2021-2022WEリーグに新規参入したS広島R。
この2年余りに23試合、攻撃・守備ともに98本のデータを採取しています。
 
以下にS広島Rの2022-2023のコーナーキックの状況の概容と、2023-2024の予想を記載していきますが、原則下図のような配置を基に述べていきます。
 
 

長期離脱:
GK 21巻2022/3〜6ヶ月&2022/8~6週、GK22藤田2021/5〜2023/3、DF25塩田2023/06~5ヶ月
引退
MF19齋原2023/06
退団
DF2松原優2023/06I神戸、DF5木崎2023/02東京NB、MF7川島2023/06N相模原、MF8増矢2023/06I神戸、FW13谷口2023/06湯郷ベル、MF14山口2023/06千葉L、DF16久保田2023/1愛媛L、DF18松原志2023/06海外挑戦、DF24内田 2023/1湯郷ベル

(2023/07/12現在)

 

 

攻守の配置の1例を示します。

第20節 2023/05/27

 
 
(1)2022-2023シーズンの全般傾向。
 
リーグ戦で4得点(2021-2022は無得点)、失点1(同3失点)と良くなっている。
 
攻撃に関しては、G前密集陣形・なでしこトレイン・ニアポスト前複数配置など、配置で色々工夫していて、AC長野に次いで多くの企画を実施している。
 
 
 
レベルを(A)~(E)で評価。あくまで私の視点です。
 
① 高さ関係:まずまず(B-)
10人平均で162.3cmで平均的。
スタメンレギュラーでは17大内選手が最長身で168cmと170cmを越える選手は居ないが、165cm超の選手が多く、守備の際の穴はない。
 
② 軸になる攻撃:まだ無い(C-)
ニアサイド~ニアポスト前85.3%(全データ平均47.7%)とニア偏重とも言えるの配球。
6左山選手・9上野選手・25塩田選手らを、ニアへ走らせていた。
ただ、傑出した強さやテクニックを持っているわけでもないので、軸と呼ぶ程でもないと評価する。
 
 
③攻撃の工夫・戦略:工夫は多くやっていた(B)

2022-2023シーズンで、頻度的に言うと最も工夫していたのがS広島R。

ショートコーナー10回、G前密集陣形14回、ピックプレー3回など、約8割のコーナーキックで何らかの工夫を見せていた。

ただ、工夫と言ってもシンプルなモノが多く、あまり深く練られてはいなかった。

 

 

④守備力:まとまっていた(B+)
シュートを打たれる割合が、2022-2023は14.8%と平均(23.8%)とよく守れている(独自集計)。
 
 
 
(2)データ
 
A.なでしこリーグ・リーグカップ、WEリーグ公式記録より
 
 
 
B.独自収集データより
あくまで、私が観戦・ブログ化した試合が対象ですし、独断と偏見で判断して集めたデータです。
①シュート率・被シュート率の集計表とグラフ2枚。
②左右CKの集積図
③位置・先着率分布表
 
 
 
 
 

 

 

 

イメージ 1

 

 

(3)詳細評価

 

以下話が長いです。興味のある方は読んでいただければ幸いです。

 

A.攻撃詳細

 
2022-2023リーグ戦で4得点。33瀧澤選手2、6左山選手、13谷口選手。
昨期は無得点だったので、進歩。

 

私の独自データでも、シュート打ち率18.6%(平均23.8%)、フリー先着率18.6%(平均15.9%)と並みだが、昨期の(14.3%/14.3%)より少し向上している。

 

a)ニアでの合わせ(C)
 
6左山選手・9上野選手・25塩田選手らを、ニアへ走らせて、そこに85.3%(全データ平均47.3%)ボールを集めている。ニア偏重と言うべき状況。
軸のプレーにしたかったようだが、先着率で見ると並み。期待ほどの効果を上げていない。
 
このチームはピックプレーに長けた中村選手をブロッカーに使って、上野選手や左山選手を走り込ませたる方が、得策だと思う。
 
 
b)中央からファーでの競り(D)
 

17大内選手(168cm)・6左山選手(167cm)・9上野選手(166)らがいるので、そこそこ戦えると思うのだが、先着率20%と(全データ平均33.6%)と冴えない。

また、それ以前の問題でほとんど狙っていない。

正面~ファーサイドでの競りで勝てそうな相手にも、頑なにニア狙いを貫くのはいかがなモノかと思う。

 
 

c)ショートコーナー・ローボール(D)

 
昨期1回しかやらなかったショートコーナーを8回(+時間つぶし2回)確認している。
特に工夫は無かったが、急に増えている。
ローボールは私がブログにした試合では1回のみだったが、第1節に33瀧澤選手のミドルシュートで得点している。

 

 
d)キッカーと戦術選択(C-)
 
2021-2022シーズンから継続して小川選手がメインキッカー。右CKで33瀧澤選手が蹴ることも有る。
二人ともあまり特殊な球種を蹴るタイプでは無い。
 
 
e)ピックプレー(D+)
 

2022-2023では3回確認。昨期の8回から激減で、頻度的には1/4以下に減っている。

 

ニアからの流しをブロックされないように、マークを外しきるためにピックプレ-を使うというのが、私に言わせれば普通の考え。
なので、集積図を見てもブロックされてるんですよね。
 
 
f)ゴール前密集隊形(C)
G前密集陣形を16回確認していて、昨年(9回)に引き続きリーグ1位。
第2節:2022/10/30に6左山選手の得点も有った。
 
だが、普通に密集に向かって蹴るイメージの戦略だった。
AC長野や千葉Lのように、「守備選手をG前に集めておいて、その外側を使う」というような工夫は確認できていない。
 

g)相手ゴールキーパーの守備範囲限定(C-)
 
8増矢選手・10近賀選手・17大内選手・20島袋選手らが、GK脇にセットしていて、特に誰か専任が居るわけではない。

誰も配置しない場合も有って、戦略上重要視はされていない。

 
 
h)その他
 
特にはない。
 

B.守備詳細
 
a)基本守備体系
① 基本は、マンツーマンディフェンス。10人守備。
ゾーン固定配置は以下のパターン。
・ニアポスト前:11中嶋選手
・ニアポスト前約5m:FWの選手(9上野選手・17大内選手ら)。
 
②ショートコーナーには、あまり積極的には対応しない。
 
 
b)各選手の傾向・特徴
 
フォーメーションを冒頭の図だとし、記述する。
・走り込む相手に対応しているのは、3中村選手・6左山選手・15小川選手・25塩田選手らだが、基本は密着守備タイプ。
ただ、3中村選手は柔軟に対応していて、距離を取ることも多い。
 
c)マンツーマンのマークの強さ(A-)
 
平面戦の評価はチームで 5.14(リーグ平均で5.2)とまずまず。
**採点は、3点完璧なディフェンス勝ち、4点ディフェンス勝ち、5点イーブン、6点オフェンス勝ち、7点オフェンスフリー、8点オフェンス"ど"フリーで評価。
 
フリーで先着を許したのが、7.4%と平均(全データ15.9%)と良好。
シュートを打たれる割合が、14.8%と平均(同23.8%)と良好(独自集計)。
 
3つの指標を見る限り、2022-2023リーグ戦はよく守れていた。
 
 
d)ゾーン配置選手(ストーン)の強さ(B-)
 
9上野選手、17大内選手らはリーグでも強い方に入る。
 
 
e)逆襲力(B)
 
10人守備をやるチームなので、逆襲能力は基本的に低い。
33瀧澤選手のドリブルは魅力だし、11中嶋選手とドリブルで・・と言う期待を期初に持ったが、
11中嶋選手がニアポスト脇に入るようになって、それは無くなっている。
 
 
f)統制(B)
中村選手中心に良く統率されている。
だが、中村選手がピックプレーの目標にされたりして、自分の事で手一杯になってしまうと厳しい。
ゾーン固定配置(ストーン)2人はFWの選手で、指示は余りだしていない。
また、中村選手がヘルプを必要とした時、誰もできないし、のが、現状だと思う。
 

(4)過去の傾向・推移
チーム結成2年目なので省略
 
a)キッカー
b)ヘディング力
c)攻撃のメインターゲット・頼れるプレー
d)ピックプレー
e)守備の統制
 
 
(5)2022-2023シーズンの予想など

 

冒頭記載のように多くの選手が移籍などで退団していったが、高橋選手(大宮V)・市瀬選手(千葉L)・松本選手(N相模原)を獲得した。

おそらく市瀬選手が先発で、3中村選手が控えに回るので、初期の守備統率には不安が付きまとうだろう。

また、25塩田選手がリーグ戦開幕には間に合わないだろうから、高さ的にも不安を持ってのシーズンインになると思う。

どこかで落ち着いてくるのだろうが、それがいつになるかが課題だと思う。

 

攻撃に関しては特に変わらないと思う。

 

(2023/07/12時点)。

 

履歴
 2022/09/04 作成 (アーカイブ)
 2023/07/13 更新
 
 

 

以上です。
 

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