2018年からMycujoo配信やなでしこリーグのYouTube配信が始まり、偏りはあるものの、かなり各チーム均等に観戦できるようになりました。
マイナビに関しても、コーナーキック本数で2017年18本、2018年26本、2019年24本と採取したデータが増えています。
ただチーム成績の低迷に伴い、1試合当たりのコーナーキック数も減って、他チームに比べると大きくは増えていません。
 
⑴ 2019年シーズンの全般傾向。
 
リーグ・リーグカップ戦で4得点(5失点)で、リーグ5位。
高身長を生かし切れていないと言える。
 
レベルを(A)~(E)で評価。あくまで私の視点です。
 
① 高さ関係:リーグ1だったが・・(B)
2019年シーズン開幕戦の先発メンバーには、浜田選手(173cm)・三橋選手(173)・坂井選手(171)・奈良選手(166)・小野選手(166)など高身長選手が並んでいたし、他にも北原選手(173)・佐藤楓選手(170)・白木選手(170)らも、主力メンバーとして戦っていて、常時3人は170cm以上の選手が出場していた。
シ-ズン半ばから、持久力とアジリティー重視の選手起用がなされ、4人目・5人目辺りの身長が低下し、トータルで見ると浦和の方が強くなったと評価している。
 
② 軸になる攻撃:ニアの浜田選手狙い(C)
ニアに浜田選手を走り込ませ、そこを狙っている。
ただし、隅田選手の低く強いボールとの相性は、私には疑問。
高身長のチームは綺麗に合わせるより、競って勝つことに期待して良いと思う。
 
③攻撃の工夫・戦略:小細工をしない(C)

高さで勝てる自信から、ショートコーナー数が少ないし、ピックプレーもやらなくなった。

 
④守備力:マンツーマンの成績は抜群(B)
シーズン途中にゾーンディフェンスからマンツーマン中心のディフェンスに変更されている。
独自集計したマンツーマンの守備機会は14だが、シュート被弾は0。
 
 
A.攻撃詳細
 
2019年リーグ・リーグカップ戦で4点。

点を取ったのは、浜田選手・坂井選手・奈良選手・佐藤楓選手で各1点。

 

ただ、私の独自データを見ると、非常に特徴的なチームで、

フリー先着率は並(25%/平均28.3%)だが、シュート打ち率は非常に高い(33%/平均25%)。

身長が高いので、フリーになりきれなくても、シュートは打てるのだろう。

 
a)ニアでの合わせ(C)
 
以前からニア狙いの傾向が強く、浜田選手が軸。
独自データでは、対象の24本中16回で浜田選手ニアへ先頭で走り込んでいる。
ただ、キックと合ったのは5本のみと平均的。
その内、3本はフリーで先着、1本は競り勝っているので、キッカーとのコミュニケーションや球質の相性が良くなれば、もっと結果は出そうでもある。
 
しかし、ニアでの合わせを重視するより、中央からファーでの競りを試みた方が、身長を活かせると私は思うのだが・・。
 
b)中央からファーでの競り(C)
 
身長の高い選手が多ので、高い勝率が見込めるはずだが、
2019年はキッカーがそこへ蹴ることが非常に少なかった。
24本中6本、内2本はGKにキャッチされている。

 

 

c)ショートコーナー・ローボール(-)

 
2019年に独自集計した24本にショートコーナーやローボールは無かった。
身長を活かしたハイボールを中心に攻める方が効率的と考えているのだろう。
また、ドリブル突破力に期待できる選手もいないので、使わないことは妥当なこと。
 
d)キッカーと戦術選択(D)
 
2019年は基本的には隅田選手が蹴っている。
シーズン当初は離脱していたので、独自集計では以下のようになった。
隅田選手(8/5)、奈良選手(0/5)、樫本選手(4/0)、松井選手(2/0)。(左/右)
 
隅田選手はパンチの効いた良いボールを蹴る。日テレやなでしこJAPANでも蹴っているし、良いキッカーだと思う。
だが、強いボールでニアを狙うことが多かったのは、身長で優勢なマイナビにとって効率的とは思えない。もっとファーサイドを狙うべきだし、ニアなら優しい目でも良いと思う。
点で合わすことより、競らせて勝つことを中心に私なら考える。
(末尾の集積図を参照)

 

e)ピックプレー(D)
 
北原選手、市瀬選手ら、使える選手は居るが、あまりやらない。
浜田選手のニアをより効率的にするなら、ピックプレーを使えば良いと思う。
 
f)ゴール前密集隊形(B)
 
2019年7本(約3割の採用率)で、1点取った。シュートも3本。
もっと増やしても良い。
ただ、各選手ボールをもらいに動き過ぎ。キーパーの動きを制約するために2人は残しておいた方が良い。

g)相手ゴールキーパーの守備範囲限定(C)
 
GK脇にセットするのは、私の記録では井上選手が最も多かった。
他に、安本選手・白木選手・宮本選手なども入っている。
メンバーが固まらなかったので、この役目は色々な選手が務めている。
 
身長の高い選手は、比較的上手く場所を取っている。
ただ、専門家のような選手は居ないので、効いているとは言えない。
 
h)その他
 
特にはない。
 

B.守備詳細
 
a)基本守備体系
①ゾーンディフェンス
 2018年からゾーンを採用、2019年もゾーンで始まった。
170cm以上の選手を3人・4人と並べるので、ゴール正面は抜群に堅い。
 
だが、高さに頼ったゾーンで、ゾーンの外側へのケアが希薄。
ニアサイド、ファーサイドから比較的近距離のシュートを浴びることが多かった。
 
②マンツーマンディフェンス
2019年は秋から、マンツーマンに切り替えた。
9人守備で2名のゾーン固定配置。
固定配置するのは、主に以下の通り。
ニアポスト脇:隅田選手。
ニアポスト前約5m:浜田選手。
 
③ショートコーナーには、積極的には対応しなかった。
 
b)各選手の傾向・特徴
 
走り込む相手に対応しているのは、CB2人(北原選手・坂井選手・市瀬選手ら)とFW1人(白木選手・小野選手ら)とSBに入った大型選手1人(佐藤楓選手・三橋選手ら)と言うのが、私の独自
記録では多かった。
 
内、市瀬選手、北原選手は柔軟なディフェンスが出来ている。
他は基本密着守備をするタイプが多い。
 
c)マンツーマンのマークの強さ(B)
 
・被シュート打ち率:マンツーマンで良かった
独自集計データで2019年はゾーンで23.1%、マンツーマンで0%(トータル11.1%:データ全体平均は25%)と非常に良かった。
過去5年間で見るとマンツーマンの被シュート打ち率は23.7%だから平均的。
2019年の被コーナーキック14本で被弾0と言うのは、偶然っぽい。
 
・マーク力
平面的な動きに関して言うと、独自集計では普通という結果になっている。
(独自集計で5.8点:最高はI神戸の5.4点。
採点は、3点完璧なディフェンス勝ち、4点ディフェンス勝ち、5点イーブン、6点オフェンス勝ち、7点オフェンスフリー、8点オフェンス"ど"フリーで評価。
ただ、攻撃側が途中で止めるケースが多く、上手く評価できたかは自信有りません。)
 
平面的には普通でも、高さでカバーしたということなのでしょう。
 
・ヘルプディフェンスは、結構出来る。
CBの市瀬選手・北原選手・坂井選手は視野広く守っている。
だが、ゾーンディフェンスでは、他の選手がゾーンの外周のケアを担当していたので、おろそかになっていた。
 
d)ゾーン配置選手(ストーン)の強さ(B)
浜田選手がしっかり構えている。強さ・高さはリーグ1。
ただ、浦和の菅澤選手に比べると、全体が見えていない。
フリーでニアに走って来られても、見えていないことも多い。
 
e)逆襲力(D)
主力にドリブル突破が強い選手が居ないし、スピードのあるアタッカーも不在。
 
f)統制(C)
まずまずなのでは無いかな?
マークミスを出すことは少ない。
 

(2)この約5年間の傾向・推移
 
A.個人の力の増減

a)キッカー
2015・2016年:嘉数選手・中野選手で左右使い分け。
2017年:嘉数選手・佐々木繭選手・ゴリー選手の併用。
2018年:奈良選手中心。
2019年:隅田選手中心。
プレースキッカーとしては悪くないが、頻繁に代わっているし、球質の変化も大きい。
キッカーが代わっても、戦術的に変化は無いので、工夫は少ない。
 
b)ヘディング力
チーム創設以来、大型選手を集めてきたので、継続して強い。
 
c)攻撃のメインターゲット・頼れるプレー
2016年川村選手が5点取った。ニアで色々なパターンを使って良い攻撃を展開していた。
2017年川村選手の米国リーグ挑戦で、以来浜田選手が核になっている。
 
 
d)ピックプレー
2016年は川村選手を活かすようなピックプレーが多く見られていた。
 
2017年以降はあまり見られなくなっている。
北原選手や市瀬選手はブロッカーの役目は果たせるが、浜田選手らフィニッシャーに使える選手がいない。
 
e)守備の統制
良く訓練されているのは変わらない。
 
(3)2020年シーズンの予想など

 

辛島監督も変わらないし、大きく変わらないと思う。

ディフェンスはおそらく、2019年秋からのマンツーマンを継続すると思う。

(2020/01/20時点)。

 
 
(4)データ
 
A.なでしこリーグ・リーグカップ公式記録より
 
 
 
B.独自収集データより
あくまで、私が観戦・ブログ化した試合が対象ですし、独断と偏見で判断して集めたデータです。
①集計表とシュート率・被シュート率のグラフ2枚
②左右CKの集積図
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 

履歴
 2020/01/20 作成
 
以上です。
 

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