1月14日(日)に行われた準々決勝@広島広域公園 第一球技場。

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https://www.youtube.com/watch?v=y2sWN5nENLA

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マイ仙台は、WEリーグ7節まで、2勝5敗、7得点14失点。
@EL埼玉・@N相模原に勝ち、I神戸・@新潟L・東京NB・大宮V・@千葉Lに負け。
厳しいスタートになって11位と、もがいている。
STATSを見ると、シュート数50本:11位(被92本:12位)、コーナーキック数23本:9位(被34本:9位) と押されていて、内容的にも苦しい戦いをしている。
昨年夏に多数の選手が退団、駒数・質ともに低下、特にアタッカー不足となる。

24遠藤選手が台頭したが、沢山採った外国人選手は今のところ機能していない。

この試合のシステムは4-2-3-1。
先発メンバーはこのところよく見る選手たちだが、右SBに27田畑選手、右SHに6原選手が入っていて、少し弄っている。
リーグ戦ここまで全休の7隅田選手、ここ2節登録の無い18バウティスタ選手、5節登録の無い30佐々木美選手は、久々のベンチスタート。
なお、外国人選手で唯一稼働していた3オケケ選手は、この大会に登録が無い。



S広島Rは、WEリーグここまで2勝2分け3敗、8得点10失点。
@大宮V・N相模原に勝って、@千葉L・東京NBに分け、@AC長野・EL埼玉・浦和に負け。
カップ戦を制した勢いは無くなり8位。
ここまでのSTATSは、シュート数57本:8位(被87本:11位)、コーナーキック数24本:8位(被41本:12位) で、こちらも苦しい内容。
S広島Rも昨年夏に大量の選手を放出。補強した3選手は機能しているが、駒数的に余裕がないところで主力に怪我が出て、リーグ戦スタートで躓いている。
だが、33瀧澤選手が復帰・フル出場するようになったし、9上野選手の調子が上がって3試合連続得点。チームとしても、やっと上向いて来たところ。

システムは、4-3-3だったが、先週から3-4-2-1採用していて、順当なメンバーで順当な配置。
14松本選手はベンチスタート。
先週に続いて20島袋選手の姿がベンチにはなく、それで3バックにしているのかも知れない。



 

前半、均衡した攻防で膠着気味だったが、S広島Rが優勢になって先制点。
後半も、S広島Rが押し込んで進めていて、そのまま勝ちきっている。

シュート状況は下図の通り。



 

マイ仙台は、ほぼ完敗。
コーナーキックから、19分は先制点が無効になった(後述する)し、61分にもハンドでPKぽいプレーが有って、判定的な運もなかったと思う。

だが、流れの中では、序盤を除けば、ほとんど攻撃の形を作れなかった。
守備もバックラインが引き気味になって、プレスが効かなくなったし、躱された後のスペースも与えていた。前半の半ばにして勝つのが難しい内容となり、その後も修正出来なかった。

これでマイ仙台はウィンターブレーク。
まずは攻撃の整備が最重要課題だろう。
この試合のように、左SB4高平選手のサイド攻撃を封じられると、次の手が無い。特に3バックのチームには、苦しい戦が続くと思われる。

この試合で7隅田選手が交代出場で復帰、ブレーク明けからは稼働率も上がるだろうし、
17佐々木里選手も復帰するだろう。
だが、それだけでは中盤で推進力は不十分だろう。
また、昨年の松窪選手のような前戦で頑張れる選手も必要だ。
この冬の間に良い補強が出来ないと、このままリーグ戦は下位に沈むと思う。



S広島Rは、これでC大阪・マイ仙台と下して準決勝進出、相手は浦和。
9上野選手は3試合連続得点で、他のシュートも枠内に多く飛んでいて、好調。
33瀧澤選手もキレを取り戻して、良いアクセントになっている。
ただ、13高橋選手はカップ戦ほどキレていないし、11中嶋選手もWBだと勝手が違ってか、もう一つの内容。この2人が頑張らないと、難敵:浦和は厳しいだろう。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

マイ仙台は、ゾーン固定配置5人のMIXディフェンス。
いつもは6人目をPKスポット近辺に置くのだが、この試合はマンマークへ回している。

S広島Rは、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。



 

両チームの先発を背の順に並べると以下の様になる。



 

ゴール前で競る選手たちは、ほぼ互角の範囲のマッチアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー

A.マイ仙台のコーナーキック

a)体制

キッカーは10中島選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 20廣澤選手
・正面からファーへ: 19佐藤選手26西野選手5國武選手27田畑選手
・GK脇: 6原選手25太田選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 24遠藤選手
・セーフティー: 4高平選手

b)結果概要

ポインタは Youtubeの時間。

1本目 (19:4 ポインタ33:39) 左CK 10中島選手→(26西野選手ヘディングシュート・ゴール)。25太田選手ファール。
2本目 (39:18 ポインタ53:53) 左CK 10中島選手→(6原選手)。Gラインを直接割ってGキック。
3本目 (60:28 ポインタ1:31:3) 右CK 10中島選手6左山選手26立花選手9上野選手18渡邊選手ヘディング→19佐藤選手9上野選手13高橋選手9上野選手逆襲→(33瀧澤選手5國武選手。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

1本目 (19:4 ポインタ33:39)、26西野選手のヘディングが決まったかに見えたが、25太田選手GK木稲選手へのファールを取られてノーゴールになったプレー。
私はノーファールだと思うのですけれどね。



動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=y2sWN5nENLAfeature=youtu.be&t=2014

25太田選手GK木稲選手を押しているとの判定だが、ほとんど25太田選手は動いていないので、場所取りの範囲。
GK木稲選手の邪魔になっているのは、むしろ身方:23柳瀬選手の方。
バスケットボール経験者の私が見るから、セーフだと思えるのですかねぇ・・・。



B.S広島Rのコーナーキック

a)体制

キッカーは33瀧澤選手(左利き)18渡邊選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 6左山選手13高橋選手
・正面からファーへ: 9上野選手5市瀬選手3呉屋選手
・GK脇: 23柳瀬選手
・ショートコーナー: 18渡邊選手
・コボレ狙い: -
・セーフティー: 11中嶋選手26立花選手

b)結果概要

ポインタは Youtubeの時間。

1本目 (16:31 ポインタ31:6) 右CK 33瀧澤選手GK松本選手キャッチ。23柳瀬選手ファール。
2本目 (30:6 ポインタ44:41) 右CK 33瀧澤選手GK松本選手キャッチ。
3本目 (32:3 ポインタ46:38) 右CK 33瀧澤選手GK松本選手パンチング→13高橋選手ヘディング→3呉屋選手ヘディングシュート→5國武選手カット・GK松本選手キャッチ。
4本目 (45:28 ポインタ1:0:3) 左CK 18渡邊選手10中島選手ヘディングクリア。スローイン。
5本目 (66:8 ポインタ1:36:43) 右CK 33瀧澤選手26立花選手ミドルシュート→5國武選手ヘディング・カット。再CK。



6本目 (66:52 ポインタ1:37:27) 左CK 18渡邊選手19佐藤選手クリア→24遠藤選手
33瀧澤選手回収→11中嶋選手クロス→GK松本選手キャッチ。
7本目 (69:51 ポインタ1:40:26) 右CK ショートコーナー 33瀧澤選手18渡邊選手26立花選手クロス→GK松本選手キャッチ。
8本目 (71:57 ポインタ1:42:32) 右CK 33瀧澤選手10中島選手クリア。スローイン。
9本目(89:12 ポインタ1:59:47) 右CK 時間潰し 33瀧澤選手18渡邊選手24遠藤選手33瀧澤選手26西野選手23柳瀬選手6左山選手11中嶋選手7隅田選手5市瀬選手。スローイン
 




c)全般的な印象と特記すべきプレー

今期のS広島Rは何らかの企画をやっていることが多くて、この試合も、ショートコーナー・ミドルシュート・密集陣形とバリエーション豊か。
特に5本目 (66:8 ポインタ1:36:43)の26立花選手のミドルシュートは、外側が手薄になるMIXディフェンスを攻めるのには有効な手段だと思うし、実際良いシュートが打てていた。

さらに、ピックプレ-も3回やっていて、5市瀬選手(ブロッカー:9上野選手)、13高橋選手(密集をループ)、5市瀬選手(ブロッカー:6左山選手)とパターンも毎回違っていて、多彩。


でも、ゴールキーパーに処理されることもを多くて、私には意図が伝わって来ないんですよね。
33瀧澤選手が蹴りに行く前に、何やら受け手と話をしているのだけれど、アバウトなやりとりだけで、点を取るための明確なイメージを共有できていないように思う。

なので、この試合で、詳細に分析したくなるようなプレーは有りません。

千葉Lがちゃんと仕込んでくる時は、8岸川選手をメインターゲットに設定して、守備のどこをどう攻めるのか明確に決めている。だから記事にしやすい。
でも、この試合のS広島Rは、それとは対称的でした。




以上です。



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ブログ内関連記事

 

目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29

2-6 局面的な技術:パターン④ ループ 2015/12/18

 

4-300 WEリーグ S広島R 0-2 マイ仙台 2021/09/20

4-424 WEリーグ マイ仙台 3―2 S広島R 2023/05/30

4-436 WEリーグCUP S広島R 4―1 マイ仙台 2023/08/29


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関連記事など、外部リンク

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【LIVE】第45回皇后杯 マイナビ仙台レディース vs.サンフレッチェ広島レジーナ|準々決勝|Match No.42
https://www.youtube.com/watch?v=y2sWN5nENLA


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皇后杯 JFA 第45回全日本女子サッカー選手権大会 準々決勝 サンフレッチェ広島レジーナ
2024年1月14日(日) 13:00 キックオフ 広島広域公園第一球技場 マイナビ仙台レディース 0 ‐ 1 サンフレッチェ広島レジーナ
https://www.mynavisendai-ladies.jp/leagues/leagues-5415

S広島R_HP
1.14 日 13:00 準々決勝 vs. マイナビ仙台レディース OTHER広島広域公園第一球技場 サンフレッチェ広島レジーナ 1 対 0 マイナビ仙台レディース
https://www.sanfrecce.co.jp/regina/matches/20240114/report