2023Ｗ杯が終了し、スペイン代表が優勝。
なでしこＪＡＰＡＮはフェアープレー賞、宮澤選手が得点王に輝いています。
まず、観客動員は1,978,274人。よく入りました。
動員（収容）率でまとめると下表になる。
６４試合中１６試合満席、４０試合で９０％超えと言う凄まじい数字。
なお、最低は、なでしこＪＡＰＡＮ vs コスタリカ代表戦の２７％。
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このブログでは、なでしこＪＡＰＡＮの５試合を記事にしてきましたが、
その他の試合も、全コーナーキックを見て、データーを採り、まとめました。
（グループリーグ第３節（４試合/日）は、正直ついて行くだけで、精一杯でした。）
（１）今大会のトピックス
－ＭＩＸディフェンスを多くのチームが採用、ゾーンディフェンスも様変わり－
私が女子サッカーを注目して見始めたのは、北京五輪からだけれど、その頃からコーナーキックの守備は、かなり変わってきている。
北京五輪の頃はゾーン固定配置２・３人のマンツーマンが主流だった。
だが、2011Ｗ杯の決勝の澤さんの同点弾が余程こたえたのか、
アメリカ代表がゾーンディフェンスを使い始める。
それが波及し、2020+1東京五輪では、ランキング上位国の６チームがゾーンディフェンスを採用、と私は思っている。
今大会では、以下の様な状況だった。
①ゾーン固定配置人数を4～5人とするＭＩＸディフェンスを多く確認した。
②ゾーンディフェンスも変化が見られ、要注意の攻撃選手に対しマークを付けるようになっている。かつてのように、全員がボールオンリーで守っているチームは無くなっている。
③大会で明らかに、システムを変えたのはオランダ代表（vsアメリカ代表戦）だけ。
他のチームも相手に合わせて調整はしているが、抜本的には変更せず継続、大会を終えている。
（２）今大会のデータ
コーナーキックからの１次攻撃で２１本のゴールが決まっていて、過去の大会並みの決定率。２次・３次攻撃を含めると２８点が生まれています。
Ａ．全般
概容に関わる数的なモノをまとめます。
得点率などは、ほぼ平均的な数字だと思います。
Ｂ．各国の攻守成績
下の表にシュート率・被シュート率をまとめた。
なお、ここで言う一次攻撃とは、ゴール前にボールが来て、それをシュート出来たかどうかと言う数字。リバウンドや混戦状態からのシュートを含まない。
トータルとはプレーが一段落付くまでのこと。プレーが止まったり、上がっていたバックス陣が帰陣したりするまでの、２次・３次・・・攻撃を含んだもの。
全体的に言うと、一次攻撃のシュート率２４.9％は標準的な値。
（私が普段ＷＥリーグなどで採っているデータでは２３.8%。）
攻撃では、スウェーデン代表の４得点は凄まじい。
シュート状況で言えば、ナイジェリア代表、アメリカ代表、イングランド代表などが、良い数字を出している。
Ｃ．各国の攻撃戦略
今大会、各国の使った攻撃戦略を下表にまとめます。
ゾーン固定配置人数を増やしてきたチームが多く、このブログで重点的に見てきたピックプレ－は極端に少ない大会になっています。
Ｄ．各国の守備シフト
下の表は、各チームの守備シフト状況を調べたモノ。
各国をゾーン固定配置の平均人数順に並べてみた。
過去の私のデータ採取方法を引きずって、マンツーマン・ゾーンで分類をしている。
だが、今大会では、ゾーン固定配置人数は連続的で、仕切りを置くのは困難な状況で有る。
なお、各チーム、ゾーン固定配置とマンマークの人数は決めているのだろうが、
実際は攻撃側の布陣によって、色々変わる。
①ゾーン固定配置された選手が、ショートコーナーに対応しに出て行く。
②コボレ対応の攻撃選手のマークマンが、ゴールエリア付近まで下がる。
etc。
それらを加味した数字である。
こうしてみると、なでしこＪＡＰＡＮやスペイン代表は従来通りのマンツーマンを採用しているが、サッカー先進国としては、少数派である。
また、下の分布図２つは、各国のゾーン固定配置人数と被シュート率（１次・トータル）を示したもの。
①サッカー先進国の方が被シュート率が低い（良い）傾向に有る。
（当然のこと。）
②１次攻撃を見ると、ゾーン固定配置人数と被シュート率にほとんど相関はない。
３－１５ の内容と一致。
③ゾーン固定配置人数が増えていくと、トータルの被シュート率が悪くなっている傾向。
（１次攻撃：やや右下がり、トータル：やや右上がり）
対象ＣＫが少ないので、確かなことは言え無いが、
ゾーンディフェンスは、サッカー先進国でも、リバウンドや２次・３次攻撃に対する守備は難しいと言えそうな図になっている。
なお分布の外周部に有る国は３文字略称を付したが、全てに付すとややこしくなるので、中央付近のモノは省略した。
グラフ中の凡例はゾーン固定配置人数順に並んでいるので、Ｂ．の表と見比べながら、補完して下さい。
Ｄ．ゴールリスト
以下に、1次攻撃の得点リストを示します。
ＦＩＦＡ＋のハイライトがいつまで視聴可能か判りませんが、興味のある方は、ご覧下さい。
私が独断と偏見でベストゴールを選ぶなら、スペイン代表7CARMONA選手のSemiFinal：vsスウェーデン代表戦８９分のミドルシュートでしょうね。
守備が少し集中力を欠いた所で、アイコンタクト。キッカーと息が合ったのは素晴らしい。
試合の重さ、終盤で同点の局面など、状況的要素も有って、見ていて震えましたね。
1. アメリカ代表(得点者:11SophiaSMITH選手←SULLIVAN選手）
7月22日GroupE vs ベトナム代表 時間 51分9秒+
2. デンマーク代表(得点者:9AmalieVANGSGAARD選手←HARDER選手）決勝点
7月22日GroupD vs 中国代表 時間 88分32秒
3. スウェーデン代表(得点者:13AmandaILESTEDT選手←ASLLANI選手）決勝点
7月23日GroupG vs 南アフリカ代表 時間 89分10秒
4. オランダ代表(得点者:3StefanieVAN DER GRAGT選手←SPITSE選手）決勝点
7月23日GroupE vs ポルトガル代表 時間 12分32秒
5. ドイツ代表(得点者:11AlexandraPOPP選手←BUEHL選手）
7月24日GroupH vs モロッコ代表 時間 38分2秒
6. アイルランド代表(得点者:11KatieMcCABE選手←McCABE選手）直接ＩＮ
7月26日GroupB vs カナダ代表 時間 10分32秒
7. アメリカ代表(得点者:10LindseyHORAN選手←LAVELLE選手）同点弾。美しい。
7月27日GroupE vs オランダ代表 時間 61分50秒
8. オーストラリア代表(得点者:14AlannaKENNEDY選手←COONEY-CROSS選手）
ＧＫ参加が、功を奏す。
7月27日GroupB vs ナイジェリア代表 時間 99分10秒+
9. スウェーデン代表(得点者:13AmandaILESTEDT選手←ANDERSSON選手）
ニアに厚いゾーンディフェンスだったが、守備選手が競りに行けず、ＧＫの邪魔になった悪い例。
7月29日GroupG vs イタリア代表 時間 38分29秒
10. スウェーデン代表(得点者:14FridolinaROLFO選手←ANDERSSON選手）
7月29日GroupG vs イタリア代表 時間 43分38秒
11. スウェーデン代表(得点者:13AmandaILESTEDT選手←ANDERSSON選手）
高く強く上手いヘディング。
7月29日GroupG vs イタリア代表 時間 49分16秒
12. フランス代表(得点者:3WendieRENARD選手←BACHA選手）
決勝点、エースが手薄な大外を攻め、キックもピタリと合わせている。
7月29日GroupF vs ブラジル代表 時間 82分4秒
13. ジャマイカ代表(得点者:4ChantelleSWABY選手←CARTER選手）決勝点
7月29日GroupF vs パナマ代表 時間 55分14秒
14. コロンビア代表(得点者:2ManuelaVANEGAS選手←SANTOS選手）
決勝点、ゾーンディフェンスの外側で中距離ヘディングシュートが決まる。
7月30日GroupH vs ドイツ代表 時間 96分20秒+
15. ザンビア代表(得点者:3LushomoMWEEMBA選手←CHITUNDU選手）
7月31日GroupC vs コスタリカ代表 時間 2分8秒
16. コスタリカ代表(得点者:7MelissaHERRERA選手←ALVARADO選手）
7月31日GroupC vs ザンビア代表 時間 46分42秒
17. オーストラリア代表(得点者:16HayleyRASO選手←COONEY-CROSS選手）
7月31日GroupB vs カナダ代表 時間 38分48秒
18. イタリア代表(得点者:18AriannaCARUSO選手←GIUGLIANO選手）
同点弾。ニアサイドで美しいヘディング、流れてきたところを押し込む。
8月2日GroupG vs 南アフリカ代表 時間 73分21秒
19. スペイン代表(得点者:19LaiaCODINA選手←ABELLEIRA選手）
8月5日Round of 16 vs スイス代表 時間 44分8秒
20. オランダ代表(得点者:6JillROORD選手←SPITSE選手）
8月6日Round of 16 vs 南アフリカ代表 時間 8分8秒
21. スペイン代表(得点者:7OlgaCARMONA選手←ABELLEIRA選手）
決勝点。セーフティーの位置から上がって行って、クイックスタートを受け、ミドルシュートを突き刺す。
8月15日Semi Final vs スウェーデン代表 時間 88分55秒
以上です。
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