09月02日(土)に行われたWEリーグCUP第2節。@熊谷スポーツ文化公園陸上競技場。

WEリーグ公式チャンネル(Youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=O6IhbeOtCAU

 


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下の表は、2022-2023リーグ戦における各選手の先発回数の総和と、出場時間の総和が、
この夏の移籍によって、どう増減したかを示したモノ。
(引退や移籍がなければ1.00。参入のC大阪は事情が異なる)



 

多い目の選手を放出したEL埼玉と、平均的な入替が有った大宮Vの試合。



EL埼玉は、昨期前半は健闘していたが、春になって後退、結局2年連続の最下位に沈んだ。
この夏、8園田選手(新潟L)らを獲得したが、それ以上に多くの選手が退団した。
主力では、河野選手・加藤選手・三浦選手・西川選手らがチームを離れたが、WEリーグ参入以来多過ぎた選手が、ようやく普通の人数に落ち着いたとも言える。
ポジション的に言うと、バックス陣はほぼそのままで、アタッカーがより薄くなった印象。
連続最下位のチームが2年連続ろくな補強をしていないのは、非常によろしくない。
リーグから圧力を掛けていないとしたら、それも問題である。

前節@新潟Lで、DF6瀬野選手を1TOPに置いた4-2-3-1の配置で戦った。
アタッカーが薄くなったので、6瀬野選手をコンバートしたのだろうが、
あまり機能せず1-4で大敗、内容的にも良いところ無く終わっている。
この試合は8園田選手4橋沼選手が先発しているが、基本システムは変わらず。
1週間でどの程度改善できたか見物である。



大宮Vは昨期渋く戦い、少ないチャンスをしっかり決めきって、終盤に4位まで上がったが、最後維持できず6位。
この夏に、高橋選手・大熊選手らが退団して、11阪口選手19船木選手らを獲得。
選手のポジション的な厚みは、ほとんど変わらずに今シーズンを迎えている。
チーム発足以来常時4・5人が怪我で離脱し、やり繰りに苦労していたが、
10五嶋選手も、もうそろそろ復帰するだろうし、今期は初めて選手が揃いそう。期待したい。

前節、(W杯組が休みだった)I神戸に快勝。内容的にも良いスタートを切っている。
システムは4-2-3-1。先発8人を入れ替えてきた。
6有吉選手13仲田選手19船木選手はベンチスタート。
3鮫島選手8上辻選手9井上選手15林選手は登録外。



 

試合開始後は大宮Vが攻勢だったが、EL埼玉が盛り返して先制。
後半は、流れが行ったり来たりしながらの互角の戦い。
EL埼玉が追加点を取って快勝している。

シュート状況は下図の通り。



 

EL埼玉は、スローインとフリーキックから2点取って勝利。
前プレスが上手く嵌まったシーンも多く有って、全体的にはチャンスを作れていた。
今シーズンキャプテンを務める10吉田選手は攻守に大活躍。代表に呼ばれても良いように思う。また、8園田選手も移籍後初得点するなど良い動きだった。
ただ、6瀬野選手は追加点のオウンゴールを誘発したものの、1TOPとしては機能せず、
と言うよりも、前戦のマトとして使える攻撃パターンになかなかならない。
さらに、29祐村選手に至っては、ダメな日だったようで、良い所無し。安定して力を出せないのは改善していない。
勝利はしたものの、監督さんの手応えとしては、優先順位の高いモノは得られていないように思う。



一方の大宮Vは決めきれずに完封負け。再三のチャンスを逃し続けてしまった。
だが、若い選手を多く使った割に、ビルドアップとか、最後の崩しとかは、そこそこ出来ていた。
特に、33大島選手のスピードは魅力的で、10吉田選手とのマッチアップは見応えがあった。

このチームに欠けていた要素であり、大きな収穫だったろう。
負けたとは言え、こちらは、監督さんが今期戦って行く上で、期待できそうなプレーが沢山出ていたと思う。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃態勢

EL埼玉は、マンツーマンディフェンス中心にゾーン固定配置2人。

大宮Vは、1-4-3(+1)のゾーンディフェンス。
いつもは、ニアサイドにもう1人(破線)置いた10人守備をするのだが、

33大島選手のスピードに期待して、前戦に残している。



先発を背の順に並べると以下の様になる。



 

互角の範囲のマッチアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー



A.EL埼玉のコーナーキック


a)体制

キッカーは5瀬戸口選手8園田選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。


・ニアへ: 20岸選手2木下選手
・正面からファーへ: 6瀬野選手19金平選手
・GK脇: -
・ショートコーナー: 8園田選手
・コボレ狙い: 29祐村選手30吉谷選手
・セーフティー: 10吉田選手3松久保選手


b)結果概要

ポインタはYoutubeの時間。

1本目 (16:50 ポインタ26:59) 右CK 5瀬戸口選手5乗松選手ヘディングクリア→33大島選手逆襲・ドリブル・10吉田選手カット→3松久保選手クリア。スローイン。
2本目 (23:15 ポインタ33:24) 右CK 8園田選手20岸選手ヘディングシュート→(左へ外れる)
19金平選手回収・クロス→5乗松選手ヘディンク→20岸選手30吉谷選手4橋沼選手
2木下選手回収→5瀬戸口選手フィード→2坂井選手ヘディングクリア
29祐村選手シュート。右へ外れてGキック。
3本目 (35:44 ポインタ45:53) 左CK 5瀬戸口選手6瀬野選手ヘディングシュート・2坂井選手ブロック→11阪口選手ヘディングクリア。再CK。
4本目 (36:7 ポインタ46:16) 左CK 5瀬戸口選手19金平選手ヘディングシュート。浮いてGキック。
 

 

5本目 (62:16 ポインタ1:30:43) 右CK 5瀬戸口選手5乗松選手ヘディングクリア
4橋沼選手回収→5瀬戸口選手16北川選手11阪口選手5瀬戸口選手。スローイン。
6本目 (73:17 ポインタ1:41:44) 右CK 5瀬戸口選手→(G前を越えてルーズボール)
20岸選手回収ドリブル・クロス→(G前を抜けて)
5瀬戸口選手回収・クロス→GK今村選手パンチング→19船木選手33大島選手10吉田選手。スローイン。
7本目 (83:6 ポインタ1:51:33) 右CK 5瀬戸口選手6瀬野選手ヘディングシュート。右上に外れてGキック。




c)全般的な印象と特記すべきプレー

3本目 (35:44 ポインタ45:53)と7本目 (83:6 ポインタ1:51:33)で、6瀬野選手にチャンスが有ったが、ともにシュートは枠に飛ばなかった。
戦略的には特に記載するようなことは無かった。

ただ、33大島選手の逆襲vs10吉田選手のスプリント勝負は見所有った。

動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=O6IhbeOtCAU&t=1614s

こう言うプレーが多く出ると、観客数は増えるでしょうね。



B.大宮Vのコーナーキック

a)体制

キッカーは11阪口選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 16北川選手5乗松選手
・正面からファーへ: 2坂井選手7西澤選手
・GK脇: 33大島選手
・ショートコーナー: 18田嶋選手
・コボレ狙い: 30吉谷選手
・セーフティー: 26杉澤選手28柴山選手

b)結果概要

ポインタはYoutubeの時間。

1本目 (6:1 ポインタ16:10) 右CK 11阪口選手→(2坂井選手7西澤選手シュート→2木下選手クリア⇒26杉澤選手ヘディング→7西澤選手・19金平選手。7西澤選手ファール。
2本目 (18:19 ポインタ28:28) 左CK 密集陣形 11阪口選手→2木下選手ヘディングクリア→8園田選手ヘディング・クリア→10吉田選手
26杉澤選手回収→30吉谷選手。再組み立て。
3本目 (47:26 ポインタ1:15:53) 左CK 11阪口選手→5瀬戸口選手ヘディングクリア
18田嶋選手回収→11阪口選手クロス→2木下選手→5瀬戸口選手クリア。スローイン。
4本目 (52:36 ポインタ1:21:3) 左CK 11阪口選手→2木下選手ヘディングクリア
18田嶋選手ヘディング→7西澤選手11阪口選手クロス→2坂井選手ヘディングシュート→GK浅野選手キャッチ。

 


5本目 (66:16 ポインタ1:34:43) 左CK 11阪口選手→GK浅野選手パンチング
19船木選手ヘディング→7西澤選手・3松久保選手ブロック→7西澤選手シュート・2木下選手ブロック。再CK。
6本目 (66:56 ポインタ1:35:23) 左CK 11阪口選手→20岸選手ヘディング→10吉田選手・30吉谷選手
19船木選手回収・クロス→3松久保選手クリア→18高橋選手逆襲→14植村選手→5瀬戸口選手ロングフィード28柴山選手クリア。組み立て。
7本目 (94:34 ポインタ2:3:1) 右CK 11阪口選手2坂井選手ヘディングシュート。左へ外れてタイムアップ。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

2本目 (18:19 ポインタ28:28)のゴール前密集陣形の攻め方は、良かった。
コーナーキックの戦略など、ほとんど見せない大宮Vなので、私が好評価をするのは、記憶にないくらい珍しい。

ニアポスト前を空けておいて、そこに5乗松選手2坂井選手が走り込んだが、間に入った2木下選手がクリアしたプレー。



動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=O6IhbeOtCAUfeature=youtu.be&t=1703


もうちょっと短くても長くても1点モノでした。

7西澤選手16北川選手GK浅野選手のニア側に立って蓋をしている。
5乗松選手は密集を壁に使ってニアヘ。マークの6瀬野選手は全く追えていない。
2坂井選手5乗松選手を追ってニアヘ。やはりマークの20岸選手16北川選手が壁になって遅れている。

空けて置いた場所に、2人がフリーで走り込むことに成功している。

このプレーはピックプレ-を使っているし、シンプルでもあるので、
守備側にとってみれば、かなり防ぎにくいと私は思う。

大宮Vとは思えない見事なプランである(失礼)。



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ブログ内関連記事

 

目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29

2-6 局面的な技術:パターン④ ループ 2015/12/18


4-315 WEリーグ 大宮V 0-0 EL埼玉 2021/11/15


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関連記事など、外部リンク


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ちふれASエルフェン埼玉 vs 大宮アルディージャVENTUS【2023-24 WEリーグカップ グループステージ 第2節 グループB】
https://www.youtube.com/watch?v=O6IhbeOtCAU

【公式】ハイライト:ちふれASエルフェン埼玉 vs 大宮アルディージャVENTUS【WEリーグカップ GS 第2節 2023.9.2】
https://www.youtube.com/watch?v=rO-naujvd_0


EL埼玉_HP
【ちふれサンクスマッチ / '23-24 WEリーグカップ 第2節】9/2(土) vs 大宮V戦 試合結果
https://www.as-elfen.co.jp/information/1684/

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2023.9.2 [SAT] 18:00 熊谷陸 EL埼玉 2 - 0 大宮V レビュー
https://www.ardija.co.jp/ventus/match/232102/