のマークを剥がしてフリーだった。
6古賀選手が触れずに抜けてきたら、チャンスだったかもしれない。




B.カナダ代表のコーナーキック

a)体制

キッカーは16ソニス選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 13アウージョ選手12ローズ選手
・正面からファーへ: 25リーガン選手17フレミング選手4ザドルスキー選手
・GK脇: 15プリンス選手27ウォード選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 29ルヴァスール選手
・セーフティー: 8リヴィエール選手



b)結果概要

1本目 (20:36) 左CK 16ソニス選手GK山下選手パンチング。再CK。
2本目 (21:55) 右CK 16ソニス選手→ゴール前を越えてルーズボール
4ザドルスキー選手回収・ドリブル・クロス→GK山下選手パンチング。15プリンス選手ファール。
3本目 (29:26) 右CK 16ソニス選手4ザドルスキー選手ヘディングシュート→15プリンス選手カット・シュート・19谷川選手ブロック・27ウォード選手6古賀選手19谷川選手クリア→7宮澤選手4ザドルスキー選手。スローイン。
4本目 (58:55) 右CK 16ソニス選手4ザドルスキー選手ヘディングシュート。浮いてGキック。
 

 

5本目 (65:17) 左CK 16ソニス選手GK山下選手パンチング。再CK。
6本目 (65:50) 右CK 16ソニス選手9ウイテマ選手ヘディングシュート→7宮澤選手クリア
8リヴィエール選手回収・20松窪選手カット・ドリブル・戻し→15藤野選手。組み立て。
7本目 (89:56) 左CK 16ソニス選手→。直接Gラインを割ってGキック。
8本目 (91:33+) 左CK 16ソニス選手GK山下選手パンチング→20松窪選手クリア。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

カナダ代表は、6本目までは、ファーサイドの4ザドルスキー選手(または、9ウイテマ選手)狙いだった。
3本目 (29:26)、4本目 (58:55)で、4ザドルスキー選手4熊谷選手のマークを剥がしてフリーでヘディングシュートしている。
いずれも、17フレミング選手4熊谷選手にスクリーンを掛けている。枠には飛ばなかったが、良い企画だったと思う。
3本目を図にしておく。



4ザドルスキー選手が、一旦ゴール前に詰める。
そこから、17フレミング選手4熊谷選手にスクリーンを掛けて、引き返した4ザドルスキー選手がフリーになっている。

実は4熊谷選手が治療中だった2本目 (21:55)も同じように、17フレミング選手5高橋選手にスクリーンを掛けている。3本連続で4ザドルスキー選手はフリー。
回避が易しくは無いピックプレーだが、4熊谷選手5高橋選手8清家選手のコミュニケーションと状況分析力が不足しているし、HTでのコーチの分析と指示が無かったのだろう。
4本目のシュートだけは、絶対に防がなければならないプレーだったと私は思う。



以上です。



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目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29

2-5 局面的な技術:パターン③ ブロック&ラン 2015/12/10

 



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【ハイライト】なでしこジャパン vs カナダ女子代表|2025.11.29 長崎スタジアムシティ(ピーススタジアム)|MS&ADカップ2025
https://www.youtube.com/watch?v=po6UHkmWmb4

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女子代表親善試合 11/29(土)15:30 長崎スタジアムシティ(ピーススタジアム) 日本 3 0 カナダ
https://soccer.yahoo.co.jp/japan/category/women/game/2025112922/summary?gk=63

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【Match Report】なでしこジャパン、長崎でのカナダ戦は谷川萌々子らのゴールで3-0の勝利
https://www.jfa.jp/nadeshikojapan/news/00035814/