2018年からMycujoo配信やなでしこリーグのYouTube配信が始まり、2020年は全試合YouTube配信、WEリーグ:2021-2022からはDAZNとなり、各チームを均等に観戦できるようになりました。

マイ仙台に関しても、合計57試合、攻撃237本・守備263本のデータを蓄積しています。

 

以下にマイ仙台の2022-2023WEリーグのコーナーキックの状況の概容と、2023-2024の予想を記載していきますが、原則下図のような配置を基に述べていきます。

 

 
  青字:15試合以上先発した選手         赤字:新加入選手
  緑字:15試合以上出場した選手         緑字:2種登録 
  橙色:10試合以上出場した選手
  赤字: 5試合以上出場した選手
  黒字: 上記以下の選手
  下線:引退・移籍など
  * :冬期入団選手
 
下図はコーナーキックの隊形の例。
第21節:2023/06/03
 
(1)2022-2023シーズンの全般傾向。
 
リーグ戦で1得点(2失点)。
そこそこ守れてはいたが、攻撃に軸になる形が無く、工夫と言ってもショートコーナーくらい。
だが、攻撃も守備もシュート打ち率・被弾率で見ると良いデーターが採れていて、10中島選手のキック精度と、平面戦での守備陣の奮闘の結果だと評価している。
 
 
レベルを(A)~(E)で評価。あくまで私の視点です。
 
① 高さ関係:かつてはリーグ1だったが・・(D+)
身長は10人平均で161.3cm。G前で競り合う選手では5國武選手(161cm)が4番目で、3番手になることもしばしば。
 
② 軸になる攻撃:ニアでの合わせ。(C)
2021-2022シーズン当初までは、ニアでの浜田選手の合わせだったが、怪我離脱・移籍。
その後の軸と呼べる強力な矛はない。
2022-2023シーズンを前に獲得した15ブラトヴィッチ選手(174cm)に期待したが、走り込んで合わせる技術もなく、平面戦もほとんど出来なくて、メインターゲットにはなり得なかった。
だが、特に誰と言うことは無いが、ニアでの合わせで先着できていて、平均を上回るシュート率になっている。
 
③攻撃の工夫・戦略:ショートコーナーを試みたが・・・(C)

戦略はキッカー任せで、受け手との連携らしきモノも無かったが、キッカーの経験値によるアドリブで平均点?

ショートコーナーは左CKで多く試みたが、ほとんど守備に迫られて、苦しまぎれにクロスを上げていただけ。

 

④守備力:高さの不利を平面戦でカバー(B)
2022-2023は6人固定のMIXディフェンス。
高さ的には厳しいが、走り込む相手選手にマンマークで付く各選手の平面戦の頑張りも有って、平均より良いシュート被弾率。
3市瀬選手・22万屋選手ら守備力に定評のある選手は勿論、新戦力の17佐々木選手・28松永選手も相手エース級の自由を奪っていたと評価する。
 
 
(2)データ
 
A.なでしこリーグ・リーグカップ、WEリーグ公式記録より
 
 
B.独自収集データより
あくまで、私が観戦・ブログ化した試合が対象ですし、独断と偏見で判断して集めたデータです。
①集計表とシュート率・被シュート率のグラフ2枚
②左右CKの集積図
③コーナーキックの位置分布と先着分布
 
 
 
 
 

 
 

 

イメージ 1

 

 

(3)詳細評価

 

以下話が長いです。興味のある方は読んでいただければ幸いです。

 

A.攻撃詳細
 
2022-2023リーグ戦で1得点。8矢形選手のゴールのみ。
 

フリー先着率は(11.4%/平均15.9%)と余り良く無いが、シュート打ち率は(31.4%/平均23.8%)と健闘。

2021-2022シーズンは2.9%・11.4%と不毛に近かったが改善している。

 
a)ニアでの合わせ(B)
 
以前からニア狙いの傾向が強いチームだったが、独自データでは、70%をニアサイド~ニアポスト前に蹴っている。特にニアサイドで11本中7本先着と良い数字。ただ、枠内シュートはゼロ。
ニアへ先頭で走ったのは5國武選手14回、3市瀬選手が7回。
10中島選手が短か目に蹴って合わせて居たので、さほど背の高くない選手でも先着できた
理由だと思われる。
強力とは言え無いが、効果は見られたという所。
 
b)中央からファーでの競り(C-)
 
そもそも3割しか蹴られていない。
シーズン当初は15ブラトヴィッチ選手(173cm)に期待したが、地上戦で勝てず、落下点に入れなかった。
19佐藤選手(170)・4高平選手(166)・28松永選手(165)らも、あまり強いとは言え無い。
 

 

c)ショートコーナー・ローボール(D)

 
2022-2023年、ショートコーナー4本(35本中)、ローボールは無かった。
守備の目先を変える程度の意味合いで、ミドルシュートを狙ったり、切れ込んでいったりはしていない。
 
 
d)キッカーと戦術選択(B+)
 
2022-2023は基本的には移籍してきた10中島選手が蹴っている。
独自集計では、10中島選手(19/12)、17佐々木選手(0/4)。(左/右)
 
10中島選手のことは今更記載するまでもないが、高倉体制なでしこJAPANのメインキッカー。
その中で高卒新人の17佐々木選手が右CKを蹴っているのは特記すべきこと。
テクニシャンと言うより、パンチの効いたボールを蹴っているように思う。
 

 

e)ピックプレー(B)
 
2022-2023は独自データで10回(35本中)で、頻度的には千葉Lについで2位。
2021-2022は偶発的な1回しか確認していなかったが、なぜ増えたのか理由は分かりません。元々市瀬選手ら使える選手は居たので、使おうと思えば使えるメンバーではあった。
その効果も有って、ニアでの合わせが出来るようになったと思われる。
 
 
f)ゴール前密集隊形(C-)
 
2022-2023リーグ戦で7回確認している。(2021-2022では2回)
ただ、普通に密集目掛けて蹴っているだけ。
競りで特別な強さを見せる選手はいないので、何か工夫をすべきだが、
GKの動きを抑えるわけでも、空いた周囲のスペースを使う分けでもなかった。
 

g)相手ゴールキーパーの守備範囲限定(B)
 
GK脇にセットするのは、冬期中断前は9宮澤選手が最も多かったが、明けてからは高卒新人の14松窪選手。
14松窪選手は155cmと小柄だが、場所取りが結構上手い。ジャンプ力も有ってヘディングテクニックも有る。良く効いていると評価している。
 
 
h)その他
 
特にはない。
 

B.守備詳細
 
a)基本守備体系
 
2022-2023シーズンはMIXディフェンスを採用。
G前を5人で固めて、PKアークに9宮澤選手。
マンマークは、ショートコーナーを14松窪選手、
ゴール前に走り込んでくる相手選手に、3人:8矢形選手・17佐々木選手・4高平選手(あるいは20廣澤選手・25船木選手ら)を付けた。
3人なので、相手4人目・5人目を余らせている。
 
MIXディフェンスに変わったのは、世界的な流行も有るのだろう。
だた、ここ数年で、強いストーン(浜田選手・白木選手)が居なくなったことは影響していないと思う。松田前監督はI神戸の指揮を執っているとき、伊藤選手・中島選手の2人をゾーン固定に置いたことも有るので。
 
 
b)各選手の傾向・特徴
 
このチームのディエンスリーダーの5國武選手が、ゴール正面に入って、MIXディフェンスのゾーン配置部分を主導する形。他のゾーン固定配置選手は、適材適所と言うところ。
 
ゴール前に走り込む相手選手をマークする3人は密着マークを主にする選手になるのだろうけれど・・・。
 
 
c)マンツーマンのマークの強さ(C+)
 
このチームは身長が高くないが、しっかり平面戦を頑張れる選手が多く居る。
その中から3人がマンマークを受け持つわけだが、
8矢形選手(17回)・17佐々木選手(10回)・4高平選手(7回)と言うところが、平面戦を戦っていて、独自評価が4.85とかなり良い。
4高平選手・17佐々木選手が、4.20・4.27で非常に優秀。17佐々木選手は高卒でこの値は特筆モノ。
 
そのマークから溢れた選手にも、ゾーン固定配置の選手が競り掛けるわけで、
・フリーで到達を許したのが10.8%(全データ平均15.9%)はかなり良く、
シュート被弾率も18.9%(全データ平均23.8%)とまずまず。
2021-2022が被弾率28.1%、2015からの合計で22.8%なので、MIXディフェンスは効果的だったと言うことになりそう。
 
 
d)ゾーン配置選手(ストーン)の強さ(A-)
ゴール前に配置した5人だが、
高さの有る19佐藤選手(170cm)をニアポスト前に、カバーディフェンスに長けた5國武選手をゴール正面に置いて、基本この2人で対応している。
 
 
e)逆襲力(B)
宮澤選手をPKアーク付近に配置しているので、10人守備の割には反撃能力はある。
 
 
f)統制(B+)
5國武選手が指示しているので、統率は取れている。
2021-2022までは、メンバーチェンジ後、右往左往する選手も居たが、見なくなった。
 

(4)過去の傾向・推移
 
a)キッカー
2015・2016年:嘉数選手・中野選手で左右使い分け。
2017年:嘉数選手・佐々木繭選手・ゴリー選手の併用。
2018年:奈良選手中心。
2019年:隅田選手中心。
2020年:佐藤瑞選手中心。
2021-2022:長野選手中心。
2022-2023:中島選手、右CKは佐々木選手と併用。
プレースキッカーとしては悪くないが、頻繁に代わっているし、球質の変化も大きい。
キッカーが代わっても、戦術的に変化は無く、工夫は少ない。
 
b)ヘディング力
チーム創設以来、大型選手を集めてきたので、継続して強かった。
だが、機動力のある選手を増やしている方向で、WEリーグになって平均を割り、2022-2023は、はっきりリーグ下位。
 
c)攻撃のメインターゲット・頼れるプレー
2016年川村選手が5点取った。ニアで色々なパターンを使って良い攻撃を展開していた。
2017年川村選手の米国リーグ挑戦で、以来浜田選手が核になっていた。
2022-2023はメインターゲットと呼べる選手はいなかった。
 
d)ピックプレー
2016年は川村選手を活かすようなピックプレーが多く見られていた。
 
2017年以降はあまり見られなくなっている。
北原さんや市瀬さんはブロッカーの役目は果たせるが、浜田選手らフィニッシャーに使える選手がいない。
2021-2022は市瀬さんくらいだったが、2022-2023急に増えている。
 
e)守備の統制
2022-2023シーズンはMIXディフェンスにして、マークは簡単になって、統率度があまり重要ではなくなったことも有って、無難な守備をしていたと思う。
 
 
(5)2023-2024シーズンの予想など

 

冒頭の図のフォーメーションなら10人平均で160.8cm、競り合う5人平均で163.4cmとなって、空中戦は相変わらず厳しいだろう。

 

ただ、期待の若手14松窪選手がノースカロライナカレッジにレンタル。

また、時の人:9宮澤選手は海外のBIGクラブも狙っているだろう。

外国人選手を積極的に獲得する球団でも有るので、

攻撃陣がどういうメンバーになるか現状流動的。

 

なお、3市瀬選手・22万屋選手の引退で、守備力が低下しそうなことは確実。

 

(2023/08/10時点)。

 

 

 

履歴
 2020/01/20 作成(アーカイブ)
 2021/03/13 更新(アーカイブ)
 2022/08/17 更新(アーカイブ)
 2023/08/10 更新
 
以上です。
 

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